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価格:6,090円
「宝島Z バルバロスの秘宝」は、同社からWii専用オリジナルタイトル第1弾として発売される発想力解放アドベンチャー。ゲームの目的は、呪いによって黄金像となり世界に散らばった「バルバロス パーツ」をすべて集め、バルバロスを復活させて「宝島」にいくこと。ステージごとに隠されたお宝(バルバロス パーツ)を獲得して各ステージのクリアを目指す。各ステージには危険な敵、さまざまな罠が潜んでおり、敵につかまったり罠で命を落とすとゲームオーバーになる。
体験会では、序盤ステージ「ジャングル遺跡」、中盤以降の「氷の寺院」、「地底火山」の一部ステージをプレイすることができた。ここでは、体験プレイを通して「宝島Z バルバロスの秘宝」の魅力を順次ご紹介していきたい。なお、序盤ステージ「ジャングル遺跡」は先月の「東京ゲームショウ2007」などで一般の方々も体験できたが、以降のステージは今回が初公開となる。よって、「氷の寺院」、「地底火山」については、ネタバレ防止のため寸止めもしくは曖昧な表現が多々あることをあらかじめご了承願いたい。
■ 「ジャングル遺跡:とざされた石室」 ~“ひらめき”の基本が詰まったステージ構成~
ポインタが、ドアノブ、スイッチ、レバー、アイテムなど、何かアクションが起こるものに重なると、通常の「黄」ではなく「赤」に変色。チェックすると主人公がスタスタと近づいていき、画面がクローズアップされる。あとは、Wiiリモコンを使った“直感的な操作”で少しずつ謎を解いていく。必要なのは“ひらめき”で、老若男女だれでもすぐにプレイできる優しいインターフェイス。ただし、肝心の“謎解き”自体は、決して“優しい”ものばかりではない。 いきなりザックを走らせようとすると、横にいた広報氏から「あぁ、それじゃダメ。まずは画面右上にある“カメラ”マークをチェックして、ステージ全体を見渡してください」とアドバイスされる。本作は近辺を適当にサーチして、場当たり的に謎を解くのではなく、ステージ全体の構成を見て「あそこに宝箱がある」、「その手前には何がある」、「そういえば、あそこにアレがあった」などと、謎解きの筋道を立てていく必要があるという。
ポインタを移動させてステージ全体を見渡し、気になるところはズームして周辺にあやしいものがないかどうか確認していく。ざっと散見したところ「なるほど、あちこちに“それっぽい”仕掛けやらアイテムが……」と気付かされる。たとえば、本ステージの一部であれば、取ればクリアとなる宝箱が置かれた室内はドアで締め切られており、その先には、一見すると真っ直ぐ進めそうだが、床下には剣山のようなトゲトゲが……といった具合だ。
全体を見渡したところでチャレンジ開始。ここで若年層なら「真実はいつもひとつ!」、「じっちゃんの名にかけて!」となどと気合を入れそうだが、筆者はどうしようもないおっさんゲーマーにつき、BD7(少年探偵団)の小林少年ばりに元気にクリアを目指してみる。7つ道具も他のメンバーもいないが、そこはWiiリモコンと頼りになる相棒ウィーキーがいる。 まずは、宝箱がある部屋のドアに直行してみる。だが、ドアには鍵がかかっており当然のように開かない。ここで重要になってくるのが、先ほど紹介したカメラマークによるステージ全体情報。「そういえば、階段の先にある広場のような場所、そこに生えている木の上に“鍵”のようなものがぶらさがっていたっけ」と、ポインタをかざして移動。木をチェックすると、宝箱がある部屋のドアにピッタリはまりそうな形をしている。 ここで鍵をチェックする。だが、鍵の位置が高すぎるため、ザックがピョンピョン飛び跳ねても手が届かない。思わず「おいウィーキー、お前、飛べるんだから取ってこいよ!!」といいたくなるが、操作できるのはあくまでもザックのみ。ここで「悩む」様子を見せるザック。これは、謎解きとしてはイイセンまでいっているという証。「他に何かないか……」と周囲を探し回ると、なにやらツボを発見。チェックしてみると、なかからヘビが出てきて驚かされてしまう。 これらの動物の近くでWiiリモコンを素早く振ると、ウィーキーをベルに変身させてその力で動物をアイテムに変身させることができる (ベル攻撃)。ちなみに、もういちどベルを振ると、アイテムは元の姿に戻る。ヘビは「ヘビマジックハンド」となり、アイテムとして自由に使うことができる。手にした「ヘビマジックハンド」で、先ほどの木の上にある鍵をチェックすると……見事に届いた!! 掴んだまま下にひっぱると、鍵はストンと地面に落ちる。
ここで鍵を拾おうとすると、広報氏から「アイテムはひとつしか持てません」と注意される。つまり、今手にしている「ヘビマジックハンド」をいったん地面に置き、鍵を拾ってドアの前にいかなければならない、というわけだ (もちろん新しいアイテムを取れば、自動的に古いアイテムは地面に置かれる)。ちなみに、前述の「ベル攻撃で動物をアイテム化」、「アイテムを動物に戻す」、「一度にもてるアイテムはひとつ」といった条件は、後々のステージでとても重要なポイントになってくる。
さて、鍵を手に宝箱があるドアの前に到着。ドアをチェックし、続いて鍵穴も同様にチェック。ここで重要になってくるのが、Wiiリモコンの持ち方。謎解きポイントをチェックして終わるだけのシステムなら、それは普遍的なアドベンチャーゲームとなんら変わりはない。実は、先ほどの鍵を取った際の「下にひっぱる」も同様なのだが、本作で大切なのは“ひらめき”。チェックした際に表示される「Wiiリモコンの持ち方」は、とても重要なヒントなのだ。
Wiiリモコンを前に突き出すようにして、鍵を穴に挿す。だが、それだけでは開かない。では、一般的に鍵を開けるときはどうする? ……「ひねる」これが正解。Wiiリモコンを、差し込んだ鍵をひねるようにして回すと、画面内も同様に変化。ガチャリと音がして、見事にドアが開いた。こうした仕掛けは、先々のステージでもたくさん顔をのぞかせる。
それはさておき。今回筆者の目的は“ゲームを体験”することであって“無事クリア”ではない。よって「……体験会だし、ここはダチョウ倶楽部のノリ『歩くなよ? 絶対にまっすぐ歩くなよ!?』でいくべきだよね」と進んだところ、案の定「落とし穴」が作動し、床下の剣山に刺さりゲームオーバー。ちなみにゲームオーバー後の再開は「最初からやりなおし」と「直前の状態からやりなおし」の2種類がある。ここでは「直前の状態」を選んだが(後述するが)状況によっては「最初から」を選択したほうがいい場合もある。
直前の状態からやりなおし、部屋の入口を見渡す。すると、天井から垂れ下がっているチェーンのようなスイッチを発見。手を伸ばすと……届かない。悩む様子を見せるザック。察しのいい読者の方々は、すぐにピンとこられただろう。ここは先ほどの「ヘビマジックハンド」の出番だ。鍵を取った際、上の広場に置き去りにしていたため、慌てて取りに戻る。「ヘビマジックハンド」を使いチェーンをつかんで下に引っ張ると……どうやら床下トラップの動作装置が解除できたようだ。
「これでやっと宝箱に手が届く」と思いきや、宝箱には悪霊が宿っており、そのままでは開くことができない。ここはウィーキーの出番ということで、宝箱に接近して「悪霊退散」とばかりWiiリモコンを素早く左右に振ってベルを鳴らして退治する。悲鳴をあげて雲散霧消する悪霊。あとは宝箱を開け「バルバロス パーツ」をゲットすればステージクリアとなる。
ステージクリア後は「冒険の成果」が表示される。これは、どれだけ上手に謎解きができたかをスコアで評価してくれるというもの。ミスやゲームオーバー(やり直し)、後述する「ヒントの神様」を使った回数などでスコアが算出され、上手なら「ナゾトキの神様あらわる!」などと褒めてくれるし、平凡もしくは苦戦したようであれば「ノウミソカタスギ?」などとションボリもののメッセージが表示される。
これらの評価は、海賊としての「お尋ね者(Wanted)画」画面にも影響してくる。「平凡な海賊見習い」など、評価が低いうちは似顔絵が「……これ利き手じゃないほうで描きました?」といわんばかりのぞんざいなものが表示されるが、評価が上がって「どこにでもいるかけだしの海賊」などになると、とたんに「やっぱ似てないと捕まえられないものね」という詳細(?)なものに変わっていく。ちょっとした要素だが、意外にプレーヤーのモチベーションをくすぐってくれる。
■ 「氷の寺院:氷柱の宝」 ~ステージクリアの方法はひとつだけとは限らない~
まず、ステージの上にある意味深な巨大つらら。近づいてチェックしてみると、どうやら素手で殴れる様子。だが、Wiiリモコンを突き出して殴ってもダメージにはならず、手が痛いだけ。ザックは悩んでしまうが、当然「悩んでいる」ということは「考え方は間違っていない」わけだが……。 このように「あの謎は、どうやって解けばいいんだろう」、「どこから手をつけていいかわかないよ!」と悩んでしまったときは「ヒント神」を呼ぶという奥の手がある。神さまを呼ぶには、ステージ内で拾ったコインで購入した「神さま人形」をひとつ消費。Wiiリモコンの1ボタンを押すと、人を小ばかにしたような脱力BGMとともに神さまが降臨する。 神さまは、「現時点で率先してやるべき謎」あるいは「直面している謎ときのヒント」を、人の神経を逆なでするように教えてくれる。ここで教えを乞うと「怒れるイノシシを止めよ」とのお言葉。思わず「アイテム消費したんだから方法もまとめて教えてよ!!」と叫びたくなるが、なにせふざけた神さまなので、そんな心の叫びは耳はおろか足元にすら届かない。
仕方なくステージ中央に目をやると、巨大な氷に覆われた宝箱の周囲を、ライバル海賊の部下と真っ赤になって怒ったイノシシがグルグル回っている。神さまの言うとおり、どうにかして止めたいのだが。ヒントは、セバスチャンがイノシシに追いかけられているという点 (下の写真を参照)。イノシシが直接止められないのなら……。というわけで、イノシシを停止させることができれば、ウィーキーのベルの音で重要アイテム「イノシシハンマー」に変身させることができる。
怒れるイノシシを止めれば、あとは氷柱のなかにある宝箱を掘り出すだけ。だが、ここからが「氷柱の宝」の本番スタート。たとえば、手にしたイノシシハンマーで氷柱を殴っても、10ダメージしか入らない。氷柱には桁ハズレの耐久力が設定されており、10ダメージずつチマチマ削ったとしても、いつクリアできるかわかったものではない。体力と時間さえ許すなら可能なのかもしれないが、そのとき得られるクリア評価は、肉体的な労力に見合わない散々なものになるだろう。
ステージ内には、他にもさまざまな仕掛けが用意されている。これらをどのように使い、組み合わせるか。その内容によって「氷柱の宝」は、様々な方法でクリアすることが可能だという。どちらにたどり着くかは、プレーヤーの“ひらめき”次第。こうした柔軟性のある作りは「宝島Z バルバロスの秘宝」の魅力のひとつといえる。
■ 「地底火山:くずれゆく橋」 ~デッド・エンドありのシビアなステージ~
宝箱の近くには、巨大な器を抱えた象がある。ステージ全体を見渡すと、右奥と左下に水源がある。どうやら、なにかで水を汲み器を満たしてやる必要がありそう……なのだが、ここで安直に行動すると後々取り返しのつかないことになる。とういのも「くずれゆく橋」は“デッド・エンド(袋小路)”が設定されたステージだからだ。 デッド・エンドとは、いったんその状態に陥ったら、何をどうやってもクリアできない手詰まりを意味する。たとえば、ステージ中央・上にある橋は、重いものを持って渡ると数回往復するうちに崩壊してしまう。水を器に溜めきらないまま移動手段が断たれれば、その時点でデッド・エンド。もちろん、この他にも「これをこうするとクリア不能」という状況は往々にして起こりえる。 ここで気になるのが「ヒント神」の存在。手詰まり状態で、神さまを呼び出す。「一応(あんなのでも)神さまだし、超常現象っぽく何とかしてくれるのでは?」などと期待すると「ザンネ~ン」と頭上から岩を落とされ「そなたはどこかで、取り返しのつかないまちがいをおかしたようじゃの」と再挑戦をすすめてくる。
なんとも悲しい話だが、それだけにデッド・エンドの可能性があるステージは“普段以上に”慎重になる必要がある。「……これ、もしや終わってない?」という状況に陥ったら、素直に神さまを呼び出したほうが良さそう。もしかしたら、手詰まりではないかもしれない。だが、もし手詰まりだったら、そこから何十時間、何百時間悩んだとしても、決して宝箱にはたどりつけない。神さま人形がないときは「これはやばそうだ」と思った時点でリスタートも選択肢のなかに入れておくべきだろう。
■ ひとりはもちろん、2~4人でワイワイ楽しむのも一興
本作は、ゲーム中の“ひらめき”とWiiリモコンの使わせかたが巧みで、ひとりで遊ぶときはもちろん、複数で遊ぶときにも「そういう使い方じゃなくって、じれったいなぁ。ちょっと貸してみてよ!」などとみんなで盛り上がれるのがいい。友だち同士だけではなく、ファミリーで遊ぶときにも同時プレイは役に立つ。親御さんや年長者が2~4Pとなりプレイを手助けしてあげれば、小さなお子さんでも十分ザックを操作できるだろう。
限られた時間ではあったが、「宝島Z バルバロスの秘宝」の魅力を知るうえで、体験会は実に有意義なものだった。ここ数年、まるでベルトコンベアに乗るように「ただ流れに沿うだけで誰でもクリアできる」ゲームが主流を占めているなか、本作は「プレーヤーに考えさせる」という点で、独自の存在感を放っている。パズルゲームファンはもちろん、雨後のタケノコのように市場を埋め尽くした知育ソフトでは脳が物足りない。そんな人にこそ「宝島Z バルバロスの秘宝」を、ぜひ一度体験していただきたい。
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□カプコンのホームページ (2007年10月19日) [Reported by 豊臣和孝]
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