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【連載第31回】まったりマイペースで「ファイナルファンタジーXI」の魅力をレポート

ファイナルファンタジーXI連載
~ヴァナ・ディール“近東”見聞録~

「アサルト」作戦ガイド第4弾~目指せ! 大尉編~
HNM級の強敵が待つ中尉作戦、士官学校生活などたっぷり紹介

 多彩な作戦に挑んできた「アサルト」も、いよいよ一区切り。様々な魅力が入れられてきたアサルトの最上位となる中尉アサルト作戦には、ノートリアスモンスター級の強敵と戦うストレートなバトル戦が登場した。ヴァンピール族やハイドラ族、キマイラ族といった、普段はなかなか戦う機会のない特別なモンスターが待ちうけている。

 また、少尉、中尉に昇格するための傭兵階級昇格クエストでは、「サラヒム傭兵士官学校」が舞台となる。学校が舞台だけあって、繰り広げられる物語はなんと「学園モノ」。すましたエリートおぼっちゃん、委員長的存在の優等生、おしゃべりが好きな二人組、そして落ちこぼれと、学園モノには欠かせないキャラクタたちが揃った中、冒険者は鬼教官ロンジェルツ軍曹による厳しい実習を受けていく。この昇格試験では新たな大陸「オラジリア大陸」といった名前も出てくるなど、気になるポイントもあり見逃せない。

 ちなみに傭兵階級「中尉」のさらに上にあたる「大尉」の階級も導入されている。この大尉になる方法やメリットも紹介していこう。最後には五蛇将クエストの4人目、水蛇将ミリ・アリアポーの「水和ぐ盾」も紹介。今回はアサルトガイドなので五蛇将クエストはテーマ違いではあるのだが、実はミリ・アリアポーの物語は「サラヒム傭兵士官学校」のあるキャラクタと関わりがある。そのため、一緒に取り上げてみた。本稿ではその関わりについて紹介にとどめているので、具体的なところは実際にプレイして楽しんで頂きたい。


ヴァンピール、ドゥエルグなど強敵が待つ「中尉アサルト」作戦
繰り出す特殊技に対策を立て、勝利を目指せ!

 中尉アサルト作戦はいずれも戦地にいる特別な敵を倒すという内容だ。いずれの敵も特殊な能力やギミックを持ったノートリアスモンスター級で、6人のパーティで挑む。制限時間はいずれも30分と従来のアサルトと路線は変わらないが、内容としてはバトルフィールド戦のようなストレートなバトルになる。

ヘルシング作戦

今のところ戦う機会の少ない新モンスター、「ヴァンピール族」と戦える
 ヘルシング作戦は自らを不死化したというドラクラ伯爵を暗殺するという作戦。伯爵は人語を解すものの、その姿は完全にヴァンピール族のモンスターだ。するどい爪、赤と黒の混じった巨大な体、頭髪はなくアンデッドのような頭、背中に生えた翼、そうした特徴はヴァンパイアを連想させる。

 これは中尉アサルトの敵モンスター全てに言えることだが、HPが高く、防御もそこそこに堅い。パーティ構成にもよるが戦闘を急がず30分の時間をじっくり使って挑むのが得策だ。

 そうした中ではドラクラ伯爵の攻撃自体はそれほど強烈ではなく、通常の戦闘中では急激に危機に陥るようなことが少ない敵だ。厄介なのは特殊技で、ウィング・オブ・ゲヘナというスタンとノックバックのある範囲ダメージ、デコレーションという範囲のHP吸収といったように、範囲属性の技でジワジワと苦しめられる。ヒリオヴォイドというこちらの魔法効果を吸収する範囲属性技もあるためなおのこといやらしい。

 気をつけたい技もいくつかある。まず断罪の瞳という前方範囲の技は死の宣告効果だ。背中を向けることで回避できるのだが、万が一くらってしまった時のため聖水を用意しておきたい。同じく前方範囲の技でノスフェラトゥキスというHP、TP吸収技がある。厄介なのはこの技のあと、セリフと共にドッペルゲンガーを出現させることだ。ノスフェラトゥキスを受けた冒険者一人と同じ姿の敵が現われ襲いかかってくる。出現後は一人はドラクラ伯爵を引きつけて逃げつつ、その間に早急に排除しよう。

 さらに、ノクトサービチュードというこれまた前方範囲の魅了も厄介だ。くらった冒険者は姿をコウモリに変えられてしまい、他の冒険者を襲う。ドッペルゲンガーとは違って範囲に入ってしまうと複数に効果があるため、立ち位置には細心の注意を払いたい。魅了された冒険者は変身が解けるまで寝かせておくのがいい。

 主だったポイントはこのようになるが、特に厄介な技はいずれも前方範囲属性だ。直接攻撃をかけるアタッカー役はもちろん、少し離れたところにいる後衛ジョブの冒険者も、万が一に備えて正面に立つことは避けたい。他の例に漏れず終盤になると技の回数が増えるので、ドッペルゲンガーと魅了が連続してくることもある。ドラクラ伯爵自体よりも、こうした特殊な技の対処が重要だ。

仲間をコウモリに変えて操り、ドッペルゲンガーを生み出す
死の宣告効果の断罪の瞳が厄介なほか、範囲吸収技が多い。吸い取った生気を使ってか、ドッペルゲンガーという冒険者そっくりのモンスターをけしかけてくる。また、コウモリの姿に変えられて魅了されると、仲間を襲ってしまう。眠らせるなどの対処が必要だ

スサノオ作戦

巨大な体と3本の首が特徴のハイドラ族のオロチ
 作戦名のスサノオは日本神話にあるヤマタノオロチ退治で有名な神の名前だ。この作戦名からうかがい知れる通り、敵は東方産のハイドラ型の怪物「オロチ」。ハイドラと同型でヤマタノオロチのような八首ではなく三首の龍だ。

 特徴としては、物理攻撃を無効にするバリアを貼るパイリックブルワーク、同じく魔法攻撃を無効にするポーラーブルワークをたびたび使ってくるのが厄介だ。バリアを意識してパーティ構成を考える、というほどではないのだが戦いづらくはある。前方範囲技では悪疫、麻痺、ヘヴィ、魔法効果を全て消去、など状態異常や強化の消失を繰り出す。中でもナーブガスという範囲技は強い毒とHPを50%にする呪いの効果がある。こうした状態異常に素早く対処して、安定した戦いを続けることがポイントだ。

 オロチはHPリジェネの特性を持っているようだが、これは切断属性のウェポンスキルや物理系青魔法などで弱体できる。うまくいくと、首が引っ込みリジェネが弱まる。オロチのHPを削っていくなかで切断属性の攻撃を積極的に使っていこう。

 最も気をつけたいのは、オロチの後方を攻撃するとカウンターで発動されるサーペンタインテールという後方範囲の技。その威力は強烈で巻き込まれると一発で倒れる可能性も高い。立ち位置にはくれぐれも気を配りたい。前方範囲の技が多いので、盾役以外は横に位置を取るのがいい。

 ヤマタノオロチといえば、酒を飲んで眠ったという神話があるが、こちらのオロチもどうやら酒が好きなようだ。戦闘中たまに、「強いアルコールの匂いがする…」というログが出て、オロチは酔っぱらったようにふらふらし、クルクルと回り出す。このとき後ろから攻撃してしまうとサーペンタインテールがくるため、「アルコールの匂いがしなくなった…」という酔いが終わったログを確認するまでは攻撃を控える方がいいかもしれない。

 基本的にはドラクラ伯爵同様に、サーペンタインテールを除いて一発で壊滅に陥るような攻撃は少ないが、事故的な負け方は起こりうる。例えば、ナーブガスの呪いでHPが半分になったところに盾役が攻撃を受けて倒れる、といったようなことだ。物理・魔法バリアもあって長期戦になるが、状態異常に冷静に素早く対処するのがポイントだ。

後方カウンターのサーペンタインテールに要注意!
強力なリジェネ特性を持つオロチだが、画像左のように切断属性のWSや物理系青魔法で首を引っ込めさせ弱体できる。画像中央はオロチが酒に酔い、クルクルと回っているところ。後方から攻撃してしまわぬよう気をつけよう

ヘラクレス作戦

地獄の番犬ケルベロス族のブラックシャック。ゲーツオブハデスが怖い
 こちらはギリシャ神話の英雄ヘラクレスの名が冠された作戦だ。ヘラクレスにまつわる敵として、地獄の番犬ケルベロス型のモンスター、ブラックシャックが待ち受ける。他の作戦に漏れず、HPが高く、攻撃力も高いが、特殊技が特に強烈だ。

 ラヴァスピットやサルファラスブレスなど、空蝉の術を貫通する攻撃が多いほか、マグマホプロンという技でストンスキンとブレイズスパイクの効果も駆使する。また、ユルレーションという広範囲の技で麻痺させられるうえ、最も強烈なゲーツオブハデスは大ダメージと強烈なバーン効果がある。

 後衛ジョブの冒険者はこうした範囲技を喰らわないよう、大きく距離を取るのが基本スタンスとなる。だが、ゲーツオブハデスは止めるためにスタンを構えておきたいところもあるので、射程内に立つスタンを使える仲間の麻痺を素早く治すため、別の一人が離れた場所からリレーするようにパラナするのもいいだろう。

 もうひとつ厄介なのが、咆えるモーションを見せたのち、まれに炎のエレメンタルを広間内に複数召喚することだ。召喚された時点ではアクティブではないが、パーティーメンバーの魔法を関知して攻撃を仕掛けてくる。多数のエレメンタルに関知されるのは非常に危険なので、まず魔法を使うパーティメンバーの位置取りを広間から離れた奥の通路にすることで関知される危険を減らすことができる。エレメンタルを一掃する方法としては、範囲魔法などで一度エレメンタルを集め、何人かの黒魔道士でサンダガIIIを浴びせるのがオススメだ。

 エレメンタルの召喚、ゲーツオブハデス、そしてユルレーションの麻痺と、中尉アサルトの中でも比較的難易度は高め。他の作戦以上に、特殊技への対応をしっかり行なえるかがポイントだ。

召喚する炎のエレメンタルとゲーツオブハデスの対処が鍵
画像左のように咆哮をすると、まれに炎のエレメンタルが複数出現する。ガ系魔法で掃討するなど対応が必要だ。写真右は開始地点付近だが、ブラックシャックの手前に広がる場所にエレメンタルが現れる。奥の通路で戦うのがオススメだ

キラーロード作戦

蛮族と武器の商談をしていたというドゥエルグ族の王「ゴルデマール」。巨大ではないが、テラーやひるませるといった厄介な技と、詠唱の速いガ系魔法を使ってくる
 ドゥエルグ族の王「ゴルデマール」が蛮族相手に魔法武器の見本市を開催しているという。このブラックマーケットを襲撃して、武器の商談を潰すという一風変わった作戦だ。ゴルデマールは牛のような頭をしたモンスターで、宙に浮かぶイスに座っている。片手に杖を持ち、戦闘中にガ系魔法を素早く詠唱してくる。魔道士タイプのデーモンモンスターのようだ。

 ゴルデマールの攻撃は呪い効果と麻痺の範囲技ネクロベイン、範囲攻撃とヘヴィ、範囲攻撃と呪いなど、相当にいやらしいものが多い。鮮血の饗宴という技では範囲ダメージにテラー状態もあり、さらにその後こちらがひるむようにもなる。とにかく戦いづらい相手だ。スリプガも使ってくるため、毒薬などの睡眠対策も用意したい。

 最も怖いのは、特殊技カックルで魔法防御力をダウンさせてからのガ系魔法のコンボ。1,000を超える大ダメージを受けるのでなんとしても対応したい。カックルを受けたときに素早くイレースで消し、ガ系魔法の詠唱をスタン等で止めるなど、対策を確実に行ないたい。

 もうひとつ大きなポイントとして、エリア内には見本市の展示がされていたのだろう、短剣、両手斧、片手棍、両手棍、盾が岩の上に並んでいる。ゴルデマールが「社長サン! コチラノ斧ハ、イカガデスカ? 破壊力バツグンデ、ゴザイマスヨ!」といったようなセリフを話すと、セリフにあった武器や盾が動いて襲いかかってくる。武器、盾のHPはそれほど高くなく、2、3人で倒せるので、1人がゴルデマールを引きつけている間に素早く倒したい。範囲攻撃を頻繁に繰り出すほか、短剣は攻撃間隔が非常に速いのでこちらにもサポートは必要だ。

 外見とは裏腹に、愛想のいい商人のような口調が面白いゴルデマールだが、武器、盾をけしかけ、素早いガ系魔法の詠唱を浴びせてくるなど、一筋縄にはいかない相手だ。武器、盾の処理中やパーティの立て直しといったときには、グラビデをゴルデマールに使い、うまく時間を稼ぎたい。

ゴルデマールオススメの武器や盾が襲ってくる
商人の口調で見本品の武器や盾をすすめてくる。すると、武器たちが動き出して襲ってくる。素早く倒してゴルデマールに集中したいところだ。武器や盾は、ゴルデマールが指を鳴らす技のタイミングでおそってくるようで、どんどん倒していかないと、次々に増えて対応しきれなくなる

ベレロフォン作戦

石化やテラー、スタンなど盾役の動きを封じる技が厄介な「キマイラ14X」
 アトルガンの秘宝ミッション「特使の御楯」や、トロール傭兵団とのビシージ冒頭のイベントシーンで姿を見せるメゴマックと対決する作戦だ。メゴマックが完成させた新型の合成獣「キマイラ14X」と2体を相手にする。

 メゴマックはそれほどの敵ではないのだが、「キマイラ14X」へセリフで指示を出し特殊技を撃たせてくるため、先に倒したいところだ。盾役の冒険者がキマイラ14Xの相手をしている間に、アタッカーの攻撃や精霊魔法で素早く一気に倒そう。8割ほどHPを減らすと、キマイラ14Xを残したままデジョンで逃げていく。

 キマイラ14Xの放つ特殊技は、中尉アサルトの敵の中でもかなり危険な部類。岩息という単体を石化させる技からはじまり、テラー状態にしつつダメージも与えてくるドレッドストーム、スタンとダメージのサンダーストライクなど、盾役の動きを封じてくる攻撃が多い。万全のサポートを心がけよう。

 最も怖いのは、広範囲に強力な麻痺効果を浴びせてくるフルミネーション。フルミネーションは最大で700ほどのダメージを与えてくる。それだけでも驚異なのだが、麻痺がとにかく強い。戦闘ログが見えるぐらいの距離なら悠々と届くほどに範囲が広い。

 対策としては、麻痺を治す後衛ジョブが戦闘ログが見えないほどに大きく距離を取る。もしくは、ヘラクレス作戦でも書いたように、1、2人が大きく距離を取ってフルミネーション後にパラナをリレーでつなぐように回復していくのもいい。

広範囲に強烈な麻痺&ダメージが降り注ぐフルミネーションの対応がポイント
画像右は問題のフルミネーションを喰らってしまった直後。かなりの距離を取っているのだが、これぐらいでは巻き込まれてしまう。画像中央のようにパラナをリレーするようにして回復するのも手だ


少尉、中尉に昇格するための関門「サラヒム傭兵士官学校」
都市伝説になるほどの鬼教官のもと、華の学園生活をエンジョイ?

    「ロンジェルツ教官」
    ウジ虫ども……2列縦隊!
    もたもたするな。
    ここはたった今から戦場であるっ!!

    「アルクーバ教頭」
    校長訓辞。
    「コジャ校長」
    生きろ! 以上っ!

    「ヤスミール」
    ツァヤ自警軍出身、18歳。
    今日から、あなたたちと同じ士官候補生よ。
    よろしくね!
    「ファルズン」
    ごめんなさい……教官どの。
    いや、違うかも……
    申し訳ありません、教官どの。
    どうしよう……。
    もっともっと練習しなきゃ……。
「ネオザリヤ」
ま、せいぜい私の足を引っ張らないでくれたまえ。はっはっはっはっ!
「トカ・テルポスカ」
やっぱり都市伝説は都市伝説じゃなかったじゃない。
「クベ・イジューラ」
ありえなくない? まさか、本当に「鬼」だったなんて……。

各実習の合間には候補生同士のなごやかなやり取りも見られる。昇格試験は時間が長いので、余裕のあるときに挑もう
 少尉、中尉に昇格するための試験の舞台はなんと学校! サラヒム・センチネルには、最新の設備、豪華な食事、親切で経験豊かな教師陣が揃った、夢のようなエリート養成校「サラヒム傭兵士官学校」という学校法人があるというのだ。

 だが、冒険者がこの話を聞く直前には、以前までの昇格試験でおなじみ、冒険者と同期ながら落ちこぼれのファルズンにも強引な勧誘をしていたあたり、相当に怪しい話だ。疑っている風の選択肢で会話をしてみるも、結局はいつものようにナジャ社長に強引に話を進められてしまう。

 しかも、強引に話を進められたわりにそこに入学するには、入学金、授業費、その他経費雑費、しめてアトルガン黄金貨が3枚必要になるという。昇格試験をいくつも越えてきた冒険者にとってはもうおなじみでもあるのだが、いつもにも増して強引な話だ。

 入学費用を払い、目隠しをされて連れてこられた場所は金網に囲まれた皇都内のどこか。この場所は後にパンクラティオンが楽しめるコロセウムの中だったと判明したわけだが、コロセウムでも普段は入れない金網の中に生徒が集められている。

 学校というだけあって同期の士官候補生、つまりクラスメートのような存在もいる。まずは、結局強引な誘いを断れなかったのか、冒険者と同期で落ちこぼれのファルズン。そして、サンドリア伯爵家の御曹司、エリートをきどるネオザリヤ。優しく気だてがよい委員長的な存在、ツァヤ自警軍出身のヤスミール。さらに、いつもにぎやかで、おしゃべりとうわさ話が好きなトカとクベという二人組のミスラもいる。冒険者を含めて全6名。学園モノには欠かせないキャラクタがばっちり揃っている。

 クラスメートとの会話に続いて入学式。コジャ・サラヒム校長、アルクーバ教頭による訓辞と説明を受ける。どこかで見たような……というよりもサングラスをかけただけなので正体はご想像の通りだ。そして、候補生を指導する鬼軍曹ロンジェルツ教官が登場。候補生全員をウジ虫どもと呼ぶその口ぶりは完全に地獄の軍隊なのだ。

昇進試験~少尉

優秀で明るいまとめ役ゆえに委員長と呼ばれる彼女には裏の顔がのぞく
 少尉に昇格するための実習は全部で3つ。「敵地潜入訓練」、「小隊実践演習」、「サバイバル訓練」だ。まずは、「敵地潜入訓練」。これは敵地に潜入したときに状況を的確に把握する“目”を鍛える訓練。簡単な瞬間記憶ゲームを3回行なう。ロンジェルツ教官が話す敵地に潜入したときの緊迫した様子。どのような映像が現われるのか? とドキドキしていると、一転してかわいらしいヒナチョコボを使った訓練画面だった。この肩がガクンと落ちるようなギャップがなんともユニークだ。

 ちなみに冒険者が訓練を終えたあとには、ファルズン、ヤスミール、ネオザリヤなど全員の訓練中のやりとりも見られる。ちなみにファルズンは、ロンジェルツ教官に怒鳴られて逃げ出してしまう。それをみた教官は「おお、勇者よ! また逃げてしまうのか? 」と、どこかで聞いたような王様のようなしゃべりかたをする。こうしたちょっとしたユーモアも楽しい。また、ヤスミールの場面では教官との内緒話で、彼女が以前に小国ツァヤ自警軍の特殊部隊にいたことが明らかになる。彼女にはなにか裏の顔があるようだ。

 続いての「小隊実践演習」は蛮族が身につけている装備品を持ってこいというシンプルな内容だ。だがこの訓練では、ファルズンが実習費を落としてしまい遅刻するという大ポカをやらかしてしまう。ファルズンはその罰として、全員が蛮族の装備品を持ち帰るまで歌いながら走り続けることになってしまった。仲間を信じて走り続ける「走れファルズン」の始まりだ。彼の運命やいかに。

 前期実習の最後は「サバイバル訓練」。ここでは敵地で本体とはぐれ遭難した状況で記憶を頼りに本体と合流することを踏まえ、過去の記憶力が試される。訓練はなんと3択のクイズ問題(最終問題のみ2択)。ロンジェルツ教官が次々と出題する全8問に答えるクイズバトルだ。問題はいずれも過去の昇格試験に関するもの。落ち着いて答えていこう。

 冒険者が無事に全問に正解できると、続いてはファルズンの番となる。パシリ勇者と自分をののしるロンジェルツ教官に、ファルズンは驚きの行動を取るのだが……。ロンジェルツ教官とファルズンのクイズバトルはファルズンの退学を賭けた戦いにヒートアップ。最後の8問で出された「以前、冒険者からもらった“だいじなもの”はなにか?」という問いに、追い詰められたファルズンはどんな答えを導くのか。

目を鍛え、実践し、最後の頼りになる記憶力を養う
前期の実習は全部で3つ。ミニゲーム的なものから蛮族と戦って装備品をはぎ取ってくるもの、最後は過去の昇格試験にまつわるクイズバトルだ。落ちこぼれを皮肉って勇者と教官に呼ばれるファルズンは正しい答えを導き出せるのか

昇進試験~中尉

アルクーバ教頭もうろたえる「BCG演習」が最後に待つ
ヤスミールやネオザリヤも「BCG演習」という名称に動揺する
 少尉としてアサルト作戦に挑み勤務評価が高まると、いよいよ中尉の昇格試験に挑めるようになる。「サラヒム傭兵士官学校」の後期実習のはじまりだ。後期実習でも候補生は変わらず6人、実習内容も3つと同じだ。実習内容は、「防諜訓練」、「暗号訓練」、そして「BCG演習」。BCG演習とはなんとも謎めいた名称というか、私たち冒険者たちの会話でビシージの語呂をひっかけてBCGなんて言うこともあるわけだが、そうしたスラングもちょっとひっかけてあるのだろうか。

 最初の「防諜訓練」は、ずらりと12人並んだ傭兵たちの中にまぎれているキキルンを見つけるというゲーム。大人数調査で4人、少人数調査で2人を決められた回数だけ調べられるので、調べた結果で怪しい傭兵を確定する。ちょっとした頭脳ゲームのような内容だ。

 ポイントとしては、大人数、少人数の調査結果をどのようにずらして組み合わせれば、特定できるか、そこを考えるのが大事になる。4人を調べられる大人数調査で全体を3ブロックに分けて調べ、その後、組み合わせを変えた大人数調査と少人数調査で絞りこんでいけば確定できる。ちなみにここでももちろんファルズンは苦戦する。

 次は「暗号訓練」。34個の言葉を、例えば「こんにちは」なら「コンヘ」という暗号に置き換えて会話するという、かなり凝ったもの。実習前に、アブクーバが持っている「楽しい暗号1・2・3」という教本ですべて確認できるので、メモをとるのが最も確実だ。

 実習に入ると候補生同士の会話も暗号でいっぱい。テスト直前の教室の会話的で筆者としては懐かしいばかり。実習では、全て暗号のみで会話が進み、正しい会話を暗号で行なう。落ち着いて解読しつつ選択肢を選べばそう難しくはないので、はやる気持ちを抑えて落ち着いて進めよう。

 いよいよ最後は、「BCG演習」。これはある方法でサラヒム・センチネルの面々が名を連ねる「スーパーセンチネルズ」と「士官候補生チーム」が勝ち抜き戦をするというもの。最後の実習なので内容は伏せよう。ファルズンを励ましながら数々の実習を越え、結束が堅くなった士官候補生チームは果たして勝利と卒業を手にできるのか? ぜひゲーム内でお楽しみ頂きたい。

「防諜訓練」、「暗号訓練」、そして「BCG演習」で勝利し卒業を獲得を目指す
前期同様、ユニークな実習が続く。他の実習と違い、暗号訓練は事前準備をしっかりしてから望むのがベストだ。そして最後にはBCG演習の戦いが待つ

学校生活が終わったあとの1シーンより。ファルズンとヤスミールの関係にはまだ秘密がありそうだ
 「サラヒム傭兵士官学校」の物語は一連を通して、ファルズンの物語といってもいい。もちろん冒険者も重要な存在ではあるが、周囲の応援を受けて食い下がり、勇気を見せるファルズンの姿は主役級といってもいいだろう。ロンジェルツ教官は口調こそ激しく、そして全員をなじっていく。だが、次第にそうした中に真剣さとスパルタ流の愛情があることが伝わってくるのだ。冒険者にとっては傭兵階級を昇格するためのクエストでしかないかもしれないが、ぜひこの物語を味わって楽しんで頂きたいと思う。

 さて最後に気になるポイントを紹介しよう。それはこの昇格試験中に飛び出る、「オラジリア大陸」という新たな大陸名だ。南国の島にある小国、ツァヤの自警軍にいたというヤスミールがサラヒム傭兵士官学校のあとに向かうということだが、果たしてその大陸はどのような場所なのだろうか。大陸と称されるからには規模が大きそうだが……。また一連のイベント中には、ヤスミールがファルズンの過去を知っているようなそぶりが見られたりと、彼女の存在は謎めいている。まだ語られていない物語があるのかもしれない。


2つの特典が嬉しい最上位階級「大尉」を目指せ!
アサルト全作戦コンプリートで「皇国軍認識票」の保持数も増える

全アサルト作戦をコンプリートすると、画像のように「皇国軍認識票」の保持数が1枚増える
 まずは現時点の傭兵階級の到達地点といえる「大尉」について紹介しよう。傭兵階級の昇格クエストというのは、アサルト作戦の達成回数を一定量増やすことで発生していたのだが、大尉の昇格クエストは異なる。その条件は、「全てのアサルト作戦を達成する」こと、そして「アトルガンミッションをコンプリートする」ことだ。

 アサルトの傭兵階級は二等傭兵からはじまり中尉までの実に10段階。主に5カ所の作戦エリアがあるので、合計50種類の作戦がある。ここにナイズル島での「ナイズル島踏査指令」が加わり、全51種類の作戦を最低1回ずつ達成することが大尉への道のりとなる。なお、「ナイズル島踏査指令」は全100層あるが、1層目の戦術目標を達成して離脱するとアサルト作戦として成功、達成になる。この状態でミッションのアサルトの項目にコンプリートとして扱われる。

 大尉とは別のことだが、全アサルト作戦をコンプリートすると、アサルトに参加するためのチケット「皇国軍認識票」の保持数が1枚増える。自分が所持する1枚と保持される3枚で合計4枚だったところが、合計5枚になる。全作戦コンプリート後に本格的にナイズル島踏査指令に挑む場合や、その他作戦で遊ぶ場合を考えても、皇国軍認識票が1枚増えるのはなかなか嬉しい。

 さて、全作戦をコンプリートした状態でサラヒム・センチネルに赴くと、お待ちかねの大尉昇格のクエストが発生する。このクエストは他の昇格クエストとは違って、ご褒美とも言える内容。1枚の画像以外は詳細を伏せるが、難易度と表現するようなことはほとんどない楽しめるものだ。

 めでたく大尉に昇格すると、さらに2つの特典が得られる。まずは、各監視哨へとワープできる移送の幻灯の使用許可証の無料化。従来は皇国軍戦績200と引き替えだったところが完全に無料になる。もうひとつは、アルザダール海底遺跡群の拝観料が無料になるというもの。こちらはアトルガン白銀貨1枚を払う必要があったものだ。

 なんといっても「皇国軍認識票」の保持数アップは魅力的だ。また大尉の特典も劇的に大きいというほどではないが、移送の幻灯が無料になるというのはやはり嬉しい。全アサルト作戦のコンプリートという大尉への道のりは決して簡単ではないが、ひとつの到達点として目指したい。

社長をもみほぐして、大尉になろう!
サラヒム・センチネルでは大尉に昇格する最後のクエストが発生する。見事大尉になると、嬉しい2つの特典が手に入る


五蛇将クエスト 水蛇将ミリ・アリアポー編「水和ぐ盾」
コミカルシーンあり、シリアスな過去ありで必見シーン満載!

ルガジーンVSミリ! 短剣を両手に構え、ルガジーンの愛剣に軽々と乗ってみせるミリ。このシーンもぜひともゲーム内で楽しんでもらいたい
 これまで本連載でも紹介してきた五蛇将クエスト。「天蛇将ルガジーン」、「土蛇将ザザーグ」、「風蛇将ナジュリス」のクエストが登場してきたが、ついに4人目、「水蛇将ミリ・アリアポー」の物語「水和ぐ盾」が楽しめるようになった。

 他の五蛇将クエスト同様に茶屋シャララトにいる吟遊詩人Fari-Wariとのやり取りからクエストが始まっていく。連続クエストになっているので、「天駆ける剣」、「土噛みし拳」、「風纏う弓」を終えていることが条件だ。

 話は2年前に起きた「パママ連続殺人事件」という、おおよそミリ・アリアポーには結びつきそうもない不思議な事件を調べるところから始まっていく。アトルガン白門の兵から話を聞くうちに、「パママ連続殺人事件」と「ワラーラ賞授賞式騒動」という2つの事件は関わりがあるのではないかと耳にしたところから、ワラーラ寺院へ、そしてミリ・アリアポーへと繋がっていく。

 これまでの五蛇将クエストがそうだったように、この「水和ぐ盾」でも「色とりどりの髪」というアイテムが物語の鍵を握っている。エジワ羅洞にいるDiremiteが落とすほか、競売でもやりとりされているので入手しよう。

 ミリの物語はサスペンスと闇に包まれた衝撃的なものだ。それでいてアトルガンの秘宝でおなじみのキャラクタたち、もちろん五蛇将も総登場する充実ぶりをみせる。「色とりどりの髪」を持ってきた冒険者に短剣を突きつけるミリ・アリアポー。彼女がどのようにして五蛇将の一人「水蛇将」となるのか。そして冒険者の運命は? ぜひその目でご覧頂きたい。

 さて冒頭で書いたように、アサルト作戦ガイドである今回にこの「水和ぐ盾」を紹介しているのには理由がある。その理由は士官候補生の一人、ヤスミールだ。一見なんの繋がりもないように見える二人は、南国の島国「ツァヤ」というキーワードで繋がっている。

 ヤスミールはある目的があってアトルガン皇国を訪れたことを、冗談とごまかしつつも話している。それはミリ・アリアポーの過去そして現在と繋がってくるのだ。また、ヤスミールはファルズンとも謎めいた繋がりを感じさせてもいる。そして「オラジリア大陸」というまだ見ぬ世界が、名前だけとはいえ登場した。これら全ては、いつか物語を紡ぎ始めるのだろうか。

秘められたミリ・アリアポーの過去
ある事件を調べるうちにミリ・アリアポーの過去が見えてくる。五蛇将の5人目となった彼女の物語はボリュームたっぷり。画像右のような衝撃的なシーンもある。必見!!


HNM級モンスターとの戦闘までも登場し、区切りを迎えたアサルト
オラジリア大陸やツァヤを訪れる日はくるだろうか?

 今回は、中尉アサルト作戦からはじまり、少尉、中尉に昇格する試験として楽しめる「サラヒム傭兵士官学校」の前期・後期実習、さらに中尉の先にある傭兵階級「大尉」まで一気に網羅した。これでアサルトやサラヒム・センチネルの面々にまつわる物語が一区切りがついて、ホッとする反面、やや寂しくも感じられる。

 だが、そうした一区切りの中では、オラジリア大陸、南国の島国ツァヤといった広がりを予感させるキーワードも飛び出している。ファルズンとヤスミールの今後にもぜひとも期待したい。今は「アルタナの神兵」が楽しみな時期なのだが、ヴァナ・ディールはそれだけにとどまらず、いろんな期待を用意している。この密度、分厚さには驚くばかりだ。

 ツァヤにまつわる関わりがあるということで五蛇将クエスト「水和ぐ盾」も紹介したが、こちらは繋がりという面を除いて単体のクエストとして見ても、サービス満点、見応え充分の内容。物語にはシリアスな闇とコミカルな光による緩急もよい。これで五蛇将クエストは、炎蛇将ガダラルのクエストを残すのみとなったが、そちらも心待ちにしたい。


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(2007年10月18日)

[Reported by 山村智美 / Pomm]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

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