【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

「メイプルストーリー」、新対戦システム「モンスターカーニバル」
新マップなど4周年を記念した大型アップデートを実施

8月1日実装



 株式会社ネクソンジャパンは、MMORPG「メイプルストーリー」のアップデートを8月1日に実装した。「メイプルストーリー」はほぼ毎月マップの追加などアップデートを行なっているが、4周年を記念した今回のアップデートは今までで最大の規模になる。

 今回はアップデートの内容を紹介すると共に、アップデートに先がけて行なわれた説明会でのスタッフインタビューも合わせてお伝えしたい。「メイプルストーリー」は2Dグラフィックス、4年という長いサービス期間にもかかわらず、ネクソンジャパンの運営するタイトルの中で一番の人気を博している。その人気の秘密とは何なんだろうか。


■ 「モンスターカーニバル」、新マップ「アリアント」……盛りだくさんな新要素

● 妨害や支援も大事なチーム対戦「モンスターカーニバル」

チーム対戦が楽しめる「モンスターカーニバル」。CPをどう使うか、プレーヤー間で活発な意見が交わされそうだ
 今回のアップデートの最大の目玉がこのモンスターカーニバルだ。これは2vs2から6vs6までが可能なチーム対戦で、参加者はレッドかブルーのチームに分かれ戦うことになる。このチーム対戦は「ルディブリアム」という町で開催され、対象キャラクタのレベルは30~50となる。

 対戦を希望するプレーヤーはチームを組んでルームで待機し、他チームに挑戦する。キャラクタの対戦は両チームの平均レベル差が、10以上離れているときには不可になる。「メイプルストーリー」のレベルキャップは200であり、50レベルは中級者クラスといえるだろうか、4周年を迎える本作においては多くのプレーヤーがこれより上だが、2カ月ほど先に実装された韓国ではセカンドのキャラクタで楽しむプレーヤーも多いという。

 チームが決まると専用フィールドに移動して対戦開始となる。最初は左右から現われるモンスターをそれぞれチームで倒していきCP(カーニバルポイント)を稼いでいく。CPには自分のCPと共に、総合のグループCPが上がっていく。この総合CPで勝敗を決することになる。勝ったチームは多くの経験値が入手できる。

 個人のCPは消費することで強力なモンスターを召喚し敵チームを襲わせたり、相手の動きを遅くするようなスキルなどが使える。さらに「守護物」という周囲にいる味方モンスターを強化させるオブジェクトを設置することができる。敵チームは守護物を破壊することが可能だ。

 モンスターカーニバルではプレーヤーが直接敵プレーヤーのキャラクタを攻撃することはできない。また、今までのルールと違い、拾うとすぐに効果を発揮するアイテムがモンスターを倒すとドロップされる。アイテムは全MP回復など強力なもので、回復アイテムを持ちフィールドを冒険する通常のゲームとはかなり違う感触となるだろう。

 このルールで重要になるのはCPの使い方だ。CP消費の少ないモンスターを複数召喚するか、強いモンスターを1体消費するか、どのスキルを使うか……。モンスター召喚、守護物設置などのチーム内での役割分担も大事だ。事前の取り決めとチームワークが勝利の鍵となる。ユーザー達の交流も今まで以上に活発になりそうだ。

30~50レベルと、今回のモンスターカーニバルは初~中級者向けになる。今後はもう少し上のレベルを対象にしたステージも実装予定だ

● 「砂漠の街アリアント」、アラビアンナイトをイメージした砂漠マップ

アラビアンナイトの世界をイメージした砂漠マップ。ストーリー要素にも注目だ
 「メイプルストーリー」にはチュートリアル要素の強い練習用フィールド「メイプルアイランド」、初~中級者向けの「ビクトリアアイランド」、そして広大な大陸「オシリア」がある。オシリアは雪の町エルナスや空に浮かぶ島オルビスなど凝ったフィールドが多いが、対象レベルが高く、敷居が高い世界だった。

 今回追加される「砂漠の街アリアント」を中心とした砂漠フィールドは、レベル20~50のキャラクタを対象にした初~中級者向けフィールドで、初心者プレーヤーのオシリアの出発点となる。フィールド数は33あり、ボリュームは他の地域に劣らない。アラビアンナイトをイメージしたフィールドは魅力的な建物や、新モンスターに彩られている。

 また、この砂漠フィールドでは擬似的に「時間の流れ」を表現しているところに注目したい。マップの奥に進んでいくごとに、風景が昼間から夕景に変わっていく。今後実装される上級者向け砂漠フィールドでは夕方から夜に変わり、さらなる秘密が明らかになるという。

 アリアントではで圧制を敷き民衆を苦しめる王族と、砂漠に暗躍する「赤いサソリ団」、民衆のために王族の宝を狙う義賊「砂絵団」という3つの勢力が絡む壮大なストーリーも展開する。適性レベル以外のプレーヤーも是非クエストを体験して欲しい。

一口に砂漠といっても30ものフィールドは様々なアプローチで描かれている。メイプルならではのセンスも楽しい。フィールドを進むことで夕景に背景が変化していくのも、今までなかった要素だ

● 記念クエスト、夏のキャンペーン、新ワールドオープンなどたくさんのイベント

新しい騎乗動物レッドドラコ。最高レベルに達しなくては乗ることはできない
大きなダンボールの箱がスイカ割りキャンペーンで設置される。中から出てくるお化けスイカを倒すことで、様々なイベントアイテムが入手できる
 4周年を記念した今回のアップデートではさらに様々なコンテンツが追加される。今回のアップデートに合わせて10個目の新ワールド「なつめ」がオープン、なつめでは8月1日のオープンから、8月15日までドロップ率が2倍となり、さらに期間中20時から0時まで経験値が2倍となる。

 この他に全ワールドで「メイプルの夏 ぽかぽかスイカ割りキャンペーン」が8月1日より、8月28日まで開催される。このキャンペーンはレベル30以上のキャラクタが参加できる。各マップに出現するダンボールに入ったスイカを攻撃すると、「お化けスイカ」が出現する。このスイカを倒すと様々なイベントアイテムを入手することができる。その中の低確率で出現する「黄金のスイカの種」を手に入れることができれば、後日最高の防具である「ジャクムの兜(昇華繚乱)」の抽選対象となる。

 4周年記念の「メイプル武器シリーズ」も実装される。この装備はレベル64以上のキャラクタが装備可能で、さらにこれを強化する専用のアイテムも実装される。これらのアイテムを入手するにはイベントアイテムである「紅葉」を集めなくてはならない。紅葉はモンスターのドロップの他、キャラクタのレベルアップ、さらに「花火作り」、「カサンドラのクイズクエスト」といったクエストに挑戦することで入手できる。

 この他、「レッドドラコ」という新スキルが実装される。200レベルのキャラクタが獲得することができるスキルだ。現在4周年を迎える「メイプルストーリー」だが、レベルキャップである200まで到達したキャラクタはまだ9キャラクタしかいないという。この大きな目標に向けて多くのプレーヤーが努力していくだろう。

 「メイプルストーリー」の特徴的なシステムの1つにMTS(メイプルトレードスペース)がある。これはゲーム内のアイテムをユーザーがネクソンポイントで購入できるもの(ネクソンポイントから現金に換えることはできない)。現在これは日本でしか実装されていないシステムだ。今回のアップデートでは、今までワールド別になっていたMTSが、全ワールド共通になる。このシステムを使うことでワールド間のアイテム移動も可能になる。どのような動きになるか興味のあるところだ。

四周年記念アイテムを揃えると、特別なエフェクトが出る スイカ割りキャンペーンでは様々な場所に箱が設置される スイカ割りのキャンペーンで入手できるパラソルビーチ。MPも回復できる休憩アイテムだ
花火のイベント。たくさんのプレーヤーと見たい演出だ イベントアイテムの紅葉はレベルアップ時にも入手できる 課金アイテムなども追加される。装備しているのはジャンボアイスとエンジェルバンドだ

【新要素紹介ムービー】
ムービーダウンロード
[WMV形式/ZIP圧縮/47MB]


■ 常に新しい挑戦を、日韓協力でアップデートされる「メイプルストーリー」

 今回は運用本部運用部第1運用室室長の山崎克臣氏と、マーケティング部マーケティングチームの島嵜直樹氏に「メイプルストーリー」のこれからを中心にインタビューを行なった。

 「メイプルストーリー」は基本プレイ無料、アイテム課金という課金方式で日本で運営された最初期のMMORPGである。山崎氏はランダムでアイテムが手に入れられる「ガシャポンシステム」の生みの親でもあるという。現在会員数は160万アカウントを突破し、会員の70%が18歳以下のユーザーだ。ユーザー間でネクソンポイントで取引をするMTSなどもユニークだ。

運用本部運用部第1運用室室長の山崎克臣氏
マーケティング部マーケティングチームの島嵜直樹氏
ジパングのショーワ町。昔の日本の町の雰囲気が取り入れられたマップだ。この他にも城や、お祭りの屋台、富士山など、日本の要素を活かしたマップもたくさん実装されている
編集部: 最初に、4周年を迎えての感想をお願いします。

島嵜氏: 好調なまま4周年を迎えられたのは本当にうれしいと思います。「メイプルストーリー」に近いコンセプトの作品も最近は出てきましたが、その中でも順調だ、というのが大きなポイントだと思います。

山崎氏: 「メイプルストーリー」はアイテム課金、ガシャポンシステム、MTSなど様々な新しいことをしています。常に新しいものが体験できるというのがユーザーの変わらぬ評価を受けているんだと思っています。

編: ユーザーは「メイプルストーリー」のどんな部分を特に評価しているでしょうか。

島嵜氏: 世界観やシステムの魅力がやはりユーザーから評価を受けている根本の部分だと思います。アイテムでは休憩をするときに使う「アザラシクッション」というのが特に人気が高く、「かわいらしさ」も気に入ってもらえているところですね。

編: 山崎さんはガシャポンシステムの生みの親、とのことですが、どのような経緯から生まれたのでしょうか。

山崎氏: 社長のDavid K.Leeと話をしていたときに、ゲームの面白さは「ウィザードリー」などにも見られる“ランダム性”にあるんじゃないか、というところから生まれました。現在ガシャポンはアイテム課金の代表的なサービスになっていますが、サービス初期はユーザーが現在ほど夢中になってくれるものではなくて、売り上げのパーセンテージも当時は高くはありませんでした。

 現在ユーザーの間で伝説になっているのですが、プログラムのミスで1日だけレアアイテムしか出ないような設定になってしまったことがありました。これはユーザーの中で現在でも語り草になっています。

編: 韓国で実装されていて、日本で実装されていないものはどのようなものがあるでしょうか。

山崎氏: 日本では2ヶ月ほどの遅れでほぼすべてのコンテンツが実装されています。一方で、ガシャポンシステムやMTSなど日本にはあって韓国ではないものもあります。韓国や中国では法律の関係で、直接アイテムのくじ引きを行なうことができないのです。

島嵜氏: 今回のアップデートではスケジュールを調整して盛りだくさんにしたこともあって、ほぼ韓国で現在プレイされているものと同じものが実装されていると思います。

山崎氏: 「メイプルストーリー」では1ヶ月に1度アップデートをしているのですが、現在は2ヶ月に1度は日本が提案した要素を実装しています。韓国と日本の企画を順番に実装している、という形です。ネクソンジャパンに開発チームがあるわけではないですが、こちらから企画を渡して、韓国のNEXONで日本の企画を実現する専用の開発チームがありまして、韓国の企画を実装していくチームと、両輪で開発を進めています。

 台湾やアメリカではガシャポンシステムは実装されていまして、人気は高いですね。「楓城」など日本が提案した新マップなどもありますが、それに対して他の国がどう反応したか、という部分は数字としてはしらされますが、日本オリジナルマップがどの程度実装されているかなど、残念ながら海外の細かい話は聞けていないところがあります。ただ、韓国スタッフからは、「日本の要素を活かした企画をもっと寄せて欲しい」と言われています。

編: 「メイプルストーリー」に寄せられるユーザーの要望にはどのようなものがありますか。

山崎氏: ユーザーから要望が大きいのは「職業間のバランス」ですね。現在「メイプルストーリー」は4次職まで実装され、各職業の最終的な姿ははっきりしてきました。そうなると、強い弱いも見えてきてしまう。バランスに対する意見は多いです。また、日本オリジナルの強化アイテムなどで、韓国とも職業バランスが異なる部分もあり、次回以降のアップデートで調整や、新しいアイテム販売などをして対応していこうと思っています。

 特に現在弱いと言われている魔法使い系の職業をどう強くしていこうかを考えています。この他には、砂漠マップの後半などが具体的な実装予定のコンテンツですね。

編: 個人的に「メイプルストーリー」を触ってみて、ほとんどの行動はキーボードでできるのに、NPCと会話をするときだけマウスを触らなくてはいけない部分が気になりました。パッドだけ、キーボードだけでプレイしたい、という声はないでしょうか。

山崎氏: あまりそういう声はない感じですね。パッドの対応は日本からの提案で、ユーザーからも評価されているところですが、アイテムやスキルを使うにはやはりキーボードも併用することになってしまいます。

編: 若年層のユーザーが多いとのことで、他のタイトルとは違った対策などは行なっていますか。

島嵜氏: オフィシャルサイトではポイントの購入などにはひらがなを使ってわかりやすくしています。カードの決済に関してもセキュリティに力を入れています。後はゲーム内で誹謗中傷はやめよう、といった呼びかけです。

編: 若年層プレーヤー達には1カ月に使うお金の制限などは必要なのかな、とも思いますが。

島嵜氏: 以前ネクソンポイントには制限を設けていましたが、現在は行なっていません。

編: 他のゲームと年齢層が違うな、と感じるのはどういった部分ですか。

島嵜氏: やはりゲーム内の会話ですねぇ(笑)。「メイプルストーリー」はワールドにいくつものチャンネルがあり、狩りを楽しむ場合には他プレーヤーの少ないチャンネルに移動するのですが、雑談や露店を出す場合は最初のチャンネルに集まります。そういったところで会話とかが聞こえてくると、やっぱり違うなあと。

編: アニメやコンシューマゲーム化に関してはどのようになっているでしょうか。

島嵜氏: アニメに関しては秋までには具体的な情報をお伝えできればと思います。コンシューマに関しては、韓国で開発しているためわからないというのが現状です。日本で販売するかもまだ未定です。

編: お二人は今後、「メイプルストーリー」をどうしていきたい、という考えを持っているでしょうか。

島嵜氏: “メジャー化”です。160万の会員数といえば、これだけのユーザーがいるオンラインゲームは日本ではまだ少ないし、数ならばコンシューマの人気タイトルと比べても遜色はない。もちろん、無料で登録できるものと、お金を払ってコンテンツを買うものは違いますが、「一般的なゲームなんだよ」というイメージは訴えていきたいですね。

山崎氏: オンラインゲームというジャンルの中でも「新しい体験ができる」ということをユーザーに特に感じて欲しいと思っています。今までもそうですし、これからもユーザーさんが実感できるようなアップデート、新しいシステムの追加をしていきたいです。

 アイテム課金はユーザー、制作側共に新しい価値観をもたらしたと思っています。そのくらい新しいものをまた企画していきたいです。

編: 最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

島嵜氏: みなさんのおかげで「メイプルストーリー」はここまで成長できました、これからもまだまだ成長していきたいと思っています。応援よろしくお願いします。7月27日から募集をしている「メイプルストーリー」初めてのアイテムデザインコンテストにもぜひ参加してください。

山崎氏: 繰り返しになりますが、いつも新しいことが体験できるゲームになるように色々なシステムの追加をしていきます。これからもよろしくお願いします。

(C)Nexon Corporation and Nexon Japan Co.Ltd. All rights reserved.

□ネクソンジャパンのホームページ
http://www.nexon.ne.jp/
□「メイプルストーリー」のページ
http://maplestory.nexon.co.jp/
□関連情報
【6月4日】ネクソンジャパン、WIN「メイプルストーリー」
石井めぐるさんが自らデザインしたアイテムを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070604/maple.htm
【5月18日】ネクソンジャパン、WIN「メイプルストーリー」
「石井めぐるデザインアイテム発表会」をゲーム内で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070518/maple.htm
【4月25日】ネクソンジャパン、WIN「メイプルストーリー」
日本オリジナルマップや「釣り」システムなどを実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070425/maple.htm
【3月28日】ネクソンジャパン、WIN「メイプルストーリー」アップデート
「4次職」や「ライディングスキル」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070328/maple.htm

(2007年8月1日)

[Reported by 勝田哲也]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.