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マイクロソフト、アマチュアゲーム発表会を花やしきで開催
「XNA Game Studio Japan 2008 Spring Contest」

3月1日 開催

会場:浅草花やしき



田代昭博氏
 マイクロソフト株式会社は、Xbox 360とWindows向けゲーム開発環境「XNA Game Studio」制作作品のコンテスト「XNA Game Studio Japan 2008 Spring Contest」を、3月1日に「浅草花やしき」にて開催した。

 「XNA Game Studio Japan 2008 Spring Contest」は、同社が提供するマルチプラットフォームのゲーム開発環境「XNA Game Studio」で制作されたタイトルについて、奨励を目的として行なわれたもの。コンテストは学生部門と一般部門にわけられており、いずれも「XNA Game Studio」で制作されたオリジナル作品であることなどが条件。会場となった花やしきには、ノミネートされた全19作品がプレイアブル展示された。

 開会式では、ホーム&エンターテイメント事業本部 XNAグループの田代昭博氏が花やしき名物のパンダ・カーに乗って登場。「先日、サンフランシスコで行われたGame Developers Conference 2008で新しい発表をさせていただいた。ユーザーのみなさんが作ったゲームを、実際に自分たちで楽しめる。今まで作ったゲームというのは、ディスクに焼いてお店で売るというのがほとんどでしたが、今回発表させていただいた内容(XNA Game Studio)は、自分たちが作ったゲームを世界の人たちに発信して楽しんでもらえる。日本におきましても、本日こういった形でコンテストを行なわせていただいた。たくさんのクリエイターの卵たち、学生さんに試遊台でプレイしていただき、実際に見てもらえればと思います」と開会を宣言した。

 プレイアブル展示されたタイトルの内訳は、学生部門が9作品、一般部門が10作品。ただプレイさせるのではなく、試遊するごとに入場口で渡された台紙にスタンプを押してもらい、3個以上たまった人はオリジナルグッズやXbox 360本体が当たる福引に参加できるといった趣向がこらされていた。19時開園~表彰式の20時~21時の閉園までと限られた時間ではあったが、参加者はそれぞれに出展タイトルを楽しんでいた。



 20時から開催された優秀賞の贈呈式でプレゼンターを努めたのは、マイクロソフト執行役員の泉水 敬氏。ゴンドラで登場という派手なパフォーマンスを披露しつつ「今回のコンテスト、私も個人的にも非常に楽しみにしておりまして、作品が応募されるたびにひとつひとつ見せていただきました。みなさんの力強い作品を応募いただきまして、今日ここに優秀賞を選ばせていただきました」とコメント。

 発表に先立っては、昨年秋に早期制作された5タイトルに対して「XNA Game Studio Early Adoption Award」が進呈された。ステージでは、5作品を代表して「ラストファイター」制作者のひとりである多田政司さんに表彰状、トロフィー、目録が手渡された。

    【XNA Game Studio Early Adoption Award】
  • Kyo-Ho (コンピュータ総合学園 HAL大阪校)
  • りりかるぼっくす (コンピュータ総合学園 HAL大阪校)
  • Irritate UFO (コンピュータ総合学園HAL 名古屋校)
  • Rescue! (コンピュータ総合学園HAL 名古屋校)
  • ラストファイター (デジタルエンタテインメントアカデミー)
     
泉水 敬氏
 「XNA Game Studio Japan 2008 Spring Contest」優秀賞は、学生部門が「迷子の達人(新潟総合学院 新潟コンピュータ専門学校)」と「Rukker(河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校)」、一般部門が「ファニーダンシング(こびとスタジオ)」と「Mazer Mayhem(ABA Games)」。最優秀賞は「やまかけ(河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校)」。また、審査員特別賞泉水賞が「Armored Strider(岩瀬 圭次郎さん)」に進呈された。

 コンテストを総括して泉水氏は「優秀賞、最優秀賞と、非常にレベルの高い作品をご応募いただきました。本当にひとつひとつ遊ばせていただいて、賞をとられた作品もそうですけど、とられなかった作品もすべて“どこかに光るもの”があって。それを今後伸ばしていただければ、非常にいいゲームになるんじゃないかと感じました。急きょ設けさせていただいた“泉水賞”の作品は、音楽とゲームバランスの調整がもう少し行なわれると、非常にレベルの高いゲームになるのではないかと思い贈らせていただきました」とアドバイスも送った。

 さらに「こういったゲーム開発を行なうツールを提供していくなかで、我々としては色々な技術を使って開発しやすく、短期間で色々なことができるようにしてまいりますが、やはり面白いゲームを作るポイントは、皆さんのアイデアや想像力です。こういった皆さんのアイデア、発想が、今後のゲーム業界、そして日本のゲームのありかたを支えていくと思っていますので、これからも一緒にゲームの世界を盛り上げていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」とコメント。

 ゲーム開発を志す人たちに対して着実に浸透しつつある「XNA Game Studio」だが、現実に制作された作品と触れ合う機会は、そうそう滅多にあるものではない。願わくば、こうした催しがオン・オフを問わず定期的に開催され、次世代のゲーム業界を支えるであろう人たちが刺激しあい、交流し、それぞれにモチベーションを高められる場として定着してくれればと思う。

    【XNA Game Studio Japan 2008 Spring Contest】
    - 学生部門 優秀賞 -
  • 迷子の達人 (新潟総合学院 新潟コンピュータ専門学校)
  • Rukker (河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校)
    - 一般部門 優秀賞 -
  • ファニーダンシング (こびとスタジオ)
  • Mazer Mayhem (ABA Games)
    - 最優秀賞 -
  • やまかけ (河合塾学園トライデントコンピュータ専門学校)
    - 審査員特別賞 泉水賞 -
  • Armored Strider (岩瀬 圭次郎さん)
【やまかけ(PC)】
トライデント コンピュータ専門学校、チーム後藤制作。いろいろな特性を持ったブロックを動かし、ステージを季節により切り替えながら出口を目指すパズルゲーム。オープニングの紙芝居など、手描きのような温かみのあるグラフィックが特徴
【Mazer Mayhem(Xbox 360)】
ABA Games制作。直感的に楽しめるシューティングで、Xbox 360で大量の弾幕を実現可能にすべくマルチコアを活用したパフォーマンスチューニングを行なったという
【ファニーダンシング(Xbox 360)】
こびとスタジオ制作。音楽に合わせてボタンを押すと3人のキャラクタがダンスゲーム
【Rukker(Xbox 360)】
トライデント コンピュータ専門学校、チームモリ制作。空中に浮いた樽を飛び移りながら下に降りていくアクションゲーム。最大4人まで対戦プレイが可能
【迷子の達人(Xbox 360)】
新潟コンピュータ専門学校、マイケルソフト社制作。ステージの各所にある矢印ブロックを踏むと矢印の方向へ重力が変化。これを利用して天井や壁を歩きゴールを目指す
【Armored Strider(Xbox 360)】
岩瀬 圭次郎さん制作。マップ中に転がっている透明な物体を破壊すると、そこから水が発生。水上、陸上と状況に合わせて機体を変形させながら戦う。マップ中に配置されたエネミーの巣 (ネスト) をすべて破壊し、出現させたボスを倒すとクリア。プレーヤー同士の対戦モードを搭載
【侍撃(Xbox 360)】
総合学園ヒューマンアカデミー札幌校、チームNESSO制作。横スクロールのシューティングゲームで、画面左から飛んでくる宇宙のゴミをできるだけたくさん撃ち落としていく
【エレメント アンサンブル アナザー フォーミュラ フォース(Xbox 360)】
こびとスタジオ制作。サイドビュータイプのシューティング。暴走し激しく攻撃してくる機体を、フォースと呼ばれる特殊装備で沈静化し救出することがゲームの目的
【KAFKA(Xbox 360)】
VIXAR制作。落ち物パズルでグラフィックは3Dリアルタイムレンダリングで描画。画面内のオブジェクトが30個以下になればクリア。1回消すたびに5個のオブジェクトが追加されるため、それを上回るよう消していき、少ない手数でのクリアを目指す
【XNA TANK(PC)】
XNA 奮闘記ブログ制作。戦車で対決するVS専用ゲーム。敵戦車のライフを0にすると1ポイント獲得し、規定値まで先に獲得したプレーヤーが勝利。ラウンド終了後はポイントがクリアされ、ランダムで選ばれたマップで対戦が再開される
【Kanae(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、高野 輝秋さん制作。次々と現われる鬼を倒す。空間分割による多数オブジェクトの衝突相互作用、静的なPRTによるシェーディングを実現しているという
【EXPO! [EXCHANGE POSITION!](Xbox 360)】
レインボー シューティング制作。2D固定画面のジャンプパズルアクション。主人公を操作し出口に到達すればステージクリア。Xボタンで EXPOショットを使えば、弾が当たった敵と位置が入れ替わる。全40面で、20面と40面にはボスが待ち構える
【Breakers(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、淡路 雅博さん制作。1人称シューティングで、ライド系アトラクションのように自動的に進行していく
【落ちてもダメ 上がってもダメ(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、MOKO制作。ブロック配置に注意しつつ、キャラクタを落とさず、上がらせず、どれだけ点数を稼ぐかを競う
【縄跳び(Xbox 360)】
新潟コンピュータ専門学校、和田 功さん制作。ロープを使って空中のリングを決められたルートで飛び移っていくレースゲーム。ライバルより先にゴールしたら勝利
【カラフルパラダイス(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、魔法パン制作。フィールドに落ちているカラーを拾ったり置いたりして組み合わせを作り消していく。キャラクタの背後をついてくるシモベは「喜び」、「怒り」、「悲しみ」など感情により行動が変化する
【ピクターブレード(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、AHK (アーク)制作。すべての攻撃が一撃必殺。読み合いと緊張感を重視したという2D格闘ゲーム
【PUYO KESHI(PC)】
新潟コンピュータ専門学校、Tommy制作。カーソルを動かし“ぷよ”と同じ色のボタンでショットを撃ち消していく。 ショットのときにカーソル、“ぷよ”、ボタンの色が揃うとチェインで高得点。Xbox 360コントローラのボタンと色が連動しているのが特徴
【ぼくらのせかい(Xbox 360)】
トライデント コンピュータ専門学校、チーム佐野制作。対戦専用ゲームで、制限時間内にフィールドにある宝を探して点数を稼ぐ。トラップが仕掛けられた宝を拾うと減点
【Kyo-Ho(Xbox 360)】
コンピュータ総合学園HAL 大阪校、東 直樹さんら6人が制作。競歩を題材にしたゲーム。アイテムでライバルを邪魔したり、落とし穴を避けつつゴールを目指す。歩かずに走ってしまうと審判員に制止され説教されてタイムロス
【りりかるぼっくす(Xbox 360)】
コンピュータ総合学園HAL 大阪校、鳴川 雄樹さんら8人が制作。3種類の箱を展開させて橋 (足場) を作り、宝箱まで辿りつくパズルゲーム
【Irritate UFO(PC)】
コンピュータ総合学園HAL 名古屋校、雨宮 裕樹さん制作。UFOの左右バランスと浮遊力を保ちつつ、迷路状のマップを進んでいくゲーム
【Rescue!(PC)】
コンピュータ総合学園HAL 名古屋校、山崎 寛文さんら2人が制作。屋上で助けを求める急患をヘリに乗せ病院まで搬送するゲーム。制限時間内にできるだけ多くの人を救う
【ラスト ファイター(Xbox 360)】
デジタル エンタテインメント アカデミー、多田 政司さんら3人が制作。冒険者たちから仲間外れにされたヘタレ戦士たちが、戦士だけのパーティを組み冒険に旅立つコマンド選択式RPG。コミカルな会話が特徴


□Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□XNA Game Studioのホームページ
http://xna-studio.jp/
□「浅草花やしき」のページ
http://www.hanayashiki.net/
□ニュースリリース
http://xna-studio.jp/contest/03.html
□関連情報
【2月22日】Microsoft、チーフXNAアーキテクト
クリス・サッチェル氏インタビュー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080222/sat.htm
【2月19日】GDC 2008 チュートリアルセッションレポート
“XNA Game Studio Developer Day”
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080219/xna.htm

(2008年3月3日)

[Reported by 豊臣和孝]



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