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会場:台北世界貿易中心
入場料:大人200台湾ドル(約700円) 「リネージュ」や「メイプルストーリー」などを台湾で展開し、パブリッシングメーカーとして高い知名度を持つ台湾Gamania。同社は外国のオンラインゲームメーカーを紹介すると共に、「自社のオンラインゲームを制作したい」という理想を設立当初から掲げていた。 昨年Gamaniaはオンラインですごろくが楽しめる 「ネットdeすごろく す~ぱぁ★リッチ」やMMORPGの「ブライトシャドウ」を開発し台湾だけでなく、日本でもサービスしデベロッパーとしての活動をスタートさせた。Gamaniaは今後も積極的にオリジナルゲームを展開していくという。 今年のTaipei Game Showでは、台湾オリジナルタイトルがほとんどなかった。来場者の注目を集めているタイトルは外国のものばかりだった。台湾ユーザーは台湾のデベロッパーが作る優秀なゲームを待っているはずである。そして我々メディアも各国の優良なタイトルが出てきて初めて、文化を比較し、より面白いゲームの方向性を模索できる。台湾ユーザーのゲームに対する意識を高揚させるためにも、台湾オリジナルコンテンツをTaipei Game Showできちんとアピールして欲しい。
今回、Gamaniaは本社にて、「仙魔道」と、開発子会社のPlaycooと協同開発している「星辰Online」、そして韓国GniSoftが開発し、国際的なパブリッシングの権利を取得したオンラインアクションゲーム「Art of War」の説明会を開催した。Taipei Game Showに出展しなかったGamaniaだが、台湾ユーザーのGamaniaにかける期待は熱い。このユーザーの期待にどこまで応えることができるだろうか。
■ ゲームの中で選ばれた相手と恋愛を。十二星座とギリシア神話の雰囲気、恋愛要素を取り入れた「星辰 Online」
本作で展開するストーリーは12星座や、ギリシア神話をモチーフにしている。キャラクタのデザインはかわいらしく、装備品などには細かい装飾が施されていて、グラフィックスからは強いこだわりが感じられる。 本作の大きな特徴は「女性に受けいられやすい」要素を取り入れているところだ。1つ目が「占い」である。プレーヤーはキャラクタ作成時に生年月日を入れておくと、星座占いに従って1日ごとに占いの結果を知らされる。戦闘運が良ければ的に与えるダメージが大きくなるなど、その占いの結果はゲームプレイにも影響し、キャラクタのパラメーターに関係してくる。 もう1つが「キュービットシステム」。プレーヤーが入力できるキャラクタプロフィールには「好きなもの」や「趣味」、「好きな色」など様々なデータを入力できる。キューピットシステムはこのデータを検索し、「最良の異性の相手」を探し出してくれるのだ。 最良の相性のキャラクタ同士がパーティーを組み冒険を繰り返すことで絆は強くなっていく。プレーヤー同士の繋がりはもちろん、システム的にもその繋がりは反映し、強力なスキルも使えるようになる。それだけでなく、特別な「エモーション」が使えるようになるのだ。そのエモーションとは手を繋いだり、肩を抱いたり、キスをするなど愛を確かめ合うアクションである。 本作でキュービットシステムを使うプレーヤーはゲーム的に明確に「恋愛要素」を求められる。これはプレイに特殊な雰囲気をもたらしそうだし、それはゲーム世界そのものにも影響をもたらしそうだ。女性でプレイしているキャラクタは実際のプレーヤーの性別にかかわらず男性キャラクタから強烈なアタックを受けそうである。バーチャルな恋愛といっても、ゲームキャラクタの向こうには実際の人間がいる。説明会に同席した女性スタッフに作品の感想を求めたところ「男性キャラクタからアプローチされるのは面白いと思う」という答えが返ってきた。 MMORPGでは男性が女性キャラクタを演じることは一般的なことだ。台湾でもそれは同じで、実際のプレーヤーの性別割合も男性の方が多い。相性の良い女性キャラクタを見つけても、彼女の“本当の性別”がどちらかはわからない。“中の人”は男性の可能性も高い。本作のアプローチは面白いと感じる反面、実際にプレイする時の自分の気持ちを考えてしまう。 相性の良い相手を探すことは何度でもできるが、関係を深めるのは時間が必要である。ゲーム内ではたくさんのカップルが誕生することは間違いない。相手を探したり、占いの結果を知らせるような要素は「飛天オンライン」で取り入れられているが、本作はこの要素にさらにフォーカスを当てていく。台湾の有名な占い師の協力などを考えているという。 また、プレーヤーがGMの様にイベントを主催することができる「ハッピーパイロットシステム」が実装される。これはプレーヤーがゲーム内のアイテムを購入することで使える機能で、「街の中にあるキャラクタを隠す」といったクエストを作ることができる。他のプレーヤーは参加費を払うことでこのイベントに参加でき、成功すれば報酬を得ることができる。参加費と報酬のバランスや、どこまで自由度のあるイベントを仕掛けることができるか、実際に遊んでみたいシステムである。
この他にも一時的に特別な鎧をまとって力を強化するシステムや、クエストなど様々な要素が用意されているとのことで、ユニークな切り口のMMORPGとなりそうだ。実際にスタートした時にプレーヤー社会がどんなものになるかのぞいてみたいし、日本でサービスされるならばどのような世界になるかとても興味がひかれるところだ。
■ 大きな戦いとプレーヤーの生き方を問うストーリー性が魅力の「仙魔道」
本作ではチュートリアルでいくつかの選択をすることで、プレーヤーキャラクタは「仙族」と「魔族」どちらかに属するキャラクタとしてこの世界に降り立つ。「仙魔道」のキャラクタや世界観は「星辰Online」や「ブライトシャドウ」などのかわいらしいラインとは違い、ハードな雰囲気を前面に押し出している。世界全体のイメージとしては「東洋的なファンタジー」というのがキーワードになるという。 「仙魔道」にはもう1つ善と悪の要素がある。プレーヤーはクエストや実際のプレイを通じて自分のキャラクタを望む方向に成長させていく。善と悪は対立する要素ではなく、キャラクタの中にどのくらい2つの要素があるか、でキャラクタの力が変わっていくという要素である。善悪は例えば善のモンスターを倒すと悪のパラメーターが上がったり、クエストの結果でどちらかの数値が上昇したりする。 善悪の要素はそのままキャラクタの能力にフィードバックする。善の数値が高いキャラクタは回復や防御力を上昇させるスキルを獲得できるようになり、悪のパラメーターを高めれば攻撃能力が上がる。プレーヤーは自分なりのバランスを求めてキャラクタを育てていく。熱心なプレーヤーならば両方のステータスを上げていくことができるかもしれないが、それはかなりきつい道になるという。 プレーヤーは様々な場面で善に進むか悪の道に進むかを問われる。ストーリー性の高い「ミッション」という要素もあり、プレーヤー達が生き方を模索していく楽しさが本作の魅力だという。プレーヤーは努力と決断によって仙と魔の属性すら変更することも可能とのことで、どのようなプレイ体験ができるか注目したいところだ。 アバター要素も本作の魅力だ。武器や鎧などの装備だけでなく、外見だけを変えることができるアイテムがあり、「体操服」や「セーラー服」といったハードな世界観からちょっとずれたユニークな服装などもある。「仙魔道」では東洋の仏像や仁王像のように背中に炎の形のようなオーラをまとうことが可能で、この光は自分のキャラクタのパラメーターによって形や光の強さが変わって来るという。 ゲームの大きな目的は仙と魔に属するプレーヤー達が争う大規模PvPとなる。この他ギルド戦など自分のキャラクタの能力を存分に発揮させる様々な要素が用意される予定だ。キャラクタの生き方がどのように戦いに影響していくか、プレーヤーはどの陣営に属して戦うか、そのバランスとルールも面白くなりそうである。
個人的に期待したいのはストーリー要素だ。MMORPGで動ストーリーを語るかの手法はまだまだ様々な方法があるのではないだろうか。その中でどのようにプレーヤーの“決断”を描くことができるのか。ユーザーがある陣営に所属するのは効率だけではなく、ストーリー上の決断であって欲しい。自分の“生き方”を振り返るようなことがMMORPGでできるのか、注目したい
■ 日本のアーケードゲームの雰囲気を色濃く持つ2Dオンラインアクションゲーム「Art of War」 「Art of War」は韓国ではGniSoftがすでにオープンβテストを開始しているタイトルで、台湾での展開は未定だ。台湾の前に中国で4月くらいからサービスを開始する予定となっていて、中国でのパブリッシング権もGamaniaが習得しているという。アイテム課金による正式サービスを予定しているタイトルだ。 本作は小さなキャラクタが巨大な戦車や砲塔などが設置されたフィールドを武器を片手に進んでいくオンラインアクションゲームだ。フィールドやキャラクタは2Dグラフィックスで細かく描き込まれており、「メタルスラッグ」など日本のアーケードゲームの雰囲気を作品の中に取り入れている。 ゲームには「協力モード」と「対戦モード」の2つがある。プレーヤーはリーダーがルームを作り、参加プレーヤーを募ってゲームを進行する。キャラクタはWで上に、Aで左にSで下に移動させる。マウスで武器の標準を動かし、クリックで攻撃していくという操作方法だ。 キャラクタは攻撃力や使用武器の異なる4タイプが用意されており、戦いを繰り返すことでより強力なキャラクタに成長させていく。課金アイテムで細かくカスタマイズして行く要素も楽しそうだ。協力プレイではNPCと会話しクエストを受けて進めることとなる。最大8人の対戦プレイ、協力プレイが可能だ。
戦場のハードな雰囲気とかわいらしさも取り入れたキャラクタデザイン、細かく描き込まれた背景などグラフィックスは重さとカジュアルさを両立させていて、魅力的だ。アクションのレスポンスや駆け引きの部分がしっかりしていれば日本でも人気を集めそうなタイトルである。
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□ガマニアのホームページ (2008年1月28日) [Reported by 勝田哲也]
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