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会場:Moscone Center
全てのブースをレポートするには広すぎるので、今回はその中から、いくつかの気になったブースや商品を紹介していく。
■ コンシューマハードメーカー 今回はNintendo of Americaと、Sony Computer Entertainment Americaがブースを出展。Microsoftは別に用意された商談スペースでかなり広い場所をとっていたが、一般向けには公開されないクローズドブースとなっていた。 まずNintendo of Americaでは、Wiiの最新作となる「Wii Fit」と、「Super Smash Bros. Brawl (大乱闘スマッシュブラザーズX)」を並べて展開。いずれも北米ではまだ発売されていないため、常に誰かがプレイしていた。特に「Super Smash Bros. Brawl」は、4人同時プレイの場所を3倍くらいの人が囲むという人気ぶり。開発者もやはりゲーム好きだけあって、かなり楽しんでいる様子だった。
その横にはニンテンドーDSも設置。こちらはPC版の発売日がついに決まった「Spore」のDS版、「Spore Creatures」の試遊台が置かれていた。PC版と連携はしないが、DS版同士でクリーチャーの交換ができるなど、PC版抜きの単品で遊べるデザインになっている。クリーチャーのデザインはPC版にかなり近づけており、「Spore」待ちの人にはこちらも期待が持てそうだ。
Sony Computer Entertainment Americaブースでは、「echochlome (無限回廊)」や「PAIN」などのPLAYSTATION 3用ダウンロードコンテンツの試遊台と、PSPを展開。PSPでは「Warriors Orochi (無双OROCHI)」や、「God of War: Chains of Olympus」、英語版「PATAPON」といった発売直前のタイトルも展示されていた。
さらに脇を見ると、PS3用「グランツーリスモ5 プロローグ」を豪華なシートで遊べるものや、CellのSPUを使った物理演算シミュレーションなど、多方面に趣向を凝らして出展。ブース全体にまたがるような大型スクリーンも用意し、GDC Expoの入り口正面という絶好のポジションで、強く存在感をアピールしていた。
■ 日本からの出展 ミドルウェアメーカーのCRI・ミドルウェアは、自社でブースを出展。GDC Expoへの出展は今年で5年目になるそうだ。ちなみに同社はサンフランシスコにもオフィスを持っている。 今回はニンテンドーDS向けのいくつかのミドルウェアのデモを行なっていた。その中のDS向けのムービー再生システム「CRI Movie」は、今回のイベントで初公開となったもの。日本では「CRI Sofdec」や「シネマスタジオ」として提供されているもので、そのDS版が初めて公開された。 この処理には、DCT演算が使われている。処理が重いため、これまではDSの処理能力では難しいとされていたが、軽量化のチューニングを進めることでDSでの動作を可能にしたという。デモでは約700kbpsで15fpsの動画を再生しており、全くノイズが見られない高画質さをアピールしていた。さらにビットレートを下げ、100kbps台にしても、見られるレベルを確保しているという。
ほかには、声質を買えずに再生速度を変える「C-TST」と、高音質の音声再生システム「CRI Vibe(救声主)」の実演デモも行なっていた。
Nokiaブースでは、SNAP Mobileコーナーが用意されており、D3パブリッシャーとジー・モードがSNAP Mobile対応タイトルを出展している。
2Dグラフィックスだが、拡大・縮小とアニメーションをうまく組み合わせて滑らかに動かしており、ゲームをプレイしている最中は古臭さを感じない。操作は照準を方向キーで動かし、中央のボタンを押して射撃。敵も時々弾を飛ばして攻撃してくるが、壁に隠れてやり過ごすという動きも可能。 武器は2種類を持ち込め、ボタン1つでいつでも切り替え可能。またゲームをプレイするとたまるポイントで武器を入手できる。強力な武器を装備すれば、難しい難易度も攻略しやすくなるという仕組みで、繰り返し遊べるよう配慮されている。 ゲームの制作は、基本部分を日本で行ない、Snap Mobileによる通信周りを海外で実装するという流れで行なっているという。Nokia Series 60の端末向けに作られており、iモード端末でいえば504iと505iの間くらいのレベル。同時発音数が1つなので、BGMとSEが同時に再生できないというつらさもあるのだそうだ。
端末性能的にはオンラインの機能を別にすれば日本でも出せそうだが、もし出すならば、ステージや武器、ゲームモードの追加など、もう少しゲームとしての作りこみをしないといけないという話になっているとか。今でも面白くできているとは思うが、内容的にはまだミニゲームの域なので、オンライン機能を抜いて単品配信するなら、もう少し要素を追加する必要はありそうだ。
SNAP Mobileの通信機能を搭載し、世界各国のプレーヤーを相手に8人同時対戦(8面打ち)ができる。1手に30時間の猶予があり、1手動かしたら相手が動かすまでオフラインにしていてもいいという、非リアルタイムでの通信プレイができる。1対1でこの仕組みは少々退屈かもしれないが、プレイ頻度に合わせて対戦相手を増やしていけば、誰でも適当な量で遊べるのが魅力。 自分が1手動かす際、定型メッセージを付けて送信できる。「渾身の1手だ!」といったプレイ内容を指したものから、世界各地で展開されることを考えて「おはよう」といった挨拶も用意。5カ国語に対応しており、メッセージは受けて側の設定言語に合わせて表示される。 またSNAP Mobileに用意されているフレンドリスト機能で、フレンドのオンライン/オフラインの状態を確認できる。オンラインのユーザーには、リアルタイムにフリーワードでメッセージを送れる機能も搭載されている。
ゲームはNokia端末に用意される専用のカタログからダウンロードし、クレジットカード決済で購入する。日本ではあまりなじみのない仕組みで、Nokia端末に限定されるということもあり、日本ではキャリア経由以外での課金形態はなかなか認められず(勝手サイトならともかく、端末に標準搭載されるものでは難しいのだそうだ)、またフリーワードでのメッセージ送信も原則禁止(全てのメッセージをチェックする場合は可能だが、世界中のユーザーとやり取りする以上は現実的な方法ではない)なので、展開は難しそう。同社の担当者は「近いうちに何とかできるように頑張っている」とも話していたので、今後の展開を見守りたい。
□Game Developers Conferece 2008のホームページ http://japan.gdconf.com/ □関連情報 Game Developers Conference 2008 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080221/gdclink.htm (2008年2月22日) [Reported by 石田賀津男]
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