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「アルタナの神兵」のストーリーが楽しめる「アルタナの神兵」ミッションと過去3国の連続クエスト。今回は第10回でお伝えした続きの内容をお伝えしていこう。ちなみに、今回紹介する内容で、現時点での実装内容のすべてとなる。その続きは、6月上旬のアップデートまでお預けとなる。 連続クエストの中でも、屈指の盛り上がりを見せるウィンダスの連続クエストでは、ついに“あの種族”までもが登場する。バストゥークでは国内で密かに進められていた計画が明かになり、フォルカーやザイドらミスリル銃士隊はヒューム族とガルカ族の確執の中、奔走する。サンドリアではユニークでコミカルなシーンが織り込まれつつ、少年のある決意までが描かれている。見所満載、お楽しみ頂きたい。 水晶大戦という激動の時代に翻弄される若き英雄たち。彼らと出会いながら各国で起きる事件を追っていく冒険者。四国同士の不信から崩壊しかねない状態のアルタナ連合軍。この状況を憂う猫の王。彼女が探しているという“暁の神兵”とは?
上機嫌にあの“異端の予言”を唄っている猫の王は、冒険者の姿を見るなり嘆き悲しみだす。どうやらこの場所は本来、普通の人が入り込めるような場所ではないようだ。続けざまに彼女は冒険者が手にしているというある力に驚く。その力は「時を自在に舞う力」、“祝福されし者”だけがもつ力だという。なぜ冒険者にそんな大それた力が備わっているのか。 猫の王こと彼女は、水晶大戦が少しでも早く終わるよう、ひそかにこっそりと翔けまわっていたという。だが、エルヴァーン族は思い上がった政策をかかげ、ヒューム族は他の民の痛みを知ろうとせず、ガルカの民は他者への憎しみを深めるばかり。ミスラ族は仲間同士の小競り合いに明け暮れ、タルタルたちはおろおろする間にヤグードたちの聖都侵入を許してしまった。彼女が言うことは確かに、いずれも冒険者が過去の三国で感じ取ったそのものだ。 アルタナ連合軍は国内外を問わず不信感に捕らわれていて、このままでは崩壊しかねない。そんな時代に流される嘆きの涙がすこしでも少なくなるよう働きかけるのが、彼女の仕事だそうだ。また彼女は、いくさの時代にあらわれて世界を危機から救うとされている「暁の神兵」を探しているという。英雄なのか聖女なのかも全くわからず、言い伝えだけが手がかりのようだ。暁の神兵とは一体誰なのだろうか。
最後に彼女は、自分の名は“ケットシー”であることを告げ、去っていった。
各団長に役割が与えられ、会議は終了した。だが、カルゴナルゴ城砦の守備を任された人馬戦闘魔導師団「カモロドミロ」は胸の内に不満を抱え、ある策を巡らせる……。ウィンダスのみならず、どの国も同じだが、国内にある連帯感の弱さが迫る脅威をより大きな危機にしてしまう。 会議の覗き見を終えて戻ると、アジドマルジドの先生であるコルモルがジュノへと旅立つところだった。ジュノには食料増産の研究をする機関があり、各国の研究者が集まっているという。コルモルもそこに参加しようというわけだ。アジドマルジドのことを親身になって考えてくれていた恩師が旅だってしまったわけだが、彼の教育係は今後誰になるのだろう。 コルモルを護衛するコブラ傭兵団のティル、ミルらを追いかけジュノへとやってきた冒険者は、そこで1人のエルヴァーンの騎士ラシュマスと出会う。彼はヤグード教団軍の密書「百八結節のキープス」を奪い取ったものの、追っ手の襲撃を受けるうちに取りかえされてしまったようだ。冒険者はヤグードたちからそのキープスを再び奪うため行動する。
このキープスは、ソロムグ原野やガルレージュ要塞にいるヤグードから入手が可能だ。レベル75からみて、ちょうどいい強さ付近の敵なので、ジョブによってはソロで、パーティなら2~3人で安全に戦える。持ち帰ったキープスをサンドリアにいるゴブリンのリーダヴォクスに解読してもらうと、そこには不吉な内容が書かれていた……。カルゴナルゴ城砦、そして聖都に迫るかつてない危機。カルゴナルゴ城砦はカモロドミロの思惑も合わさり、最悪の状況を迎えている。冒険者はその危機に間に合うだろうか?
城外に出てきたコブラ傭兵団を見て、じりじりと距離を詰めていくヤグード教団軍。静寂のなか、胸壁から弓でヤグードを狙うペリィ・ヴァシャイ率いるアナコンダ傭兵団は、焦らずギリギリまで敵を引きつけようと緊張に耐える。しびれを切らしたヤグードに一斉に放たれる矢。ロマーの号令を合図に駆けていくコブラ傭兵団。無数の矢と魔法が飛び交う。 戦闘開始寸前の緊張と静寂、そこから一気に始まっていく戦闘。戦闘の開始を告げるペリィとロマーの号令、そして絶妙のタイミングで挿入されるBGMなど、この場面はエキサイティングなシーンの連続だ。本連載で紹介してきたミッション・連続クエストの中でも屈指の盛り上がりをみせる。多くの画像を使って見せてはいるが、その魅力は伝わりきらないだろう。ぜひ実際にプレイいただきたい。 戦闘の最中、城外で奮戦していたロマー・ミーゴをヤグードが放った強大な魔法が襲った。吹き飛ばされ気を失うロマー。それを見たペリィ・ヴァシャイは救出しようとするも、魔法に阻まれ近づくことができない。……そのとき、戦況をチョコボに乗って見守っていた謎の人物がロマーの元へと駆け寄ってきた……。 カルゴナルゴ城砦が死闘を繰り広げているなか、聖都ウィンダスにも危機が迫る。冒険者はウィンダス内へと続く地下空洞を進むヤグード教団軍の殲滅に赴く。このシーンでのバトルは、次々に襲いかかってくる合計50体ものヤグードたちを相手にするという戦いだ。1体あたりのヤグードのHPは300未満程度と低く、攻撃力もたいしたことはない。だが、なにぶん数の多さに圧倒されてしまうところがあるだろう。 実際には直接攻撃をしてくるのは数体で、あとのヤグードは近くで構えている状態になる。だが、範囲攻撃などで周囲のヤグードを巻き込んでしまうと攻撃が始まってしまう。範囲攻撃を駆使して激しく戦うのももちろんいいが、負けてしまうようなら落ち着いて少しずつ倒していくのが安全だ。また、ダメージを一定量軽減する白魔法「ファランクス」が使えると、細かなダメージをさらに減らせるのでオススメだ。
レベル75であってもソロだとジョブによってくるので、やはり2~3人いると安全だろうか。ペース配分を間違うと中盤からかなり厳しくなるかもしれないが、途中何度かHPやMP、TPを回復してもらえる。
このクエストでは、なんと男のミスラ「レコ・ハボッカ」がついにその姿を現わす。男のミスラはクォン、ミンダルシア大陸では非常に珍しい存在とされており、なにしろ「FF XI」全体を通しても初登場だ。レコ・ハボッカは、群がってくるミスラをよそに、冒険者に興味を示す。 彼は大魔元帥ロベルアクベルと行動を共にしているようだが、彼ら2人の会話はどことなく秘密めいている。ロベルアクベルの目的はウィンダスの勝利のみのようだが、レコ・ハボッカの目的は一体なんだろうか……?
また、このクエストでは、ヤグード教団軍の現人神「ヅェー・シシュ」もその姿を見せる。他のヤグードとは違い、流暢な人間の言葉を使う。ヅェー・シシュの生い立ちは、以前に公式サイトコンテンツ「Vana'diel Tribune II」12回の「ヴァナ・ディール人名事典」にて描かれている。それを見ると、人の言葉がうまい理由や、「我を辱め、誇りを奪いし人の子ら……」という恨みの言葉の意味もわかってくる。なお、「Vana'diel Tribune」、「Vana'diel Tribune II」ではヅェー・シシュ以外にも、この時代に登場する英雄たちの物語が綴られている。
ザイドやフォルカーたちと共に、密室で起きた暗殺事件を推理するミスリル銃士隊のニコラウス。その日の事件があった部屋には、軍務大臣以外は誰も出入りしておらず、悲鳴が聞こえたときには扉にカギがかかっていたという。そして衛兵が部屋に入ったとき、中は真っ暗だった。また、軍務大臣の遺体は、部屋の入り口ではなく奥にあったという。状況は明らかに不自然だ。 この話を冒険者に伝えたのは、参謀総長のアーデルハイトだ。彼女は銃士隊のニコラウスと同じ門下で学んでいたようで、門下生一の名探偵だったニコラウスが手間取っている事件に興味津々。どうやら銃士隊の話を立ち聞きしてしまったようだ。彼女はその後も一連の事件への興味が尽きないようで、しょっちゅう立ち聞きをしている姿が登場する。彼女のやじうま根性が手柄を立てる日がいつかくる……だろうか? 事件の進展がないままのある時、事件の起きた部屋で銃士隊隊長のクララは、ガルカの子供パグダコの姿を発見する。衛兵が入り口をしっかり見張っていたというのに、パグダコはどうやって中に入ったのだろうか。一方、フォルカーはウェライらと共にいた。アンティカ族に故郷を追われ、多くの同胞を失ったガルカ族の哀しみを理解し、ガルカ族にも分け隔て無く振る舞うフォルカーの姿を見たウェライは彼を認めていく。
ミスリル銃士隊の心が安まるときはない。続いては、バストゥークの領事館に赴任予定だったサンドリア王国の大騎士デュレルの一行が、クゥダフ兵団の襲撃にあったという報せが入る。逃げ延びた騎士によれば、デュレル准爵はパシュハウ沼にある鉱山の坑道に連れ去られたという。現場に急行するフォルカーとザイド。そして、それを追いかける冒険者だった。
戦闘終了後も、次々と押し寄せるクゥダフたちを前に苦戦するフォルカーと冒険者の姿が続く。窮地に追い込まれ、ザイドの忠告が正しかったと後悔するフォルカー。この頃の彼はまだ血気盛んなところや焦りが出てしまっているのか、ザイドと衝突してしまうシーンも見られる。 デュレル准爵を救出し、サンドリアで起きていた暗殺事件とバストゥークの暗殺事件の手口が同じだという情報を手に入れた銃士隊。犯人の有力な説が上がり、残るは密室の侵入経路と部屋が暗闇だった謎が残る。冒険者はこれまでに聞いた話からこれを推理することになるが……。
この後、バストゥークにはまた別の事件が持ち上がる。冒険者が以前に調達の協力をした怪しい道具、シフートが発端だ。シフートはガルカ族が憎むアンティカ族と意思疎通を図るための道具だった。冒険者は、シフート調達の依頼を仲介していたエンゲルハルトと接触する謎の人物の会話から、エルディーム古墳に何かがあることを掴む。そこで目にしたのは、信じがたいものだった。
バストゥークの物語はこのように、ミステリー仕立ての要素がとても多い。連続クエストの中で少しずつヒントを得てひとつの謎を解き、そして次の問題が浮上する。数々の事件を調査していくフォルカーやザイドらミスリル銃士隊の姿はある種、刑事ドラマ的にも見えるだろうか。 バストゥークの物語の評価は、渋みのあるテーマが多く好みが分かれそうだ。他国の物語と比べると、丁寧に把握していかないと置いて行かれるような難解さがあり、複数の出来事の話題が前後して入ってくる。戦争という暗い時代に起きる事件を解決すべく奔走するミスリル銃士隊の物語として、ある意味リアルであるとも言えるのだが、内容的にも明るい話題が少ない。全体に渋い物語だ。
逆に言うと、見所も渋みの部分にあって、ウェライの件で憤っているガルカ族とフォルカーのやり取りでは、辛い立場に立たされながらも誠実に対応するフォルカーの姿に、男の魅力を感じたりもする。もう少しコミカルで息を抜けるシーンが入って欲しいが、そうしたシーンは今後のアーデルハイトの動きに期待することになるだろうか。これまでに積み立てられたバックボーンを活かした、男たちの渋い物語が今後どのように展開していくのか。期待していきたい。
ハルヴァーはアルテニアの兄で、このときは決死の作戦に参加した妹の代わりに自分が隊に参加するともめていたようだ。友人であるフィリユーレ子爵やアルテニアから説得されるも、踏ん切りが付かないハルヴァーは、最終的に従騎士たちに押さえ込まれて引き下がっていく。伸ばした手と悲痛な叫びが、また一段と魅力的(?)だ。
危険な任務に参加することになったアルテニアは、エグセニミルたち少年騎士団の後見人を再び冒険者にお願いする。彼女が立ち去ったあと少年騎士団たちの元へと足を運んでみると、エグセニミルとラーアルはさっそく不在。なんでもブンカール浦に灰色の巨人を見に行ったとか。アルテニアから再び彼らを任されたばかりというのに、早くも問題発生だ。冒険者はブンカール浦へと急ぎ向かう。
リーダヴォクスいわく、巨人クリュティオスは神の血を引くと言われるウラノス兄弟のひとりで、恐れられている存在だという。釣り勝負に負けたらきっと食われる、などと、恐ろしいことを楽しげに語る。勝負のほうは、どうやらエグセニミルが負けているようだが……? このクエストはご覧のとおり、コミカルなシーンの連続だ。凶暴で恐れられているというウラノス家の巨人となぜか、釣り勝負をしているという不思議な光景。実際のところ敵意を持っていない者には、巨人たちは優しいのだろうか。また、エグセニミルもオークに対しては強い敵意を持っているにもかかわらず、ここでは巨人に釣り勝負を挑んだり、普通に接するばかりか優しさも見せている。エグセニミルがオークを憎む理由はクエスト中に語られるが、オーク以外の獣人には分け隔て無く接するのかもしれない。
意外な結末を迎えた釣り勝負の末、冒険者はブンカール浦に生えているという即効性の薬草を探すことになる。この薬草はちょっと変わった性質を持っているようで、時間らしき数字と、三国の名前が書かれている一枚のメモを頼りに探すことになる。薬草は北西の付近に生息しており、それを調べてみれば、メモの意味はすぐにピンとくるはずだ。
このシーンでは、サンドリアに起きてきた奇妙な出来事や事件の謎が明らかになっていく。また、他の獣人とは違った雰囲気を持つゾッグボッグ、そしてデーモン族のビフロンスが登場する。ビフロンスは現代においてはズヴァール城に出現するノートリアスモンスターで、水晶大戦時代においては獣人血盟軍の軍師的な存在だ。また、ある過去の別のクエストにも登場している。そちらはまた別の機会に紹介しよう。 ここで冒険者が戦うのは、ブッチズボッッチという見るからに凶悪なオークのノートリアスモンスターだ。巨体はどす黒く、眼は赤く光っている。格闘攻撃とカウンターを繰り出し、HPが減ってくるとカウンターの発動率を高めるカウンタースタンスを使ってくる。高レベルの冒険者ならばそれほど強敵ということはないが、やはり何人かのパーティで挑むのが賢明だ。
ブッチズボッッチよりも気をつけたいのは周囲にいるモンスターだ。ブッチズボッッチが出現する場所は周囲をノールが徘徊しており、戦闘中に襲われてしまうと危険になる。近くに安全なところがこれといってないため、先にノールを倒しておくなり、襲われないよう気を配りながら戦うことになる。
クエスト名にもあるとおり、エグセニミルはある決意をする。それは、オーク帝国軍の将軍バックゴデックバックゴデックと行軍していたドッグブデッグを目の当たりにしたことによりわき上がった強い決意。エグセニミルは、父親であるアルフォニミルに自分の決意を話し、ある頼み事をする……。
これまでは少年たちの軽い興味心やいたずら心から事件が起きてきたが、ここから物語は急転していきそうな予感がある。実力は充分とはいえ、まだ幼い少年が目にするのはいったいどんな物語だろうか。
バトルシーンの難易度は、まだ物語の序盤であることもあってか、少人数規模のパーティでクリアできるほどに抑えられており、手軽に楽しめるところが重視されている。ぜひ実際にゲーム内で楽しんでいただきたい。
水晶大戦時代の三国でそれぞれに起こる事件、そして若き日の英雄たちはもちろん魅力的だが、実はそれとなく登場している人物も知る人ぞ知るという存在だ。今回紹介している中だと、ウィンダスの連続クエストに登場しているエルヴァーンのジョゼや、他国の物語にもたびたび登場しているゴブリンのリーダヴォクスは、「Vana'diel Tribune」の「修道士ジョゼの巡歴」に登場している。リーダヴォクスの口調もそのままだ。こうしたちょっとしたところにも、引きつけるポイントが散りばめられているのもまた、面白いところだ。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年5月1日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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