|
当初は「モンスターコロシアム」という名称で「アトルガンの秘宝」発売以前より存在が明かされていた「闘獣場」。これがついに、2007年9月11日バージョンアップで「パンクラティオン」という名称で登場した。 「パンクラティオン」は、「魔獣マスターとして自分好みのモンスター情報を手に入れ、他の魔獣マスターのモンスターと戦う」という観戦型のバトルコンテンツだ。ヴァナ・ディール各地に点在するモンスターたちは、冒険者にとってある意味慣れ親しんだ存在。皆それぞれに思い入れのあるモンスターや、好みのモンスターがいるわけで、それを自分の魔獣としてパートナーにした上で、パートナーと一緒に試合に挑める。相手は自分と同じ魔獣マスターであり魔獣を介した対人戦。心躍る要素が満載だ。なおかつ、魔獣にはレベルによる成長要素まであり、自分だけの個性ある魔獣に育成することができる。
このように魅力的な要素が満載、モンスターのバリエーションもたっぷり、育成要素と対戦の要素までも併せ持つとあって、「パンクラティオン」は、瞬く間に冒険者の注目を集め大盛況となった。今回はこの「パンクラティオン」の概要をはじめ、モンスター情報を手に入れ試合に参加してみた模様までをお伝えしていこう。
● パンクラティオン用の施設「コロセウム」
「コロセウム」は、4つの区画、4つの闘獣ステージで構成されている。各区画は、入り口付近にいるタルタルのNPCのステージ間の転送サービスを利用して移動を行なう。4つのステージは1番から3番が「エキシビジョンマッチ(個人戦)」、4番は「ワールド・パンクラティオン(勝ち抜き戦)」のステージとなる。まずはエキシビジョンマッチで腕を磨き、猛者の集うワールド・パンクラティオンに挑戦する、という流れを想定しているのだろう。また、エキシビジョンマッチではパーティを組んで参戦予約することで対戦相手を指名することも可能だ。
各ステージ区画の中央には金網で仕切られた試合場がある。ここでそのまま闘獣が繰り広げられるわけだ。金網付近の観客席に入るとエリア移動や画面の暗転もなくシームレスに試合が見られる。試合中は画面の左上、右上には赤コーナー、青コーナーのモンスター名とHPゲージが表示されるので、実況やログとあわせて、試合模様の詳細をリアルタイムに観戦できる。
コロセウムでは、各種のやり取りに際し、専用の貨幣「ジェトン」が使われる。ジェトンはアトルガン貨幣と交換可能で、青銅貨でジェトン1個、白銀貨で10個、霊銀貨で30個、黄金貨で200個に交換してもらえる。モンスター情報を得るために必須のアイテムなどもジェトン交換のNPCから手に入るので、最初に訪れるときにはアトルガン貨幣をある程度持っていこう。
ジェトンは試合結果によって増やしていくことができるが、今のところ貯めたジェトンで交換してもらえるのは、2個で「獣影板(12個)」、「獣写器(12回使用可能:1分ごと)」、500個で「高速獣影板(12個)」、「高速獣写器(48回使用可能:30秒ごと)」の4種類。これらは獣影板と獣写器はモンスター情報を記録する必須アイテムとなる。500個の高速バージョンはその名のとおり、従来版の半分の時間で使用可能になる。また、5,000個ではモンスター情報記録の成功確率が上がる頭装備が用意されている。アイテム報酬的な部分では当面この頭装備が目標になりそうだ。
● 「できるパンクラティオン」。モンスター情報入手から試合登録までの流れ 大人気の「パンクラティオン」だが、参加を思い立ってすぐに試合に臨めるというものではない。参加するためには、しっかりとした手順を踏む必要がある。それでは実際の「パンクラティオン」で試合に参加するまでの流れを紹介していきたい。 1:コロセウムでアトルガン貨幣をコロセウム専用貨幣「ジェトン」に交換する。 2:ジェトンと引き換えに「獣写器」と「獣影板」をもらう 3:「獣写器」と「獣影板」を装備し、モンスターに使用してモンスター情報を記録した「封獣板」を手に入れる 4:「封獣板」と「氷のクリスタル」を魔獣鏡の担当係員NPCにトレードし、「魔獣鏡」にする 5:「魔獣鏡」を公正審査会の係員NPCにトレードし、試合に出す魔獣である「公式魔獣鏡」にする 6:「公式魔獣鏡」をステージ側のNPCにトレードして試合にエントリーする 7:時間になると対戦相手との試合がスタート!
「獣写器」というのは現代風に言うとカメラ、そして「獣影板」がフィルムにあたる。前述のように「ジェトン」で入手できる。これでモンスターを“撮影”してモンスター情報を記録、「封獣板」を手に入れる。「封獣板」は撮影済みのフィルムといったところだ。 続いて、「封獣板」をコロセウムにいる魔獣鏡の担当係員NPCに渡し、「魔獣鏡」に“現像”する。この際、「氷のクリスタル」が必要になるので忘れずに持って行こう。ただ、ここで重要なのは、記録されたモンスターによっては「魔獣鏡」にできない場合があるということだ。その法則は未解明だが、経験則でいうと、ノートリアスモンスターやミッションモンスターといった、特殊なモンスターは「魔獣鏡」にできないようだ。 だが、「魔獣鏡」にできない「封獣板」は魔獣の育成に活用できる。「封獣板」にはモンスターに由来するアビリティ「獣性」が封じられていて、これを「魔獣鏡」のモンスターに組み込み強化できるのだ。特殊なモンスターは「魔獣鏡」にできない代わりに、特殊な「獣性」を持っている可能性がある。遊び始めには「魔獣鏡」にできることが重要に感じられるが、育成する魔獣が確定したあとは、「獣性」のほうが重要になってくる。 ちなみに一度「封獣板」を「魔獣鏡」に現像をしてしまうと、「封獣板」には戻せない。「封獣板」の状態で獣性としてモンスターの育成に使うか、「魔獣鏡」にするかは後戻りができないので十分考慮したい。また、「封獣板」の状態ならば、競売には出品できないもののバザーやトレードでやりとりができる。手に入りにくいレアな獣性を持った封獣板は高額で取引されるようになりそうだ。 「魔獣鏡」にしたあとは公正審査会の係員NPCにトレードして、パンクラティオンの試合に出す「公式魔獣鏡」として登録する。「封獣板」、「魔獣鏡」などはアイテムとしてカバンに入る形式のため、空きの分だけいくつでも所持できる。複数の「魔獣鏡」からひとつ、試合に出すものを登録する手順が「公式魔獣鏡」の審査となるわけだ。
これで試合までの手順は完了。「公式魔獣鏡」を試合進行の係員にトレードすると闘獣試合にエントリーできる。試合の報酬としてジェトンや魔獣の経験値がもらえ、冒険者同様に一定量の経験値を手に入れるとレベルが上がって強くなっていく。獣性を追加し、組み替えて自分だけの魔獣を育て上げていく。目指すは「ワールド・パンクラティオン最強のチャンピオン」だ。
● 魔獣のステータスについて 魔獣にはパンクラティオン独自のステータスが設定されている。「魔獣鏡」または「公式魔獣鏡」を魔獣鏡担当の係員NPCにトレードすると確認や変更が行なえる。 まず試したいのは名前の変更だ。これはチョコボ育成の命名に近い仕組みで、リストの中から2つ単語を組み合わせて名前にする。単語は英語、フランス語、ドイツ語などから様々な意味の言葉が用意されている。一度決定したあとも随時変更可能だ。 そのほか、魔獣のステータスについては以下のようになる。
・「レベル」
・「種族」
・「メインジョブ/サポートジョブ」
・「獣性」、「獣性レベル」
・「FP(Feral Point)」
・「訓練度」
・「テンプラメント」
オールラウンドに仕上げるのか、魔法か打撃かと一方向に特化させるのか、はたまた自分の好みのスタイルを追求するのか。今後、次第にある程度のセオリー的なものは生まれてくるとは思うが、自由に強さを求められるところが魅力だ。
限られたFPの枠の中でいろいろと獣性を組み合わせるのは青魔道士の青魔法をセットするシステムに近いだろうか。ステータス面、FP限界値の面で、強さの基準はレベルのようだが、近いレベルであれば獣性の組み合わせや互いの獣性の相性が大きく左右してくる。なお、魔獣によっては最初から獣性を持っているものも希にいるとのこと。あと一歩の強さを求めるときにはポイントになってきそうだ。
それではここからは実際に筆者が「パンクラティオン」の体験レポートをお伝えしていきたい。 まずはアトルガン貨幣をいくつか手にして「コロセウム」へと向かった。ジェトンに交換してもらったのち、「獣写器」と「獣影板」を手に入れた。
「獣写器」は12回使用のEX/RAREがついたアイテムなので、「獣影板」さえあれば再入手までに12回撮影できる。これがジェトン500個でもらえる「高速獣写器」と4セット以上の「獣影板」があれば、再入手までに48回の撮影が可能になる。「高速獣写器」と通常の「獣影板」という組み合わせでも使えるようだ。
試合を何戦か観て自分も魔獣マスターとして参加したくなったところで、コロセウムの外へ。このときはタイミングよくビシージによって死者の軍団が皇都に迫っていたので、まずはそこで試してみることにした。すると予想通りというか、ビシージはいつもとまったく様子が違っていた。同じように「獣写器」と「獣影板」を装備した、“戦うカメラマン”と化した冒険者がたくさんいたのだ。そこかしこで、見慣れぬエフェクトがモンスターに当たっている。 筆者もさっそくそのとき戦っていた青いゴーストのAssaultBhootに対して、獣写器を使ってみた。キュイーンというSE音と共に、カメラのファインダーのような四角いエフェクトがモンスターにあたり、最後にカシャッと音がした。見事に封獣板をゲット! 魔獣の組織が貼り付けられた板というアイテム説明に、「FP:12、闇属性攻撃力+15%」と記述されていた。 そのまま戦いながら様々なモンスターに獣写器を使っていく。ラミアNo.15からは「 クリティカル率アップ:FP38」、キマイラのNMネミアンライオンにも挑みつつ試してみたところ「物理ダメージ耐性+15%:FP30」というレアっぽい封獣板が手に入った。戦いながらもモンスターの情報を記録するという感覚は新鮮で、面白がって次々に試しているうちにカバンが満杯になってしまった。何度か封獣板の獲得に失敗したときはあったのだが、特に難易度の違いのようなものは感じられない。基本的には運のように思えた。むしろ容易に手に入るのでカバンの空きに気を配りたいところだ。 ビシージが終わり、いくつか手に入った封獣板のどれを魔獣にしようかしばし考えたが、筆者が以前より気に入っていたクトゥルブにほどなく決定。独特で凶悪そうな外観が個性があって格好いいのだ。氷のクリスタルと共にクトゥルブの封獣板をコロセウムのNPCにトレード、無事に「魔獣鏡」になってくれた。そのまま「公式魔獣鏡」に登録も済み、これで試合の準備は万全。自分も魔獣マスターだ。 続いて、友人たちと目当ての魔獣情報を手に入れるべく、ザルカバードへ行ってみた。筆者はアーリマンが、友人はシャドウドラゴンなどがお目当てだ。うろうろしてみるとほどなくシャドウドラゴン発見! すでに他の冒険者の人が撮影中だったので、その横で獣写器を向けた。これまでにないなんとも奇妙な光景だ。倒してみようかとも話したものの、他にも撮影したい人がくるかもしれないと放っておくことにした。これもまた今までにない変な話だ。
ザルカバードでもデーモンやアーリマン、はてはエレメンタルや、ジャイアントがペットで連れていたタイガーに至るまで撮影してきた。思っていた以上に自由に撮影できる感触に驚きつつ、他にも、あのモンスターはどうだろう、あれはどうなんだろう、と話が広がった。
次にさっそく獲得した封獣板を魔獣鏡にできないか試してみた。代表的な獣人や蛮族、エレメンタルなどは魔獣鏡にはできないようだ。一般に特殊なモンスターと思えるものは封獣板までは手に入っても魔獣鏡にはできないという印象だ。 コロセウムに戻り「公式魔獣鏡」をトレードしてステータスを確認。クトゥルブの魔獣鏡は、クトゥルブ族でレベル9、メインジョブは暗黒騎士、サポートジョブは戦士となっていた。レベルは元のモンスターの強さである程度初期値が変わってくるようだ。FPの限界値は29。いくつか29に収まりそうな獣性をトレードして組み込んだ。レベルの高い敵やビシージのNMなどから得た獣性はFP値が高すぎてほとんど付けられない。魔獣のレベルにあったものを組み合わせるのがポイントなのだろう。
さぁ、いよいよ闘獣試合に参戦だ! と意気込んだものの、大盛況でなかなか登録できない。試合を受け付ける係員に「公式魔獣鏡」をトレードする方式のため、周囲の冒険者に先にトレードされてしまうのだ。なんとか1度だけでもやってみたいとトレードを繰り返すと運良く登録することができた。40分ほど後になるというのにまた驚いたものの、試合を観戦しつつ待ってみた。
次々に登場する魔獣に、あんなのも魔獣に登録できるのか、と驚いていると、ログに赤い文字で「まもなく第4ステージ、青コーナーにて、あなたの登録したモンスターの試合がはじまります」と表示された。こうして通知されるのだ。ステージの裏側に回り込み、青コーナーの「コマンダールーム」に移動する。「コマンダールーム」は、自分のモンスターが試合に出るときだけ入れる特別なエリアだ。 コマンダールームはステージの上側で、下は魔獣が戦う場所、正面には観客席。観客席には試合を観戦している人が見える。一人注目を浴びているようで妙に緊張してしまう(笑)。隣のコマンダールームには対戦相手のマスターも立っている。 試合が始まるというアナウンスと共に、互いの魔獣が出現! 正面の伝声管(Speaking Tubes)で魔獣に「お前に任せる!」、「もっと頭を使え!」、「暴れてもいいぞ!」、「ガードに徹しろ!」、「攻撃に徹しろ!」など、全9種類の指示が出せた。だが、訓練度は当然ないに等しく、まったく言うことを聞いてくれない。そうこうしているうちに相手のバッファローにあっさり倒されてしまった。
このとき挑んでいたのは第4ステージの「ワールド・パンクラティオン」で、いわば無差別級。連勝を重ねているチャンピオンが相手だったのだ。勝ち抜き戦で連勝しているチャンピオンは次々に経験値を得ているのでかなりのレベル差があったようだ。だがそれでも、試合の報酬として経験値100とジェトンを100個もらえた。レベル差のある魔獣と戦ったことで経験値を100ももらえたようだ。圧倒的に強い相手と戦って敗北するのも、育成には役立つのだろう。
それでも粘ってトレードを続けていると、なんとかエキシビジョンの試合に登録できた。試合受付のNPCから対戦相手の情報も聞けるようなので、確認してみるとドール族でレベルは7とのこと。これならいい勝負になるのではないかと、期待してコマンダールームに入った。 試合開始から指示を出すが、やはり無視するばかりだったのだが、何度も試していると、「指示を理解した!」と出た。嬉しいものの試合模様は立て続けにクリティカルをもらいHPは劣勢。クトゥルブはドレインやポイズンなどの黒魔法も使って応戦し、なんとか互いに4割あるかないかの横並びになってきた。が、ここでクトゥルブがひるみだした。相手の魔獣にアンデッドキラーの獣性が組まれていたのだろうか。この状況でひるまれては苦しい。試合の登録後は獣性を変えることはできないので、運悪く相手の思惑が当たってしまったというところだろう。
ギリギリの接戦が続くなか、たまにひるむ様子を見せつつ、なんと最終的にクトゥルブが勝利! 予想外の結果に驚いていると、観戦していた冒険者が拍手のエモートをしてくれた。なんとも嬉しくて恥ずかしい(笑)。コマンダールームから出され、経験値とジェトンをもらったときには、もう次の試合に出たくてしようがなくなっていた。登録がなかなかできないほどに混雑しているのにも関わらず、挑んでいる人が多いのにも頷けるおもしろさだと感じた。
試合用の魔獣が決まってからも、「獣性」という重要な要素を目当てに普段いかないようなエリアにも足を運んだり、撮影がてらLSメンバーのミッションを手伝ったりなど、試合以外の部分もうまくできている。 懸念としては、「獣写器は他の冒険者が占有中のモンスターに対しても使用できる」ので、例えば他のパーティーがNMと戦っているときにギャラリーのごとく撮影する、なんていう状況が避けられないところだ。それを嫌がりトラブルになる可能性があるため、そこは現実で写真を撮るときのように、了承をもらってから倒す直前で撮影するなど、ある程度のマナーとモラルが必要だろう。 情報元のモンスターの強さが絶対的な基準になるのではなく、レベルや獣性の組み合わせが重要なバランスは自由度が高く、かつ奥深くて面白い。時間を費やしてやりこむことでレベル的な強さは得られるものの、絶対的な強さではなく、最終的には獣性の組み合わせや相性がポイントになってくる。今後、公式イベントの開催などがあると白熱しそうだし、3on3などのチーム戦へ拡張されるのも面白そう。大きく夢がふくらむコンテンツだ。
最後に繰り返しになるが、本稿執筆時の状況として混雑がひどくて満足に遊べなかったことは指摘しておきたい。どんなによくできていても、遊べなければ意味がない。長時間にわたる不毛なトレード競争が発生している部分に関しては、早急な改善を望みたいところだ。 (C)2002-2007 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年9月19日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|