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ガマニア、新作MMORPG「星辰Online(仮)」先行体験レポート
絆を強くしていく恋愛要素や、クエスト自作システムなどユニークな要素を紹介

4月18日収録

2008年サービス予定

 ガマニアは、2008年に新作MMORPG「星辰Online(仮)」のサービスをスタートさせる予定だ。今回は、「星辰Online」のディレクターを務めるガマニア オンライン事業本部第1事業部第3運営チーム ディレクターの茂木敬吾氏の説明と、第3運営チームのチーフである廣田一億氏のデモプレイから、今回明らかになった「星辰Online」のユニークな要素を紹介したい。

 「星辰Online」は、2月のGamania本社訪問レポートでもお伝えしたように、今期最初となる自社開発の新作MMORPGだ。現在、台湾Gamaniaではすでに基本プレイ無料のアイテム課金制で正式サービスしている。本作の大きな特徴は、「星座」をテーマにした独特な世界観である。プレーヤーキャラクタは作成時に星座を設定する。この星座はキャラクタのスキルや、日々の運勢などプレイに密接に関係してくる。

 本作では星座や理想の相手といった項目を設定することで、異性のプレーヤーキャラクタ(プレーヤーの性別ではない)を探し出すことが可能だ。その相手と絆を深めていくことで一層ゲームが楽しめるというユニークなシステムを採用している。この他にもアバター要素など、女性ユーザーを強く意識したタイトルだ。

 女性向けというと、男性プレーヤーには取っつきにくい印象を受けるが、本作は基本要素として「冒険」を楽しめるオーソドックスなMMORPGであり、それに加えて、ユニークなシステムを導入している意欲的な作品となっている。本稿ではこれらの要素を紹介したい。


■ オーソドックスともいえるゲーム性に、理想の相手と絆を深める「恋愛要素」を盛り込んだユニークなMMORPG

ゲームの説明をしたガマニア オンライン事業本部第1事業部第3運営チームディレクターの茂木敬吾氏
デモプレイを担当したガマニア オンライン事業本部第1事業部第3運営チーム チーフの廣田一億氏
星友になるとできるようになる特別なエモーション「手の甲にキス」。エンチャントの能力もあるところが面白い。お姫様だっこなどのエモーションが取り入れられているゲームはあるが、キャラクタ同士の関係性をゲームに取り入れているのが本作の大きな特徴だ
 「星辰Online」は「星座」をテーマにしたMMORPGだ。プレーヤーは月の「女神」の意志を継ぎ、星座の力で召喚された者達となり、異変が起こる異世界を救うために冒険していく。

 プレーヤーキャラクタは作成時に生年月日を設定する必要があり、星座によって日々の運勢が異なる。これにより生産スキルの成功率や、回避率、クリティカル率などが変わってくる。たとえば、生産運が良いときにまとめてアイテムの生産を行なうといったプレイスタイルが想定されている。本作は占いや星座、恋愛要素など、女性プレーヤーにもアピールできる要素を多く持つ作品だ。

 本作の世界には、銃の概念があったり、街に大きなロープウェイが設置されていたりと、機械と魔法が融合した独特の文明が築かれている。世界観は、巨大なトウモロコシの顔をしたモンスターが登場したりと、色々な要素が混ぜ合わさった独特なテイストとなりそうだ。キャラクタのデザインは目が大きくかわいらしい。アバターデザインとしては現代風の服なども用意されるという。

 用意されるキャラクタのクラスは8種類。接近戦が得意な「テンプルナイト」、「パラディン」。銃を使いこなす「スナイパー」、「レンジャー」。強力な攻撃魔法や仲間の力を強める魔法を使う「ウィザード」、「ソーサラー」、そして回復役である「ビショップ」、「プロフィット」。これらの職業は“3次職”で、最初は単一の職業から分化していくという。後の職業特性を考えてキャラクタを育てていく必要がありそうだ。

 テンプルナイトの盾に砲弾を発射する機能がついていたりと、SFテイストも盛り込まれており、職業の役割もユニークなものになりそうだ。また、本作は占いによって「仲間」、「恋人」、「星友」といった各種の“繋がり”を作ることができる。この繋がりは本作の大きなアピールポイントとなっており、プレーヤー達の協力を重視するゲームデザインとなっている。パーティープレイの要素にも期待したい。

 星座は占い以外にも大きな影響を及ぼす。たとえば、「星盤」システムにより、各キャラクタはスキルの構成が変わってくる。この星盤システムはレベルを上げていくことで設定した12星座それぞれのユニークなスキルを習得していくシステムだ。このスキルにも複数の選択肢があり、同じ星座のキャラクタでも、プレーヤーごとに個性を出すことができる。スキルの中には90秒間変身できるスキルがあり、変身中は星座を象徴する鎧を身にまとい、全ステータスが大きくアップする。変身スキルは30分に1回使用可能だ。

 本作はクエストや生産システムにも独特の要素が多数盛り込まれている。今回体験できた要素で面白かったのが、「キューピッドシステム」だ。このシステムに自分のデータと、理想の相手を登録することで、条件に合う異性のプレーヤーキャラクタを検索することができる。そして実際に出会い、両者が合意すれば「星友」になることができる。この星友候補の検索は1日に3回まで行なうことができる。

 相手が見つかるとそれぞれのキャラクタの上にハートマークが出る。ハートマークは他のプレーヤーも見ることができる。他の人にも2人がカップルであることを知らせることができるのである。プレーヤー達はこの絆を強めるために「シンクロテスト」に挑戦できるという。

 このテストはクイズ形式で出題され、男女のキャラクタが同時に挑戦することになる。「女の子が好きな男の子のタイプは?」という質問に「1.優しい思いやり、2.ユーモアとセンス、3.硬派で渋い、4.まじめ」という選択肢が出る。これに対してそれぞれのプレーヤーが自分なりの好みを答えていくことで相性のポイントが加算される。質問はこの他にも、「喧嘩したとき女の子はどうする?」、「女の子が嫌いな男の子の行動は?」といった問題があり、10問出題される。このテストは1日1回挑戦することができる。

 シンクロテストや狩りを繰り返し、十分に絆を深めたキャラクタは「恋人」にまで関係を深め、「手の甲にキス」や、「お姫様だっこ」といった特別なエモーションを2人で行なうことができるようになる。このアクションはエンチャント効果も持っていて、能力が向上する。「星辰Online(仮)」は恋愛要素がメインではなく、あくまで遊び方の1つの方向性にすぎない。全ての人が恋人を作る必要はない。それでも愛情たっぷりな姿を周りに見せつけるのは、一部のプレーヤーの大きな楽しみとなるだろう。

 実際の性別に関係なくキャラクタを選べるMMORPGに、真っ正面から恋愛要素を盛り込んだ「キューピッドシステム」は興味深い。性別の違うキャラクタを演じるのはネットゲームでは当たり前であるが、出会いと絆、そして恋愛要素まで盛り込まれる本作では改めてプレイスタイルをど考えさせられる。また、キャラクタの恋愛をプレーヤーがどう受け止めるかも考えてみると面白い。ゲームと現実が微妙に絡み合ってくる要素は、異世界での生活を楽しむ方向に向かった他のゲームとは違ったプレイ感触をもたらしそうである。

【キャラクタ】
キャラクタ選択画面。台湾では1アカウントで最大12人までキャラクタが作れるという。職業や星座で様々なアプローチが楽しめそうだ
左から、スナイパー、テンプルナイト、ウィザード。テスト用のキャラクタは高レベルに設定されている。キャラクタを育てると派手なスキルが使用できる。中央のテンプルナイトは盾についている砲で弾を発射できる
【街】
機械と魔法が融合した世界観を持つ街。巨大なロープウェイがあり、乗り込むことができる。現在動くギミックはこれだけということだが、今後どのようなものが追加されるか楽しみだ。右は巨大な望遠鏡。星座をテーマにした本作らしいオブジェクトだ
【星盤システム】
キャラクタに星座を設定することで毎日の運勢が変わり、習得するスキルも変わってくる。右は変身でまとうことができる山羊座の鎧。現在男女別で24種類の鎧が実装されている。蠍座はシッポがあるなど、星座の特徴が取り入れられているのはコミックっぽいイメージだ
【恋愛要素】
理想の相手の条件を入力し検索することができるキューピッドシステム。自分の性格などは自己申告である。ゲーム内での出会いのきっかけになるかもしれない
冒険を共にし、シンクロテストを繰り返すことでプレーヤーの絆は深まる。2人でプレイすることが楽しくなるシステムだ


■ 自分でクエストを作成したり、生産スキルをレンタルしたり、挑戦的な新システムを導入

ダンジョンに登場する大きな虫と巨大なトウモロコシ。世界観として統一感に欠けているのは否めないが、どこか陽気で、何でもありな雰囲気は台湾のゲームのならではのテイストといえる
プレーヤーがNPCの会話まで設定できるハッピーパイロットシステム。イベント好きのプレーヤーに喜ばれそうなシステムだ
スキルをレンタルできる思い切ったデザインの委託生産システム。人気の武器職人などが現われるのだろうか
 「星辰Online」には他にも多彩なシステムが盛り込まれている。「ラビリンスシステム」では、青、赤、黄色の「星の欠片」を集めることで様々なダンジョンに挑戦できるようになる。ダンジョンには魔法陣の形をした3つのスロットがあり、ここに星の欠片をはめ込むことでプライベートダンジョンへの入場が可能になる。星の欠片はフィールドモンスターからドロップされる。

 欠片の配置パターンによりダンジョンの構造は異なる。ボスモンスターを倒したり、仕掛けを動かすなどクリア条件も様々だ。星の欠片にはレベルが設定されていて、高レベルの欠片を使うことで高レベルキャラクタ向けのダンジョンを作ることができる。ダンジョンはインスタンスゾーンになっており、パーティーでの挑戦が可能だ。

 ダンジョンには“謎”が用意されていて、特定の敵を倒したり、仕掛けをクリアしないと宝箱が開かなかったり、出口が見つからなかったりする。最大6人で挑戦可能で、敵が集団で現れるためソロプレイでのクリアは難しい。低レベルのものでもフルメンバーで40分程度の時間が必要となる広大なダンジョンである。

 次に「ハッピーパイロットシステム」は、プレーヤー自身のクエストを作成することができるシステム。このシステムでは制作者だけでなく、10人までの「スポンサー」を募ることが可能だ。クエストは専用のNPCを配置したり、会話を編集してオリジナルストーリーを提供できる。基本的にはNPCを見つけ出すか、そのNPCにアイテムを持って行くかで、アイテムをドロップするモンスターを設定することも可能だ。

 ユニークなのは報酬も制作者やスポンサーが提供するところだ。報酬はゲーム内アイテムやゲーム内通貨で、クエスト作成時に先払いしておく形を取るため、無茶な報酬を約束して破産する、ということはない。報酬はクエストのクリアの順位や、かかった時間でのランキングなどで決定される。スポンサーや制作者のメリットは、クエストに挑戦したプレーヤー達の評価ポイント。このポイントを集めることで通常手に入れることのできないレアアイテムを入手できる。

 このため、評価ポイントほしさにプレーヤーがクエストを粗製乱造する危険性がある。台湾でも、こうしたリスクを懸念してのことか、常設のコンテンツではなく、1サーバーだけに提供している。イベントを主催したいプレーヤーには魅力的なシステムだが、どのように質を保っていくかは運営との連携も必要となりそうだ。

 「星辰Online」の生産スキルは、「鍛冶(武器・防具)」、「錬金(回復・補助アイテム)」、「機械(弾薬・電池)」、「装飾(アクセサリー)」、「裁縫(ローブ・軽装備)」の5つが現在実装されている。通常の職業に加えて1つを選んで習得していく。この他に補助系の機能を持つ「カード」製作スキルが実装される予定だという。

 独特なのはこの生産スキルを使った「委託生産」システムだ。街にはこの委託用の掲示板があり、この掲示板に自分がマスターしたスキルを委託しておくことができる。すべてのプレーヤーは、この掲示板から好みのスキルを借りて、生産行為を行なうことができる。借りる際には、委託時に貸し手が設定した任意の手数料が必要となる。生産スキルを掲示板に委託登録するというコロンブスのタマゴ的発想がいかにも台湾風だが、苦労して高めた生産スキルを最大限に活かすことができる非常に素晴らしいシステムだ。


 「星辰Online(仮)」は、精密な世界観からゲームシステムを組み上げていくのではなく、MMORPGという包容力のあるゲームジャンルに、星座をテーマにしたありとあらゆる要素を盛り込んだオンラインゲームという印象を受ける。これは基本を忠実におさえ、さらにそれら要素を先鋭化させていく、韓国のオンラインゲームとはまったく別のベクトルを感じさせる。台湾のゲームの傾向を考える上でも興味深い作品である。

 数あるシステムの中でも注目したいのが恋愛要素だろう。現実の恋人や夫婦がMMORPG内でパートナーとしてゲームを楽しんだり、ネットでの出会いが現実の出会いとなるというケースも見られる。しかし、「星辰Online(仮)」ではそれをキッパリと否定している。星座が選んだ相手としか星友になれない。すべてのプレーヤーは、現実世界での繋がりを断ち切って、新たにオンライン世界で恋人を探す努力をしなくてはならないのだ。

 台湾ではネット上で2人で共同生活を楽しむようなコンテンツがあるという。「星辰Online」ではシステムによって偶然引き合わされた2人が絆を強くすることでゲームルール的にも成長していく。コアプレーヤー同士で深い結びつきを育むケースも多くなるかもしれない。

 「星辰Online(仮)」は、プレイ空間はハートが飛び交い、ラブラブなカップル達が街を闊歩するゲームになるのだろうか。もちろん「星辰Online」は狩りに、成長に、ストーリーと他のゲームに負けないコンテンツが導入される予定で、たっぷりと冒険が楽しめるコンテンツではあるが、やはり「プレーヤー達の関係」に注目してしまう作品だ。これまでとはひと味違った世界が楽しめるMMORPGになりそうだ。

【ラビリンスシステム】
星の欠片をはめ込んで作るインスタンスダンジョン「ラビリンスシステム」。クリアに40分ほどかかる歯ごたえのあるものになりそうだ
【ハッピーパイロットシステム】
自分たちでクエストを作ることができるハッピーパイロットシステム。細かく条件を設定可能だ。クエストに挑戦しているプレーヤーの背後には風船が飛ぶ
【生産と、委託生産システム】
様々なアイテムを作ることができる生産システム。委託システムと合わせてゲーム社会の充実も図っていきたい
【アバター要素】
現代風の服装が多いアバター要素。他の作品よりも「ファッション」の要素が強くなりそうで、日本での展開も楽しみだ

【スクリーンショット】
フィールドのスクリーンショット。奇妙な巨岩や、海賊のようなキャラクタ、夜の風景など想像を掻き立てられる。右下は街の風景。巨大な水の壁に囲まれているようだ
ラビリンスシステム。3つのスロットに星の欠片を入れ、インスタンスダンジョンを作り出す 星盤システムで使える変身スキル。星座を象徴する鎧をまとうことができる 炎をまとった狼のモンスター。モンスターのデザインにも注目したい
かわいらしいキャラクタの魅力を更にアップさせるエモーション。サービス時には右のような星友・恋人エモーションをする恋人がたくさん登場しそうだ

(C) 2008 GAMANIA DIGITAL ENTERTAINMENT Co.,Ltd. All Rights Reserved.
※スクリーンショット、ゲーム内容は開発中のもので、実装時に異なる場合があります

□ガマニアデジタルエンターテインメントのホームページ
http://www.gamania.co.jp/
□関連情報
【1月28日】Gamaniaの新タイトル、恋愛要素を取り入れたMMORPG「星辰 Online」
プレーヤーの生き方を問うMMORPG「仙魔道」、2Dアクションゲーム「Art of War」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080128/gamania.htm

(2008年5月2日)

[Reported by 勝田哲也]



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