← 前回分 【バックナンバー】
【連載第11回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
今度の敵は核兵器とテロリスト
2007年を代表する傑作ミリタリーFPSが登場!!
Call of Duty 4: Modern Warfare |
|
- ジャンル:ミリタリーFPS
- デベロッパー:Infinity Ward
- パブリッシャー:Activision
- プラットフォーム:Xbox 360 / プレイステーション 3 / PC
- 価格:Xbox 360/PS3版:$59.99、PC版:$49.99(いずれも北米版)
- レーティング:ESRB:Mature(17歳以上)
- 発売日:11月5日(英語版)
|
今回はFPSゲームファン待望のシリーズ最新作「Call of Duty 4: Modern Warfare」をご紹介する。年末ホリデーシーズンの商戦真っ只中に登場した本作は、北米・欧州市場共に発売直後から売り上げランキングのトップに立ち、本年屈指の注目タイトルと言えるだろう。
「Call of Duty」シリーズも4作目を迎え、本作より第二次世界大戦から約60年時間を経過させ、舞台を現代に移している。題材はズバリ「テロとの戦い」だ。米国にとっては特にイラクやアフガニスタンなどで展開している戦闘が未だ終結せず、多くの兵士が現地で任務についており、かなり身近なネタとして注目度も一際高いものになっているだろう。
本作の成功により「テロとの戦い」は今後のFPSゲームにとって第二次大戦物に次ぐ題材としてクローズアップされていく可能性がある。セールス・内容面共に大注目のFPSゲームだ。今回はXbox 360版をプレイしてみた。
大好評のダウンロードコンテンツは、Xbox Live Arcadeから「Switch Ball」をご紹介する。古典的名作「マーブルマッドネス」をはじめ、この手のゲームの亜流は数多く登場しているが、本作はパズル性とゲーム性共に豊かな内容で、1日1ステージじっくり楽しみたい、そんなゲームに仕上がっている。
【お断り】 |
---|
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
|
■ ミリタリーFPSを代表する本作、舞台は歴史上の戦いから現代戦へ
|
ソ連復活を目論むザハエフの野望を阻止せねばならない
|
「Call of Duty(以下CoD)」は、銃声や爆発音、兵士達の声などが飛び交う戦場の騒々しさと、敵味方に分かれた多数の兵士達が目の前で銃撃戦を展開する様子を描き、まるで自分が一兵士となって戦闘に参加しているような体験ができるゲームとして、シリーズのナンバーを上げる度に高い評価とセールスを叩き出す、FPSジャンルを代表するタイトルだ。
「CoD」シリーズを開発しているInfinity Wardは、2002年にEAから発売されたミリタリーFPSの傑作「メダル オブ オナー アライドアサルト」を開発した主要メンバーが集まってできたスタジオだ。
精緻なリアルさよりもビジュアル面や音響など、演出面の派手さと今までのFPSゲームには無かったストーリー性を持たせて戦場の雰囲気をつくりあげることで、ミリタリーFPSゲームジャンルのスタンダードを確立させたスタジオと言える。
本シリーズは4作目を迎える訳だが、2003年10月に発売された1作目はPCのみで、家庭用ゲーム機でも楽しめるようになったのは2作目「Call of Duty 2」からとなる。同作はXbox 360のローンチに合わせて発売され、優れたゲーム性と演出でXbox 360初期を代表するタイトルとして、ゲームファンに認知されている。
昨年発売された「Call of Duty 3」は、開発を同じActivision傘下となるスタジオ、Treyarch(トレイヤーク:スパイダーマンシリーズなどの開発で知られる)が手がけており、“4”に向けたワンポイントリリーフ的な作品に留まった。この間、Infinity Wardは、約2年以上かけて「Call of Duty 4」の開発に費やしていたのだ。
今作では、戦場を第二次世界大戦から現代に移し、国家間による戦争からテロリストによる場所も手段も選ばない戦いが描かれている。シリーズの一大転換期を迎えることになった本作の見所をたっぷりご紹介していくことにしよう。
|
|
中東某国ではアル・アサドによる粛清が始まっている |
アル・アサドの背後にはザハエフの姿が…… |
■ 今回は英国陸軍特殊部隊と米国海兵隊とのジョイントオペレーション!!
|
現代に転生!? プライス大尉がまたもや登場
|
「CoD4」のストーリーは、旧ソ連の復活を目指すロシア人国粋主義者・ザハエフ一味および中東某国の新米派大統領アル・フラニを粛清し、内乱を引き起こしたアル・アサド率いる反米テロリスト集団が連帯した組織「The Four Horsemen」との戦いを描いている。
プレーヤーは米国海兵隊のポール・ジャクソン軍曹、あるいは英国陸軍特殊部隊(SAS)のソープ・マクタビッシュ軍曹となり、テロ計画を事前に察知した両軍によるテロ組織の壊滅と首謀者達の逮捕作戦に参加する。ゲームは大きく3章に分かれており、英軍SAS・米海兵隊のミッションがそれぞれストーリーの流れに沿って展開されていく。
「CoD4」における重要キーワードとして「核」の存在が欠かせない。旧ソ連時代に配備されていたおびただしい数の核兵器が第三諸国に流出している現実の問題を、本作ではうまくゲームのストーリーに盛り込んでいる点に注目したい。
ソ連復活のためにはアメリカを攻撃する必要があると感じたザハエフが、アル・アサドのようなテロリストと結託し核を横流しをするというストーリーは、第二次大戦のような既に「歴史」の一部となってしまった戦いを追うよりは格段の生々しさと緊迫感がある。
その他に注目したい点としては、ゲーム中に登場する英軍SASの隊長・プライス大尉だ。「CoD」ファンにはおなじみの、愛すべきヒゲ面のおじさんで、なんと世代を超えて本作でも大活躍してくれる。ストーリー的には主人公を完璧に食ってしまっている超重要人物となっているのが気になる所ではあるが、約60年以上の時代を経て華麗に転生したプライス大尉の存在も本作では見せ場のひとつと言えるだろう。
ゲームモードは全3章から構成されるシングルプレイと、Xbox Liveに対応したマルチプレイの2つに大きくわかれるが、シングルプレイをクリアーすると新たにアーケードモードが追加される。これは通常のシングルモードに、スコアと時間制限・残機制を設けたモードで、与えられた時間内にいかにスコアを稼ぎ出すかを楽しむためのミニゲーム的なモードとなる。
|
|
敵の船を襲撃する前も余裕の一服。さすが男の中の男 |
チュートリアル代わりにCQB訓練を体験することができる |
|
|
ゴールまで与えられた時間は60秒。トップタイムは19秒だとか |
チュートリアルが始まれば即実戦だ。敵は待ってくれない
|
■ ミリタリーファン注目!各国の軍隊やテロリスト御用達の武器が一同に登場
|
銃器の再現はなかなかリアルだ
|
|
弾倉をきちんと胸のポーチから出している細かい動きに注目
|
本作は、さすがに現代戦を題材にしているだけあり、登場する兵器や部隊はきちんとした考証がなされている。英軍SASは実際の組織通り、第22連隊所属という設定になっているし、ゲーム中もSASの最小行動単位である4名+αで作戦行動が展開していく。
米海兵隊編では主人公・ジャクソン軍曹の所属は海兵隊強行偵察部隊(USMC Force Recon)という設定になっているが、メインで装備している小銃は通常の海兵隊員が持っているM16アサルトライフではなく、全長を切り詰めて軽量化し、取り回しを容易にしたM4カービン+SOPMOD-I(特殊作戦装備-1)というオプションを装備したタイプを装備している点はミリタリーファンにとって魅力に感じることだろう。
筆者が知る限りではM4にM203グレネードランチャーおよび専用サイト、赤外線レーザーサイト、4倍スコープなどを装備したタイプがキッチリ再現されたFPSは本作を含めてなかなか存在しないのではないかと思う。
M16A4ライフルにM203グレネードランチャーを装備したタイプは倒れた仲間の海兵隊員から拾い上げることもできる。その他登場する兵器としてはテロリスト御用達のAK47を始め、H&K G3、MP5、UZI、P90サブマシンガン、ドラグノフ狙撃銃など、ミリタリーFPSではおなじみの銃器類が登場する。
また、銃器以外では米軍の歩兵携行用対戦車ミサイル・FGM-148ジャベリンを使用した敵戦車の破壊や、ロケットランチャーの代名詞となった感のあるRPGなどの兵器も登場して現代歩兵戦闘で遭遇するであろう様々なシチュエーションを体験することができる。
|
|
射撃の基本は照準をきちんと目標に合わせること |
軽機関銃の場合は狙うよりもバリバリ撃つ方が面白い |
|
|
ナイトビジョンによる夜間戦闘はとても美しい |
対戦車ミサイル・ジャベリンの威力は絶大だ |
■ バトルフィールドはより現実的なゲームシステムに進化
|
この状態になったら安全な場所に退避しよう |
|
手榴弾の威力は今作でもかなり重要だ
|
「CoD4」のゲームシステムの主要な部分を紹介しよう。ゲームの仕様面では基本的に「CoD2」のシステムを踏襲しつつ、現代戦を再現するのに必要ないくつかの要素が追加されている。
プレーヤーの体力に関しては「CoD2」で初めて使われて以来、現在多くのFPSゲームで採用されている「体力が表示されず、やばくなったら隠れて一定時間しのげば自動回復する仕様」(やや強引だが)を踏襲している。
この仕様は「CoD2」発表時にデザイナーが語った「実際の戦場に体力パックなんか落ちてない」という考えをゲームの中にうまく組み込んだ好例と言える。「CoD4」の戦闘は「CoD2」以上に激しいため、危なくなったらとにかく伏せるというクセをつけるようにした方が良い。これで死亡率が確実に半減するはずだ。
また本作では「CoD3」と同様に、敵が放り投げた手榴弾を、拾って投げ返すことができる。本作の敵は手榴弾をボンボコ投げてくるため、爆発する前に投げ返すという動作は序盤で必ずマスターする必要がある。
銃器類を2種類まで携行できる点は、シリーズ通しての仕様だ。敵や倒れた味方が落とした銃を拾って使えるのも同じ。ただし今作では少なくともレギュラーの難易度で弾不足に陥ることがほとんどなかった。特にこだわりが無い限りはデフォルトの武器を使い続けることになるだろう。銃器で殴れる点も変わらない。
「CoD2」ではスモークか手榴弾以外に投擲する武器が無かったが、今回はC4爆弾とクレイモアの2種類が追加されている。前者は主に走行する敵車両を破壊したりする場合に使うもので、目標にペタっと貼り付けた後、速やかに距離をとって起爆装置(ワイヤートラップ)を押して爆発させるという使い方をする。爆風はかなり強力なのできちんと離れていないと自分も巻き添えを食らうことになる。
クレイモアは指向性対人地雷で、敵がやってくる方向に向けて地面にグサっと挿すと、一定範囲内に近づいてきた敵を感知して自動的に爆発するというもの。起爆装置を使った使用方法もあるが、プレーヤーが自分で設置して使える方法は前者のみだ。
ミッションによっては攻撃機による空爆支援と、攻撃ヘリコプターによる支援攻撃を受けることができる。これは「CoD2」であった砲撃支援と使用方法が似ていて、プレーヤーが攻撃する場所を指定して、しばらくすると攻撃が開始され、あたり一面を徹底的に叩いてくれる。
これら支援は呼べる回数や、一回呼ぶたびに準備時間を取られる2パターンがあるが、基本的にミッションの構成上、一度は呼ばないとクリアできないようにつくられているため、うまい使い方をマスターする必要がある。
「CoD」シリーズと言えば、乗り物に乗れるのが面白い要素だったが、今回はなんと大空の暴れん坊、AC-130ガンシップの砲座について上空から英軍SAS隊員達を援護するミッションが挿入されている。AC-130はまさに「空飛ぶ暴力」とも言える武装で、攻撃範囲に合わせボフォースL60 40ミリ機関砲、M102 105ミリ榴弾砲、20ミリバルカン砲など3種類の武装を使い分けて敵に圧倒的な火力で攻撃を加えることができる。
夜間の攻撃ということでスコープごしのモノクロ映像を見つつ、敵に一撃を加える様子は臨場感に溢れており、しかもAC-130は機体の左側にのみ武装がある設定をキチンと踏襲して左旋回をしつつ攻撃を行なっている点にも注目をしたい。
|
|
この表示が出たら間髪入れずに手榴弾を投げ返そう |
攻撃ヘリによる支援攻撃は頼りになる |
|
|
クレイモア対人地雷は追撃してくる敵に対して威力を発揮する |
AC-130ガンシップからの攻撃は強力無比、味方への誤射に注意 |
|
|
軍用犬は非常に手ごわい。襲い掛かられる前に射て! |
基本的に先行せず仲間の後についていくように心がけよう |
■ ゲームはオーソドックスながら隙のない丁寧なつくりがプレーヤーを魅了
|
味方には必ず先導役の頼もしい上官がいる |
|
兵士達の表情は意外に豊か。これは敵戦車を倒した瞬間のもの
|
「CoD4」のゲーム展開は良くも悪くもFPSの王道を行くオーソドックスな作りになっている。ゲーム全般の展開は予め敷かれたレールに沿って展開され、プレーヤー側に分岐などの選択権は用意されていない。これは「常にドラマチックな展開が楽しめる」とも言えるし「自分でルートを選択する自由がない」という解釈もできることになる。
開発側が張り巡らせた難関をどうやってうまく突破していくのか、本作はこの繰り返しになるが、ゲームとして純粋に楽しむという観点で考えれば、特に「自由」を求める内容でもないため、特に窮屈さなどは感じない。
むしろプレーヤー側にどうでもいい選択肢をつけさせて失敗したFPSゲームが数多くある事を考えると、むしろ枯れたゲームデザインに最新の技術・演出を組み合わせる事で、多くのFPSゲームファンが安心して楽しめるタイトルに仕上がっている点を評価したい。このことと関係があるのかは不明だが、本作のマニュアルも必要最低限しか記述されていない。つまり、マニュアルいらずで遊べる設計になっているわけだ。
「CoD」シリーズと言えばビジュアル面と音響面に対するこだわりが他のFPSゲームに比べると抜きん出ていることで知られているが、今回も世代の進化に応じたパワーアップがなされている。Xbox 360版では出力1080pまでの出力に対応しており、大画面フルHDモニターがあれば、大迫力の戦場体験がプレーヤーの神経を直撃だ。
サウンド面に関しても「CoD」シリーズおなじみの兵士の怒声や悲鳴といった生々しい声が英語・ロシア語、アラブなまりの英語(?)など様々な言語が飛び交う中、銃声や爆発音が炸裂する騒々しい戦場の雰囲気をより一層濃厚に再現することに成功している。
ゲームが盛り上がるポイントになると緊迫感溢れる曲が流れるところもプレーヤーの興奮を誘ってくれる。今回は映画「アルマゲドン」、「シュレック」やコナミの「メタルギア ソリッド」シリーズの曲を手がけていることで著名なハリー・グレッグソン=ウィリアムズ氏を起用しており、あらゆる視点からドラマチック度が高まったゲーム内容に仕上がっている。
|
|
戦場によって飛び交う敵兵士の怒声も当然言語が異なる |
味方側も国際色豊かだが、基本は英語で会話している |
|
|
ロシア兵との遭遇戦。強そうな拳銃を持っている |
敵攻撃ヘリを撃ち落したと思いきや…… |
|
|
味方兵士達の細かい仕草にも注目したい |
SAS隊員達の服装はいかにも特殊部隊っぽい |
■ 戦えば戦うほど強くなる! 充実のマルチプレイ機能
|
ゲーム開始直前に自分の兵装をセッティングできる
|
|
マルチプレイに参加することによって一定の経験値が得られる。100になるたびに階級が上がる仕組みだ |
シングルプレイを存分に楽しんだ後にはオンラインでの戦いが待っていることも忘れてはならない。コンシューマ向けFPSのマルチプレイ機能はどうしてもオマケ的な要素が濃いが、本作のマルチプレイはかなり「本気」度が高い。
システム的にはEAの「BattleField 2」以降盛んに採用されている、プレーヤーのレベル(階級)制を採用しているが、単に階級が上がるにつれて使用できる装備が増えるだけでなく、一定の階級に到達しないとプレイできないゲームモードが存在するなど、プレーヤーに対してモチベーションを維持させる仕掛けをふんだんに盛り込んでいる。
インゲーム部分において注目するべき点としては、連続して敵を倒すと様々な恩恵がプレーヤー個人、ひいてはプレーヤーが所属するチームにもたらされるという点だ。例えば3連続で敵を倒すとレーダーに敵チームの位置が表示されたり、5連続で敵を倒すと空爆が要請できたりと、活躍しているプレーヤーには更なる活躍のチャンスが与えられるところが面白い。
そうなると、対戦のバランス面が気になるかもしれないが、負け込んでも経験値にあたるポイントは加算されていくため、勝者に比べると少ないものの、プレイし続けさえすれば、階級によって提供される機能に関しては、必ず他のプレーヤーと同じ条件で戦えるようになっている。
さらに、プレイを継続すると銃器も装備も選択肢が増え、敵に倒されにくくなるという一種のRPG的な強さを体感できるようになる。ゲームモードも階級が上がるにつれて最大13ものゲームモードにアクセスできるようになり、プレーヤーに達成感とゲームの世界が更に広がっていく充実感を与えている。まさに「継続は力なり」を実践しているマルチプレイモードと言えるだろう。
対戦は最大18人までサポートしており、「Halo 3」や「Gears of War」など本作のライバルとなりそうなタイトルより多くの最大対戦人数をサポートしている。この点はゲームの面白さにも少なからず影響してくる重要なポイントだ。今挙げたタイトルの中では最後発になるためだとは思うが、本作のマルチプレイは、プレーヤーに「よし、本格的にやり込んでみよう」と思わせるだけの充実度と面白さを確実に持っている。
|
|
連続して3KILLするとレーダーが発動できる |
敵味方の状況は数値とゲージで把握可能だ |
|
|
AIでは体験できないトリッキーな戦闘が対戦の醍醐味だ |
敵にヒットした瞬間の快感はFPSゲーム特有の楽しさだ |
■ ミリタリーゲームファンなら迷わず買いの1本。言う言葉はそれだけだ!
|
このキノコ雲はまさか……!?
|
|
ザハエフを狙撃するチャンスがあるのだろうか |
今年は「Bio Shock」や「Halo 3」など、FPSゲームジャンルが大豊作の年となったが、その中でも筆者は、プレイのしやすさ、ゲームの盛り上がり、面白さなどなどからみて、「CoD4」を今年のベストFPSに推したい。
テロとの戦い・核兵器の流出問題という最近のトレンドをうまくストーリーに盛り込みつつ、映画的な大掛かりな演出に、ザハエフ、アル・アサドなど個人名を持つテロリストを敵役に登場させることで、ストーリー性が強調され、FPSゲームの中では屈指の没入感を見せつけてくれる。
「CoD」シリーズと言うと、マルチプレイは添え物的なイメージが強かったが、今作ではその点もぬかりなく楽しめる点も強調しておきたい。非の打ち所がない充実したゲーム内容で、筆者としてはゲーム内容については100点満点をつけてあげたいところ。ミリタリーゲームファン、FPSゲームファンならば「なにも言わずに買いなさい」としか言う言葉がない。
1つ贅沢を言うと、全3章に分かれるゲームのボリュームが「CoD2」と同じくらいか、やや少ないように感じた。具体的にいうと、ノーマル難易度でシングルプレイは8時間前後でクリアできてしまう。素晴らしい出来映えだけにもう少し長くプレイしていたかったなと思う。
ゲーム以外の部分で残念なのは、日本ではアクティビジョン・ジャパンより日本語版の発売が発表されているが、残念ながらプレイステーション 3版のみの発売が予定され、Xbox 360版の発売が今のところアナウンスされていない。
Xbox 360発売時に「CoD2」がもたらしたインパクトは大きく「CoD」シリーズが数あるFPSゲームの中で、代表的なフランチャイズにのし上がることができたのは、間違いなくXbox 360版「CoD2」の成功によるところが大きいはず。それだけにXbox 360ファンにとって「CoD」シリーズは特別な思い入れのあるタイトルであり、またゲームとしても海外のFPSゲームが多数ラインナップされているXbox 360には支持される土台があり、ユーザーとの親和性も高い。
確かに出荷台数ベースではXbox 360は国内では低いかもしれないが、ユーザーの濃さとプラットフォームを支えるゲームソフトへの忠誠度は、かなり高いと筆者は考えている。最近では「Oblivion」のセールスが7万本を超えるなど、話題作はそれなりの本数が稼げるのが、今の日本国内のXbox 360ゲームの情勢だ。
日本国内においてFPSゲーム、特に戦争を取り扱うゲームはメジャーなタイトルにはなり得ない。そして本作を支持してくれるユーザー層は、PS3よりも海外ゲーム慣れしたXbox 360の方に多く存在している。マルチプラットフォームの良さは、異なる機種でも同じ内容のゲームがプレイできる点にある。色々な事情があるのだろうが、FPSゲームファンに対して「黙って買え」と言い切れるほどの良作が、日本版においてはこの恩恵に与れないのが、非常に惜しいところだ。
|
|
敵の追撃を何としてもかわさねばならない |
ロシアの船から核兵器とおぼしきものが…… |
|
|
沈没しようとする船からの脱出 |
ザハエフの息子。一味の幹部らしい |
|
|
敵の激しい攻撃を1つ1つクリアしていこう |
圧倒的な数の敵を迎え撃つ困難なミッションもある |
|
|
アル・アサド逮捕に向かう米海兵隊部隊 |
テロとの戦いは始まったばかりだ |
(C) 2007 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Modern Warfare is a trademark of Activision Publishing, Inc. All rights reserved. This product contains software technology licensed from Id Software ("Id Technology"). Id Technology (C) 1999-2007 Id Software, Inc. The ratings icon is a registered trademark of the Entertainment Software Association. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
□「Call of Duty 4: Modern Warfare」公式ホームページ(英語)
http://www.callofduty.com/
■ 今すぐチャレンジできる! ダウンロードコンテンツ
第十回:これぞ21世紀版マーブルマッドネス? 「Switch Ball」
|
ジャイロコプターに乗って登場するマーブルボール |
|
ゲートをくぐるとこのポイントからやり直しができる
|
「マーブルマッドネス」と言えばビー玉を転がして制限時間内にゴールまでたどり着ければクリアという単純明快なパズルアクションゲームとして人気を博した“古典的”名作ゲームとしてオッサンゲームファンの記憶に残っていることだろう。
今回ご紹介する「Switch Ball」は、21世紀版の「マーブルマッドネス」と説明するのが一番手っ取り早い。ゲームのルールは元祖と同じくマーブルボールをスタート地点からゴールまで移動させるだけ。ただし時間制限つきか、時間にとらわれずじっくりプレイするかを予め選択できる点と、ボールに様々なパワーを持たせたり、仕掛けを使って進めていく点が新しい。
プレーヤーはフル3Dで描かれたコース上をコントローラーの左スティックを使って上手にマーブルボールを移動させる。途中には様々な障害物や仕掛けがあり、これらを様々なパワーアップ要素と頭を使ってクリアしていく。素のマーブルボールは、重量を増えるメタルボール、逆に軽くなるエアボール、激しく回転して障害物を吹き飛ばすパワーボールにモーフィングすることができる。
モーフィングの使用例を挙げると、目の前に鉄の箱が道を塞いでいる場合、メタルボールにモーフィングすることで重い障害物をどかして先に進むことができる。反面、布でできた道を進もうとすると重いままでは破けてしまうため、マーブルボールにモーフィングしなおして進まなければならない。
このように、ボールをうまく使ってコースの安全を確保するちょっとしたパズル要素と、ボールをうまく操作するコントロールテクがプレーヤーの頭をほどよく刺激してくれるのが面白い。カメラ視点をかなり自由に操作できるため、様々な角度からボールの動きがみれるところも、ゲームの面白さに一役買っている。一気に全ステージクリアするよりも、1日1ステージをじっくりクリアしていきたい、そんな感じのゲームだ。
「Switch Ball」はパズルゲームの中でもゲーム性が高く、またじっくりプレイするにも向いており、様々なゲーマー層にオススメできるタイトルだ。製品版は5つの世界(1世界6ステージ構成)からなる全30のステージが用意され。体験版ではその中から3ステージのみチャレンジすることができる。
全体的に丁寧かつコンパクトにまとまっており、見た目で「ちょっとやってみたいかな?」という印象を受けた方なら、ほぼ間違いなく楽しめる内容になっている。まずは体験版をプレイしてみれば即理解できる点がDLCの良いところ。ぜひお試しいただきたい。
製品版のみの特典として、マルチプレイモードがあり、Xbox Liveを通して最大8人までのレースゲーム(どのプレーヤーがもっとも早くゴールするかを競う)と、2人のプレーヤーによる協力モードで遊ぶことができる。もちろんランキングも用意されており、世界中のプレーヤーと一緒に遊ぶことが可能だ。
|
|
様々な機能を持つボールにモーフィングしよう |
カメラ視点はかなり自由にコントロールできる |
|
|
メタルボールで重量をつければ障害物も跳ね飛ばせる |
布の上を移動するには逆に重量を軽くしないといけない |
(C) Atomic Elbow AB | All rights reserved | Switchball is a registered trademark of Sierra Online, Inc. in the U.S. and/or other countries and are used under license. All other trademarks are property of their respective owners.
(2007年11月22日)
[Reported by Game Dude]
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします
ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|