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【連載第10回】まったりマイペースで「ファイナルファンタジーXI」の魅力をレポート

ファイナルファンタジーXI連載
~ヴァナ・ディール“水晶大戦”探放記~

「アルタナの神兵」ミッション・連続クエスト編
猫の王、そして若き日の英雄たちと、出会いの連続

 「FF XI」の魅力として欠かせない存在なのが、ストーリー性の高い“ミッション”だ。サンドリア王国、バストゥーク共和国、ウィンダス連邦という三勢力のいわゆる三国ミッションから始まり、これまでの拡張ディスクでもそれぞれに奥深い物語が綴られてきた。その「FF XI」独自の成功の方程式は、「アルタナの神兵」にも受け継がれている。だが、「アルタナの神兵」のミッションはこれまでと少し違った特徴を持っている。それは“ミッションとクエストの融合”だ。

 “アルタナの神兵ミッション”は、水晶大戦時代のサンドリア王国、バストゥーク共和国、ウィンダス連邦でそれぞれに展開される“三国連続クエスト”と連動している。これまでミッションとクエストは似て非なるものとして別々に楽しむコンテンツだったが、「アルタナの神兵」では、特定のクエストをこなさなければ、ミッションが進まず、ミッションを進めなければ、新たなクエストが発生しない。ミッションとクエスト両方が合わさって「アルタナの神兵」のストーリーというわけだ。

 今回は、ミッションのプロローグシーンと、その後に始まる三国でそれぞれスタートする連続クエストの序盤シーンを紹介していきたい。「アルタナの神兵」では冒険者がそれぞれ1つの国に所属することになるが、この三国連続クエストは所属国に関係なく楽しめる。既に所属している国のストーリーは楽しんだという方も、他国のクエストにぜひチャレンジ頂きたい。


忘らるる口、はじまりの刻。
謎の世界で、遭遇した「猫の王」

    どこからともなく、金属質の声が近づいてくる……。

    「???」

    ……あらあら?
    だれかが、ここにいた気配?
    アタクシの気のせい?

ジュノ周辺の「禁断の口」を調べていると、突如として吸い込まれてしまった
気がつくとそこは、見たこともない景色だった。空は妖霧のような紫に染まり、眼下には橙色が果てしなく広がる
どこからか声が近づいてくると思うやいなや、光にはじき飛ばされ、落下した冒険者
 現代のクォン、ミンダルシアの両大陸の各地に突如出現した「禁断の口」。ジュノ周辺地域の禁断の口を調べていると、突如として冒険者の体は吸い込まれてしまった。

 気がつくとそこは見慣れない風景。薄暗く、空は妖霧のような紫色に覆われ、大地はなく、眼下は見渡す限り橙色に染まっている。そこかしこに岩が浮いていて、冒険者はそのひとつ、どこか禍々しさを感じさせる建物がある場所にいた。見上げるとそこには大きな穴があり、穴の中だけは青く光を放っている。

 ……ここはいったいどこだろうかと立ちつくしていると、耳慣れない金属質の声らしき音が聞こえてきた。

「……忙しくって
ながい旅の……たまってる……
……かしら?
……可哀想……の
灰色の……人の手を……
…………まぎれたりも……のかしら?」

 遠くから聞こえてくるのか、途切れ途切れで何を話しているのかははっきりとしない。その女性口調の声は、「アータもそう思うっていうの?」と問いかけたりもする。独り言ではなく何かと会話しているかのようだ。

 だが、その姿は見えず。次第に声がはっきりと聞こえてくるようになったと思うと、宙に丸い光が浮かび上がった。それはみるみる間に大きくなり、強い衝撃を発して冒険者の体を外へとはじき飛ばした。空中に投げ出された冒険者は落下し、水に落ちるように消えていった……。

 謎に満ちたこのシーンは、「アルタナの神兵」のはじまりを告げる冒頭の出来事だ。最初にジュノ周辺に出現した「禁断の口」を調べると、この不思議な世界で起こる出来事に遭遇する。冒険者の姿が消えたあとに現われた謎の声の主の名は、この時点だとRegal Felineとされている。訳すと、「猫の王」だ。

 猫の王と表現される彼女は、長く大きくてとんがっている耳、先が白い尻尾、大きな眼、頭には小さな王冠のようなモノを乗せていて、背にはマントを纏っている。外観も非常に個性的だが、彼女の声は金属質に聞こえていたという。それともそう表現するほかない独特の声質なのだろうか。一言に言えば獣人という言葉になるが、獣人という言葉以上にかなり特殊な存在だろう。

 気になるのはこの謎の世界が禍々しさを感じさせるところ。妖霧に包まれているような天候のせいもあるかもしれないが、草木も枯れかけているかのようで荒廃している印象を受ける。禁断の口もその外観はおぞましい。だがそれらに対して、彼女自身は敵意を感じさせるような風貌ではない。かわいらしく、女性らしいセクシーさを感じさせる仕草など、邪悪な存在とは思えない。愚痴をこぼすほど忙しく動き回っているようだ。

ジュノの部隊兵が駆ける空には、現代にはない渦星が瞬く。水晶大戦の時代だ
 この不思議な出来事の後、冒険者が気づくと、そこは水晶大戦の時代だった。時間を超えて過去の時代へたどり着いたことになるが、なぜ長い歴史があるヴァナ・ディールの中で、この戦争の時代に繋がっているのかは気になるところだ。そこには何らかの存在の意図があるのだろうか?

 倒れている冒険者を発見したジュノの部隊は、この時代の人々が口にしている「渦星、現るとき……」という異端の予言の、禁断の口との関連を気にかけている。そして、禁断の口が出現した時期と、獣人の勢力が急に増した時期が重なっていることもまたひっかかるようだ。

 この一連の流れの中で冒険者は、気づかぬうちに「純白の羽根」というだいじなものを手に入れていた。白銀色の煌きを放つ羽根で、不思議な力を感じるという。なお、この部隊とのやり取りの後、冒険者は過去世界での冒険を開始することとなる。その模様は本連載の第1回で扱っているので、そちらをご覧頂きたい。

水晶大戦の物語の始まり。純白の羽根はいったい?
倒れていた冒険者を発見したのは、ジュノの部隊だった。彼らもまた、この時代の「禁断の口」を調べているようだ。また、彼らは「渦星、現るとき……」という異端の予言も口にする。空には瞬く彗星。気がつくと冒険者は不思議な力を感じる「純白の羽根」を手にしていた


過去世界・サンドリア連続クエスト「少年たちの贈り物」、「オーク軍団掃討作戦」
未来の英雄、「少年騎士団」と共に、謎のオークと対峙する

    少年騎士団団長
    「エグセニミル」

    ……ふんっ、覚えておけ。
    こんな戦争、オレが終わらせてやる!
    大人なんかに任せてられっか!

「ゾッグボッグ」

……そうか。
道理で、あの眼は……
つまり、お前がこの時代の……。
グフフ……。

    少年騎士団副団長
    「ラーアル」

    ……君らは王都に走って、
    誰かに……
    アルテニアにも知らせてくれ!

    王立騎士団従騎士
    「アルテニア」

    こんなにも王都で奇妙な事件が
    頻発すると、あたしとしては、
    子供たちがとにかく心配で……。

アルテニアの頼みを聞くべく、少年騎士団に入れてもらおうとする冒険者。条件として、少年たちのある悪巧みの手伝いをすることになるが……
ちょっと怪しげなお守り「金の羽根」をエルヴァーンの大人たちに配る
「オーク軍団掃討作戦」では、オークとの戦闘も。全体に言えることだが、少人数でクリアできる手軽さが嬉しいところだ
 サンドリア王国の連続クエストで軸になるのは、大人顔負けの活動を行なっている“少年騎士団”だ。少年騎士団は、団長のエグセニミル、副団長のラーアルを中心に、「~であります」が口癖の警備隊長ロロンや、オークの戦車に乗っているビスティヨ作戦本部長など、全員がエルヴァーンの少年騎士で構成されている。

 冒険者はある出来事をきっかけに少年騎士団の存在を知り、少年たちを気にかけている従騎士のアルテニアと出会う。アルテニアはいつも無謀な行動をとる少年たちを心配しているが、常に監視しているわけにもいかず、困っていたというわけだ。アルテニアの頼みを聞き、騎士団の仲間に入れてもらうため、冒険者は騎士団のある悪巧みのお手伝いをすることに……。

 ちなみにエグセニミルは現代世界でサンドリア王国の英雄として名高い人物。水晶大戦の終戦後も北方のオーク帝国に対して長年侵攻を繰り広げ、凱旋後に国家間競技「コンフリクト」の再開をトリオン公に提言した人物でもある。この時代ではまだ幼く血気盛んな少年だが、ある事情からオークへの敵意が人並み外れて強い。

 また、副団長のラーアルは現代ではサンドリア王立騎士団団長を勤めている。この時代では少年らしい活発さもあるが、エグセニミルと比べると冷静で判断力と統率力の片鱗を感じさせる一面もある。現代のラーアルは王立騎士団団長であると共に、邪竜を討ち滅ぼすドラゴンスレイヤーとしても知られている。エグセニミル、ラーアルともに現代では高名な人物のため、このように彼らにまつわる逸話が「アルタナの神兵」以前に登場してきた。それらの中にはかなり気になる内容もあるのだが……。今、ここでは伏せておくことにしよう。

 なんとか冒険者を騎士団の一員として認めてもらえたその後、少年たちはアルテニアに内緒で、ある作戦を実行する。それによって少年たちは危機に陥ってしまうのだが……。冒険者はその窮地を救うため、オークと戦闘することになる。攻撃力が高く、カウンターを高頻度で発動するカウンタースタンスも駆使してくるので、ジョブによるがソロで挑むのは少々危険な相手。2~3人程度のパーティで挑めば基本的には安心だ。

 ここで登場する獣人ゾッグボッグは、そもそも冒険者と少年騎士団、そしてアルテニアが知り合うきっかけになったオークであり、そして物語の重要な側面を匂わせる存在だ。人間の言葉が非常に巧く、悪党風で品性は無いものの知能の高さは感じさせる。

 ゾッグボッグはこのとき初めて会ったはずの人物にある反応を示し、違和感を感じさせる“この時代”という表現をする。それはひとつの答えを想像させるのだが……。少年騎士団、そして冒険者と、幾度も出会うことになりそうなライバルであり、重要な謎を持つ存在だ。


過去世界・バストゥーク連続クエスト「沈黙の契約」、「静かなる警鐘」
次々と起こる事件。巻き込まれた冒険者は、若き日のフォルカー、ザイドと出会う

ミスリル銃士隊長
「クララ」

ザイドか。
お前の指揮に手抜かりがあったとは思えん。
賊はいったいどんな手を使って潜入したのか……。

    ミスリル銃士隊
    「フォルカー」

    大工房内で共和軍団の長が
    刺殺とは……くそっ!

    ミスリル銃士隊
    「ザイド」

    即座に近辺を封鎖して捜索中だ。
    保安庁にも応援を要請した。

    最長老ガルカと同居人
    「ウェライ」&「グンパ」

    誰に吹き込まれたか知らないが、
    私たちは内乱などもくろんでいない。

全ての始まりは北グスタベルグで倒れていた人からの頼まれごとからだった
誤解されたまま“依頼者”の元へ行くと、危険な匂いのする話を聞くことに。もう抜け出すこともできそうにない
次々に起こる事件を追うと、この時代のミスリル銃士隊との出会いが待っていた
 バストゥーク共和国の物語は、他国の物語とは少し味つけが異なっていて独特だ。冒険者はある企みと事件に巻き込まれるうちに、現代で英雄として知られる人物と出会っていく。バストゥークの物語というとヒューム族とガルカ族の確執や、政治的なやり取りによるものが多い。それはこの水晶大戦時代でも変わっていないのだが、物語の最中には冒険者から見ると何が真実なのかわからない状況が続く。いろいろと想像をかき立てられる、サスペンスやミステリー的な要素が感じられる。

 ことの発端は北グスタベルグの入り口で起こる。バストゥークはもう目の前というところで倒れてしまった深手を負った男から、冒険者はある頼まれごとをする。それはバストゥークの商業区にいるエンゲルハルトという人物に、男が持っていた「獣毛の束」を渡して欲しいという簡単なものだ。男はそれだけ伝えると意識を失ってしまっため、詳しい事情がわからない。だが、ただごとではないだろう……。

 冒険者は事情のわからぬまま、エンゲルハルトに“後任の者”と勘違いされてしまい“依頼主”が待つ場所へ行くよう指示される。目印の物を持ってきて間接的に“依頼”を受けるという、どこか秘密めいたやり取りできな臭さを感じる。指示された場所へ行くとそこには意外な人物が待っていた。

 そこで依頼された内容は、ゲアルバン島にいるゴブリンから、「シフート」という品物を受け取ってくるというものだった。シフートとは、ある目的に使う楽器の総称だ。それは嫌な想像を呼び起こす。成り行きとはいえ冒険者が荷担してしまっているのは、恐ろしい陰謀なのだろうか……? 冒険者は依頼を終えた直後に、ある手紙を手に入れる。手紙には、脅迫じみた文面が書かれていた……。

 次に伝えられた冒険者への依頼は、現代にも知られるガルカの長老ウェライと、その同居人であるグンパにかけられたある疑いの証拠を掴むというものだった。“現代”という、水晶大戦時代の人々からすれば未来に生きている冒険者にとって、その依頼の内容と事情は明らかに疑わしいものだ。だが、それを確認してもなお、事態は冒険者の予想とすれ違っていく。

 その後事態は急転する。ある人物が大工房内で刺殺されるという事態が起きたためだ。一連の流れの中で、冒険者とも関わりのある人物であり、それに加えて密室で起こった凄惨な事件には謎が多かった。ここまでに積み重ねられた、ある方向性の想像が冒険者の頭に巡る。戦うべき敵は戦争という時代を巻き込む規模ではっきりとしているのに、人々の心は次々に起きる事件にかき乱されていた。

 そんな中、冒険者が出会うのは現代に知られる英雄、フォルカーとザイドだ。2人とも現代の物語を楽しんだ人には馴染み深い。だがこの時代の2人はまだ若くミスリル銃士隊の一員。この時代の銃士隊隊長クララに事件の捜査を任されることになる。

 バストゥークの物語で軸となるのは、やはり現代では英雄的な存在であるフォルカーとザイドだろう。両者とも、現代ではそれぞれの思いや葛藤を抱え、水晶大戦時代の影響が強く見て取れる人物だ。だが、このとき出会った彼らにはまだそうした姿は見えない。後の現代に伝えられている史実では、彼らは水晶大戦最大の英雄となっている。今後の展開が気になるところだ。


過去世界・ウィンダス連続クエスト「胎動、牙持つ乙女」、「禍つ闇、襲来」
カルゴナルゴ城砦とアジドマルジド少年に迫る危機を救え!

    大魔元帥
    「ロベルアクベル」

    遅れてすまない。
    我は大魔元帥、ロベルアクベル。

アナコンダ傭兵団団長
「ペリィ・ヴァシャイ」

慈悲の心など捨てろ!
その爪で、その牙で、
ミスラ族の獰猛さ、思い知らせてやれ!
行くぞッ!
母なる大地の娘たちよ!!

    コブラ傭兵団団長
    「ロマー・ミーゴ」

    準備はいいか?
    私らに退路はない。
    攻撃の手を緩めるときは、
    滅びの刻だと思いなっ!

    ゾンパジッパの息子
    「アジドマルジド」

    ク、クアールか、
    おどかしやがって。
    じゃくてんはつちぞくせい、
    このていどはオレのてきでは……
    わあぁぁーーっ!!

オルジリアからウィンダスへと着いたばかりの義勇兵を迎えるロマー・ミーゴ。現代の様子からは想像が付かないほど、とても威勢がいい
アジドマルジドが見つけた漆黒の羽根を見て、ペリィ・ヴァシャイとロマー・ミーゴはそれぞれの団を率いてカルゴナルゴ城砦へ。アジドマルジドもこっそり1人で向かってしまう
 過去のウィンダスで冒険者が最初に出会うのは、幼少期のアジドマルジドだ。現代の彼は口の院の院長であり、絶大な魔力を駆使する英雄的存在だ。だが、このときはまだ子供でかわいらしい姿をしている。だが、話す言葉はすでに一人前。自称“テンサイジ”で、自分が活躍できれば「ウィンダスはいっぺんに平和になる」と語るほどだ。

 アジドマルジドは何かミスラ傭兵団に伝えたいことがあるようだ。駆けだしていったその後には、黒い羽根が落ちていた。羽根を拾いミスラ傭兵団のところへ行くと、ちょうどオルジリアから長い船旅を経た義勇兵たちがウィンダスに到着したところだった。

 義勇兵を出迎えるのは、現代でカザムに住む元族長のロマー・ミーゴ。現代では静かに言葉を交わすのみの彼女だが、この時代ではコブラ傭兵団を率いる戦士で勇猛果敢だ。威勢のいいオルジリアの義勇兵たちとも意気投合する。現代での立ち振る舞いとの差は非常に大きい。彼女にはどんな物語が待っているのだろうか。

 そんなミスラたちにアジドマルジドが伝えたのは、巨大なヤグードの姿。そして、カルゴナルゴ城砦に迫っている危機だった。その後、ひとりカルゴナルゴ城砦へ向かったというアジドマルジド、ペリィ・ヴァシャイ率いるアナコンダ傭兵団と、ロマー・ミーゴ率いるコブラ傭兵団。彼らの後を追うように、冒険者もカルゴナルゴ城砦へと向かっていく。

 カルゴナルゴ城砦で登場するペリィ・ヴァシャイもまた、現代に登場する英雄だ。現代ウィンダスにおけるミスラ族長であり弓の名手、そして視力を失っていることで知られる。はっきりとした口調で、深淵な言葉を話す彼女の存在感は、他を圧倒するところがある。水晶大戦時代の彼女は視力を失っておらず、物静かながら言葉は既に強さに満ちている。威勢のいいペリィ・ヴァシャイとは団を率いるライバルであり良きパートナーのようだ。

 ミスラ傭兵団がカルゴナルゴ城砦の守りについたその頃、アジドマルジド少年は危機を向かえていた。現代では冒険者からすると信じがたいほどの絶大な魔力を駆使する彼も、この時はまだ少年。冒険者が駆けつけるも、続けざまにヤグード教団と居合わせてしまう……。

ヤグード教団と激突! 魔法を駆使するヤグードと獰猛なタウロスが迫る
アジドマルジド少年のピンチを救ったのもつかの間。アジドマルジドが目撃したというヤグードたちと遭遇し、戦闘が始まった。ミスラ傭兵団は強大な魔法に苦戦を強いられてしまう

 ウィンダスの物語の魅力はなんといっても、水晶大戦時代のテイストがしっかりと感じられるところにある。戦闘前の緊張感、そして団員を奮い立たせるペリィ・ヴァシャイやロマー・ミーゴら魅力的なキャラクタたちの存在。スピード感のある戦闘シーン。“これぞ”というシーンが目白押しだ。

 今回紹介している範囲では、タルタル族の魔道団があまり登場していないが、最もインパクトのあるタイミングで、大魔元帥「ロベルアクベル」が登場する。登場のタイミングだけでなく、彼は姿も非常に特徴的だ。顔は黒い包帯で覆われ両目は黄色い。勝利のために手段を選ばず、敵はおろか、味方からも恐れられている存在だという。謎の多い人物だが、現代においてその姿はない。すでに亡くなっているということだが、そこにもまた、知られざる物語があるのかもしれない。


3国それぞれ異なるテイストの物語が楽しめる「アルタナの神兵」ストーリー
若き日の英雄たちに待つ運命、そして異端の予言とは

ロベルアクベルと会話する謎の人物。異端の予言に詳しいようだが……?
 今回は「アルタナの神兵」ストーリーの序盤シーンを紹介した。序盤ということで、まずは主要な登場人物や物語のバックボーンを中心に取り上げてみたが、いずれの国の物語でも現代の英雄が登場する。その姿は現代で馴染んできたものとはひと味違っていて新鮮だ。また、彼らには現代で既に伝えられてきた逸話がある。語られなかった物語がまだまだ眠っているのだろう。

 ただそうした逸話は、ある種「アルタナの神兵」においてはネタバレになる可能性を持つ。なにしろ経緯は詳しくないものの結論が伝えられているからだ。もちろんそれを知っていてもなお楽しめるとは思うが、本連載ではそのあたりをぼかしている。その上で興味を持ったかたは、関連書籍等でまとめられているのでチェックしてみるのがいいだろう。

 3国のクエストは、それぞれに全く異なるテイストを持っている。サンドリアは元気で活発な少年たちを中心にした冒険活劇。バストゥークはこれまでの背景を活かした、想像をかき立てられるサスペンス。ウィンダスは水晶大戦という戦争を前面に押し出している。スピード感や盛り上がりから、ウィンダスの物語はストレートで魅力がわかりやすくて秀逸だ。所属国に関係なく楽しめるので、ぜひプレイ頂きたい。

 最後に、ウィンダスの大魔元帥「ロベルアクベル」がある人物と会話するシーンからひとつ取り上げよう。その人物は、「渦星、現るとき 暁の神兵、降り立ちて……か。くしくも詩をなぞるような…… さて、闇夜に夜明けをもたらす白き翼ははたして……。」と異端の予言の一遍を語る。冒険者が猫の王と遭遇したとき手に入れた純白の羽根。この異端の予言ははたして……。今後の展開ががぜん気になるところだ。


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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2008年4月23日)

[Reported by 山村智美 / Pomm]



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