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会場:幕張メッセ
ミニステージでデモンストレーションが行なわれた「Wii Music」以外は、すべてプレイアブル出展。本来であれば、全タイトルのインプレッションを行ないたい……ところなのだが、時間が限られているうえに、開場直後は体験希望者が殺到する状態に。重点タイトルは試遊台が多めに用意されているものの、ほぼすべてに長蛇の列ができあがる人気ぶりとなっていた(記事中の写真は閉館時間より少し前に撮影したもので、相当空いたためやっと撮影する精神的余裕ができた)。
ここでは、閉館までの限られた時間内に体験することができた主要タイトルについて、簡単ながらインプレッションをお届けしたい。まずは、24の試遊台をズラリと並べて来場者に猛アピールしていた同社のイチオシタイトル「Wii Fit」からご紹介しよう。
■ Wii Fit(Wii)
からだ測定は、静止時と歩行時の重心バランスを測定し、バランス年齢とBMI(ボディマス指数:肥満度)を測定する。姿勢を正した直立状態で一定時間ボードにのり、続いて20歩ステップを踏んで歩行時の計測を行なう。ボードはシンプルながら実に堅牢な作りで、体重0.1トンという筆者のピザプレスをものともしない。ただし、いくら頑丈でも、ジャンプなどの荒い使い方は厳禁。ボードはワークアウト用ではなく、あくまでも計測器具だ。 身長と誕生日を入力して計測開始。圧力センサーが仕込まれているものの、ホームセンターなどで販売されている健康器具的な“稼動部品”がないため「……これ本当に計測できてるのかな?」と不安になる。だが、計測終了後に重心の動きが表示されたとたん、思わず「凄い!」と声を上げてしまった。漠然とした不安から、筆者は計測開始直前まで、立ち位置がジャストで真ん中になるように細かいステップを踏んで調節していたのだが、その動きに対して「あなたはずいぶんと落ち着きがありませんね」とメッセージで指摘されてしまったのだ。「そんなとこまでチェックしてるんですか……」と、思わずションボリしてしまう。 歩行計測時も、約0.1トンの体重に動じる気配はない。正直「割れたら弁償かなぁ」と覚悟していたのだが、それも杞憂に終わってホッとする。ふと思い返せば、一昨年に間違って購入した体重80kg制限のステッパーは6日でワイヤーがブチ切れたし、直後に買った100kg制限のステッパーも毎日1時間の使用で油圧シリンダーが憤死した。それを考えると「バランス Wii ボード」の136kg以下という制限は、非常に頼もしいものがある。正直、ソフト込みで希望小売価格8,800円とは思えない堅牢なスペックだ。 ミニゲーム「バランススキー」は、画面右上に表示される重心の移動ポイントを見ながら、一定のゾーンに収めてスピードを出し旗の間をくぐっていく。簡単にいえば、前に重心をかけるほどスピードが出るという仕掛けで、左右の動きも重心移動に比例していく。ボードに稼動部分がないため、最初は妙な感じがしなくもないがが、重心移動と画面内のキャラクタの動きが見事にシンクロするため、ゲームが始まると同時に違和感など即座にふっとんでしまう。 Wiiリモコンの腕に対して「バランス Wii ボード」は“全身”を使うため、プレイ感覚はスリリングのひとこと。全身を使ってプレイするのが、こんなに楽しいとは……。以前、E3で身体全体の動きをセンサーで捉える大仰なコントローラが多数出展されているのを目の当たりにして「アメリカ人って、こんなの大好きだよなぁ~」とせせら笑っていたことを思い出し、反省することしきり。
テーマこそ“健康”だが、本作には“健康管理や“トレーニング”などといった堅苦しさは微塵もない。すべてが高度なエンターテインメントで包まれた優しい作りは、本当に見事という他ない。インプレッション記事としてはご法度の表現だが「百聞は一見にしかず」。「Wiiを利用者の“日常の一部”にしたい」という同社の切実な願いが結実するかどうかは、このキラーコンテンツを“どのような形で体験させるか”が重要になってきそうだ。12月1日発売予定で、価格は8,800円。
■ スーパーマリオギャラクシー(Wii)
体験プレイは、スタッフの方と一緒に遊ぶ2P同時プレイ形式。1P側はマリオを操作し、2P側は“スター”のカーソルでマリオをアシスト。2P側は、マリオのかわりに落ちているアイテムにカーソルをあわせて回収したり、敵を足止めしたり、文字どおり補助的な役割に徹する。小さなお子さんと一緒に遊ぶときは、1P側が子供を、親御さんなどの年長者が2P側でアシストしてあげるのが良さそう。 各惑星ごとにスターを集めて、次の惑星に進むギミックを作動させる。序盤ステージだからかもしれないが、各ステージのボリュームは比較的コンパクト。非常にテンポ良く進むためなのだが、逆に「これサックリ終わっちゃったりしませんか?」と質問すると、スタッフの方に「全体のボリュームは、もっと凄いんですよ! こんなものではありません!!」といわれてしまう。 宇宙空間を冒険するだけあって、随所に華やかなグラフィック演出が施され、見ているだけで思わずウットリしてしまう。ボス戦もただ強いだけではなく“ちょっとしたひねり”が加えられていたりと、実に心憎い。テンポのよさと相まって、スタッフの方から体験プレイのタイムアウトが告げられたときには「え、もう終わり!?」といってしまったほどだ。
実は筆者(いつもあちこちで吐露しているが)重度の3D酔いの持ち主で、ニンテンドー64「スーパマリオ64」は序盤ステージであえなくギブアップ。だが、本作については(体験プレイという限られた時間ではあったが)3D酔いの気配さえなく楽しむことができた。立体的な動きが随所に顔を出す本作だけに、これは密かに凄いことではないだろうか。11月1日発売予定で、価格は5,800円。
■ マリオ&ソニック AT 北京オリンピック(Wii、DS)
体験版では、陸上競技のフィールドとトラックから、100M走、ハンマー投げ、走り幅跳びをプレイすることができた。100M走は、リモコンとヌンチャクを上下に交互に振って加速。シンプルだが、いざ本番となると猛烈に熱くなってしまう。ハンマー投げは、リモコンを時計と逆方向に回してタイミングよくBボタンで投擲する。 走り幅跳びは、100M走と同様に加速し、スピードがロックされたところでジャンプだけに集中し、タイミングよくリモコンを上に跳ね上げる。ジャンプ中、リモコンとヌンチャクを上下に交互に振ると、空中で足をこぐ“おなじみのアレ”をキャラクタがやってくれる。「これ効果あるんですか?」とスタッフの方に質問したところ「ほんの少しだけ距離が伸びます。ほんの少し、ですけどね(笑)」とのこと。 操作方法はいずれもシンプルだが、センサー判定の作りが秀逸なため操作上のストレスなどは一切感じない。ミスの原因も自分でわかるため「あーもう、ちゃんとやってるつもりなのに、なんで上手くいかないの!?」といったことはないだろう。 筆者が気に入ったのは“記録の値がリアル”という点。たとえば100M走なら、ちょっと力尽きた感じでゴールしたら10秒台だったり、ハンマー投げならきちんと3~4回転して80M台が出るなど、現実に則したものになっている。「マリオやソニックのキャラクタ出てくるのに、記録がやたらリアルな数字なのは理由があるんですか?」とスタッフのかたに質問したところ「北京オリンピック委員会の監修を受けているので、そのあたりもきちんと反映されているようです」との回答が得られた。
ある意味ファンタジックな世界の住人たちが、オリンピック競技で“現実的な数字”を叩きだす。北京オリンピックに先駆けて発売されるため、ゲームで“現実の選手たちの記録にチャレンジ”というのも面白そうだ。11月22日発売予定で、価格は5,800円。
■ 大乱闘スマッシュブラザーズX(Wii)
コントローラーは、Wiiリモコン(横)、Wiiリモコンとヌンチャク、クラシックコントローラ、GCコントローラの4通りに対応。まずはWiiの標準装備ともいうべきリモコンで操作してみたが、2ボタンが攻撃、1ボタンが必殺技なのはともかく、マイナスボタンがつかみに割り当てられているため、若干プレイしづらい。リモコンのボタン数が少ないため仕方ないのだが、こだわる人はクラシックコントローラかGCコントローラを用意すべきだろう。 体験版でプレイできるキャラクタは限られていたため、ここは迷わずソニックを選択。元々「ごった煮」というか「お祭り」的なゲームなので、スマブラ初見参といても違和感はまったくなし。まるで最初からそこにいたかのように、生き生きとステージ内を疾走する。最初は「やっぱりスピードキャラなのかな?」と思ったが、他のキャラクタに比べて突出して早いわけではない。このあたりは、ゲームバランス重視の手堅い作りになっているようだ。 プレイ感覚は、良くも悪くも「これぞスマブラ!」としか言いようがない。グラフィックスなどは明らかに綺麗になっており、「どうぶつの森」ステージなどは背景のタヌ吉を見るだけで思わずなごんでしまうほどなのだが、いざバトルが始まれば、そこはもう完全なるスマブラのバトルフィールド。ひたすらシンプルに間合いをはかり、タイミングよく相手をボコボコにしていく。大きな変化を求めるファンは皆無と思われるため、ある意味「誰もが安心できる正当進化形」と言っても差し支えないだろう。
今回はスタッフのかたとタイマン勝負だったが、製品版は最大4人まで同時プレイが可能。Wi-Fiにも対応しており、みんなで同じ場所に集まらずとも「いつでもスマブラ対戦」がついに実現する。ベタな表現だが、ファンは迷わず買いの一言。買って後悔するスマブラファンの姿など(よほどの変わり者でもない限り)まず想像できない。2008年1月24日発売予定で、価格は6,800円。
プレイ可能な楽器は約40種類。同時演奏は全部で6パートで、うち4パートまでプレーヤーが担当できる。プレーヤーがひとりの時は、残り5人をCPUが担当することになる。 操作方法は非常にシンプルで、曲と画面に表示される音符にあわせて、リモコンを振ったり、ボタンを押すだけ。本作は“なりきり度”が重視されており、ギターなら弦をかき鳴らすように、マリンバなら叩くように操作する。
ただ単にシンプルなだけではなく、トランペットならリモコンを上にあげると強く吹く、ギターならCボタンを押しながら弾くとコードではなく単音になるなど、ちょっとした工夫も施されている。ただ弾くだけでは飽きてしまいそうだが、こうした細かい操作で“自分なりのアレンジ”を加えれば、より楽しく演奏できるというわけだ。2008年発売予定で、価格は未定。
■ メトロイドプライム3 コラプション(Wii)
筆者は以前、E3でWiiのロンチとして出展されたバージョンをプレイしているが、今回の出展バージョンは(時間差を考えたら当然だが)相当ブラッシュアップされている。違いがわかるように同じようなチュートリアルパートをプレイしたが“わかりやすさ”が全然違う。筆者は3D酔いするため、正直あまりポインタを動かさないようにしてプレイしたのだが、それでもきつかったE3バージョンからは、かなり改善されている。ただし、激しい戦闘に突入したなら、筆者のような人間にはやはりきついだろう。
ステージ内の仕掛け、たとえばグリップ型のデバイスを「つかむ」、「ひねる」、「押し込む」といった一連の動作も、非常にやりやすいものになっていた。グラフィックスのクオリティアップは言うに及ばず、GC版が気に入った人なら、本作も間違いなくツボにはまるはずだ。2008年発売予定。
■ 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス(DS:仮称)
基本的な遊び方は、スーパーファミコン版とほぼ一緒で、タッチペンも使用しない。パステルカラーがふんだんに使われたカラフルなステージを、敵を倒しながらグイグイ進んでいく。筆者は久しぶりにカービィをプレイしたが、今プレイしてもまったく古さを感じさせない。2Dアクションゲームの魅力がギュッと凝縮された作りに、周囲の目も構わず思わずニヤニヤしてしまう。 3種類のミニゲームは、毎度おなじみの「カービィ」テイスト。同じ絵柄を当てるカルタ、出現するターゲットを瞬時に狙う早撃ち、上から流れてくる異物をはじくベルトコンベアなどのミニゲームを、例のごとく小憎らしいCPUのライバルキャラたちと競い合う。難易度は1~3段階までだが、CPUの難易度設定が絶妙なため、低いと「なんか俺ナメられてる気がする」となり、上にいくと「そんな反応ありえないって!!」という、人間の限界に挑戦している感じが実に素晴らしい。
スタッフのかたに「これ、クリアしたらステージやミニゲームが増えるとか、そういったフィーチャーはないですか?」と質問したところ「まだ開発中ですが、もしかしたらミニゲームくらいは増やすことができる……か……も?」という、実に微妙な回答が得られた。個人的には、当時半日くらい平然とやっていた「刹那の見切り」が復活したら非常に嬉しいのだが、仮に実現した場合、移動中の電車内などでハマった日にはそら恐ろしい気がしないでもない。2008年発売予定で、価格は未定。
■ ファミコンウォーズDS2(DS:仮称)
前作との最大の相違点は“全体にシリアスな印象が強まった”こと。会場ではストーリーモードの第一ステージをプレイしたが、荒廃した世界観で、主人公の少年が戦いに巻き込まれていく。ユニットのグラフィック、戦闘アニメーションも、前作までのオモチャっぽいイメージは希薄。画面の表示面積が増えたことも影響しているが、本作での描かれ方は“兵器らしさ”が強調されたものになっている。 「前作から大幅にタッチが変わっていますが、何か明確な理由があるのでしょうか?」とスタッフの方に質問したところ「本シリーズは海外で特に人気が高く、さらにはメインの購買層がシリアスな表現を特に好むため」との回答が得られた。
個人的にファミコンウォーズの“オモチャっぽさ”は好きなのだが、本作のメインターゲットが海外ユーザーを想定している点を踏まえつつ「たまにはこういうのもいいかなぁ」と前向きに考えるようにした。実際プレイしてみるとシリアス一辺倒ではなく、ゲームらしいギャグ会話もあったり、なにより「基本システムにブレがない」点は、やはり何物にも変えがたい。とっつきやすいSLGとしての魅力は普遍だ。2008年発売予定で、価格は未定。
□任天堂のホームページ
□関連情報 (2007年10月10日) [Reported by 豊臣和孝]
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