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社団法人デジタルメディア協会、新理事長の襟川恵子氏が挨拶
「総務省のバックアップの元、できる限り支援していきたい」

9月26日 開催

会場:明治記念館

 社団法人デジタルメディア協会 (AMD) は都内で記者会見を開き、5月に理事長に就任した襟川恵子氏が挨拶を行なった。

 AMDは、コンテンツを横断する形でデジタルメディアを取り扱った社団法人として'94年に郵政省 (現・総務省) の管轄の元設立された。当時はCD-ROMが登場してまもなく、主にデジタルメディアのコンテンツ制作事業者が中心となっていたが、その後ブロードバンド、モバイルといった放送・通信を取り込み、業界を横断する組織へと発展してきた。様々な活動を行なってはいるが、一般ユーザー層に対する最も身近な活動としては、毎年選出している「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー」が知られているだろう。

 設立以来13年間、山科誠氏が理事長を担当していたが、5月25日の総会において退任。新たな理事長に株式会社コーエーのファウンダー取締役名誉会長を務める襟川恵子氏が就任した。

 今回の就任記者会見で襟川恵子氏は「国家戦略として知的財産立国を目指している、ブロードバンドを監督している総務省の下、モバイル、ブロードバンドが発達し、世界最速となった時代に、機動的になるためにリストラクチャリングすることとなった」と切り出し、「これまで賛助会員制度はあったが、ハードメーカーや、インフラを持つメーカー様にも会員になってもらい出席してもらい、コンテンツとハードと共に話し合うようにする」と、これまでのコンテンツメーカーからだけのアプローチではなく、ハードウェアと一体となった施策が求められる時代であるとの認識を示した。

 これは、ハードウェアやインフラだけでは成り立たないが、コンテンツだけでも存在し得ない相互依存の関係であることからきている。しかし、視点がまったく違うことから同じ問題でも簡単に合意に達するわけではない。この点について襟川氏は「いまは世界が相手で、大競争時代となっている。ハードとソフトではそれぞれ諸問題が山積していて、解答は出ないかもしれないが、話し合ってブレイクスルーしなければならない」と今後の展開に自信を持って挑む姿勢だ。

 新理事長の襟川氏、そして副理事長の角川歴彦氏は「総務省のバックアップの元、できる限り支援していきたい」と何度も口にした。今後はコンテンツの中身はもちろん、インフラの発展と手を取り合う形で新しいビジネスモデルの創出などに弾みがつく一方で、権利関係の保護など多面的に問題点を洗い出し、解決への道筋がつけられればいいだろう。記者会見後に行なわれた懇親会では、富士通、アサツー ディ・ケイ、イマジニア、ソースネクストなど新規会員が紹介された。

 この中で、富士通のモバイルフォン事業本部のソフトウェア開発統括担当者が壇上で「携帯はこれからどんどん進化していきます。ブロードバンドに引けを取らない、3G、4Gの時代がやってきます。これからいろんなビジネスチャンスがやってくると考えています。一方で、総務省主導の元、端末価格や通信料金の見直し、SIMロックをはずすといった話もありまして、必ずしも携帯ビジネスの先行きが明るいわけではない」とハード、インフラメーカー側の悩みを明らかにしている。

 角川氏は「'94年と言えばマルチメディアの時代で、CD-ROMが生まれコンテンツの世界をはじめ全ての情報産業が一変するのではないかと言われていた。そしてちょうどインターネットが商業化され、何が何でもデジタルコンテンツでいこうといったときに、『CD-ROMはパッケージなのに総務省の管轄で良いのか?』と侃々諤々の論議があった」と振り返りながら、CD-ROMからインターネット、モバイルへと時代の変化に対応していくことに触れた。「今回定款に『高度通信コミュニケーション・テクノロジーの時代に適合したデジタルコンテンツの質的変化・動的変化の中で対応していく』というのが付け加えられた」とし、「私は2011年に日本は変わると常々言っております。地上波デジタルが全てになる中で、通信も全て変わり、期せずして2011年に全てが変わっていきます。総務省も、通信と放送の法律の一本化というなかで、放送だけでない色々なコンテンツが欲しいということで、我々の役目も変わっていくように思います」と今後の展望を語った。

理事長に就任した襟川恵子氏 副理事の角川歴彦氏 懇親会には多くの関係者が集まった


□AMDのホームページ
http://www.amd.or.jp/
□関連情報
【1月31日】デジタルメディア協会「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'06/第12回AMDアワード」
任天堂の宮本茂氏が功労賞を受賞
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070131/amd.htm

(2007年9月26日)

[Reported by 船津稔]



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