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【連載第7回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
PS3に初の本格オンラインアクションゲーム現わる!!
ミサイルをかいくぐり、熱いドッグファイトを戦い抜け
WARHAWK |
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本作「WARHAWK」は、プレイステーション 3発表当時からラインナップに入っていたアクションゲームで、2006年のE3でも開発途中バージョンが出展されていた。当初はシングルプレイもサポートしていたが、最終的な仕様としては、マルチプレイモードのみとなり、またパッケージ版のみならず、PlayStation.Storeからダウンロード販売もされることになった。
日本国内でも来週10月4日からダウンロード販売が予定されており、海外ゲームファンのみならず、アクションゲームファンからも期待が寄せられているであろう本作を一足お先に北米版でご紹介していきたい。
また、今回のダウンロードゲームは、オールドゲーマーにはおなじみの横スクロールアクション「カトちゃんケンちゃん」の北米版「J.J. & JEFF」をご紹介しよう。
【お断り】 |
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当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
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■ やっと出てきたPS3初期ラインナップ期待の一作
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「WARHAWK」はシングルプレイモードは大胆にカットされ、マルチプレイ専用のゲームになった
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大空で戦う楽しさが満喫できるタイトルだ
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「WARHAWK」は、最大32人までが対戦できるマルチプレイ専用アクションゲームだ。
もともとPS3発表当時からのラインナップとして名前が挙がっていたが、初めてPS3が公開された2006年のE3で見た時は「“SIXAXIS”を使った戦闘機を操るアクションゲーム」という程度の印象しかなかったのだが、開発が進むにつれて徐々に2つの軍勢が戦いあう戦場を描いたサードパーソンアクションに発展し、海外PS3ファン期待の一作として発売が待ち望まれていた。
開発は「Twisted Metal」シリーズなどを手がけたIncog Inc. Entertainmentで、もともとは独立したスタジオだったが、2002年にSCEAが買収して以降はプレイステーションプラットフォームの充実を担うため、良質なアクションゲームをリリースしている。日本国内でも「Downhill Domination(日本版名:「爆走マウンテンバイカーズ」)」などで同社の作品をプレイすることが可能だ。
本作は、もともとシングルプレイとマルチプレイ双方をサポートしたゲームとしてリリースする予定だったが、最終的にはマルチプレイ専用ゲームとしてリリースされた。マルチプレイはLANを介して複数台のPS3を並べてプレイするオフラインモードと、インターネットを使用したオンラインモードの2形態をサポートしている。前者の場合、画面分割モードを用いて最大4人、人数分の機材とソフトウェアを用意することで最大32名までのマルチプレイが楽しめる。ただ、32台のPS3を一箇所に集めるのはあまり現実的なアプローチとは言い難い。そういう意味では、32名対戦はほぼオンライン専用と考えていいだろう。
プレーヤーの視点はサードパーソン固定でFPSゲームに慣れない日本のゲームファンにもプレイしやすい。グラフィックスは720pおよび1080iの解像度に対応している。キャラクタやユニットの動きはリアル志向というよりも、ややデフォルメ化されており、普段ミリタリー系をあまりプレイしない方もゲームにとっつきやすい。
基本的なゲームデザインはElectronic Artsの人気ミリタリーFPSシリーズ「BattleField(以下BFと略)」シリーズに近い。戦場に配備された兵員のひとりとして、陸・空ユニットを駆使して敵軍を倒すというルールは、もはやコンシューマゲーム・PCゲームファンを問わず、少し海外ゲームをかじった事のあるゲームファンならばおなじみと言って差し支えないだろう。
本作最大の特徴は空戦に焦点を当てたつくりになっているということだ。BFシリーズでは通常航空戦力はどうしても副次的な要素になりがちだが、「WARHAWK」では航空機同士の戦いが、戦場の趨勢に大きな影響を及ぼす。インターフェイスもゲームパッドならではの良好な操作性を持ち、大空では航空機による華麗なドッグファイトを繰り広げ、陸では戦車や歩兵が陣地を奪い合うという、箱庭的戦場をとてもうまく描いた快作だ。
また、対戦向けFPSゲームの良い部分も取り入れられており、良い例がマップ中に様々なアイテム(武器や回復アイテムなど)が落ちていて、これを取ることで武装を強化したり、体制を立て直すことができる。BFシリーズのように兵科別に使える武器や担当を限定するよりもFPSゲームライクにプレーヤーの裁量で様々な活躍ができるデザインの方が、敷居が低くコンシューマゲーム向きで好感が持てる。
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白熱した歩兵戦も楽しめる |
戦車戦も、もちろん用意されている
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■ ポピュラーな4つのゲームモードに加え、モチベーションを倍加させる勲章システムを搭載
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キャラクタのカスタマイズが可能だ
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戦場で活躍すればリボンやメダルが与えられる
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「WARHAWK」の目的は、世界の中で戦いを繰り広げている「Eucadian」と「Chernovan」2つの軍勢のうち、どちらかの陣営に組して自軍を勝利に導くことだ。ゲームモードは4種類用意されており、サーバーによって選択することができる。
デスマッチモードを除けば、マップ上には両陣営の拠点があり、更にマップ中にはいくつかの基地や占領地点が点在している。プレーヤーは、これらの占領地点を占有権を狙って戦いを繰り広げていくことになる。
最大のプレイ人数が32人なのは、PC向けFPSの水準から考えれば、必ずしも多い訳ではないが、両軍が対峙するポイントができれば、必然的にそこにプレーヤーが殺到することを考えると、対戦中に敵が見つからずに盛り上がらないとか、寂しさを感じることはほとんどない。それでは以下、ゲームモードを紹介していこう。
1. デスマッチ
EucadianおよびChernovanどちらかの兵士となり、自分以外全てのプレーヤーと戦う対戦プレイの基本。規定のスコアに先に到達したプレーヤーが勝利となる。シンプルすぎるせいか現在のWARHARKサーバーではあまり遊ばれていないように見える。
2. チームデスマッチ
EucadianおよびChernovanどちらかの兵士となり、敵軍を倒す本作のメインモード。敵を倒したり基地を占領することで得られるポイントが、先にマップ規定のスコアに到達した方が勝利となる。
3. キャプチャー・ザ・フラグ
対戦ゲームでは定番のモードだ。両軍の陣地に旗が設置されており、敵軍の旗を自軍陣地まで持ち帰ることでポイントが入るシステムだ。基地の占領などが目的ではなく、いかに素早く・安全に敵軍の旗を持ち帰るかが重要であり、チームワークも戦略も問われる。
4. ゾーンモード
チームワークが問われる、本作もう一つのメインモードと言って良いだろう。マップ中に点在する占領地点を占領し、敵から奪われないように守る(奪われた時は奪還する)全ゲームモード中最も戦略性が高い。
プレーヤーはオンラインモードに入ると自動的にPS3のユーザープロファイルと同じ名前が付けられる。これは「WARHAWK」のゲームモード上からは変更することができないので注意が必要だ。マルチプレイを通じて敵を倒したり拠点を占領したりと言った何らかの戦績を挙げるとポイントが獲得でき、そのポイントの蓄積具合に応じて階級が上がるようになっている。
階級が上がると、プレーヤーキャラクタの容姿や、プレーヤーが登場する戦闘機のカラーリングやサイン(アイコン)をカスタマイズすることが可能になる。階級のアップはプレーヤー個人の技量にもよるが、なかなか上がりにくい。何ゲームも繰り返しこなしていく必要があるだろう。
ポイントは、単純に敵を倒すだけでなく、拠点を占領したり、拠点を守ったり、特定の兵器で敵を倒し続けるなど、戦場で目立った活躍をすることで、ボーナスポイントを得ることも可能だ。これらボーナスはリボンやメダルなどで賞される。リボンやメダルの取得状況や取得回数はプレーヤープロファイルでいつでも確認することができる。この辺りは、現在開発中の「home」の機能を先取りしたような印象だろうか。
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自軍の拠点を守るのも立派な役割だ |
戦場にはいくつかの拠点が点在している |
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敵拠点の占領は一人で遂行するのは、なかなか難しい |
航空機で味方の歩兵を援護。チームワークが肝心だ |
■ 陸・空の兵器を駆使して戦いを勝利に導こう
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4輪駆動車は後部の機銃座と助手席で合計3名まで乗れる
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歩兵のロケットランチャーはホーミング機能付でなかなか強力
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ゲームに登場する兵器は、陸上兵器、施設添えつけの兵器、航空機など幅広い。ただし、航空機は両陣営1機種のみ、陸上兵器は戦車と4輪駆動車が各1種と、種類そのものはシンプルでわかりやすい。敵軍の乗り物は奪って使うことができ、乗り込む位置によって役割が変化したりなど、多彩な活用法が可能となっている。
「WARHARK」で最も特徴的なのが航空機だ。V/STOL機のように垂直離着陸やホバリングが可能で、多彩な動きが可能だ。マップ中に落ちているアイテムを拾っていくことで武装を強化できるため、チャフを撒いて敵のミサイルから逃れたり、視覚的にステルス化したり、地上勢力に多大なダメージを与えるミサイルや爆弾を落としたりと、地上兵器より数段上の影響力を誇る。本作において航空機はまさに主役であり、大空でのドッグファイトにフィーチャリングしたゲームであるという事を伺い知ることができる。
もちろん、地上兵器の扱いも決してなおざりにはなっていない。拠点の奪取と迅速な進軍のためには、戦車の破壊力が必要不可欠であり、歩兵には小銃、火炎放射器、ロケットランチャーと様々な携行武器を持たせることができる。基地に配備されている対空砲と対空ミサイルの存在もプレーには欠かせない。航空機の存在感が大きい「WARHAWK」では、これら対空兵器を駆使することは、敵軍にとって大きな脅威になるだろう。
中でもホーミング機能付きの対空ミサイルは強力で、初心者プレーヤーがダブルスコアを上げるために一番手っ取り早い方法は、拠点占領と対空ミサイルによる航空機の狙い撃ちが有効だ。もちろんやりすぎると敵軍から徹底的な集中攻撃を浴びることになるが、対空兵器がプレーヤー同士の奪い合いの激しい人気兵器なのは確実だ。
「WARHAWK」の兵器バランスは良好で、ひととおりプレイしてみた限りでは、突出して強かったり、破壊困難といった兵器は存在しない。あくまでもプレーヤーの技量とマップに落ちているアイテムをいかに有効に使うかと言った点が左右することが多く、これだ!という特徴は無いものの、「あの兵器は使いたくないなあ」と思わせる要素が少なく、プレイしていてやる気がそがれる様な事があまり無い点は多いに評価したい。
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対空砲で航空機を落とすのはテクニックが必要だ |
ホーミング機能付のミサイルは航空機最大の脅威と言えるだろう |
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航空機は実は二人乗り。簡易輸送機としても使える |
垂直上昇すると戦場の全景も見渡せる |
■ 世界中のゲームサーバーに参加可能、もちろん自分でゲームサーバーを立てることも
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現状のゲームサーバーは米国のオフィシャルサーバーが中心 |
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ゲームサーバーの立ち上げは、選択式でとても簡単だ
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「WARHAWK」のプレイ方法は、プレイする環境がほぼオンライン環境に絞られるため、他人が立てたゲームサーバーに参加するか、自分でゲームサーバーを立てる必要がある。北米サービスではSCEAが立てたオフィシャルサーバーが多数存在するが、人気サーバーなのでいずれも混みがちだ。現状はほとんど北米圏にサーバーが集中しているが、地域による制限は設定で外す事もできるため、世界中のゲームサーバーに参加してプレイすることができる。
ここで注意したいのは、自分でゲームサーバーを立てる場合は、サーバーの収容人数に制限がかかるところだ。つまり、立てたサーバーに自分も参加する場合は32人対戦はできない。その場合、プレーヤー人数は24人までとなり、32人フルで収容する場合は「デティケイテッドサーバー」モードにする必要がある。
「デティケイテッドサーバ」とは、コンシューマユーザーには聞きなれない機能かもしれないが、要するに自分のPS3をサーバー専用マシンにすることで、自分が参加できない代わりに自分好みのゲームモードを設定して他のWARHAWKユーザーに自分のPS3とネットワークを提供する機能だ。デメリットとしては、サーバーとして自分のPS3を稼動させている間、自分はゲームをプレイすることができない。「WARHAWK」のサーバーを増やすためのボランティアな意味合いが強い。
ディティケイテッドサーバーは、PC向けFPSではごくごく普通の話だが、PCを複数台持っている人はいても、PS3を複数台持っているという人はまだ少ないため、日本展開に際し、このモードがどれだけ活用されるのかは未知数だが、オンラインモードでは自分でクラン(チームのようなもの)をつくることができるため、自分の所属するクラン専用の対戦場として、パスワードロックを掛けてディティケイテッドサーバを立ち上げるという使い方は「有り」かなと思う。
ゲームのマップ数は現状5種類と多くはないが、デザインはどれも秀逸だ。地形の起伏も面白いし、陣地に添えつけられたミサイルや対空砲を慣れたプレイヤーであれば航空機がうまく避けていけるような、細かい配慮がされた設計が面白い。だだっ広くもなく、窮屈間も感じさせない程よいバランスがプレイしていて心地よく感じた。
更に対戦人数によってマップの構成や、航空機オンリーなどのゲームルール的なものなど、マップレイアウトをプレーヤーが対戦する状況を想定して変更することができるのも、大きな特徴だろう。この設定を活かせば少ないマップでも様々なシチュエーションで対戦を楽しむことができる。
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マップのルールとレイアウトなどを設定していく |
この設定をALLにしないと日本国内以外のゲームサーバーが見えないので注意 |
■ ボリューム不足感は否めないが、ゲームバランスの秀逸さと今後のバージョンアップに期待
「WARHAWK」は、PS3初の本格的なマルチプレイ専用アクションゲームとして、まだゲームソフトが少ない現時点のPS3ラインナップの中で、強力な存在感を放っている。筆者が購入したのはパッケージ版で通常のPS3ゲームと同じ価格帯だが、ダウンロード版となれば北米では39.99ドル、日本では3,800円で、これだけのクオリティを誇る作品が楽しめるのだから実にお買い得といえる。
一方、パッケージ版も捨てがたい。パッケージ版限定の特典としてBluetooth接続のワイヤレスヘッドセットが付属するからだ。SCEAとしては同社の人気ミリタリーアクションゲーム「SOCOM U.S. NAVY SEALs」シリーズに次ぐボイスチャット推奨ゲームとなる点も興味深い。Bluetooth規格のヘッドセットは、耳に引っ掛けるスタイリッシュなデザインであることに加え、日本では購入すると軒並み高価な上、種類もあまりないので、このパッケージ版についてくるヘッドセットは貴重で、お買い得感も高い。なお、日本語版は残念案柄ダウンロード専売となるようだ。
本作がBFシリーズの単なる亜流に終わっていない点として、航空機の存在と活躍が戦略的に重要な位置を占めている点が挙げられるだろう。BFでは下手な飛行機使いは単なる邪魔者以外の何者でも無かった訳だが「WARHAWK」では簡単な操作でカッコイイ操縦が楽しめる。ちょっとプレイすれば誰でも迫力ある空戦が体験できる上に、敵の拠点に素早く斬り込むための輸送手段としても使える。航空機が他のゲームの車両並の汎用性を持っている点が、本作に個性と面白さを与えているようだ。
本作がマルチプレイ専用ゲームとして最も気になるのは、マッチングシステム部分の作りこみが甘く、入れると思ったサーバーに接続してみると既に満員状態であり、うまくマッチングできるまで時間がかかるということ。サーバーの接続は中断することができないため、タイムアウトになるまでじっと待っていなければならない。これはなかなかストレスが溜まる。
もう一点はやはりマップのバリエーションの少なさだ。現在プレイできるマップはどれも練られたデザインで、プレイしていて楽しいものばかりなのだが、如何せん数が5種類ではすぐに遊び尽くしてしまう。PS.Storeで有償、無償かはともかくとして、コンテンツ寿命を延ばすためにも早期の追加マップ投入、もしくは追加マップを含んだバージョンアップを期待したいところだ。
(C) Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.
□「WARHARK」公式ホームページ(英語)
http://www.us.playstation.com/Warhawk/
□「WARHARK」公式ホームページ(日本語)
http://www.jp.playstation.com/scej/title/warhawk/
■ 今すぐチャレンジできる! ダウンロードコンテンツ
第七回:あの激ムズアクションがWiiで再び遊べる!! 「J.J. & JEFF」
- ジャンル:横スクロールアクション
- デベロッパー:ハドソン
- パブリッシャー:ハドソン
- プラットフォーム:Wii
- 価格:600Wiiポイント(北米版)
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「J.J. & JEFF」のタイトル画面。何かが違う!? |
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カトケン……ではなくてJ.J.とJEFF
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最近、北米市場でのWiiの人気が凄まじい。Xbox 360の総本山と目されていた北米市場で、発売から1年経たずに出荷台数を追い抜いてしまったのは驚きだ。北米のバーチャルコンソール(VC)には日本ではまだ発売されていないタイトルがいくつかある。今回はその中の一本「J.J. & JEFF」をご紹介しよう。
画面を見ていただければ、ピンときた読者の皆さんも多いかと思われるが、本タイトルは'87年にNECホームエレクトロニクスから発売されていたゲーム機「PCエンジン」向けに発売されたアクションゲーム「カトちゃんケンちゃん」の海外版だ。オリジナル版のタイトル名通り、当時人気だったテレビ番組「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」の1コーナーを題材にしている。
海外版はもちろんカトちゃん(加藤茶)とケンちゃん(志村けん)の名前は通用しないのでキャラクタと名前を変更し、表題の「J.J. & JEFF」として発売されたものだ。
ゲームは、探偵のJ.J.かJEFFのいずれかひとりを操作して、誘拐犯を追いかけるというストーリー。ゲームはオーソドックスな横スクロールジャンプアクションで、選択しなかったもう一方のキャラクタも、ことあるたびにプレーヤーの邪魔をしたりヒントをくれたりと色々な所で登場するという味のある内容となっている。
特徴的なのは、ゲームの難易度が非常に高いこと。ジャンプタイミングがシビアで、しかも敵の配置がなかなかいやらしい。攻撃方法は蹴りとスプレー(オリジナル版はオナラ)だが、足のリーチが極端に短くて敵に蹴りを繰り出すタイミングも難しいという、「昔のゲームはやたら難しかったな~」という思い出を嫌と言うほど思い出させてくれるバランスだ。
J.J.とJEFFの二人によるキャラクタ特性の違いも難易度にかなり影響する。J.J.よりもJEFFの方が滑りやすい。(つまりスーパーマリオのマリオとルイージの違いと同じ)「アッ!と思ったら穴に落ちた、焚き火に当たった」など、この滑りやすさがゲームの端々に致命的な難易度アップに貢献している。
ちなみにオリジナル版はJEFF=ケンちゃんであり、当時の志村けん人気から気軽にケンちゃんを選択した「志村派」はさぞかし地獄を見たことだろう。筆者も志村派だったが、ゲームの難しさからやむを得ずカトちゃんを選択してプレーしていたものだ。
本作はコンティニューが裏技扱いになっている。おそらくこの技を知らなければ、ほとんどのプレーヤーはクリアできないかもしれない……。バーチャルコンソール版の場合は、「GAME OVER」の文字が出ているうちにA・Bボタン同時押ししながらSTARTボタンで最後にプレーしたステージの最初から再開できる。
筆者がオリジナル版をプレーしていた当時も「難しいな」とは思っていたが、ファミコンなどで横スクロールアクションゲームが氾濫していたせいか、コンティニューを駆使しつつも結構先のステージに進むことができていた。ところが、あれから20年近く経過してずいぶん年を食ったせいか、あるいは昨今のぬるいゲームに慣れすぎたのか、本気でプレイして「1-4」(最初のワールドの4面目)まで進めるのが限界だった。
今回このゲームを推すのは、当時ハマった年配プレーヤーの皆さんに「うわ~ムズいよコンチクショー!!」とか「昔のゲームは現代のゲームとは別の意味で辛かったナ~」という気分を味わっていただきたいからだ。20年来のPCエンジンファンの方なら、なかなか耳に心地よいBGMや、シュールな世界感が何とも懐かしくプレーできるだろう。かくいう筆者も「こんなの無理だっつーの!!」と叫びながらコンティニューを繰り返している。先に進めない悔しさをぜひ本作で満喫していただきたい(笑)。
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選択しなかったもう一方がお邪魔キャラで登場 |
ヒントや体力を回復してくれることも |
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懐かしの「だいじょぶだぁ」を英語化するとこうなる |
足が滑ってなかなか止まらない。叫びたくなる一瞬だ |
(C) FROM NEC(C)1990 HUDSON SOFT
□「J.J. & JEFF」公式ホームページ(バーチャルコンソール版)
http://wii.nintendo.com/vc_gamepage.jsp?title=jj_jeff
(2007年9月25日)
[Reported by Game Dude]
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp
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