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【連載第23回】大人による大人のための洋ゲー連載

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」

“世界でもっとも危険なゲーム”がついにフルモデルチェンジ
リバティシティでアメリカンドリームを実現できるか!?

「Grand Theft Auto IV」 (前編)

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • デベロッパー:Rockstar North
  • パブリッシャー:Rockstar Games
  • プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360
  • 価格:59.99ドル(北米版)
  • レーティング:ESRB:Mature(17歳以上推奨)
  • 発売日:2008年4月29日(発売中)


 世界中のゲームファンが待ち焦がれていた超大作「Grand Theft Auto IV (以下、GTA4)」がついに欧米で発売となった。Rockstar Gamesの親会社Take2 Interactvieによればワールドワイドの初週販売本数は600万本、売上が5億ドルを突破するなど、前評判どおりの景気の良いニュースが発表されており、ゲームソフト単体のセールスであらゆる記録を塗り替えるのはほぼ確実な情勢だ。

 欧米のゲームメディアの騒ぎもすごい。米国の大手ゲームメディアIGNが発売前に出した独占レビューのスコアが10点満点中10点だったのを皮切りに、他のメディアも軒並み満点を出す満点のオンパレードになっており、欧米のゲーム業界全体が祭り状態になっていると言っても過言ではない。

 日本では、カプコンが年内の発売を発表している。「Grand Theft Auto IV」は、英語版に耐性の高い洋ゲーファンでも読解に難儀するほどのスラングが多用されるゲームであるため、日本語版を待つというのが順当な線と言えそうだが、英語版には手が出せなくてもゲームその物には興味津々という人も多いはず。当連載では「GTA4」を2回に分けてレポートしたい。前半をゲーム本編、後半をマルチプレイとゲームをより楽しくする「GTA4」ならではの遊びの部分を紹介する。

 なお、「GTA4」は、欧米でリリースされるゲームの中でも、とびきり暴力的表現の多いタイトルとして知られる。北米ではMature指定、日本では現在審査中ながら、まず間違いなくZ指定が予想される。今回はゲーム内容を紹介するために、いくつか指定に該当する部分のスクリーンショットも使用しているので、あらかじめご承知いただきたい。

【お断り】
 当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
 この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
 GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません



■ 何もかもがパワーアップしたシリーズ最新作が遂に登場

 海外ゲームファンであれば「Grand Theft Auto」の名前を知らない人はまずいないと思うが一応のおさらいをしておきたい。もともとはスコットランドのエディンバラに本拠を構えるゲームスタジオDMA Design(後のRockstar North)が1997年にプレイステーション、その後PC用にリリースした第1作目からシリーズがスタートした。

 「GTA」シリーズが本格的にブレイクしたのは、2001年10月に発売したプレイステーション 2用「Grand Theft Auto III」で、完全3D化されたリバティシティを舞台に、オープンワールドという箱庭世界に作られた街をプレーヤーの自由意志で動き回れるという新鮮さ、当時はまだまだマニアの遊びだったゲームのヤボったいイメージをブチ壊す洗練されたデザインで、世界中のエンターテインメントファンに火をつけた。

 「Grand Theft Auto III」は、それ単体にとどまらず、「III」で確立したゲームデザインを踏襲しつつ、1980年台のマイアミを題材にした「Grand Theft Auto Vice City」、90年台のカリフォルニアを題材に黒人ギャングの抗争を描いた「Grand Theft Auto San Andreas」、その他2作のリメイクを含め、新作がリリースされる度に業界とゲームファンを震撼させてきた。これら一連の作品により、同シリーズの知名度はゲームの中でも屈指のものに成長した。

 そして今回取りあげるシリーズ最新作「GTA4」は過剰なほどの期待が発売前からかかり、2008年の4月29日の発売日はちょっとした祭状態になり、欧米ゲームメディアのニュースは各地の店舗で「GTA4」を求めて行列をなすお客の様子を報じていたのは記憶に新しい。

 「GTA4」は実に約7年ぶりにシリーズナンバーを更新したタイトルであり、舞台となる都市は「GTA3」と同じリバティシティだ。プラットフォームもプレイステーション 3とXbox 360に移行し、ハードウェアスペックに応じて表現力の大幅な底上げが図られている。

 ゲームエンジンにはRockstar NorthおよびRockstar Sandiegoが開発した「Rockstar Advanced Game Engine(略してRAGE)」と呼ばれるものが採用されている。歴代「GTA」シリーズはもともとCriterion Gamesの「RenderWare」を使用してきたが、同社がEAに買収され外部企業へのライセンスが難しくなり、自社開発に至った経緯がある。

 発売初週に米国だけで360万の販売本数叩き出し、今後しばらくヒットチャートに君臨し続けるのは確実な「GTA4」。レポート前半となる今回は、シングルプレイ(ゲーム本編)部分に関して紹介しよう。

最初は今ひとつ冴えない主人公だが…… 徐々に凛々しく洗練されてくる
今回も登場人物は皆個性的 新しくなったリバティシティを楽しもう



■ ニコ・ベリックはリバティシティでアメリカンドリームを掴めるか!?

ニコは果たしてアメリカンドリームを掴めるか!?
従兄弟ロマンのサクセスはすべて嘘だった。彼の大法螺に激怒するニコ
 「GTA4」の主人公、ニコ・ベリックはセルビア人で、ボスニア紛争に従軍した経歴もある30歳の男性だ。アメリカンドリームをつかむ為、本作の舞台となるリバティシティに密航船でやってくるところから始まる。ディティールは語られないが、彼は母国セルビアでトラブルをおこし、何かしら国を出なければいけない事情があったようだ。移民というシチュエーションに着眼した点は実に興味深い。

 アメリカにやってきたニコは、従兄弟のロマン・ベルリックの世話になる。ニコをアメリカに呼んだのも彼だ。ロマンは、ニコに渡米前に「自分はアメリカで成功した!」と放言していたが、実際は大法螺で、タクシー業を営む彼は多額の借金を裏社会の人間にしており、これがきっかけでニコが犯罪組織とかかわりを持つようになる。

 ゲーム序盤でニコが、ロマンに案内された安アパートを見て「こんなのアメリカンドリームじゃない!」と絶句するシーンがある。てっきりロマンが大金持ちになって豪奢なアメリカ生活を満喫していると思っていたら、セルビア時代とそんなに変わらないゴキブリだらけの薄汚い部屋に通されたのだ。

 この描写は安直ではあるが、アメリカンドリームを夢見てアメリカに移民してきた人々の厳しい現実をリアルに描いている。また、貧しい移民が例え犯罪をおかしてでも大金を掴んでアメリカで成功したいという歪んだ心理をうまく描いているし、実際ニコはタクシーの運転手でチマチマ稼ぐ気持ちを捨て、まとまった金がもらえるなら血みどろの抗争も厭わない、危険な領域に自ら踏み込んでいくことになる。

 彼のモチベーションはとにかく「金を稼ぐこと」だ。ロマンが借金をしているロシアンマフィアをきっかけに、アイルランドやイタリア系ギャング、麻薬ディーラーなど様々な組織から依頼を受ける。ボスニア紛争で犯罪を超越した世界を経験したニコにとって「殺人」は大きな問題ではない。ニコが考える美女をはべらし、豪邸に高級車、何不自由のない生活を送るというアメリカンドリームの実現には1にも2にも金が必要なのだ。

 依頼内容は様々で、縄張りの店からみかじめ料を取立てることから、依頼人にとって邪魔な人物を排除、対立する組織の要人の誘拐、銀行強盗などバリエーションは豊か。ニコはこれらの依頼をただ「金」のため黙々とこなしていく。彼が大事なのは「金」と「家族」、この2つだけだ。報酬も最初は数百ドル程度だが、仕事内容が大きくなるにつれて1度に受け取れる報酬額も増え、何十万ドルという金を手にすることも夢ではない。

 舞台になるリバティシティは、ニューヨークとその周辺をモチーフにしている。「GTA3」でも舞台になっているが、地形は徹底的なリファインがされており、PS3/Xbox 360が持つ表現力の高さもあいまって、名前だけ同じの別物だと考えていい。

 街は大きく3つの島に分けられており、それぞれ橋と鉄道で結ばれている。ブルックリンとクイーンズ地区をモデルにしたDukesとBroker、ブロンクス地区をモデルにしたBohan、マンハッタン地区をモデルにしたAlgonquin、ニューヨークに隣接するニュージャージー州の一部をモデルにしたAlderneyで構成されている。最初に行動できる範囲はDuke地区のみだが、ストーリーが展開されていくにつれて、次第にBohan、Algonquinと行動できる場所が広がっていく。

 広大な街を移動するにあたっては、前作にもあったタクシーが主要な交通機関として重要性を増している。ハッキリ言えばミッション遂行以外の移動手段はタクシーを駆使した方が便利で早い。追加料金を払えば一瞬で目的地まで運んでくれるため、懐具合に余裕が出てくると、タクシーの依存度は高くなるだろう。

頼りないがニコの大切なファミリーのひとりであるロマン ロマンが惚れている女性マロリー
ロシアンマフィアのブラッド 女傑麻薬ディーラー、エリザベータ
怪しいカーディーラー、ブルーシー パトリックの一家には色々な意味で世話になる
唯一無二の親友とも言えるリトルジェイコブ ロシアンマフィアの幹部デミトリ
ロシアンマフィアを束ねるミハイル・ファウスティン 基本の移動手段はタクシー。低コスト、短時間、ゼロリスクと三拍子揃った移動手段だ



■ 無駄を削り、一層の磨きがかかったゲームデザインに注目

基本は徒歩で。ダッシュとジャンプも使える
クルマを使えば行動範囲はグッと広がる。どんどん活用しよう
 気になる「GTA4」のゲームデザインは、基本的な流れは「GTA3」、「GTA Vice City」、「GTA San Andreas」といった歴代のシリーズと変わらない。ストーリーの進展によって様々な人物との新たな出会いがあり、彼らから依頼を受けることでミッションが発生し、オブジェクトを達成することで報酬を手にすることができる。それに伴いストーリーも進んで行く仕様で、「GTA」シリーズのファンはもちろんのこと、クエストベースのゲームをプレイしたことのあるプレーヤーなら一切戸惑うことなく、ゲームを進めていくことができるだろう。

 ゲームデザイン面で、前作「GTA San Andreas」から見直しが図られたポイントとしては、余計な自由度を切ったという点が挙げられる。前作では主人公CJの肉体を鍛えたりすることができるなど、ゲーム本編に直接関係ない行き過ぎた自由な部分が多くあったが、それらをスッパリとそぎ落とし、シンプルなプレイ内容になった。

 不動産や店の経営(上前をはねる)といった要素も無くなり、収入は基本的にミッションの報酬に拠るところがほとんどだ。原点回帰というよりは「GTA4」の世界観的なところが影響しているのかもしれない。海外から移民としてやってきたニコのアメリカンドリームは現金しかない。前作までの主人公とは住む世界が違う、という点をゲームデザイン上でもうまく反映させている。

 「GTA4」は自分で家を買うことができなくなったため、服を着替えたりセーブをする際にはロマンや他の人物が用意してくれたセーフハウスを利用することになる。リバティシティにはいくつかのセーフハウスがあり、ゲームの進捗によって順次アンロックされていく。

 稼いだ金の使い道としては、武器の購入、洋服の購入、タクシーなどの移動交通費、交際費(後述)などに費やされる。ミッションによっては武器も洋服も支給されることがあり、専ら大金を使うのはロケットランチャーなどのコスト高な武器の購入費用に限られる。なお、言わずもがなの話だが、クルマについては、ゲームタイトル(Grand Theft Auto=クルマ強盗)の通りの調達をするのが、このゲームのセオリーだ。

 「GTA」シリーズ恒例、警官対策だが今回の手配レベルは最大6まで用意されている。通常のミッション遂行時では、最大レベルまで上がることはまずないが、ミッション進行中に警官の捕縛から逃れるケースは多い。いかに手配エリアから迅速に逃げるか、パトカーや路上を歩いている警官を避け、手配エリアを無駄に広げないかが重要だ。ちなみに「GTA4」では軍隊の出動はなく、市警と特殊部隊(SWATだろうか)、FIB(FBI)が登場する。

セーフハウスではテレビ番組も鑑賞できる リバティシティを環状線で結ぶ鉄道も利用可能
洋服は買ったりミッションで入手したりできる 銀行強盗で一攫千金も狙う。ハラハラ感は映画とは比べものにならない
武器屋は銃、弾薬、手榴弾、火炎瓶、防弾チョッキなどが購入できる。ニコがもっともお金を落とす店になるだろう なかでも銃火器は金がかかる。必要経費として割り切るしかないが、時には弾薬代がミッションの報酬を上回ってしまうことも




■ 人種のるつぼ、リバティシティには様々な人物が待っている

ニコとロマンのコンビはまるでコントを見ているような楽しさがある
クルマに依頼主を乗せて遂行するミッションもある
 新しいゲームエンジンの採用により、表現に磨きがかかった「GTA4」だが、中でも特筆しておきたいのはキャラクタの動きや仕草のリアルさだ。ビジュアル面の表現力が底上げされたこともあり、ミッション導入部のイベントシーンはまるで映画やテレビドラマを観ているかのようだ。

 このリアルな演出を実現するために、Rockstar GamesはNaturalMotionの「Euphoria」というアニメーションエンジンを採用している。「GTA4」以外にLucas Artsが現在開発中の「Star Wars: The Force Unleashed」や「Indiana Jones」にも採用されており、ゲーム中の「魅せる動き」を表現するために大きく寄与している。

 ニコに関わってくる登場人物は、それぞれ個性的な性格付けがされておりゲームを盛り上げてくれる。従兄弟のロマンを筆頭に、リトルジェイコブはニコにとってかけがいのない、頼りになる親友だ。アイルランド系の組織を受け継ぐマクリアリー家の連中には深く関与していくことになる。

 ゲーム序盤から登場するロシアンマフィアにも注目したい。ロマンの借金がもとで彼らとの接点が生まれることになるが、幹部のデミトリ・ラスカロフとの対決は「GTA4」本編最大の見せ場だ。そのほかにも、女だてらに麻薬ディーラーをやっているエリザベータや、かつてはゴロツキで今は更生した(らしい)黒人青年マニー、ニコに近づいてくる謎多き女性ミシェルなど、敵か味方か定かではない愛すべき性格を持ったキャラクタが実に多い。

 「GTA4」で最も成功している点は、ゲーム性よりも登場人物や世界観の設定が巧みで、プレーヤーをゲームの中へグイグイと引き寄せる強い魅力を作り出しているところにあるように思える。個性的なキャラクタ、ウィットに富んだ会話と演出は「GTA」以外のタイトルでは決して真似のできない領域にあり、このシリーズを特別なゲームとして扱わざるを得ないものにしている。

戦闘シーンの迫力は前作と比較にならないほど高い リトルジェイコブとエリザベータがケンカをしている
ブルーシー自慢のクルマの調子は……!? リトルイタリーのレストランで依頼を受ける
ボスのわがままに何かと気苦労が多そうなデミトリだが…… アダルトショップの売上を取り立てることも




■ ネットカフェや携帯電話など最新ツールを駆使して賢く生きよう

街中にあるインターネットカフェ
Webブラウザからeyefind.infoというメール機能のついたポータルサイトが利用できる
 「GTA4」では新しいガジェットとして携帯電話が用意されている。この携帯電話は実際の端末のように多機能で、通話とショートメールで仲間と連絡を取り合う以外に、カメラ機能を使って撮影した画像を依頼主に送ったり、ミッションで請け負った予定を記録するオーガナイザーも備えており、それぞれゲーム中に必要な要素として機能している点が秀逸だ。次回レポートで紹介予定のマルチプレイも、携帯端末のメニューから参加するようになっており、ユーザーインターフェイスの一部として機能している。

 面白いのは、実際の端末でサービスされているような壁紙やリングトーン(着信音)のダウンロードサービスがゲーム内で用意されていることで、リバティシティーに複数あるインターネットカフェのPCから着メロサイトにアクセスして、自分の携帯端末をお好みでアレンジすることが可能だ。

 インターネットカフェのPCからアクセスできるオンラインサービスの中には、メールサービスのような連絡手段として必要なツール以外に「Love-meet.net」などの出会い系サイトなども用意されている。前作「GTA San Andreas」から登場したガールフレンドの要素は、「GTA4」ではもう少し洗練された形で実装されており、ゲームの進行には直接関係ないものの、プレーヤーを楽しませるサブコンテンツとしての要素を果たしている。

 また、「GTA4」ではガールフレンドとの交際に加えて、新たに「友達と交際する」という要素も追加されている。これはミッションを通して知り合った人物と一緒に食事にいったり、ボーリングやビリヤード、ダーツなどの遊行、バーで一杯、ストリップバーやコメディショーなどのイベントに行くことで、その人物との信頼関係強化を図るものだ。NPCとの信頼度は、各キャラクタのライク値やリスペクト値で示され、一緒に遊べば値が上がり、誘いを断れば下がる仕組みになっている。自分から電話で誘うこともあれば、相手から誘われることもある。

 100%の状態が最高で、相手のライク値やリスペクト値が一定以上高くなると、武器を格安で売ってもらえるなど、キャラクタごとに特典が用意されている。進行中の用事でもない限り、誘いを断わることで無駄に相手の信頼度を下げるのは避けた方が良いだろう。

 各ミッションで発生する戦闘に関しては「Gears of War」からメジャーとなった壁への張り付き・物陰から銃だけ出して乱射という、近年のアクションゲームには欠かせない演出が追加され、銃撃戦が格段に面白くなっている点は特記しておきたい。NPCの活躍も大きくなっており、例えば銀行強盗をして3人で警察の包囲網を突破して逃げるシーンなどは、味方の支援が頼もしい。

 やや残念なのは、敵ターゲットへの自動照準機能がいまひとつ有効に機能していないことだ。思い通りにターゲットを変えられず、この間に本来狙いたかった敵に銃撃されてやられてしまう。これを防ぐためには手動操作に限るが、こちらはこちらで慣れるのに時間がかかる。銃撃戦はミッションが進むにつれてどんどん苛烈になっていくため、早めに慣れておくことをお勧めしておきたい。

 なお、「GTA4」で追加されたうれしい要素は、ミッション成功時にオートセーブがかかるようになったことだ。オートセーブが追加されたことで、ミッション成功後のポカミス(たとえば、間違って街中で発砲して、すぐそばにいた警察官に逮捕されるなど)で、ミッション丸ごとやり直しという、辛い展開から解放されたのはありがたい。

 各ミッションの難易度は、前作「GTA San Andreas」よりやや低めにバランス調整がされているように感じる。前作はかなり難しいミッションが多く、何度もくじけてしまったが、「GTA4」は壁にぶちあたっても数回やり直しをすればクリアできることが多い。その点では歴代シリーズの中では最も敷居の低いタイトルと言える。

 とはいえ、「GTA」は「GTA」なので、何度も失敗するような、失敗を次につなげていくような高難易度のミッションも数多い。シリーズで共通していることだが、今回もミッションの長さに関わらず、失敗すると最初からやり直しになる。1回に数十分かかるようなミッションを何度も失敗すると、さすがにストレスがたまってしまう。そういう時には他の人物から別のミッションを請け負ったり、仲間と遊んだりするなど、ゲーム内で気分転換を図ることをオススメしたい。

メール機能から様々なイベントが発生する。メールはマメにチェックしたい 様々なサイトが用意されている。自分が起こした事件がニュースになることも
出会い系サイトもある。さっそくデートの申し込みだ 全ては携帯から始まる。メニュー機能として活用することになるだろう
手榴弾やRPGを使えば追っ手をまとめて撃滅可能 遮蔽物に隠れて敵の弾をやりすごす。大事なアクションのひとつだ
親友を呼び出して遊びに行くこともできる ターゲットは基本オートで行なう。遠距離で撃ち合うケースでは非常に便利だ
銃だけだしてメチャ撃ちも作戦の1つ 接近戦の場合は手動でターゲッティング




■ リバティシティは遊びどころ満載、親友と一緒に繰り出そう

男の社交場ストリップクラブ。ストーリーの途中で必ず行くことになる
プライベートダンスはまさにアメリカンドリーム!!
 「GTA」シリーズといえば、本編のわき道にそれたところも妥協を許さないつくりで毎度プレーヤーを感嘆させてきたが、今回も前作以上にぬかりなく作り込まれている。レストランやスタンドなど単に食事ができるところ以外に、実際にミニゲームとして遊べる遊戯施設などが多数用意されている。

 例えばビリヤード、ボウリング、ダーツといった遊戯系は、ミニゲームとしてはかなり本格的な対戦を楽しむことができる。その時に連れているキャラクタとの対戦になるが、この3種類のゲームの出来は、なかなかのもので、操作も良く練りこまれており、つい2度3度とプレイをし続けてしまうこと請け合いだ。

 気分転換にショーを見に行くのも一興だ。コメディーショーやマジックなどを見ることができる。これらのショーは、英語への理解度が高い人ほど楽しめるだろう。アニメーションエンジンによる、しゃべり口調に合わせた絶妙な仕草や動きによる演出によって英語力がなくても十分、鑑賞に堪えうる内容に仕上がっている。

 ゲームのプレイに少しストレスを感じてきたら、ストリップクラブでモヤモヤを発散させるのもいいだろう。250ドルと少々お高いが、ストリッパーのプライベートダンスによる特別サービスも堪能できる。ニコと一緒につかの間のアメリカンドリームを体験するのも悪くない。ちなみに、ストリップクラブは2カ所あるが、それぞれ微妙にプライベートダンスの内容が異なる点には注目。

 ガールフレンドと一緒に遊びに行く際は、彼女の好みを熟知しておくことが大事だ。食事をすることが好きだったり、遊戯やショーが好きだったりと、満足度の高いデートを演出するために、こまめに出かけてみると良いだろう。
QUB3Dというゲーム機が設置された店もある 親友を誘ってリバティシティに繰り出そう
ローマンと一緒に海辺のボーリング場へ 遊戯場では当然お金が必要になる
ボーリングは投げるタイミングが難しい 英語力が必要だがショーもなかなか楽しい
ゲーム中にはヘリコプターも登場する 空から眺めるリバティシティはとても美しい
ボートでの移動も可能。水面の処理は見事 レースも用意されている。詳細は次回にて!!


(C) 2008 Rockstar Games, Inc.

□「Grand Theft Auto IV」公式ホームページ(英語)
http://www.rockstargames.com/IV/
□関連情報
【5月16日】カプコン、PS3/Xbox 360「グランド・セフト・オートIV」
日本語版の発売が決定!! 2008年発売予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080423/gta.htm

(2008年5月16日)

[Reported by Game Dude]



当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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