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【連載第144回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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2008年の今、DS Liteでファミコンを遊ぶ!
ポーチ素材がクリーニングクロスのおすすめポーチも |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今回はニンテンドーDS Lite用のグッズから、少し変わり種のグッズを試してみた。サイバーガジェットより発売された「CYBER・ファミレータLite(DS Lite専用)」というもので、ファミコン専用カセットを装着し、DS Liteでプレイするというグッズだ。なつかしのファミコン専用カセットを扱えるということで、使用感、プレイ感、テレビ出力機能などを試してみた。
もうひとつは、ポーチ素材がクリーニングクロスになっているというフリーダム 「DSLクリーナークロスポーチ」。スマートに持ち運べるシンプルなポーチだが、ポーチ自体をクリーニングクロスとして使えるという実用性の高い特徴を持っている。こちらも試してみた。
● DS Liteでファミコンカセットを動かす! テレビ出力も可能な変わり種グッズ
・「CYBER・ファミレータLite(DS Lite専用)」
メーカー:サイバーガジェット
価格:オープンプライス(購入価格:4,980円)
単三乾電池4本(別売)、GBAカートリッジ(ゲームの種類は問わない)が必要
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DS Liteの底面に装着するファミレータLite。AV出力ケーブルが同梱されている |
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GBAカートリッジスロットにファミレータLiteを差し込む。がたつきなどは少なく、安定している |
「DS Liteでファミコンソフトをプレイする」、そんなユニークなグッズがこの「CYBER・ファミレータLite(DS Lite専用)」(以下ファミレータLite)だ。DS LiteのGBAカートリッジスロットにファミレータLiteを装着し、背面にファミコンカセットを直接差し込む。バッテリーは単三乾電池4本で4.5時間駆動(アルカリ電池使用時)、またはDS LiteのACアダプターも使える。
ファミレータLiteの重量は162g。GBAカートリッジ、乾電池、ファミコンカセットを装着した状態では336g、DS Liteが加わると550gとかなり重量がある。本体はホワイトと赤のファミコンを意識したカラーリング。前面にはスピーカーを備えていて、スピーカーの下にはリセットボタン、LEDパワーランプ、イヤフォン端子、ボリューム調整つまみを搭載する。LEDパワーランプは電池残量が少なくなると赤色に変化する。
背面には大きなファミコンカセット用の差し込み口がある。フタのようなものはなく、カセット未装着時はコネクタがむきだしになるのが、少し気にかかるところだ。カセットスロット下には、ACアダプター用の接続端子、乾電池駆動とACアダプター駆動を切り替えるスイッチ、さらに映像と音を出力するAV出力端子もある。同梱されているAV出力用のケーブルは、先端が黄色と白(モノラル)のコンポジットビデオケーブルになっている。
このグッズで一番の注意点は、ファミレータLiteをプレイするためにGBAカートリッジが必要になることだ。ゲームの中身はなんでもいい。仕組みとして、DS LiteでGBAソフトを起動させる仕組みを使って、ファミコンソフトを動作させているようだ。
実際にいくつかファミコンカセットを用意してプレイしてみた。DS Lite側で設定したGBAソフトの画面設定通り、上画面、下画面どちらかに出力される。音はファミレータLite側のスピーカーより出力された。
最初の印象としては、正直なところ画面は残像感が強く、ちらつきが多くてきつい。ブラウン管TVでの出力を対象にしたファミコンソフトを、液晶画面に出力しているため、インターレース表示を想定したプログラム処理と、プログレッシブ表示のDS Liteの液晶、さらに液晶の残像など、仕組みが異なることから当然の結果ともいえる。また、表示解像度の違いもあり、特に縦の解像度が足りないため、ラインを間引き、詰まった表示になっている(これは、ゲームボーイアドバンスでリリースされた『ファミコンミニ』シリーズでも似たような処理がされていた)。この違いはかなり大きいところ。また、サウンドに関しても、高音部の一部がひずんで割れてしまい、かなり厳しい印象を受けた。イヤフォンを使えば改善されるのではと試してみたが、イヤフォンでも音質はあまり変わることはなかった。
画面出力は、セレクトボタンを押しながらAボタンを押すことで、明るさ、コントラスト、色の濃さ、色合いを調節できる。調節バーを出したままL/Rボタンで2~254までの数値を増減させる。画面については、初期状態だと色合いもバランスが悪く思えたのだが、これで調整するとかなり整えられた。特に明るさを一定以上に上げると、今度はまだら状のちらつきが出てしまい、さらに上げると画面全体が急激に白くなる。明るさを低めに、コントラストを高めにすると、ちらつきがだいぶ軽減された。この画面調整機能は、ソフトによって個別に調整する必要がある。さらにいうと、調節設定は保存機能がなく、電源を切ると初期状態に戻ってしまう。
DS Liteの操作系を使っているだけに、操作感は思いのほかよい。連射機能も搭載しているのだが、こちらはA、Bボタンの連射がそれぞれL、Rボタンに割り当てられていて、アサインや速度の変更はできない。DS LiteとファミレータLiteがセットされて大ぶりになった本体全体を抱えるように持ちつつ、L/Rボタンを押すことになるので、持ち上げてのプレイは持ちづらく感じる。連射機能をX、Yボタンに割り当てを変更できるとよかったのだが、GBAカートリッジとして動作させているため、L/Rボタンしか残されたボタンがなかったのだろう。ちなみに、L/RとA、Bボタンを同時押しするとソフトリセットになる。
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DS LiteとファミレータLiteのほか、ファミコンカセット、GBAカートリッジ、乾電池を使う場合は乾電池も4本使うため、セットするとかなりの重量になる。DS Lite用のACアダプタも使用可能だ。画面の調整もできる |
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テレビに出力してKONAMIの「グラディウス」をプレイ。画面、音、ともに格段によくなり、快適だった |
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こちらはタイトーの「影の伝説」。試したファミコンソフトはほぼ満足に楽しめた |
用意したファミコンソフトほとんどは問題なくプレイできた。懐かしいファミコンソフトを遊んでいる感触、カセットを付け替える手順の懐かしさ、接触が悪いときに接続端子に息を吹きかけてホコリを飛ばすしぐさ、どれもファミコンを遊んでいるという実感を与えてくれる。バックアップメモリーを搭載したソフトの場合、ファミレータLiteのリセットボタンを押しつつ電源を切ることを忘れないように。
ただし、公式サイトによると、「じゅうべぇくえすと」、「ファミコンジャンプII 最強の7人」、「燃えろ! プロ野球」などには未対応とされている。今回用意したファミコンカセットのなかにたまたま「燃えろ! プロ野球」があったので試してみたところ、一応、起動からプレイはできるものの、画面の描画が何度試してもおかしくなっていた。また、2人同時プレイや特殊コントローラを使うもの、マイクを使うもの、ディスクシステム用ソフトは対応していないのでご注意いただきたい。
そのほか気になったところは、ファミレータLiteの駆動用にDS Lite用のACアダプターが使えるものの、一緒に動作しているDS Lite側には電源が供給されないため、ACアダプタ利用でのプレイでは結局、別途乾電池か、もう1つACアダプターが必要になること。できればひとつで両方をカバーしたかったところだ。また、DS Liteのスリープ機能には対応していない。
最後に付属のAVケーブルを使ってテレビ画面へと出力してみた。すると、これがなかなかよい感じで、DS Liteの画面に比べて画面のちらつきがかだいぶ無くなり、残像感も軽減された。音に関しては、若干割れ気味なところは残っているものの、大幅によくなった。ただし、「キーン」という高音のノイズ音だろうか、その音が常に聞こえるのが辛いところだ。そのほかには、AV接続ケーブルが専用でしかないことと、約2mの長さということで、環境によっては不満が出るだろうことが予想できる。また、コンポジットビデオのみの出力なので、にじみや色ずれなどは当然気になってしまうだろう。なお、AVケーブルはファミレータLiteと接続するため、DS用ソフトの映像を出力することはできない。
次に、Wiiの「バーチャルコンソール」で購入できるファミコンソフトと比較するとどうだろうか? バンダイナムコゲームスの「ゼビウス」で比べてみた。画面の印象は、ファミレータLite側には調整が必須になってくるが、思っていたほど圧倒的な差は出ない。だが、起動ごとに設定が必要なのは面倒だ。また、Wiiはプログレッシブ出力に対応しており、D端子やコンポーネント端子により、いっそうクリアな画質で楽しめるのはファミレータLiteとの違いといえるだろう。
音に関しては、バーチャルコンソール版では前述の「キーン」というノイズ音が一切ない。割れることもなく、全体的にもクリアな音で、音質の面ではバーチャルコンソール版が圧倒的に優れている。また、バーチャルコンソールタイトルにはレジューム機能、そしてオンラインマニュアルが備わっているのも利点だろう。
ただ、ファミレータLiteの、色合いがきつく、ぼやけ気味の画面や、ノイズが載って少し劣化したように聞こえる音、それらはファミコン当時のテレビで遊んでいる感覚を思い起こす、というノスタルジーを感じる人もいるかもしれない。
プレイ面では、操作レスポンスに関してはどちらも同程度に感じる。コントローラの違い以外では同等に問題なくプレイできると感じた。ただし、繰り返す形になるが、ファミレータLiteごと持ちあげる形になるため、重量の違いは顕著。好きな場所でプレイすることができるとはいえ、この重量とバッテリーの確保のことを考えると、長時間プレイにはそれなりに制限がかかるだろう。
【ファミレータDS Lite、テレビ出力、WiiのVCで比較】 |
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バンダイナムコゲームスの「ゼビウス」で比較してみた。左から、ファミレータのDS Lite出力画面(上画面に出力)、ファミレータでのTV出力画面、Wiiバーチャルコンソールの画面となる。DS Liteの画面では縦の解像度が足りていないので詰めており、無理に表示させている。これがテレビ画面に出力されると、大幅に改善されるのが大きい。写真の画面は画面調整をしていない初期状態なので、ここからもう少しテレビにあわせて調整できる |
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用意したファミコンカセットは写真のとおり。パッケージ、パンフレット、カセットの手触り、どれも懐かしい感触だ。接触が悪くうまく起動しないときに息を吹きかけるのもそのまま |
ちょっとしたおもしろグッズとして友人に見せる、なんていう時を除いてほとんどの場合は室内で活用することになると思う。室内であればよりよいクオリティで遊ぶべく、テレビ画面にAV出力してのプレイをオススメしたい。最終的には、とりあえず手軽に遊びたいときには、DS Liteで、再現性の高い環境で遊びたいときにはテレビ画面に出力、という2つの使い道がある変わり種グッズという印象になった。
● 素材がクリーニングクロスでできているシンプルで安価なDS Lite用ポーチ
・「DSLクリーナークロスポーチ」
メーカー:フリーダム
購入価格:680円
カラーバリエーション:ブラック、レッド、ブルー、ホワイト
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巾着タイプのポーチで、ひもがストラップになっている |
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ストラップを利用せずにポーチとして使うのももちろんいいが、ストラップで繋げば写真のようにプレイ中は垂らしておける |
ポーチそのものがクリーナークロス素材でできているという、これまでになかった特徴を持つDS Lite用のポーチだ。カラーバリエーションはブラック、レッド、ブルー、ホワイトとあるが、今回はブラックを使ってみた。
巾着袋タイプのポーチで、ひもの先端には脱着式のストラップがついている。素材はクリーナークロスそのものでかなり薄手。保護性能としてはあまり期待できないものの、薄く、軽いというところには魅力を感じる。全体の重さは9gとポーチグッズとしては最軽量に近い。ストラップをつけてプレイ中の本体にぶらさげておいても気にならない。
DS Lite本体のみを収納するシンプルなポーチで本体にぴったりのサイズ。装着するとでっぱるGBAカートリッジや、DSテレビといった周辺機器をセットした状態では収納できない。本体のみを収納し、カバンなどに入れておこう、という人に向いたグッズだろう。
全体がクリーニングクロスなので、収納して持ち歩いたり、本体を取り出すときにキレイな状態になる。また、プレイ中に液晶画面を綺麗にしたいな、というときは、液晶クリーナー付ストラップのように、これで拭き取ってしまえばいい。ただし、クリーニングクロスとしての質は簡易的なものに近いので、指紋や皮脂汚れはいいとして、油汚れなどは広がってしまい、なかなか落とすことができないレベル。
ごてごてとしていないシンプルなポーチで、手触りもスベスベとしてよく、薄く軽く扱いやすいのが嬉しいところだ。着脱式のストラップを備えたことで、本体を取り出してからも、手軽にクリーニングすることができる。エナメルネイビーやジェットブラックなど、指紋が気になるカラーのDS Liteをお持ちの方にオススメ、といきたいが、クリーニングクロスとしてはあともう一歩といったところだろう。
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本体サイズにフィットするので、写真左のように収納してもスマートだ。ストラップは着脱して収納すべきか、本体にあたるのを覚悟でつけたまま中に入れていくか悩むところだった。写真右のようにポーチ自体をそのままクリーニングクロスとして使える |
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□ サイバーガジェットのホームページ
http://www.cybergadget.co.jp/
□ フリーダムのホームページ
http://www.freedom-pc.com/
(2008年1月16日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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