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「アルタナの神兵」サービス開始より初めてとなる、大規模なバージョンアップが導入された。約4カ月ぶりのバージョンアップとなるだけにユーザーからの注目も高く、アップデート項目も多岐に渡るが、今回はまず「カンパニエ」の変化をまとめてみた。これまでの「カンパニエバトル」は、強力なNPCの友軍部隊と共に勝利を重ね、手軽に経験値や連合軍戦績を稼げるものだったが、4カ月経つうちに、稼げるのはともかくとしてゲーム性に疑問を感じるところも出てきた。また、「カンパニエops」や「意見具申」については印象が薄かったと言わざるを得ない。
そうした状態だった「カンパニエ」が、今回のバージョンアップで大幅に変化した。友軍部隊のステータスが調整され、国力や士気・活気といったカンパニエのステータスが連合軍・獣人血盟軍ともに大きく影響するようになっている。これに伴い、「カンパニエops」や「意見具申」の重要性も高まった。「カンパニエバトル」は基本的に激化し、冒険者次第で変化する部分が増えたことでゲーム性が豊かになっている。最新の「カンパニエ」をより楽しむためのポイントを紹介していこう。
いずれの場所も長くプレイしてきている冒険者なら説明不要だろう。「ラヴォール村」だけは現代と名称が異なるが、これは元々サンドリア領としてあった「ラヴォール村」が水晶大戦終結の後にオーク帝国軍に完全に占拠され、「ダボイ」という地名に改められたためだ。水晶大戦の時代ではまだ「ラヴォール村」の名称で呼ばれている。 まずはその「ラヴォール村」に足を運んでみた。自国から連合軍戦績テレポでジャグナー森林へと移動しそこから南を目指す。現代とは違って、途中にはオーク帝国軍の築いたバリケードがあり、まっすぐに南へは進めない。西側から迂回して進むとたどり着けた。中にはいると、入り口そばにカンパニエ審理官の姿があった。カンパニバトル発生時には、彼からアライドタグを発行してもらえるほか、自国への帰還もしてもらえる。他のエリアと同様だ。ただし、獣人拠点は一度訪れても連合軍戦績テレポの移動先には載らず、直接移動することはできなかった。 中でまず興味深かったのが村の光景だ。完全に破壊し尽くされている現代とは違って、家々の多くが原形をとどめている。だが村人の気配はなく、多数のオークが徘徊しているばかりだ。中心部にある丘上の修道院も荒らされた痕跡は見られるものの破壊されてはいない。修道院へと続く橋も架けられている。 オークたちはレベル75から見ても「とても強い」から「とてもとても強い」クラスの強敵ばかり。それに加え、オーク以外にもレディバグやリザード、南側にはノール、北西側にはタイガーなどが徘徊していた。また、丘上の修道院周辺には見破り能力を持つインプもいるため、インビジやスニークを駆使しても容易には移動できない。 なお、修道窟には入れないようで特別なものは見られなかった。カンパニエバトルが発生すると、南東の広場に敵側の拠点が出現し、その周辺には多数のオークが終結していた。各地に攻め込んでくるオーク帝国軍部隊に数体参戦してくるノートリアスモンスター級のオークが、ここでは勢揃いしているようだ。ただ、各地にオーク部隊が出撃しているときなら手薄になるのかもしれない。
内部にはラヴォール村同様に、レベル75からみて「とても強い」から「とてもとても強い」クラスのヤグードが多数徘徊している。インビジ等で姿を消せば回避できるものの、ギミックを操作するときには解除しなければならない。そのため、単独で奥へと進むのは大変に困難だ。また、落とし穴で落ちた先から上へと続く階段には、インプが待ちかまえており凶悪なトラップになっていた。 最後は「ベドー」。多数のクゥダフ兵に混じって、スラッグやインプ、プリンといったモンスターが徘徊していた。他の拠点同様に、いずれもレベル75から見て強い以上の高レベルな敵だ。地下の通路で地上が繋がっているところなど、現代と作りは近い。だが奥へは進めなくなっているところが多かった。 こちらにも入り口に審理官がおり、カンパニエバトルが発生する。敵の拠点は地上南西側の広場にあった。もちろん、他の拠点と同じくクゥダフ兵団の強力な軍勢がひしめいていた。どの拠点にも言えることだが、カンパニエバトルの対象となる敵が出現する場所までにも危険が多い。またカンパニエバトル中にも周辺の危険はつきまとう。獣人血盟軍の各本拠地として、ふさわしい脅威を感じられる場所だった。
各拠点は今のところ、カンパニエバトルの舞台としての役割が主で、特別訪れる理由などは少ないようだが、今後はミッションやクエストなどでも訪れることになりそうだ。なお、3箇所の拠点ではパーティを組んでの戦闘音楽が新しい曲になっていた。非常に格好いい曲になっていたので、ぜひチェック頂きたいと思う。
バージョンアップ後の変化として一番大きいのは、国力、防衛力、士気や活気など、「カンパニエ」のステータスが大きく影響するようになったことだ。以前にはあまり意識されることがなかったところだが、「カンパニエops」でそうした国力を高めることで、「カンパニエバトル」が優位に展開する。 まず基本的な変更点として、NPCの友軍部隊のステータスが調整された。主にHP量が少なくなり、以前なら無敵と言わんばかりに獣人軍をなぎ倒していたところが、獣人たちと対等ぐらいに控えられた。このNPCの強さは「士気」が影響しているようで、「士気が高ければ強い」、「士気が低ければ弱い」ということが連合軍、獣人軍どちらにも言えるようだ。 「士気」がどのように増減するのかは定かでないが、一般的には、勝利が続けば上がるし、敗北が続けば下がるものだろう。また本拠地が攻撃されても危機感から下がるだろうか。「士気」が低い時期は、1箇所に冒険者が集中するなりして、なんとか勝利を勝ち取らなければならないかもしれない。 そのほかには獣人血盟軍の参戦部隊数が増加した。拠点を防衛する側の戦闘では、以前だと獣人軍の1~2部隊と戦って終了となっていて、時間にするとだいたい長めの時でも30分ほどだったろうか。これが現在では最大で3~4部隊が連続的に襲撃してくるようになった。時間にすると1時間を超えてもなお続くこともある。友軍部隊が以前よりは強くすぎないこともあり、戦闘の行く末は冒険者の手に委ねられる濃いものになったと思う。
もともとカンパニエバトルには、“バトル途中でも審査してもらうことで、経験値と連合軍戦績をもらって終了できる”という魅力がある。だが、バージョンアップ以前ではそれを活用する機会がないぐらいでバトルが終わっていたため、途中で終了できるという魅力が活かされていないところがあった。襲撃部隊数と冒険者の参戦数や行動次第によって、基本的に長時間続くものになったため、そこも活きてくるだろう。 このように「カンパニエバトル」は、「カンパニエ」全体のステータスによって状況が変わってくる。バージョンアップ以前からそうだったとは思うが、それがよりハッキリと感じられるようになっている。そのため、一概に「カンパニエバトルがプレイの面でどう変わったか」は断言しづらいところがある。例えば、所属国の国力や士気などが低く、逆に獣人軍は高いという状態なら、友軍が頼りなく獣人は強くて勝つのに苦労する。また、拠点防衛力が低い状態なのに獣人に好きなように攻撃させては、あっという間にバトル自体が終了してしまい満足な時間を戦えず報酬も低い。
だが、「カンパニエops」により国力が高まっていて士気や活気も高い状態なら、以前よりも面白い戦争バトルが楽しめるようになったと思う。NPCの友軍部隊、相手の獣人部隊ともに対等の戦いを繰り広げ、不規則に参戦と撤退をしてくる。その中で参戦している冒険者がどう行動するかが大事だ。以前にあった作業感が薄れ、戦争をテーマにしている拡張ディスク「アルタナの神兵」の遊びとしてふさわしい内容に進化している。
この「カンパニエ最新情報」は、国力の「情報力」が大きく関わる。情報力が低いと、自国の部隊の動きのみでそのほか詳しい情報が聞けず、あまり使い勝手がよくない。だが、情報レベルが高まると、他国の友軍部隊の動きや、獣人血盟軍の部隊の動きも掴めるようになり、部隊数なども把握できるようになる。発生するカンパニエバトルがわかり、どれぐらいの規模の戦闘になるかも想像できる。 具体的には、「カンパニエ最新情報」に情報が載ってから、10分から15分ほどで予告された部隊が到着するようだ。獣人部隊の到着がわかる状態なら、それがカンパニエバトルの始まりになる。おすすめのプレイスタイルとしては、「カンパニエ最新情報」を聞く、該当するエリアに移動する、カンパニエバトルを楽しむ、帰還して次の「カンパニエバトル最新情報」を聞く。というやり方が遊びやすい。 また、所属国が支配しているエリアでの防衛戦では、以前よりテンポラリアイテムを豊富に使えるようになった。以前は補充数が少なかったのか、テンポラリアイテムを受け取るメニュー自体がなくなっている状態が多かったが、今はほとんど自由に受け取れる。ただ、ここにも国力の物資や軍需品が関わっていそうだ。 テンポラリアイテムはカンパニエバトルが始まり、アライドタグがある状態で連合軍戦績と交換してもらえる。交換してもらえるアイテムは、勲章の所持状態によって変わるようで、主に戦績30、45、60のアイテムが用意されていた。活躍の実績である勲章を所持している冒険者は、より強力なアイテムを交換してもらえるというわけだ。 戦績30の品では「ハイポーション+3」や「ハイエーテル+3」、「呪符リレイズ」など。45ではエクスポーション+3やスーパーエーテル+3、状態異常を回復する「カトリコン」。60では「体力の薬」、「魔力の薬」、「エリクサー」や「ダイダロスウィング」といった強力なアイテムが用意されている。以前より激化したカンパニエバトルを戦うため、「呪符リレイズ」をはじめ積極的に活用したいところだ。
その友軍部隊の敵対心は、冒険者と同様の処理がされるように変更された。以前では、回復や強化などの魔法では敵対心に影響されなかったが、今は冒険者と同じように敵対心が上がるようになった。逆に友軍部隊のキャラクタが敵のターゲットを取り返してくれる部分も冒険者と同様になっているのでわかりやすい。これを活かして、友軍部隊との敵対心をうまく測っての戦術などもできるかもしれない。友軍部隊が複数の獣人軍と戦って充分に敵対心を稼いでいると思えるときに、「ブラックマイン」や「チューブ」を仕掛けてみたりといった遊びができる。
また、学者の範囲化した魔法では回復や強化といった仲間にかけられる魔法を友軍部隊のキャラクタに唱えると、そのキャラクタを中心とした“有効範囲内の全ての冒険者や友軍部隊”に効果がかかる。支援効果がより活用しやすくなったことで、支援する本人が楽しめるのはもちろん、その効果をもらう側も頼もしい。 そもそも範囲の支援効果は、カンパニエバトルを戦う仲間になら区別なく発揮されてもいいように思う。世界観としてもゲーム性としてもありではないだろうか。ただ、詩人の歌やコルセアのロールはこのような仕様になっておらず、そこが気になるところだ。いっそ、カンパニエバトルの独自の仕様として歌やロールなどを含めた範囲支援効果を、パーティを組んでいるかどうかに関係なく効果が与えられるものにしてもいいのでは、と感じている。
ペットジョブの変更もある。アライドタグをつけている冒険者のペットが、敵の範囲攻撃を受けるようになり、冒険者と同様に敵部隊の攻撃対象にもなるようになった。竜騎士、獣使い、からくり士、召喚士がペットジョブにあたるが、ジョブによって影響の大小が変わってくる。それぞれに立ち回りを変えていくことになるが、MP消費で召喚する召喚士はまだしも、竜騎士、獣使い、からくり士には少し厳しい変更かと思う。前述の戦績交換のテンポラリアイテムに、ペットの呼び出しアイテムや回復アイテムの追加などを期待したいところだ。
なお、カンパニエopsは所属国の国力等を高める効果があるため、充分な状態にある作戦は出現しない。例えば、獣人が支配しているエリアがないときには「侵攻支援」の拠点攻略はメニューから無くなるといったようになる。 「意見具申」は友軍部隊や自国が取る行動の方針になるもの。冒険者にアンケートを行ない、支持の多かった方針が1週間採用される。これも以前より明確に影響がでるようになったようだ。例えば筆者のワールドでは、サンドリアとバストゥークは、ラヴォール村やベドーといったそれぞれが近接する獣人本拠地に攻め込みカンパニエバトルが発生していたが、ウィンダスはオズトロヤ城に全く攻め込まずカンパニエバトルが発生しなかった。 そこで、ウィンダスの「意見具申」が何になっているのか調べたところ、最優先する作戦方針が「拠点防衛」、次点が「戦線維持」となっていた。作戦名称からも感じられるとおりだが、防衛と維持を優先しているため、獣人が支配しているエリアに侵攻しなかったと思われる。ただ、本拠地戦に関しては別の条件が設定されているかもしれず、現時点では断定的なことは言えない。例えば、国力や士気などが充分でないときに、「積極攻勢」が採用されていると無謀な侵攻の結果として敗北が続き、次の週には獣人たちに多くのエリアを奪われてしまうだろう。
また、支配エリアが少ないときに「戦線維持」や「拠点防御」が採用されれば、無理に侵攻せず支配エリアに戦力が集中され、勝利を重ねて士気や国力が高まり、次週に侵攻のチャンスが出てくるかもしれない。うまく戦況とかみ合うことが重要になりそうだ。そしてそれは、その国に所属する冒険者の意見によって決まっていく。カンパニエバトルの行方に関わるものとして、以前よりも重要度が増したと思える。
「輸送運搬」:支配エリア拠点の拠点防衛力、戦略物資数が増加 「治安維持」:所属国・支配エリア拠点の防衛力が増加。士気・活気が増加 「生産支援」:自国の技術力が増加 「侵攻支援」:獣人支配エリアの「カンパニエバトル」に参加することで報酬を得る 「防衛支援」:所属国支配エリアの「カンパニエバトル」に参加することで報酬を得る 「諜報工作」:所属国の情報力を高める、破壊工作では獣人支配拠点の防衛力を減少 「軍事訓練」:所属国の友軍部隊が強化 ・「意見具申」の作戦方針の影響
「後方撹乱」:獣人支配エリアへ行なわれている物資の供給量を下げる 「戦線維持」:ある程度の侵攻も行ないつつ、バランスよく戦線を維持する 「拠点防御」:侵攻を行なわず支配エリアの防衛に専念する 「兵士調練」:友軍部隊の兵士数が増えやすくなる 「兵士特訓」:兵士に特訓をして能力を高める 「強行偵察」:情報力が高まりやすくなる 「破壊工作」:獣人が支配する拠点の防衛力を下げる ・「意見具申」の後方支援の影響
「戦略物資調達」:所属国全体の物資獲得による効果がアップ 「物資輸送」:支配しているエリアの拠点防衛力が回復しやすくなる 「拠点補給」:支配しているエリアの戦略物資が回復しやすくなる 「武具増産」:友軍部隊の兵士の戦闘力を向上する 「武具改良」:友軍部隊の兵士に最新の装備を支給する 「治安維持」:士気・活気の上昇がアップ 「拠点改築」:防衛している拠点の最大防衛力を高める
水晶大戦という戦争の世界に身を投じて、その世界へ影響を与えつつ戦い、活動していると、自然に経験値や連合軍戦績といった報酬がもらえる。「アルタナの神兵」全体の方向がはっきりしてゲームとしての魅力がとても豊かになったと思う。個人的な意見として筆者は、以前のただ漫然と稼ぐだけが目的になっていた状況よりも面白くなったと感じた。 今回の変化で「カンパニエバトル」が一時的に激化し、手軽に遊べなくなったと感じた方は多いかもしれない。筆者も当初はそう捉えたが、理解が進むと共に国力が整うと、以前よりも激しくて戦争らしさを持った遊びごたえのあるプレイが楽しめるようになった。バトルで倒されてもリスクが一切ないことは元から変わらないし、今回紹介してきた要素を理解すると、この「遊びごたえ」の実感は高まるかと思う。
ただし、各所へのバランス調整はまだまだ必要だ。国力等により戦力や状況が大きく可変するようになったことで、以前にも増してバランス調整は難しいかもしれないが、「カンパニエバトル」での戦功のバランス、「カンパニエops」が与える影響のバランスや、「カンパニエops」の内容自体のさらなる魅力アップも必須かと思う。いろいろと多く書いてしまったが、そうした面が整い進化すると、他の追随を許さない素晴らしいコンテンツになるだろうと予感している。期待していきたい。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年3月19日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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