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【連載第24回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
シリーズ初搭載のマルチプレイを遊び尽くせ!!
リバティシティを更に楽しむための遊びの数々を紹介
「Grand Theft Auto IV」 (後編) |
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- ジャンル:アクションアドベンチャー
- デベロッパー:Rockstar North
- パブリッシャー:Rockstar Games
- プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360
- 価格:59.99ドル(北米版)
- レーティング:ESRB:Mature(17歳以上推奨)
- 発売日:2008年4月29日(発売中)
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前回のゲーム本編の紹介に引き続き「Grand Theft Auto IV(以下、GTA4)」をレポートする。レポート後編では、今作より実装されたマルチプレイモードと、ゲームをより楽しく遊ぶための施設や小ネタなど、今遊んでいる人も、日本語版を首を長くして待っている人にも要注目の「GTA4」の奥深さに踏み込んでみたい。
今回大きくクローズアップするマルチプレイモードは「GTA4」の目玉要素の1つだ。シリーズ初の実装となったマルチプレイ機能は、ゲーム本編とは直接関係ない設定をつくりつつ、リバティシティという世界観のみを共有した、もう1つの「GTA」と言えるゲームだ。
製品発売以降、数多くのプレーヤーがマルチプレイに参戦しており、本編に負けず劣らずのアツい対戦を日夜繰り広げている。「GTA4」のマルチプレイの特徴は、ゲームの一要素にしかすぎないにも関わらず、多彩なゲームルールを持ち、プレーヤー側の様々な要望に応えてくれるボリューム満点の内容になっている点だ。
最大同時対戦人数は16人。ニコの持っている携帯電話からマルチプレイ用のオリジナルキャラクタを作ることができる。プレーヤーランキングが備わっており、対戦を通して得たポイント(=お金)が一定数たまるとランクアップし、装備や服装をアレンジすることができる。
ゲームは他のPS3やXbox 360ゲームと同じで誰か1人がホスト役になり、そこへ他のプレーヤーが参加してくる方式になっている。ホスト側は、交通量や他のプレーヤーにダメージを与えられるかどうかなど、ゲーム内の設定をある程度変更することが可能になっており、たとえば警察手配や同士討ちを一切排した設定で楽しむことも可能だ。
「GTA4」は発売日から現在まで延々とプレイし続けてるが、いまだに飽きがこない稀有なタイトルだ。その魅力は本編はもちろんのこと、今回紹介する様々な要素が合わさって、1本の偉大なゲームとして完成されているということをレビューから汲み取っていただければ幸いである。
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白熱のマルチプレイを楽しもう |
食べどころは盛りだくさん |
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ショーで気分をリフレッシュ! |
ビリヤードで親交を深める |
【お断り】 |
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当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
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■ シリーズ初!多彩なマルチプレイ。まずはプレーヤー個人の腕を試す
自分以外は全て敵な個人戦はポピュラーな対戦ルールであるデスマッチや、「GTA」ならではの醍醐味であるレースなど、全部で5つのゲームルールをサポートしている。シンプルさとお手軽さ、他のチームメイトに左右されない真剣さが個人戦の特徴だ。
▽デスマッチ
あらゆる対戦ゲームの中で最もポピュラーなルールがこのデスマッチだ。最大16人でリバティシティの一部分を舞台に、民間人を巻き込んでの銃撃戦を繰り広げ、制限時間内にもっとも多くのポイントを取ったプレーヤーの勝利となる。
マップ中に駐車してある乗り物は、クルマで敵プレーヤーを撥ね飛ばしたり、逃げる敵を追いかけたりする際に有効だ。銃や防弾チョッキなどは全てマップ上に落ちており、スポーツ系FPSと同様に、誰かが取得すると一定時間後にリスポーンするようになっている。店などは使用不可で、体力回復の際にハンバーガー屋に飛び込んでも利用できない。ひたすら自分の腕っぷしのみが頼りのシンプルで硬派なゲームモードと言えるだろう。
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デスマッチはシンプルだが、手堅く楽しめるゲームだ |
ヘリコプターは操縦が難しいので対戦にはあまり向かない |
▽レース
「GTA4」では2種類のレースが用意されている。大雑把に言うと普通の「レース」と“普通でない”「GTAレース」の2種類。普通のレースは、ホストが選んだコースや車種を使って規定の周回でトップを狙う、オーソドックスなレースモード。特筆すべき点はないが、アクションゲームの中で、突如として本格的なレースが展開されてしまう感覚が面白い。
もともと自由に移動できるマップの一部分をレース場に見立てているため、走る際にはコース上に表示されるチェックポイントをめがけて走って行くことになる。この辺はゲーム本編で展開されるレース内容と全く同じだ。
すべてのプレーヤーが同じ条件で対戦するため、純粋に走りのウマさとコースの習熟度が勝負を左右する。対戦人口も多く、特にバイクを使ったレースがアツい。飛行場内を使ったコースが人気で、移動している旅客機をかわしつつプレイするのが何とも面白い。指定された乗り物によってプレイ感覚が随分変わってくるのも「GTA4」レースの特徴だ。
▽GTAレース
“とてもGTAらしい”と言えるゲームが、この「GTAレース」だ。基本ルールは通常レースのままだが、レースに勝つためなら何でもできるという点が決定的に異なる。途中で他の乗り物に乗り換えてもよし、ライバルプレーヤーを蹴落とすためにクルマから降りてロケットランチャーで蹴散らすもよし、ショートカットするもよしと「GTA4」本編上で、できる事全てを駆使してレースに勝つという内容になっている。
レースでありながら敵を攻撃できるため、武器もコース上に点在していて、走りながらマシンガンを撃ってライバルのクルマを破壊して足止めするという荒業も使うことができる。ちょっと過激な「マリオカート」と言えばわかりやすいだろうか……。
各レースで選択できるコースの作りも趣向が凝らされており、走っているといかにも「飛んでくれ!!」と言わんばかりのジャンプ台が設置されていたり、「この建設途中の高速道路の先にはもしかしたら何か面白いことがあるんじゃないか?」と真剣勝負の途中でありながら、別の好奇心に駆られるシチュエーションに満ちている。全対戦ルール中、最もオススメしたいのがこの「GTAレース」だ。
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本格的なレースゲームにも負けない内容だ |
GTAレースでは武器の使用もOK! |
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ゴール目指して突撃あるのみだ |
こんな所にも!?と驚くような場所にも行ける |
▽マフィアワーク
タイトル名の通り、マフィアの一員として様々な課題を制限時間内にこなしてポイントを稼いでいくのが目的で、課題内容はクルマを盗んで目的地に届けたり、要人の乗ったクルマをエスコートしたりと様々だが、同じ目標を複数のプレーヤーと争う点がこのゲームのポイントになる。
例えばクルマを盗む場合は、まずそのクルマがある場所まで一目散に移動して人より先に奪い、目的地までの途中で追い縋ってくる敵プレーヤーを追っ払わなければいけない。追う側のプレーヤーは邪魔の限りをつくして目標に乗っている敵プレーヤーを排除して奪うという行為を繰り返していくことになる。
制限時間内により多くの課題をクリアしてポイントを稼いだプレーヤーが勝利となる。似たようなルールのゲームは色々あるが、やはり「GTA4」ほど精巧に作られた街中で、しかも交通量も多い中での対戦はアツい。レーダーを見ていかに素早く目的地までたどりつけるかが、このルールの勝敗を決するだろう。
▽カージャックシティ
マップ上にあるクルマを盗み、目的地まで運ぶというゲーム本編でブルーシーから受けられるサブミッションを対戦ゲーム化したのが、このカージャックシティだ。目的のクルマを盗んだら目的地まで無事運べればポイントを得ることができる。注意する点としてはダメージの度合いによって報酬額が減額されるため、できる限り少ないダメージで運んでいかなければならない。
ゲーム本編であれば競技性が無いため、ゆっくり時間をかけて移動すれば良いだけだが対戦になるとそうもいかず、交通量が多い中を猛スピードで、なおかつ傷をつけないように運ばなければいけないため、レースとはまた違った操作テクニックを必要とする対戦となる。
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マフィアワークスは課題内容は様々だ |
盗んだクルマを目的地まで運び終えた |
■ マルチプレイモードその2。チームワークで腕を競う
チーム戦は最大16名、8対8の2チームに分かれて対戦を行なうモードで、マルチプレイにおけるメインストリームと言える。各モードは他のFPSやアクションゲームでは定番のルールをGTAに落とし込んだ物が多く、ゲームファンであれば、ほぼ細かい前知識不要で即座に対戦を楽しめる。
全5モードのうち、「チームデスマッチ」、「チームマフィアワーク」、「チームカージャックシティ」の3つは個人戦にもあったルールのチーム版なので割愛させていただくとして、残る2つのモードを紹介したい。
▽コップス・クルックス
このモードは警察と強盗の2チームに分かれて戦うルールで、強盗側にはボス役が設定されている。ボス役のプレーヤーはランダムに振られ、強盗側はボスを警察に倒されないように指定の安全ゾーンまでエスコートすれば勝利となる。
もう一方の警察側はシンプルで、とにかく遮二無二ボスを探し出して仕留めればその場で勝利が確定する。ゲームはリバティシティ全域が舞台になるが、お互いのチームの出現地点はそんなに離れている訳ではないので、クルマで移動するにしても、ごく一部の地区だけで勝負がつくことがほとんどだ。
ゲームは警察・強盗の各チームを1回づつプレイして1セットとなる。強盗側はとにかくチームワークが必要で、ボス役のキャラクタが勝手気ままに単独行動したり、他のプレーヤーが何も考えずにてんでバラバラに戦闘をしたりすると、よほど戦闘に長けたプレーヤーがいない限り、警察側に集中攻撃されて終了するケースが多い。
警察側としては、最初の4人1組でパトカーに乗ってる状態のまま、いかに素早く強盗のところにたどりつけるかが決め手となる。警察側のレーダーは遠くからでも強盗の位置が表示されるようになっており、一気に乗り込んで一撃を食らわせるのが望ましい。というのも、一回倒されてリスポーンすると、1名単位で強盗のいるゾーンまで移動しないといけないため、各個撃破される可能性があるのと、移動に時間がかかる分、強盗側に逃げる余裕を与えてしまうためだ。
全体のゲームバランスはなかなか絶妙で、対戦としても楽しめるが、このモードはえてしてゲーム途中からチームデスマッチの様相を呈してくるため、ケイドロ遊びのような一種の鬼ごっこ的な遊びを楽しみたいのであれば、後述の「わかるプレーヤー」と一緒にリバティシティ中を追いかけっこした方が良いだろう。
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チームワークで敵を追い払う |
強盗側のボスを倒せば警察の勝利だ |
▽ターフウォー
ギャング同士の縄張り争いを対戦ルールに落とし込んだもので、要するにマップ中に複数点在する拠点を奪い合う陣取り合戦だ。制限時間内に敵チームより多くの拠点を占拠すれば勝利ではなく、拠点を奪ったり敵を倒した際に得られるポイント(お金)のチーム合計で勝敗がつくため、実は必要以上に拠点を守ることに注力しなくても良い。
拠点はその場所に行き、一定時間その場で待機していれば占拠することができる。拠点の範囲内にいる味方が多いほど、占拠までの時間が短くなり、拠点を多く占拠すれば、それだけポイントが上がりやすくなるため、このモードもチームワークの良さが決め手となる。実際のところプレイしてみても勝利するチームは常にまとまった行動をしており、単独でマップをチョロチョロ動いているプレーヤーはほとんどいなかった。
「BattleField」シリーズのようなゲームルールに似ているが、実際はもっと大味で、突き詰めるとデスマッチレベルのシンプルな殺し合いゲームになってしまうのだが、「GTA」ならではの、どこへでも行ける緻密なマップデザインと、乗り物を使うことによる戦略性の高さが「GTA4」のマルチプレイを単なるオマケ以上のものにしている。
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街中はまるで戦場の様相 |
ターフウォーでは拠点を占拠してポイントを稼ぐ |
■ 他のプレーヤーと協力してミッションを進めるCOOPモード
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COOPミッションにもストーリーが用意されている
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輸送車を襲撃して奪おう
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「GTA4」本編でないのが残念だが、他のプレーヤーと協力して進めるマルチプレイ専用のミッションとして「ハングマンズ・ヌース」、「ディールブレイカー」、「ボンブ・ダ・ベースII」の3本が用意されている。最大4名まで参加することが可能だ。
各ミッションはニコ以外の専用のキャラクタになっており、本編とは完全に分けられた設定になっている。簡単ではあるがミッションに必要な最低限のストーリーも用意されている。ただし、キャラクタなどの細部には一切触れられていないので、あくまでオマケ程度の設定と言って良いだろう。
ゲームのシステムとして残機制を採用しており、プレーヤーのうち誰かの残機が0になるか用意されているミッションの課題を果たせない場合はミッション失敗となる。何回かプレイしてみた感触では、マルチプレイを前提としているだけに難易度は高めだが、うまい人と組めば比較的簡単にゲームを進めることができた。出現する敵の数は意外に多いので、無茶な突撃をして蜂の巣になるようなマネをしなければデスマッチよりも簡単にランクアップのためのポイント稼ぎに勤しめそうだ。
プレイ時の時間があまりよくなかったのかもしれないが、マッチング時に4人フルで集まることがなく、2人でゲームをスタートしなければならない場合が多かった。1度プレイしてしまえば、2回目以降は作業的なゲームになってしまうため、それを嫌うプレーヤーが多いのかもしれない。
他のゲームモードと比較しても対戦時間はほとんど変わらない点、慣れてくるとクリアまでの時間を短縮できるため、お金(ポイント)を効率よく稼げるという点で、チームワークを磨いたり、早くランクを上げてキャラクタの装備を増やしたい、という場合には連続プレイをオススメしたい。
なお、マルチプレイに採用されているプレーヤーランクについて補足しておくと、全部で10段階まで用意されているが、「Call of Duty 4」のマルチプレイのように、ランクが上がることにプレーヤーが有利になっていくような仕掛けではなく、ランクが上がるごとに自キャラクタに使える上下着衣や帽子などの種類が増えていくだけのシンプルなものにとどまっている。
ランクが表示されるのもゲーム開始前のマッチングロビー上で各プレーヤーの横に表示される程度で、どれだけ長い時間マルチプレイをやり込んでいるかの目安程度にしかならない。従って他のゲームほど躍起になってランクアップに励んでも得られるものはあまり無く、マイペースで対戦を楽しむのが良さそうだ。
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ヘリコプターで貨物船へ |
船内に襲撃をかけて爆弾を仕掛ける |
■ リバティシティを我が物顔で闊歩できるフリーモード
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フリーモードではリバティシティ全域を自由に闊歩できる
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乗り物を使ったこんな荒業も楽しめる
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「もしリバティシティ中を気の合う仲間と自由に闊歩してみたい!」と思ったら、フリーモードを試してみてよう。その名の通り何しても自由というゲームモードで、最大4名まで集まることが可能になっている。Xbox 360版ならフレンドリストから直接呼ぶことが可能なので、仲間内で遊ぶのも面白い。
制限事項としては、ゲーム内通貨が存在しないこと(=物が買えない、店も利用できない)、ミッションなど他のプレーヤーと協力して行なう要素も一切ない。純粋にプレーヤー同士が遊び方を工夫する必要があり、市街をじっくり探索したいという用途以外の遊び方は基本的にできない。ランク用ポイントもフリーモードは対象外だ。
フリーモードでの楽しみ方は前述の通りプレーヤーが作り出す必要がある。単純にプレーヤー同士が出合い頭に殺し合いを展開するだけであれば、ルールが存在しないモードなだけに大雑把すぎて他のゲームモードを遊んだ方が面白い。
では、どのようなシチュエーションが楽しいかというと、実際の経験談から言うと「鬼ごっこ」がオススメだった。「コップス・クルックス」モードのような競技志向の強いケイドロみたいなモードではなく、即席で鬼役と追われる役に分かれて、リバティシティ全域を舞台に追われ・追いかけするのだ。
鬼役が追われる側のプレーヤーを倒したら1勝負はおしまい。立場を変えてゲームを続行するもよし、他のことをするもよし、何をやっても自由なのがこのフリーモードの良いところだ。乗り物も全て使えるため、クルマからヘリコプターまで何でも使ってゲームを盛り上げることができるのも特徴だ。
フリーモードをプレイしていると伝わってくるのは、リバティシティという街全体が実に細部にわたってよく作り込まれているということだろう。手抜きが全く感じられないところは恐ろしくさえ思う。他のスタジオが真似をしようとしても、恐らく無理な芸当で、Rockstar Games出身のクリエイターが作った「クラックダウン」を見ても「GTA」のレベルには至ってない点を考えると、この同社の社風が成せる職人技なのかもしれない。
実際この建物の上にはいけるのかな?と思えば行けてしまうケースが多かったり、電車をかわしつつ街を一周している鉄道の上をバイクで1周することもできる。ゲーム本編の進行とは何ら関係ないが、プレーヤーの探究心次第で本編に勝るとも劣らないゲームプレイが楽しめるのが、フリーモードの良いところと言えるだろう。
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ヘリを操縦して上空から市街観光もOK |
船で海からリバティシティを観るのもオススメ |
■ 大人のためのリバティシティ・ホットスポット教えます!!
前編でリバティシティの主要施設について紹介したが、今回はもう少し突っ込んで解説していきたい。利用できる施設の特徴は色々で、ゲームの進行に欠かせないものから親友やガールフレンドの友好度を上げるのに使える店、思わずハマるミニゲームまで、ゲームを盛り上げるには欠かせない施設が、街中に用意されている。
これらの施設をスルーしてひたすらゲーム本編をプレイし続けるのもアリだが「GTA4」を遊び尽くすためには、これらの施設をしっかりとおさえておくことが重要だ。ミッションに詰まったりした時には誰かを誘って痛飲したり、夜通しゲームに興じたりするのはいかがだろうか? まるでゲームの中にもう一つの世界があるように思えてくるはずだ。
▽見る! - リバティシティでエンタテインメントの真髄を味わう
リバティシティにはショーを見せてくれる施設がいくつかある。分野は大きく分けて3つあり、1つは大道芸やマジックを見せてくれるところ、もう1つはコメディーショーを見せてくれるところ、最後にストリップクラブとなる。
ショーはどれも1人で観に行くことができるが、やはり親友あるいはガールフレンドと一緒に行った方が雰囲気が出て良いだろう。ガールフレンドの中にはストリップクラブに行くと喜ぶ場合もあり、一概に女性は連れていってはいけない訳でもなさそうだ。
コメディーショーに出てくるタレントには実在のコメディアンも参加しており、我々日本人には全くなじみのないジャンルではあるが、ラジオのDJなども含めて欧米の人たちには有名な人材が多数ゲーム内に起用されているのが注目ポイントだ。
3つあるショーの中で最も(というか唯一)敷居が高いのはやはりコメディーで、これは英語でしゃべって英語圏のギャグで笑わせるのだから、全く面白みが伝わらない。観客がゲラゲラ笑い出すところで「ああなんか笑うツボがあったんだな」程度にしか理解できないのが辛いところ。日本版では内容にマッチしたセリフが充てられてることを期待しつつ、ここは雰囲気のみを楽しむようにすると良さそうだ。
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ショーは1人でも見に行くことが可能 |
コメディショーを見ると日本語版が欲しくなる |
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大道芸は英語がわからなくても楽しく鑑賞できる |
ホットスポットの殿堂・ストリップクラブはリバティシティに2か所ある |
▽食べる・飲む! - 食のアメリカンドリームを体験
「GTA4」での食事は減った体力回復以外の用途は成さない。体力が満タンの時に食事をしても意味がないが、リバティシティ中に飲食店があるのだから、たまには親友との友好度を上げるためにも、そしてプレーヤーの気分転換をはかるためにも店に繰り出してみよう。
店は大まかに食事と飲酒の2つに分かれており、親友を誘う・誘われる場合も食べるか飲むかで区別される。食事をする場所としてはファストフード店「クラッキンベル」と「バーガーショット」の2店舗がフランチャイズとして各地に点在している。ちょっと上を狙うならレストランだ。どの店もなぜかあまり高級そうに見えないのが何なのだが、「車で移動してまでハンバーガーとか食べたくないよな~」という場合にはオススメのスポット。
注意したい点としては、親友やガールフレンドの中には食事が好きでもジャンルによって好き嫌いがある。例えばファストフードは勘弁という人物も中にはいるので、一通り連れ回して好き嫌いをしっかりとリサーチしておいた方が良いだろう。中にはどうせ外出するなら食事よりも遊びに行きたい、というケースもある。他人の好き嫌いにマメな男こそアメリカンドリームを掴む一歩・・・になるかもしれない。
ニコが唯一単独ではできないのが飲酒だ。ゲーム本編でも飲酒シーンがほとんどないニコなのでもともとあまり飲まない性格なのかもしれない。誰か連れがいれば、リバティシティに何店かあるバーで飲むことができる。ただ飲み始めると限度を知らないのか泥酔するまでやるので、帰り道は足もフラフラになる。
飲酒の恐ろしいところはこの帰り道で、歩けば千鳥足、車に乗れば画面にブラーがかかるわ、色々な方向に揺れるわでプレーヤーの三半規管と目も一緒にヘロヘロにさせてくれる演出になっている。更にこの状態で車に乗ると警官の手配レベルが上がり、パトカーにも追われるというオマケ付。しかも、泥酔状態で車を運転しようとしてもまっすぐ進んでくれず、大事故を起こしやすい。当然、パトカーにも捕まりやすくなる。飲酒の帰宅を安全にこなす方法としては、タクシーで帰る。これがベストだ。
飲酒時の重いペナルティは、当然現実でも違反行為であるという点をプレーヤーにわからせるための処置という側面もあるだろう。しかしフラフラになったニコとその連れはかなり面白い。「もう勘弁して~」という感じでガックリとその場で倒れたりする様は必見。酔っ払ったらしばらくその様子を観賞することをオススメしたい。
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ファストフード店・クラッキンベル |
レストランでちょっと豪華な食事を楽しむことも |
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泥酔して運転がうまくできないため、たいていは事故ってしまう |
常にブラーがかかり、画面は揺れ操作は非常に困難。素直にタクシーを利用したい |
▽遊ぶ! - 夜通し遊んで親交を深めよう
遊戯施設は全部で3種類。ビリヤード、ダーツ、ボウリングが用意されている。それぞれプレイするには親友やガールフレンドを誘って行く必要がある。どれもゲーム内のミニゲームでありながら、本格的に作られており時間の許す限りじっくり対戦を楽しんで親交を深めたい。
ビリヤードは8ボールのルールのみプレイできる。8ボールのルールは一般的にビリヤードとしてよく知られている9ボールとは異なり、番号順にポケットへ落としていく必要がないため、ルールをよく知らなくてもすんなりと楽しめる。場末っぽい薄暗いバーに痛んだビリヤード台でプレイすると、なんとも言えない雰囲気が漂い、ついつい長時間プレイしてしまう。3種類中最も奥の深いゲームといえるだろう。
ダーツはルールになじみのない人も多いかもしれないので簡単に解説すると、最初301点づつお互いがスコアを持っており、先にスコアを0にした方が勝ちというルールになっている。ただしダブルリングという外周部にある部分に打った場所で0になるように工夫しなければいけないのが、このゲームの難しいところだ。3種類のゲーム中最も手軽に勝負できるので、回数を重ねてコツをつかんでいきたいところだ。
ボウリングはゲーム本編の進行上、一度はプレイすることになる。ルールも本格的で入場するとまず最初に受付を済ませるところから始めるあたりも雰囲気が出ており、ボウリング場の中は日本もアメリカもあまり変わらないんだなーというのがゲームから伝わってくる。5ゲームか10ゲームを選べ、ボールを投げる位置と力加減がこれまた微妙な習熟を必要としており、ゲームとして単純に面白い。
そのほかストリップクラブや飲食店などで、アーケードゲームとして「QUB3D」という落ち物パズルゲームをプレイすることができる。総じてミニゲームの出来はなかなかのものでこれらが何本かパッケージになってれば立派に独立した1本のタイトルとして売れそうな勢いがある。しかも興味深いのがインゲーム中のフィールドでそれらが再現されているため、単なるオマケではなく「GTA4」の世界に溶け込んでしまっているのがスゴイ所だ。
人としての生活をどこまでゲームで再現できるかを追求するのが「GTA」シリーズをデザインするにあたり重要な要素になっているが、次回作で、はたまたハードウェアのスペックが上がり表現力が更に増した時、「GTA」はどこまでプレーヤーに「人生」を体験させてくれるのか、こんなミニゲームからも期待と恐ろしさを感じてしまう。
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ビリヤードは9ボールが楽しめる |
ダーツはダブルリングに打って勝利する必要がある |
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ボーリングはストライクを出すコツが難しい |
親友の友好度が上がると特典にあずかれることも |
■ リバティシティはまだまだ遊びがいっぱい。君はすべて遊び尽くせるか!?
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150ドル払って空中遊覧ツアーが楽しめる
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様々な視点で空から市街を観れるのが面白い
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リバティシティには、ゲームの進行には直接関係ないものの、様々な小ネタが仕込まれている。たまにはストーリーを進めず、気ままに探検してみるのも「GTA4」の醍醐味。ここでは街中で見かけた小ネタをいくつか紹介してみよう。これ以外にも様々なものが用意されているので、散策して見つけてみて欲しい。
▽200匹のハト
リバティシティの街中に赤くハイライトされたハトの姿を見かけることがある。あのハト、実はリバティシティのあちこちに全部で200匹いる。ちょっとかわいそうだが、拳銃などで片っ端から撃って200匹コンプリートすると、Xbox 360版の場合は実績解除になる。ちょっとした暇つぶしにハト撃ちはいかがだろうか。
▽幸福の女神
本島から陸路で渡る手段がないため、通常プレイではなかなか気づかない土地、それがハピネスアイランドだ。Algonquin地区の南方にあるこの島は、船舶かヘリコプターを使わない限り上陸することができない。
島は公園として整備されており、外周部はどうやってやってきたのかわからない、憩いのひとときを過ごしている人たちがたくさんいる。中心部には自由の女神ならぬ「幸福の女神」像が鎮座しており、Algonquin側からも姿を見ることができる。
この女神像、欧米では現在指名獲得で選挙戦を繰り広げている某米大統領候補にそっくりと、まことしやかにささやかれている。手にかかげている物はたいまつではなく、よーく見るとコーヒーカップ。しかも湯気まで立っている。Rockstar Games流のジョークだ。
ちなみにこの女神像は高台の上に建っており、ヘリコプターでないと近寄れない。辺りを調べてみると嬉しい記念品が落ちているので、ゲーム中ヘリコプターを入手できるようになったらぜひ見物に出向いてみよう。さらに女神像に関してひとつシークレットを書いておこう。実は女神像の中は、像の足元にあるドアから入ることができる。ただしここに行き着くまでにはちょっとしたテクニックが必要になる。運よく中に入ることができたら、ぜひ目の前にあるハシゴを上ってみて欲しい。「エーーーーッ!」と驚くものが見えてくるはずだ。
▽岩山の上には……
最後にAlderney地区の海っぺりにある2つの岩山をご紹介したい。この岩山、陸地側のものはなかなか急峻で、ふもとの部分には「登るな注意」のたて看板があるほど。しかし、この岩山を絶好の修行場所と考えている人たちがいるようで、ヘリコプターでこの岩山に接近すると、頂上にはなぜか毎回カラテの型を練習している人を目にする。
このカラテを練習する人、ヘリで近づくと驚いて岩山を駆け下りていくが、焦りすぎたせいで落っこちてしまうハプニングも見られる。どう見ても死んでそうだが次に見に行くと復活しているので、落ちても死なない頑丈なカラテファイターという設定であるらしい。何回か上空から確認してみたが、カラテを練習している人は何人かパターンが用意されているようだ。
以上、駆け足で紹介してきたが、これらの小ネタはゲームの中の一例にしかすぎない。まだまだ多くの要素が「GTA4」には詰まっている。その他たくさんのネタはぜひ実際にゲームをして見つけ出して欲しい。「GTA4」に攻略本はいらない。必要なのはプレーヤーの好奇心と時間だけだ。単なるバイオレンスゲームと片付けず、誰にでも楽しくプレイできる、実は非常に敷居が低くて完成度はめっぽう高い、ゲーム史に残る名作であることを、より多くの日本のゲームファンに知ってもらいたい。
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誰かに似ていると噂の「幸福の女神」像 |
女神像の足元に降り立つには工夫が必要 |
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「ここから先は何もありません」とあるが…… |
女神像の下にはアイテムが落ちている |
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ハピネスアイランドには人がいっぱい |
岩山の頂上でカラテを練習する謎の人 |
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街中にあちこちいるハト |
200匹コンプリートへの道は遠い |
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近づくと驚いて山を滑り落ちてしまう |
岩山の下には「登るな危険」の看板が |
■ 君はRockstar Social Clubを知っているか!?
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「GTA4」を持っていれば無料で利用できる
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最後にゲーム本編はおろかゲーム内には存在しないコンテンツを紹介しよう。それがRockstar Gamesが運営するコミュニティサイト「Rockstar Social Club」だ。なんとなくSNSサイトを想像してしまいそうだが、現時点での実態は「GTA4」以降に発売されたRockstarタイトルから吐き出される各種データを紐付けしたイベントを開催する場所になっている。
といってもピンと来にくいと思うので、実施されているイベントを紹介すると、ゲーム内に登場するLCPD/リバティシティ警察統計したという設定で、ゲーム内の各地区犯罪発生状況や、ザ・リバティシティマラソン(=ゲーム中に歩いた距離をマラソンに見立てる)など、プレーヤーのデータをうまく活かした各種イベントが実施されているというもの。
面白いのはマラソンなど、距離に応じて「Rockstar Social Club」内で使えるコンテンツなどが景品として用意されており、Xbox Liveに実装されている実績解除に近い要素を別の切り口から実現しようとしている、ゲームと実際のWebサイトを連動させた、非常に意欲的な試みだ。今後同種のイベント追加も見込まれ、一過性のサービスではなくユーザーを徹底的に囲い込むためのRockstar Games流のチャレンジと解釈したい。
このサイトは「GTA4」を持っている、またはプレイしているユーザーであれば、プラットフォームを問わずアカウントを作成し利用することができる。「GTA4」以外ではRockstar Gamesのレースゲームフランチャイズ「Midnight Club」の最新作がラインナップに入っており、今後の同サイトの発展が楽しみになると同時に、ゲームとそれを支える側サービスにも力入れ始めた、Rockstar Gamesの展開に今後も目が離せなそうだ。
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LCPDによる犯罪統計データ |
今後も様々なコンテンツが追加されるだろう |
(C) 2008 Rockstar Games, Inc.
□「Grand Theft Auto IV」公式ホームページ(英語)
http://www.rockstargames.com/IV/
□関連情報
【5月16日】Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」
「Grand Theft Auto IV」 (前編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080516/kaigai23.htm
【5月16日】カプコン、PS3/Xbox 360「グランド・セフト・オートIV」
日本語版の発売が決定!! 2008年発売予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080423/gta.htm
(2008年5月22日)
[Reported by Game Dude]
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
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