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【連載第29回】韓国最新オンラインゲームレポート

CJ Internet/コーエー、「真・三國無双 Online」記者発表会を開催
ギルドシステムやPvPシステムなどが韓国で先行実装!!

5月8日開催

会場:ソウルウェスティン朝鮮ホテル

 韓国CJ Internetと株式会社コーエーは5月8日、韓国ソウル市内のウェスティン朝鮮ホテルにおいて「MMOアクション対戦『真・三國無双 Online』記者発表会」を開催した。

 本発表会ではコーエーのWindows向けMMOアクション「真・三國無双 Online」のゲーム内容の紹介から韓国展開についての詳細が発表された。韓国語版のファーストローンチとなる第1次クローズドβテストは6月5日から8日まで4日間の予定で、CJ Internetがサービスするオンラインゲームポータルサービス「NetMarble」を通じて展開される。オープンβテストは2008年下半期を予定し、正式サービス開始時期は未定。ビジネスモデルは日本と同様に基本プレイ無料のアイテム課金を予定している。

 今回の発表会で注目されたのは、日本では実装はおろか発表すらされていない、ギルドシステムやPvPシステムを韓国で先に実装すると発表したことだ。ギルドシステムにより、勢力対勢力、個人対個人の戦いに加えて、ギルド対ギルドの要素を新たに盛り込む。PvPシステムは、現在日本で実装されている拠点などを用いた戦略性のあるゲーム性を排除し、対人戦により特化したゲーム性を持ったシステムになるという。

 これらのシステムの詳しい内容や実装日程については明らかにされなかったものの、コンテンツによっては韓国先行で実装されるというコーエーとCJ Internetのカルチャライズ戦略が早々に発表されるのは興味深かった。

5月8日ソウル市内のウェスティン朝鮮ホテルでメディア向けに行なわれた「MMOアクション対戦『真・三國無双 Online』記者発表会」の冒頭には、「真・三國無双 Online」の雰囲気に合わせ、剣術のパフォーマンスも行なわれた


■  韓国では6月5日から8日まで4日間CBT実施。ギルドやPvPなど、日本未実装の新コンテンツを先行展開!!

CJ Internetの代表取締役社長ジョン・ヨンジョン氏「『真・三國無双 Online』は昨年コーエーとの契約以来、韓国語への徹底したローカライズに力を入れ、違和感の無い仕上がりになっています。期待していてください」と挨拶した
本発表会に参席したコーエー代表取締役社長の松原健二氏は、今年がコーエーの設立30周年の節目であることに触れつつ、コーエーが日本のゲームメーカーの中でも、最もオンラインゲームの開発と運用に長けた会社であるとPR。「『大航海時代Online』に続き、『真・三國無双 Online』を韓国の皆様にお届けできるということは私たちにとって大変大きな喜びです。サービスを開始しても、色々と開発を続けて参ります。楽しみにしていてください」と締めくくった
コーエーソフトウェア事業部ソフトウェア3部長シニアマネジャー藤重和博氏は、ゲーム内容の説明を担当した。「ギルド機能は日本では未公開のものです。これを韓国で先行実装することで、ユーザー様の反応を期待しています」と述べた
 コーエーは、韓国市場において、コーエーコリアを通じて「無双」シリーズの最初の作品PS2「真・三國無双」を2002年に発売して以来、全シリーズを完全韓国語版で投入しており、ユーザーの知名度と共に期待度は高い。「真・三國無双 Online」では、昨年3月にコーエーとCJ Internetとの間で韓国展開が発表されて以来、1年3カ月を経てようやく第1次クローズドβテスト実施にこぎつけたことになる。

 第1次クローズドβテストは6月5日から8日まで4日間の日程で、2008年下半期にはオープンβテストが予定されている。韓国語版の第1次クローズドβテストでは反董卓連合シナリオと5つの戦場マップ、9種の武器とランク3まで開放、32種の防具が実装される。CJ Internetは、一度にすべて実装するのではなく、ユーザーのゲームに対する習熟度に合わせて段階を踏まえながら順次アップデートを行なっていくという。

 すでにオープンβサービスが実施され、今月中にサービスインになる中国と台湾に比べ、契約発表からサービス実施までのタイムラグが韓国だけ大きい理由は、コーエーとCJ Internetの間で、カルチャライズの調整による理由が大きかったという。

 注目したいのはそのカルチャライズの内容である。まだ日本で実装されていないギルドシステムとPvPシステムが日本より先に韓国で実装される。特にPvPのシステムは日本で実装されているコンテンツから戦略面を取り去って対人戦により特化したものになるという。詳細な説明はなかったが、現在の日本サーバーでの「激突」にある拠点を取り除いた小規模のアリーナのようなマップでプレーヤー対プレーヤーの戦いにフィーチャーした内容になることが予想される。

 また、ギルドシステムでは、実装に合わせてギルド対ギルドの対戦にも対応する。この新モードでは、対戦成績によってギルドランクが上がったり、ギルド独自の俸給や専用のアイテムが手に入るという。このあたりのシステム面での取り組みは気になるところだ。

 これらのシステムが先行導入される背景には、韓国で展開している多くのMMOタイトルのユーザーが、ギルドを軸にした活動やPvPでのプレイを好んでいることが挙げられる。韓国ならではのカルチャライズといえるだろう。

 松原氏によれば、「真・三國無双 Online」では、各国のユーザーニーズに合わせて、独自開発したコンテンツをその国で随時先行実装していく方針を採っていくとのことだ。ただし、特定の国に独占配信するわけではなく、最終的には同じコンテンツをサービスしていくことにしたいという。つまり、今後日本でもギルドシステムやPvPシステムが実装されるのは間違いないわけだ。

 今回の発表会では、残念ながら具体的なサービススケジュールや、韓国向けの有料アイテムの内容などは公開されず、正式サービスまでには今しばらく時間が掛かりそうな感触を持った。ただ、すでにギルドシステムは開発が完了し、PvPシステムの開発が進行中という報告もなされ、開発そのものは順調のようだ。

 さらに、ギルドシステムやPvPシステムのほかにも、戦闘待機ルームやキーカスタマイズ機能、チャット機能など40種類のUIにも変更が加えられるとのことだ。この場では何れも簡単な説明だけであったため、具体的な情報が提供されるのが楽しみである。今月中の中国や台湾のサービスインから韓国展開まで、本作の海外向けの動きが活発になってきた。今後の新情報に期待したい。

CJが運営するプロゲームチームCJ Entusの「Starcraft」のプロゲーマー、マ・ジェユン選手とキム・ジュンヨン選手が韓国語版「真・三國無双 Online」のデモを行なった

韓国語版「真・三國無双 Online」。デモプレイでのバージョンでは、日本語版と比べ、テキストの言語以外に違いは見あたらなかった

(C) 2007-2008 CJ Internet Japan Corp./ (C) 2006-2008 KOEI CO., Ltd.

□CJ Internetのホームページ(韓国語)
http://www.cjinternet.com/
□「真・三國無双 Online」のホームページ(韓国語)
http://game4.netmarble.net/JinSam/

(2008年5月9日)

[Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]



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