|
「NBA Street Online」(以下、「NBASO」)は、Electronic ArtsのXbox 360版「NBA Street HomeCourt」をベースに、独自機能を追加してオンラインゲーム化したタイトルだ。実存のNBA登録選手がストリートバスケットボールに参加し、彼らとチームを組んだり、対戦することもできる。 最大3対3のプレーヤー6人による同時プレイができる他、様々なドリブルやアリウープなどの連係プレイも派手で、プレーヤースキルによるフェイクの使い勝手が肝となるなど、バスケットボールの楽しさを十分引き出した作品だ。
「NBASO」はNeowiz GamesとElectronic Artsによる共同開発タイトルで、弊誌でも何度か紹介してきた作品だ。日本展開に関してはまったくの未定だが、日本でも両社とも日本法人があるため、日本展開される可能性は十分にある。本連載では第1次クローズドβテストを通じてプレイした「NBASO」の模様をご紹介する。
■ 125人の実在NBA選手がストリートに続々と登場。NBA選手とチームを組んで3対3のストリートバスケを楽しめ! 「NBASO」の基本概要はストリートを背景にしたコートでバスケットを楽しむオンラインストリートバスケットボールゲームだ。コートはフルコートを使用しながらも、通常のバスケットの5対5とは異なる3対3での試合になる。 セッションにプレーヤーが1人でも入場すれば3対3になるように、足りない分をNBA選手がジョインし、試合を行なう。試合のルールはボールを持つチームは24秒以内にシュートしなければならない「24秒ルール」以外、細かいルールは一切無視している。 プレーヤーは予め作成しておいたオリジナルキャラクタでプレイすることになるが、注目すべきはプレイを共にするNPCキャラクタに、シャキール・オニールやティム・ダンカン選手など現役のNBAスタープレーヤーが登場するというところだ。1対1や2対2の試合で穴埋めに加わった選手達はプレーヤーが操作することも可能だ。登場選手は男子リーグのNBAだけに留まらず女子リーグのWNBA選手も参加し、計125人の現役選手がストリートバスケットを繰り広げる。 これらの選手たちは、1対1から2対2のチーム戦においては毎試合始めに4人がランダムにリストアップされる。この4人をドラフトのようにプレーヤーが選択することでチームに加えることができる。その際はホーム側のチームが最初に1人を選び、アウェー側のチームは2番目と3番目を選ぶ。最後に残った1人はホーム側のチームになる仕組みだ。 コントロール権に関しては、1対1の場合、3人のキャラクタを試合中選び変えながら、操作することができる。プレーヤーが操作しない残りのキャラクタ2人は自動操作だ。2対2になるとプレーヤーは自分のオリジナルキャラクタとNBA選手の2人を切り替えて操作できる。他のプレーヤーがNBA選手を操作している場合は自分のオリジナルキャラクタのみ操作することができる。 NBA選手はブロッキング、シュート、ダンクシュート、ドリブル、スティールなど、得意とするポジション別にその性能が分かれている。キャラクタの性能を数字で表している訳ではないが、実際NPC選手とプレイしてみるとどれもプレーヤーキャラクタに比べて能力が非常に高く設定されている。さらに選手のプレイスタイルによってゲーム全体の流れが大きく変わってくるため、選手選びは試合に大きく影響を与える。 本作の選手の組み合わせにおいてブロッキング能力は特に重要で、ドリブル中のボールを奪い取るより、相手のシュートを阻止し、リバウンドで奪い取る方が重要だ。ブロッキングの高い選手はあらゆる種類のシュートを果敢にブロッキングしていく。細かいルールは無視されているため、シュートの途中で頂点から落下するボールをブロックする「ゴールテンディング」も可能だ。ブロッキングの選手をチームに入れることが本作のチーム作りにおいて最重要ポイントとなっている。 しかしながら、今回のテストではNBA選手の性能が高すぎるため、1対1のプレイではプレーヤーキャラクタはコンピュータに任せ、NBAキャラクタのみを操作することが多かった。そのため、ユーザーの間ではNPCの加わる1対1や2対2のゲームよりは、プレーヤーキャラクタのみの3対3によるプレイが好まれていた印象だった。
プレーヤーのみによる3対3の試合の場合、それぞれのキャラクタの性能も大きいが、お互いのチームワークや相手を欺くセンスが必要だった。後述するドリブルやシュートのフェイクや連係プレイ運用方法によってチームの戦力が大きく変わるなど、プレーヤーのスキルを意識した作り込みが印象的だった。
■ アリウープなど連係プレイも可能。切り札“ゲームブレイカー”を発動せよ! 本作の操作はキーボードとゲームパットに対応している。筆者がプレイしたキーボードではカーソルキーで移動、Sでパス、Dでシュート/リバウンド/ブロック、Aでドリブル/スティール、Wで特殊ドリブル/押し倒しが基本的な操作だ。オフェンス側、ディフェンス側、ボールの所有など、プレーヤーの状況によって各キーの機能が異なる。 さらにボールを所有している際、1、2、3キーを押してチームの連係プレイも可能だ。1を押すとスクリーン要請で、味方が相手チーム選手を体で押さえ攻撃ルートを作ってくれる。2を押すとアリウープの要請で、味方の選手が高くジャンプし、そのタイミングでパスするとジャンプした選手はそのままボールを受け取りダンクシュートを決める。 最後に3を押すと味方の選手が跳び箱の「馬」になり、その選手に向けて走りながらシュートをすると味方の選手をジャンプ台にして、派手なダンクシュートを決めることができる。これらの連係プレイは相手のブロッキングを欺くためのテクニックとして多く使われていた。 ドリブル技の場合、Aを短く押すとドリブルしている左右の手を入れ替える「クロスオーバー」、長押しすると方向など状況によって様々なドリブル技を駆使する。さらに特殊ドリブル技Wの場合、相手をボールで投げ倒したり、相手の股下にボールを通して抜いたりすることも可能だ。 シュートの場合、Dを押し始めるとジャンプをし、放すとシュートをする。走りながらDを押し続けるとダンクシュートを決める。さらに、Dを短く押して放すとシュートの姿勢をして、まるでシュートするかのようにフェイクすることができる。シュートの姿勢でDを連発すると手を上げて下げて、相手のブロック失敗を誘発し、その隙にシュートすることができる。本作の場合相手を欺くフェイク技術の使い方がそのままプレーヤースキルに反映されているようだ。 さらに本作では特殊状況「ゲームブレイカー」という機能が存在する。試合中AやWキーでドリブルを使っているうちに画面上のゲージが徐々に上昇する。ゲージが満たされボールを所有した状態でコートの真ん中でWキーを押すとシュートを決めるまで「ゲームブレイカー」という特殊な状況を発動させることができる。 「ゲームブレイカー」に入るとまず相手チームの点数を-1させることができる。さらにAやWキーで駆使するドリブル技が格段にうまくなり、ボールをドリブルしながら360度回ったり、ボールを利用してアクロバティックな動きをするなど、華麗なドリブルを次々に駆使することができる。 この「ゲームブレイカー」状態では様々なドリブル技を使いながらさらにゲージを上げて行き、シュートを決めると。ゲージ量に比例してボーナス点数を獲得することができる。ゲージを満タンにすると最大+4の点数が追加され、3点シュートを決めると7点獲得できることになる。うまく使えば相手に与えた-1点とあわせて大きく引き離すことのできる文字通りゲームの流れを変える機能となっている。 また、「ゲームブレイカー」発動中にボールを奪われると貯めたゲージがリセットされる上に、相手にも同じチャンスが与えられることになる。下手すると「ゲームブレイカー」の発動が味方チームを危機に追い込むことにもなりかねないため、より緊迫したプレイができたところが面白かった。どちらかのチームでシュートが決まると「ゲームブレイカー」状態は終了するため、最大限のボーナス点数を狙いながら素早くシュートを決めたいところだ。
■ プレーヤーキャラクタは各ステータスに特化しよう! 育成システムに注目 さて、プレーヤーはまず、ゲームの始めにキャラクタ作成を行なう。作成の際にはキャラクタの特徴となる得意ステータスと人種、髪型などを決める。ステータスにはダンクシュート、シュート、ドリブル、ブロッキング、スティール、スピード、パワーなどがあり、得意に選択したステータス数値は20に固定され、他のステータスはランダムに配分して作成される。 シュートはステータスが高いほど、その成功率は上がる。ブロッキングはリバウンドや相手のシュートを阻止する成功率で、スティールは相手からボールを奪い取る成功率、ドリブルはそれを阻止する成功率に影響する。また、スピードは走る速度に関わり、パワーはダンクシュートやブロッキングの際のキャラクタの揉み合いで有利に立てる能力だ。 プレーヤーキャラクタが最初からできるのはシュートやパス、ドリブルなど基本的なテクニックのみで、経験を積んでテクニカルツリーを成長させることによって、華麗なダンクシュートや複雑なドリブルが可能になる。 テクニカルツリーには攻撃、守備、その他と3系統に分かれており、各分野でよりステータスを上げたり、特殊能力を身につけることができる。例えばドリブルでは、最初のプレーヤーキャラクタはドリブルしている左右の手を入れ替える「クロスオーバー」というドリブル技しか使えないが、テックツリーでドリブルの能力を上げると、ボールを股下に通してドリブルする「レッグスルー」などの技に発展させていくことができる。 また、ブロッキングの場合はパワーのステータスと平行して成長させていく必要がある。いたずらにブロッキングを上げ続けても相手のダンクシュートをブロックしようとしても揉み合いで力負けしてしまうからだ。このためブロッキングとパワーを同時に成長させることがプレーヤー間でもセオリーとなっていた。逆に言えば、ブロッキングと同様、ダンクシュートをきめる側も簡単にブロッキングされないようにパワーを強化していく必要があるわけだ。 筆者は、シュートに特化したキャラクタを作成したが、開始当初は3点シュートを決めることはおろかゴール近くの2点シュートも全然決まらず本当に失望したが、シュートのテックツリーを上げていくにつれて3点シュートもビシビシ決まるようになり、キャラクタの成長が明確に感じられた。 また、多くのユーザーは3対3用のチームに合わせて、キャラクタ作りをしていた。特にシュートを重視する「ブロッキング1人+シュート・ダンクシュート2人」の組み合わせか、「ゲームブレイカー」にも対応できる「ブロッキング1人+シュート・ダンクシュート1人+ドリブル1人」の組み合わせが主流だった。
■ 力を合わせシャキール・オニールに挑戦しよう。チャレンジモードが搭載! 最後に、個人的にもっともお勧めのゲームモード「チャレンジモード」を取り上げたい。チャレンジモードはシャキール・オニール選手やティーム・ダンカン選手などNBAスタープレーヤーに挑戦するモードだ。プレーヤーが1人でプレイする場合はランダムに選択された2人のNBA選手が付き、3人のユーザーが挑戦する場合はプレーヤーキャラクタ3人対NBA選手3人の試合になる。 チャレンジモードは基本的に3点先取から6点先取までの短い試合だ。さらに、ダンクシュートのみ点数が認められるタイプ、ダンクシュート以外の普通のシュートのみ点数が認められるタイプ、「ゲームブレイカー」の状態のみ点数が認められるタイプの3種類の加点方法で進められる。 このチャレンジモードは常に4つのチャレンジゲームがリストアップされるため、無限に楽しむことができる。さらにプレーヤーのレベルによって難易度が異なり、レベルが上がるにつれ手応えも大きくなった。 チャレンジモードの報酬には経験値、ゲーム内マネー、チャレンジポイント、全能力値+1の消耗アイテムなどが用意されている。チャレンジポイントを集めるとボスチャレンジをプレイすることができる。ボスチャレンジはシャキール・オニールなどの超有名選手との試合で、勝利点数25点の長い試合だ。当然、普通にチャレンジモードでは得られないアイテムもゲットできるなど、報酬も良い。 また、チャレンジモードで得られた消耗アイテムはレシピを通じて、衣装アイテムを作ることもできる。例えば、全能力値+1のペットボトル40個を集めれば、パンツを作ることができるといった具合だ。ひたすら経験値やマネー狙いだけではなく、RPGのような感覚でアイテムを集めてアイテムを作成できるところが面白い。 「NBASO」は実存のNBA選手がストリートに登場し、ドリブル技やダンクシュートが派手なのが特徴のゲームだ。さらに、実際のゲームプレイではアリウープなどのチームの連係プレイが特に面白い。スタープレーヤーがNPCとしてチームに加わった際のバランスの問題はあったが、プレーヤーのみの3対3のプレイはキャラクタの組み合わせとチームの連係プレイ、プレーヤースキルが特に重視されて作りこまれており、e-Sportsなどの試合向けタイトルとしても非常に良い出来だった。今後の展開が期待されるタイトルだ。
(C) 2008 Electronic Arts Inc. EA and the NBA Street Online logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. The NBA and individual NBA member team identifications reproduced on this product are trademarks and copyrighted designs, and/or other forms of intellectual property, that are the exclusive property of NBA Properties, Inc. and the respective NBA member teams and may not be used, in whole or in part, without the prior written consent of NBA Properties, Inc. c 2008 NBA Properties, Inc. All rights reserved. All other trademarks are the property of their respective owners
□CJ Internetのホームページ(韓国語) (2008年5月14日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|