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デジタルメディア協会、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07」を発表
総務大臣賞は任天堂「Wii Fit」

3月10日 発表

功労賞を受賞した石原恒和氏。「こうやって受賞すると自分自身、歳を取った気分に襲われたけど、『ポケモン』はまだ12年。これからも質の高い商品を提供できるよう頑張りたい」とコメント
 社団法人デジタルメディア協会 (AMD) は3月10日に「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07 / 第13回 AMD AWARD」の受賞者を発表した。

 「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07」は、デジタルメディア業界の発展、人材育成を目的として、優れたデジタルコンテンツの制作者を表彰するために創設された賞。デジタルコンテンツという幅広いジャンルから選出されるため、テレビ番組からアニメ、ゲームコンテンツ等まで非常に多岐にわたっている。このため、受賞作はゲームとは関係ないものも含むため、ココではゲームに絞ってお伝えする。受賞作の一覧については当記事文末にまとめておいた。

 今回のゲームに関する受賞作として「優秀賞」に挙げられたのは任天堂の「Wii Fit」のみだが、この「Wii Fit」が最も優れたコンテンツとして表彰される「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07 総務大臣賞」を受賞した。授賞式には任天堂の専務取締役 情報開発本部長の宮本茂氏が駆けつけ賞状と盾、副賞などを受け取った。

 宮本氏は「『Wii Fit』の開発には大勢の方が関わっている。ハードの設計、センサーの開発会社やスタッフ、ソフトの開発チーム、病院の方にチェックしてもらったり、トレーナーの方など。このところAMDアワードでゲームは受賞を逃してきたが久々に呼んでもらえた」と嬉しそうに切り出した。さらに宮本氏は「『Wii Fit』の制作は暗中模索というか五里霧中というか、売れるとは思っていなかった。スタッフからも『本当にやるんですか?』と聞かれ、アドバイスを聞きに行った人たちからも『売れるんですか?』と聞かれた」と逆境の中での開発だったことを明かした。

 しかしそうした中で「Wiiが家の中心にあるということで、お父さんが子供から冷やかされたりして、そういったコミュニケーションをとる家族の繋がりを作ることを灯台の明かりとして制作を続けた」と語った。最後に「まだ海外で発売していませんが、春以降に世界で発売して、日本のコンテンツを世界に示していきたい」と挨拶し締めくくった。

 「Wii Fit」はWii発売時からターゲットとしてきた作品であり、そういった意味ではこのヒットは宮本氏にとって嬉しいところだろう。授賞式終了後に簡単に今後の展開などを伺ってみたところ「Wii Musicの開発も順調に進んでいます」と語り、Wiiを家庭で誰もが楽しめるゲーム機とするために「もう一段階考えていきたい」とさらなる秘策が用意されていることを伺わせるコメントを残した。

 授賞式で講評を語った東京大学大学院教授の浜野保樹氏は「(優秀賞は)選出にかなり苦労したが、ユニークなAMDならではの切り口で選ばれたと思う」と優秀賞の選出にあたってかなりのぶつかり合いがあったようだが、一方で総務大臣賞の「Wii Fit」が「すんなり決まった」事を明らかにした。「Wii Fit」は数多くの賞を受賞しており、誰もが認める、それだけのパワーを持ったコンテンツということができるだろう。

 このほかにゲーム関係の受賞は無かったが、株式会社ポケモン代表取締役社長であり株式会社クリーチャーズの代表取締役会長を務める石原恒和氏が功労賞を受賞した。受賞理由は「世紀を超えて衰えを知らぬ巨大なるマルチユースビジネスのサクセスストーリーを称える」としている。

 石原氏は「こうやって受賞すると、自分自身が歳を取った気分に襲われる。しかし『ポケモン』はまだ12年。これからも質の高い商品を提供できるよう頑張っていきたい」とコメントした。

 授賞式の最後には、来年度も開催する旨が発表された。幅広いデジタルコンテンツというジャンルの中で、ゲームファンとしては来年もぜひともゲームコンテンツが受賞して欲しいところだ。

「Wii Fit」が優秀賞を受賞し盾を受け取りほほえむ任天堂の宮本茂氏 優秀賞の中から最も優れたコンテンツとして選出されたのが「Wii Fit」。見事「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07 総務大臣賞」に輝いた。賞状と盾を受け取る宮本氏は大変嬉しそうだった
総務大臣賞はさらに海外旅行や賞品などの副賞が用意されていた AMDアワード受賞作品には毎年日比野氏作の受賞旗が手渡される。この1年は任天堂に収められることになる 宮本氏は「五里霧中の中で制作した」と「Wii Fit」の制作が難航したことを明かした。結果的に多くの人に受け入れられた作品としてその苦労も報われたことだろう
AMDの理事長として初めての「AMDアワード」授賞式となる。2015年までにコンテンツ産業を5兆円にまで引き上げるとする政府方針に沿い活動していきたいと挨拶 昨年まで13年間会長だった山科氏にはその功績を称え、襟川氏から感謝状と目録が贈られた
現状忙しく総務大臣も副大臣も欠席ということで総務省政策統括官の中田睦氏が登壇。マルチユース企画の賞創設に触れ、政府方針としてもマルチユースを促進していきたい意向を表明。コンテンツの流通促進を推し進めていきたい考えだ 司会を担当したのは明和電機の土佐信道氏。開会にあたって「指パッチン木魚」でパフォーマンスを繰り広げた 「マルチユース企画 クリエイティブ企画賞」にはゲームファンにも見慣れた名前「探偵神宮寺三郎」の企画名が上がっていた。ドラマとして企画されているようだ


【総務大臣賞】
作品名 会社名
Wii Fit 任天堂株式会社
【AMD理事長賞】
作品名 会社名
恋空プロジェクト 株式会社魔法のiらんど
【優秀賞】
作品名 会社名
iPod touch アップルジャパン株式会社
Wii Fit 任天堂株式会社
顔ちぇき!~誰に似てる?~ ジェイマジック株式会社
きまぐれロボット 株式会社角川モバイル
NTTドコモ
角川ザテレビジョン
アスミック・エース
着信御礼! ケータイ大喜利 NHK (日本放送協会)
恋空プロジェクト 株式会社魔法のiらんど
フジテレビ 深夜アニメ枠「ノイタミナ」 株式会社フジテレビジョン
ねこ鍋 株式会社ドワンゴ プランニング アンド デベロップメント
エレファント
初音ミク クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
【功労賞】
石原恒和氏
(株式会社ポケモン代表取締役社長)
(株式会社クリーチャーズ代表取締役会長)
【江並直美賞 (新人賞)】
勅使河原一雅氏
【リージョナル賞】
作品名 会社名
ミヤング 株式会社ネットレンド
【マルチユース企画 イノベーティブ企画賞】
応募作品タイトル 提案者
みんなでつなぐケータイ小説 株式会社インデックス
30分で体感する日本文学短編ドラマ 大日本印刷株式会社
TIKIBEE (ティキビー) ~ハワイの大自然を守る昆虫一家の物語~ 株式会社東北新社
非公開 株式会社日本アドシステムズ
フォーク音楽遺産! ~あの頃の自分に出逢える~(仮) 株式会社Live Life Japan
お願いポクポン!(仮) 株式会社ワンダー・ラボ
【マルチユース企画 オリジナル企画賞】
応募作品タイトル 提案者
新・極める~仏像百科 株式会社グレートデン
Japan folk tale ~新日本の民話 全国地域映像団体協議会
トリセツ (企画構成・小林薫堂) 株式会社電通 テレビ局
子供達の携帯ネチケット~大人の知らないケータイワールド 株式会社東北新社
Whee! JAPAN (仮) ~発見! おもしろスゴイ日本デザインPingmagTV~ 株式会社ドキュメンタリージャパン
VISUAL-KEI(ビジュアル系)~MADE IN JAPAN進化論 オタク文化が日本を救う~ 株式会社PMC
アイアンタワー 株式会社メディアアイランド
【マルチユース企画 クリエイティブ企画賞】
応募作品タイトル 提案者
蒼穹の昴 (浅田次郎原作) 株式会社アジア・コンテンツ・センター
探偵神宮寺三郎 株式会社いまじん
株式会社エキスプレス
株式会社クリエイターズ・プラス
非公開 株式会社ザ・ワークス
A WONDERFUL WORLD (仮) サンセットフィルムス
ONGAESHI サンセットフィルムス
トンスラ (都築浩原作) 株式会社電通 テレビ局


□AMDのホームページ
http://www.amd.or.jp/
□「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07」のページ
http://www.amd.or.jp/award/no.13/no.13.html
□関連情報
【2007年12月18日】デジタルメディア協会、新生「AMD アワード」の概要を発表
マルチユース促進を目的とした「企画部門賞」を新設
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071218/amd.htm
【2007年9月26日】社団法人デジタルメディア協会、新理事長の襟川恵子氏が挨拶
「総務省のバックアップの元、できる限り支援していきたい」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070926/amd.htm
【2007年1月31日】デジタルメディア協会「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'06/第12回AMDアワード」
任天堂の宮本茂氏が功労賞を受賞
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070131/amd.htm

(2008年3月10日)

[Reported by 船津稔]



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