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森口さんは、一般公開日1日目と2日目に、黒(初日)、白(2日目)の衣装でイベントに登場。本作の主題歌として新たに制作された「もうひとつの未来 ~starry spirits~」を初公開した。 デビュー曲「水の星へ愛をこめて」、そのカップリング曲で挿入歌となった「銀色ドレス」が「機動戦士Zガンダム」で起用され、さらに劇場版「機動戦士ガンダムF91」で「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」を主題歌として唄ってきた森口さんが、16年ぶりに「ガンダム」に帰ってきたということもあり、記者も期待を膨らませてイベントを拝見させていただいたが、その歌のパワーに圧倒された、という記憶しかない。「Zガンダム世代」というか、「宇宙世紀ガンダム世代」にはたまらないステージであったことは間違いないだろう。
さて、「もうひとつの未来 ~starry spirits~」、そして自身が作詞を手がけたエンディングテーマとなる「それでも、生きる」を11月28日にリリースする森口さんに、この2曲にかける意気込みなどを語っていただいた。そのメッセージをお届けしたい。
■ ガンダムの主題歌を唄う、ということは本当に誇らしいこと
歴史あるガンダムの主題歌を唄う、ということは本当に誇らしいことで、よく「唄いたい」ということを聞くんですね。それを私は3度もチャンスをいただいて、幸せなスタートだなと感じていますね。 今回、「それでも、生きる」というエンディング曲を作詞させていただいたんですが、テーマは、タイトルとかぶりますが、「人は、何があっても、何が起こっても生き続けなきゃならない」。とくにこういう殺伐とした時代なので、突然何が起こるかわからないですよね。それは、そばにあった愛がいきなりなくなっちゃったりだとか、大切な家族や愛する人が側からいなくなっちゃう、お別れしなきゃならないときって、生きてれば絶対誰にでもありますよね。そういう苦しみを順に受け継いで生きていかなければならないということですね。 この曲を作詞するにあたって、もちろん(バンダイナムコから)テーマをいただいたんですが、いつも普段書いている詩と、ガンダムの世界がリンクしていて。すごく伝えたいことが泉の如く(笑)沸き出てきて。これだけテーマがはっきりしているときに作詞をすると、プロデューサーの方とかスタッフの方と、「ここはこうしてください」といったやり取りが何度かあったりするんですが、今回は一度もダメ出しがなくて、一発OKだったのがうれしいなと。 ● スタッフの方々から頂いたテーマは、私が普段感じていたり伝えたいこととすごくリンクしていたので、難しい、といか困ったということがなくて。むしろ「いいのね、いいのね?」という思いのたけの方が強くて。普段詩を書いてマネージャーに見せると、「もうすこし街レベルの詩を書いてください」といわれたりすることが多々あるので。 「オープニングは壮大な感じで」とか言っていただいてすごくわかりやすかったです。オープニングはゲームを始めるときにテンションを上げる、自分の中でのボルテージをあげるためのわかりやすい曲です。 エンディングは、去っていくものへの賛辞やレクイエムというか、そこには愛とか信念、変わらない人間愛があるというのは日常でもあることじゃないですか。それを受け止めて人間は活かされているな、ということを私の中では素朴に感じて書けたので。今いろんな命が無条件になくなっていくということが心が痛いですよね。それを止めるということもあるし、やむをえなく散っていくものに対しては、必ずなにかメッセージがあると思うんです。その「さよなら」には。それを無駄にしたくないな、それで残っている私たちは生かされているということを感じながら日々を生きたいな、というメッセージですね。 ● もともとガンダムって壮大なテーマがありますよね。今の時代になってよりいっそう、このテーマがリアルに響くと思うんですよね。本当にいろんなことが起こっている今の時代だから、言い続けたことが自然に伝わりやすい時代になったな、という感じがします。 今回の詩の中でオススメですか……どこもいいんですよ(笑)。やっぱり最後の「さよならを受け止め、涙を力に変える」というあたりですかね。 ● 今までの2曲と、「もうひとつの未来 ~starry spirits~」は、テーマ的に「宇宙愛」という点で一貫性があって変わっていないですよね。気持ち的には、楽曲がすごくアツいところと、どこかで冷静な曲調だったりするので、このバランスが私の中で新しい挑戦でしたね。私のオリジナルの楽曲の中では、すごく新しいジャンルの曲ですね。 今まで、意外と高音を活かした曲が多かったんですが、「もうひとつの未来」は、低音から入ってくるあたりは、地に足をつけて「揺るがない魂」みたいな。そのテーマをしっかり感じながら唄っています。 ● 今回、オープニングの絵コンテを頂いたんですね。それがカラーで、立体的で色も鮮やかな、すっとその世界に入っていけそうなリアルな絵で感動しました。ましてや、曲を先に作ってから、それに合わせてオープニングとエンディングムービーを作ってくださるということをお聞きして、より一層世界観が膨らむということで、ボーカリストとしては相乗効果が得られるということで、うれしかったです。
● ガンダムという作品は本当に影響力のある作品ですよね。こうして現場に来ている皆さんも、ゲームを作っている皆さんもそうですし、アニメに携わっている方もそうですし。いろんなTVやドラマの現場に行くと、「ガンダムファンです」という方に必ず出会うんですよ。そんな社会現象にもなった作品に参加させていただいている……私の人生を変えた作品なので、一生大切にお付き合いさせていきたいいです。ガンダムがなければ今もここにいませんから。
■ みんなの思いが“一音入魂”でできあがった曲
この2曲は今年のメインになりますね。12月14日にSTB139でのライブ「HIROKO MORIGUCHI Song foy you Vol.III ~もうひとつの未来~」にも、サブタイトルに「~もうひとつの未来~」を付けさせていただきましたし、今年の私の核となるメッセージになります。 ● 会場にいらしてくださっているファンの皆さんの思い入れが深いじゃないですか。どんなに違う音が周囲で鳴っていようと、違う時間が流れていようと、「ここの時間は確固たるものがある」ということを感じるんですね。全身で。だから私はどこで歌っていても変わらない。どんなところでも唄えることがすごくうれしくて、それを聞いてくださる方が1人でもいてくださる、というのは、お互いに「生きてるね」と感じがする瞬間なんですね。それは作品作りとは違う、エネルギー交換の場であったりするので。雨が降っていようが普段着でいたとしても、歌の魂は変わらない、生きてる証って気がしますね。
● このソフトを作っている皆さんもそうですし、この楽曲を作るにあたっては、本当にたくさんのスタッフの方が魂を1つにして作った作品なんですね。特にレコーディングなども、ゲームプロデューサーのお2人も現場に来ていただいたり、私もオケ撮りからミックスダウンやトラックダウンから全部参加して、まるでライブのようなスタジオでした。そういうみんなの思いが“一音入魂”でできあがった曲なので、ゲームとともに新しい楽曲を可愛がって頂きたいと思います。
これからCMでもオンエアされるこの「もうひとつの未来 ~starry spirits~」は、11月28日にキングレコードからCDが発売される。また、11月29日に発売される「SDガンダム ジージェネレーションスピリッツ」の予約特典「魂ディスク」にも、森口さんのコンテンツが収録されている。「TGS2007」のステージの模様や、レコーディング風景なども収録されているというから、ファンならずとも楽しみだ。もしこの曲が気に入ったら、メッセージの中にもあった12月14日に行なわれるSTB139でのライブにも足を運んでみてはいかがだろうか。 (2007年9月24日) [Reported by 佐伯憲司]
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