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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売3,000ウォン) 日本の記者向けにも2つの発表会が実施されている。1つは、MMORPG「THE LORD OF THE RINGS ONLINE: SHADOWS OF ANGMAR」。日本ではさくらインターネットが早くにサービスをスタートしているが、韓国ではNHNがパブリッシャーとなって韓国ローカライズを行ない、2008年にサービスを開始するとしている。
もう1つは、オンラインカートレース「GoGoXing」。韓国でトップの人気を誇るFPS「Sudden Attack」の開発元であるGameHIが、EnvilSoftと共同で開発した新作タイトルで、NHNが韓国でのパブリッシングを行なう。操作はシンプルでカジュアルなカートレースなのだが、物理エンジンを搭載するなど、アプローチがユニーク。ブースでのプレイレポートを交えつつ、詳しく紹介したい。
■ 物理エンジンを“リアリティに使わない”「GoGoXing」
日本では「マリオカート」に端を発する、カジュアルなレースゲーム。韓国でもカジュアルゲームの代表格の1つとして、数々のレースゲームが作られているが、本作はその中にあって、きちんとした作りこみによるクオリティの高さを評価できる。 まず最初に目がいくのがグラフィックスの美しさ。特別重いシェーダー処理をしているわけではないが、カジュアルな内容にしてはかなり凝ってデザインされている。これは本作に限ったことではないが、今回のG★の出展タイトルを見ていると、カジュアルゲーム全般でグラフィックスのクオリティがかなり向上しているように感じる。エントリークラスのPCでもこの程度は動く、という基準が上がってきているのかもしれない。 さらに本作は、マシンの衝突時の挙動が妙に滑らか。ここに物理エンジンが使われているという。具体的には、マシン後方から斜めに衝突されると、押された方向にカートが回転するように動く。そんな不安定な状態でさらに他の車に衝突されると、軽く浮き上がってひっくり返ったりもする(自力では戻れないので、自動的に元に戻されコースに復帰する)。あらかじめ作られた衝突の動きではなく、状況に沿った挙動をしてくれるので、ゲームとしてもとても自然で納得がいく。
ジェットコースターのような宙返りコースでは、ある程度加速して入るとぐるっと1周できるが、途中で衝突して失速すると落っこちていく。他にもガードレールがないコースを勢いよく飛び出すと、慣性のままにマシンが山なりに吹っ飛んでいく。これらはどれも物理エンジンの賜物であるが、リアルな表現をするためのものではなく、ゲームとしての面白さを表現するために使われているところに好感が持てる。グラフィックスのよさと合わせて、「カジュアルゲームだからといって手抜きはしない」という覚悟が感じられるからだ。
まずドリフトは、カーソルキーでコーナーを曲がるだけではできず、同時にもう1つのボタンを押すと発動する。通常よりもすさまじいコーナリングができ、逆にコーナーを曲がりすぎてしまう。開発者によると、このドリフトは数種類の使い分けができるそうで、実際に綺麗なカーブラインを描きながらのドリフトも披露してくれた。 そしてドリフトをすることで、画面下のブースターゲージがたまっていく。これは左右の操作をいれずにドリフトと同じボタンを押すと発動し、ゲージを消費して加速できる。コーナーでドリフトしてゲージを貯め、直線で一気に加速……という流れを覚えると、とたんにレース展開が速くなり、テクニカルなゲームへと変化する。さらにブーストは2段階あるそうで、より強い加速ができるのだという。 ゲームモードは、単純にスピードを競うものと、アイテムを使って妨害も加わるものの2種類があり、それぞれ1対1と最大8人の団体戦がある。シングルプレイも可能で、他のユーザーの走行データをゴーストとして表示して競うシステムも用意するという。 料金はアイテム課金となり、カートの購入やデザインの変更、またカートを操作するアバターのアレンジができる。ただこれはデザインの変更を主としたもので、買ったカートが速いという仕組みにはならないという。またキャラクタレベルもあるが、あくまでプレーヤーの経験度合いを示すもので、能力が上がったりする仕組みは考えていないという。ベースはあくまでストイックなレースゲームを目指しているようだ。
発表会でGameHI理事のペク・スンフン氏に日本展開について尋ねると、さすがにまだ未定とのことだったが、制作の際に何度か日本に取材に出かけたと語っていた。GameHIは日本法人のゲームヤロウ株式会社を持っており、最近はタイトル数を拡充する動きを見せているので、本作が早期に日本展開される可能性も高そうだ。
■ 狼男に変身できる異色のFPS「WOLFTEAM」
通常時は一般的なミリタリーFPSと同様、銃器を持った兵士となって戦場で戦う。この状態では特に真新しさはないのだが、武器切り替えボタンの中にある狼マークを選ぶと、その場で一瞬にして狼男に変身できる。 狼男になると、銃器が一切使えなくなり、攻撃は巨大な爪が生えた両手を振りかざす近接攻撃のみとなる。その代わりに、耐久力の向上や移動速度の上昇、さらには壁を伝って忍者のように駆け抜ける能力を備える。接近戦では圧倒的に強力で、人間の姿の相手ならほぼ一撃で仕留められる。 最初はあまり深く考えずに狼男になり、壁走りをしているだけでも、違うゲームを遊んでいるような気分で結構楽しい。ただ耐久力が上がったといってもマシンガンを正面から1秒も受ければ倒されてしまうので、きちんと運用するには通路や倉庫のような入り組んだ場所、あるいは敵が待っていそうな曲がり角など、状況を考えて使う必要が出てくる。 ただ本作は、狼男の動きが素早い分、人間の状態での動きがやや緩慢に感じられる。あくまでミリタリーFPSということで、一瞬で倒されるのが当たり前なので、正統派なFPSを求めるユーザーは物足りなさを覚えるかもしれない。色物だと割り切って遊んでしまうのが、一番賢い楽しみ方かもしれない。 試遊台では通常のTEAM DEATH MATCHモードをプレイできたが、ほかに人間チーム対狼男チームで戦うというゲームモードも用意されている。こちらは変身ができないため、双方がまったく違う戦法をとることになる。ますます普通のFPSとは遠ざかるが、このモードがなかなか好評らしいので、プレイできるようになった際にはぜひ一度試していただきたい。
現在は韓国の「hangame」でオープンβテストを実施中。
□G★2007のホームページ http://www.gstar.or.kr/ □NHNのホームページ(韓国語) http://nhncorp.com/ □関連情報 【5月8日】NHN、「ウルフチーム」クローズドβテストレポート 狼に変身して敵を切り裂く! 人と狼が織りなす新感覚FPS http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070508/wolfteam.htm (2007年11月10日) [Reported by 石田賀津男]
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