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【ファイナルファンタジーIV】 価格:5,980円
CEROレーティング:A (全年齢対象)
今回のトークショウのメインとなったのは、同作のメインテーマとなった「月の明り」。同曲のヴォーカルは「『愛のテーマ』ヴォーカル募集」で選考された。応募は700通から800通ほど寄せられ、中にはイギリスから寄せられたものもあったという。なぜこういった企画を行なったのかというと、発案者の時田氏は「ニンテンドーDSでも音楽が入ったり声が入ったりが当たり前になった中で、当たり前にやったのではつまらない。16年前の作品を今回フルリメイクということでユーザーだった方が、今はもう音楽活動を行ない頑張っている。そういった人たちとやれるんだったらまた違ったものつくりができて、だからこそ気持ちのこもった歌作りができるのではないかと考えた」と説明した。 今回の「ファイナルファンタジーIV」はこの世代的な意味合いを求めていたようで、リアルタイムで遊んでいた当時小学生だったプロデューサーが時田氏に今回のリメイクの話しを持ってきたのだという。当時遊んでいたユーザーと当時作る側だった時田氏が共に作ることで新しいものができあがったようだ。 そんな中、DS版「ファイナルファンタジーIV」の制作で難しかったことはとふられた時田氏は「どこを変えてどこを変えないのかが難しかった」と振り返った。変えなさすぎても「そのまま」と言われ、変えすぎれば「原作と……」と言われる。この線引きが難しかったという。 一方、植松伸夫氏はヴォーカル選出の時に伊田恵美さんの音楽を聴いたとき、「ずいぶん変わった音楽だな」と感じたという。実は伊田さんはMacで打ち込みを始めたばかりだったとか。そこで制作された歌がいきなり植松氏の目にとまったというわけだ。植松氏は「『ファイナルファンタジーIV』に思い入れのある人に歌って欲しいという点と、歌声に個性のある人がいい」と考えて選考を行なったのだという。伊田さんの応募された手紙なども含め、同作への思い入れは並々ならぬものが感じ取れたという。 ちなみに「月の明り」がどこで流れるかという点については、「マップを歩いているときに歌が流れるわけはないじゃないですか。オープニングと言うこともない。というと自ずとわかりますよね (笑)。一番ユーザーの皆さんの思いがこもるところです」と明かした。歌が流れるシーンには伊田さんも感動したそうで、「本当に言葉にならなかった。なぜニンテンドーDSから私の声が流れているのだろうと思った」とか。 レコーディングでは当初植松氏と時田氏から色々と注文が入ったが、「要求することが高すぎたのか伊田さんが何をして良いのかわからなくなった」ところで一度リセット。その後植松氏が「好きに歌って良いよ」というとガラッと良くなったという。一方、伊田さんは「私もユーザーだったので、それを作った2人がいるというプレッシャーがあった」とか。しかしレコーディングでは堂々と歌いきったということで、植松氏は「声が出なくて歌えないんじゃないかと心配したがそんなことはなかった」と心配も希有に終わったようだ。 今回ライブのリハーサルを聴いた植松氏は「今回の方が良い。自分のものになっている感じ」と少しの間で伊田さんがさらに成長していることを伺わせるコメントを残した。伊田さんは「『月の明り』を歌うにあたってひとつひとつの言葉を大切にした。言葉で感情を出すよう気をつけた」という。中でもタイトルとなった「月の明り」について、「肌で感じづらいが、北海道の月を想うことで身近に感じた」と録音時のエピソードを語った、
イベントではトークイベントの後行なわれた初めてのライブで美しく、そしてしっかりとした歌声を披露し、会場の人たちをうならせた。歌う前は冗談半分「泣かせます」とコメントし挑んだが、終わると「皆さんの目を見ていると、こちらが泣きそうになりました」と感想を述べた。しかしその歌声は確実に来場者の心を掴んだようで、後に行なわれた握手会では多くの人が「感動しました」と伊田さんと握手を交わしていたのが印象的だった。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年12月20日) [Reported by 船津稔]
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