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【Taipei Game Show 2008 現地レポート】

Microsoft Taiwanブースレポート
目玉は「ロスト オデッセイ」。日本未発売タイトルも展開

1月24日~28日(現地時間) 開催

会場:台北世貿中心

入場料:大人200台湾ドル(約700円)
    子供100台湾ドル(約350円)


HDテレビをずらりと並べてXbox 360用ソフトを展開
 昨年に続いてXbox 360を広く展開したMicrosoft Taiwanブース。台湾はPCゲームのほうが強いはずだが、Games for Windowsのコーナーは「Viva! Pinata (あつまれ! ピニャータ)」や「Gears of War」などが申し訳程度に数台並んでいるだけで、大半はXbox 360の出展に割かれていた。

 Microsoft Taiwanブースの今年の目玉は、Xbox 360用RPG「ロスト オデッセイ(失落的奥徳賽)」の中文版で、4つの試遊台がゆったり座れるシートとともに置かれた。キャラクタデザインを担当した井上雄彦氏の漫画が台湾でも知られていることもあってか、初日の開場直後から行列ができるほどで、来場者の反応も上々だった。

 ブース内で最も人を集めていたのは、Xbox 360用対戦格闘「ドラゴンボールZ バーストリミット」のように見えた。初めはブースの中に3台の試遊台を設けていたのだが、あまりに多くの人が集まりすぎてしまったため、急遽、待つ場所を広く取れる通路側のタイトルと入れ替えて対応していた。ゲーム内容についてはプレイステーション 3版と同様なので、SCE Taiwanブースレポートの記事をご覧いただきたい。

 SCETと同様、ブース内には物販コーナーも用意されている。出展タイトルは基本的に台湾で発売中のもので、物販コーナーの前には何人も店員がおり、通りがかる人に片っ端から声をかけていく。ただゲームの説明員は足りず、遊んでみたがよくわからない、という顔つきで離れていく人が多いのは残念なところ。

 ブースの一角には、周辺機器などを並べたショーケースが用意されていた。ここにはオリジナルのフェイスプレートや、フィギュアなどの関連グッズ、また日本では発売されていないXbox 360用クイズゲーム「Scene It!」の専用コントローラなどが展示されていた。

最も多く試遊台が用意されていた「ロスト オデッセイ」。中文版だけあってゲーム内容もわかりやすく、来場者の反応もよかった
一番多く人がついていた「ドラゴンボールZ バーストリミット」。台湾でも「ドラゴンボール」は強い Xbox Liveの体験コーナーには、「バーチャファイター5」と「エースコンバット6」を出展 「Forza Motorsport 2」は贅沢に3台のディスプレイとレーシングシートを用意
「デビル メイ クライ 4」の前で足を止めて見ている来場者も多かった 「Games for Windows」のコーナーは、シンプルに数台のPCを並べてあるだけ。Xbox 360に比べるとおとなしい印象を受けた ショーケースの中に珍しいデザインのフェイスプレートを展示していた
「Scene It!」のコントローラが展示されていた。あらゆる地域のゲームが入ってくるのが台湾のいいところ、といえるかもしれない 物販コーナーは多くのスタッフを割いて対応していた。要するにこれが目的だというのがとてもよくわかる。東京ゲームショウやE3とは似て非なるイベントだ ステージイベントも好評で、始まるたびに人垣ができていた。中でもロックグループの五月天(メイデイ)が登場すると、通路を全て埋めてしまうほど人が集まっており、当日は朝からステージ前でじっと座っている女性もいた


 続いて、日本では発売されていないXbox 360用ソフトを3本レポートする。いずれも台湾では発売中のものだが、このうち2本は今のところ日本で発売するというアナウンスすらないので、その点はご了承いただきたい。



■ バーンアウト パラダイス (Electronic Arts)

 他の車を美しく、派手にクラッシュさせるというユニークなアプローチでヒットしているアクションレーシング「バーンアウト」シリーズの最新作。台湾では英語版が発売されており、会場の試遊台も英語版となっていた。

 本作を一目見て、前作と比べてグラフィックスが美しくなったことに感心した。車体の表現、背景グラフィックスともに、かなりリアル志向のビジュアルになっている。これまでは、「EAのレースゲームで綺麗なのは『ニード・フォー・スピード』シリーズ」というイメージを持っていたのだが、本作はそれに勝るとも劣らないスタイリッシュさを感じられるビジュアルになっている。

 本作の特徴であるクラッシュのビジュアルも成長しており、特に車体の破壊表現がさらにリアルになった。ボディーのちょっとしたへこみからガラスの割れる様子までが、自分の車のみならず、こちらが衝突したCPU操作の車にも妥協がない見事な壊れっぷり。クラッシュ時の演出も、カメラワークや色相変化がさらにチューニングされており、クラッシュの演出後にいきなりレースに戻るのではなく、なるべくシームレスに繋がる形で見せるようになり、全体としてのテンポもよくなっている。

 本作のウリの1つである、「オープンワールドシステム」も体験してみた。広大な「パラダイスシティ」を自由に延々と走り続けられるもので、敵となる車をテイクダウンするよりも、純粋にドライビングを楽しめるという印象を受けた。車の操作がレースゲームとしては比較的簡単なので、逆走などの危険な走行もスイスイできてしまうという楽しさがある。グラフィックスが綺麗になったおかげで、楽しさも倍増している。「バーンアウト」シリーズではないゲームを遊んでいるような気がするほどだ。

 日本では2月21日に発売予定で、価格は7,140円(PS3版は7,329円)。Xbox Liveでは、2月14日まで体験版が配信されている。

【スクリーンショット】
光源処理が美しくなり、透明感のある映像になった。車体の破壊表現もさらにグレードアップしており、衝突デモでの壊れっぷりは実に見事な仕上がり



■ Dance Dance Revolution Universe (KONAMI)

 ダンスシミュレーションゲーム「DDR」シリーズの北米展開バージョン。日本では今のところXbox 360版の「DDR」は発売されておらず、今後の発売スケジュールにもあがっていない。

 内容はこれまでの「DDR」シリーズと同様、下から流れてくる上下左右の矢印がアイコンと重なる時点で、マットコントローラの上下左右を踏むというリズムゲーム。今までと異なるのは、画面が16:9のワイド表示になったことで、画面に若干余裕ができ、中央付近でダンスするNPCが見やすく、目立つようになった。

 楽曲はやはり欧米のものが多く、それにKONAMIオリジナルの曲を加えたという感じ。中には実写のプロモーションビデオを収録したものもあった。

 マットコントローラは、過去のコンシューマ用製品と見た目にはあまり変わらないペラペラなもの。だが実際に使ってみると、上下左右の入力部分が広く取ってあるのか、はたまたセンサーを改良しているのか、これまでのものに比べてあまり踏み外してしまうことがなかった。来場者の中にはハイヒールでプレイする強気な女性もいたが、認識に関しては問題ないように見えた。

【スクリーンショット】
ゲームとしては「DDR」シリーズのとおりだが、画面比率の違いや、シートの改良により、かなり遊びやすくなっている。難易度やゲームの設定も豊富で、初心者から上級者まで納得の内容



■ NARUTO 火影忍者 (UBISOFT)

 コミック「NARUTO -ナルト-」を原作とした3Dアクションゲーム。開発はUBISOFT Montrealで、完全に海外製のソフトである。欧米では「Naruto: Rise of a Ninja」として発売されているが、日本では今のところ発売の予定はない。台湾では英語版が売られている。

 会場ではNPCと1対1で対戦する「トーナメントモード」をプレイできた。画面上にライフゲージがある、格闘ゲームのスタイルになっている。攻撃ボタン2つとガードボタン、ジャンプボタンという組み合わせで、基本的に攻撃ボタン連打でコンボが出る。

 特徴的なのはガードで、押しっぱなしにしていると相手の攻撃をガードするが、敵の攻撃を食らった瞬間(食らう直前ではない)にガードボタンを押すと、変わり身の術で煙とともに丸太が落ち、相手の背後に姿を現わす。そこから反撃に移るわけだが、相手もタイミングよくガードを押せばまた変わり身の術で背後に回る……という仕掛け。コンボ攻撃を食らっている最中にも割り込めるので、むやみにボタンを連打しているとカウンターを食らってしまう。ただし変わり身の術を使うと、ライフゲージの下にある青いゲージ(術ゲージ?)が減っていくので、無限に使えるわけではない。このゲージは時間とともに回復する。

 必殺技にあたる術を使うには、まずLTボタンを引く。するとキャラクタが手を絡めて印を結ぶような姿勢を取るので、LTボタンを引いたまま、左右のアナログスティックを使ってコマンドを入力する。たとえばカカシの「雷切」であれば、“←・→”に続いて“→・←”と動かす。2つ目の入力のまま手を止めるとゲージが伸びていき、離したタイミングによって段階的に威力が向上する。アナログスティックを2本使うという操作と、ゲージをためることによって、いかにも術を仕掛けているという感触を味わえる。ただしためている最中は無防備で、攻撃されると術が中断される。

 戦闘中、大きめの攻撃がヒットすると、通常のエフェクトとともに「バン」という書き文字が現われる。マンガ的な演出としては時折見られるもので面白いとは思うのだが、本作は海外製ということもあってか、文字がほぼ明朝体のまま。日本人が見るとちょっと物足りなさと違和感がある。

 ただ基本的なグラフィックスはよくできており、3Dをアニメ調に見せるセルシェーディングはよくできているし、原作キャラクタのイメージもきちんと保たれている。変わり身の術がお手軽すぎて、真剣な対戦ツールとしてはちょっと物足りないとも感じるものの、キャラクタもののゲーム、まして海外製のものとしては、相当がんばって作られていると感じられる。

【スクリーンショット】
どちらかの攻撃が始まると、変わり身の術で攻防がどんどん入れ替わり、かなりスピード感のある戦いが展開される
必殺技を使うと、キャラクタのカットインに続いて、各キャラクタごとに異なる対戦式のミニゲームが発生。単純な連打もあれば、ポイントを狙ってボタンを押すものもある。相手に勝てば派手な技とともに大ダメージを与えられる


□Taipei Game Show 2008のホームページ
http://tgs.tca.org.tw/
□Microsoft Taiwanのホームページ
http://www.microsoft.com/zh/tw/

(2008年1月26日)

[Reported by 石田賀津男]



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