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「ウルティマ オンライン 甦りし王国」プロデューサーインタビュー
「2Dクライアントは残したい」10年見守ってきたスタッフのこだわりとは?

7月5日収録

会場:エレクトロニック・アーツ本社



 「ウルティマ オンライン 甦りし王国」(以下、UOKR)が6月28日、正式リリースされた。グラフィックスを一新し、ユーザーインターフェイスにも改良を加え、フレンドリストなど新機能が追加された。

 MMORPGの元祖とも言える「ウルティマ オンライン」(以下、UO)は今年で10周年を迎える。UOKRは新クライアントとして発表されたが、現在の所このクライアントによってUOがどう変わるか、どのような将来像を持っているのかが、多少わかりにくい。

 今回はUOの日本プロデューサーを務める久津間良祐氏にUOKRの将来像を中心に、現在のプレーヤーコミュニティなど、UOの世界全体の話を伺った。UOの誕生から運営側として見守ってきた久津間氏ならではのUOへの想いとは、どのようなものだろうか。


■ 10年目を迎えたUO、新クライアントを導入することで生まれるメリットとは何か?

UOのプロデューサーを務める久津間良祐氏。Longbowという名前でファンにもおなじみの人物だ
新しいグラフィックスと、最近の主流であるMMORPGのインターフェイスを取り入れたUOKR。拡張性を視野に入れた設計が行なわれている
編: 最初に久津間さんのUOとの関わりを教えてください。

久津間: UOというよりも、「ウルティマ」とは、オンラインになるよりも前の「ウルティマV」くらいからデバッガーとして関わっていました。それから「ウルティマ」シリーズの知識と英語力を評価されて、EAでUOの制作アシスタント、カスタマーサポート、公式サイト制作など様々なことをやり、UOの日本プロデューサーとなりました。私は一度「武刀の天地」(2005年4月発売)の時に一度EAを離れているのですが、2007年2月に再びUOのプロデューサーに就任しました。

 UOではIGM(インタレストゲームマスター)としてゲーム内イベントを責任者として監督も務めました。メインのイベントが終わった後もプレイヤーとしてログインしてユーザーと友達感覚でやっていました。BNN(Britannia News Network:公式サイトで配信されるニュース番組)でもパロディなど色々なことをやりましたね。

編: UOはサービスから10年ですが、振り返っての感想はどのようなものでしょうか。

久津間: 私の人生そのものでした。「ウルティマ」シリーズの関わり合いを入れると、15~16年になります。職業欄に「ウルティマ」と書けますよ(笑)。

編: 10年でのユーザーの変化、というものをどのように捉えていますか。

久津間: 10年前に比べれば、やはり「ライトユーザー」が増えたかな、という印象があります。効率や有用なアイテムを求める、という傾向が強くなったのかなと。それは、ユーザーのゲームに対する取り組みの流れなんじゃないかとも思っています。隣の人が斬りつけてくるかもしれない、友達になってくれるかもしれない、昔の仕様のサーバーが欲しい、というユーザーの声も大きいですが、確かにあの時代はそれで楽しかったですが、一夜限りならともかく、シャードを存続させていく場合はビジネスにはならない。効率を求めるというユーザーの流れは時代に沿った傾向かなと見ています。

 昔は、有効なスキル上げの方法や、アイテムの情報などは誰も知らず、みんなで情報を共有しながら世界の生き方そのものを模索していった。しかし10年の間に世界は明らかになり、結果として情緒的な部分が少し薄らいでしまったかなと。私自身、PKされない「トランメル」という世界ができたとき、獲物を横殴りしてはいけない、といったローカルルールが生まれたりする流れに、戸惑いを感じたりしました。

 昔はルールではなくて、「場を読む」という努力が必要でしたから。現在はより「実生活」に近付いてしまったんじゃないかなと。UOの本来の魅力は荒野にぽつんと放り出されて、さて何をしよう、どうやって生きようと言うことを模索する楽しさを持っている作品ですが、その自由度が楽しいと理解されるまでに非常に時間がかかるから、現在の効率を求める流れの中で受け入れられるのも難しいのではないかなとも感じます。

編: MMORPGというジャンルを作ったUOを10年見守ってきた久津間さんとして、現在1ジャンルとまで成長したMMORPGの流行をどう捉えていますか。

久津間: 息の長い人気を獲得しているゲームもありますが、ほとんどのMMORPGは大体2~3年くらいのスパンで寿命を迎えているんじゃないかと思いますね。UOKRは最新のMMORPGのユーザーインターフェイスを取り入れたましたが、個人的には少し疑問に感じる部分もあります。

 私が引っかかっているのは、チャットをするときにエンターを押さなくてはいけない仕様です。今までのように文字を打とうとするといきなり色々なウインドウが開いてしまう。これが最近の手法だと言われても、ちょっと考えてしまいました。もちろんユーザーからのフィードバックもこのことについてたくさんありました。結果UOKRでもオプションで設定できるような仕様になりました。社内でも議論しているところですが、MMORPGの進化をUOに取り入れていくべきなのか、UOはMMORPGと同じくらい歴史を持った同列な、別の作品なのじゃないか、という考えもあります。

 UOKRは新しいエンジンによって、新しいUOへの様々な可能性が広がりました。ユーザーにも私達にもこれまでのUOのイメージがあり、正直現在は変化に対して批判的な意見も寄せられていますが、UOはこれからもどんどん変わっていきますので、どういったユーザーインターフェイスがこの作品にあっているのか、それを模索していきたいと思っています。マクロやマップなど、UOKRにはこれからも改良していきたい点もたくさんあります。

 以前、3Dクライアントを導入したときは、特にキャラクタの顔に対しての批判が大きかった。今回のUOKRは正式サービス時にすぐに改良され、現在もまだ進化段階です。開発スタッフのユーザーの声に応える意気込みも感じて欲しいと思っています。

編: 日本スタッフも彼らの意気込みに応える形でどんどん要望を出している、という感じでしょうか。

久津間: アルファと呼んでいた段階から要望を出しています。ご存じのようにテスト開始時はグラフィックスの多くが実装されていない状態で、日本側でもとまどったのですが、最初の段階からたくさんの改良して欲しい点を出していきました。

編: UOは3Dクライアントが結局2Dクライアントより前にサポートが終了し、UOKRの登場となりましたが、新クライアントへの移行というのは、UOがずっと持っているテーマのようなものなのでしょうか。UOKRによってどのようなメリットが生まれるのですか。

久津間: 一番大きいのは、「バグフィックスをしやすい」というところです。2Dクライアントが作られた当初は、この作品が10年以上も続くことを、設計思想として持っていませんでした。10年間改良は加えられましたが、やはりプログラムのソースコードはきれいに整理されているとは言い難く、追加された要素がどこでバグを生むか予測できない部分があります。

 その点、UOKRは新しいコードによって作られています。EA Mythicのサポートと協力によって新しい技術を取り入れ、UOはユーザーの目に触れないプログラムの面でも生まれ変わったと言えます。

編: なるほど。今後を見越したプログラムというところで、今回のUOKRの登場は逆にユーザーに具体的な部分でのメリット、というのを今のところ提示できていないような印象もうけます。

久津間: そうですね。特にオープンβテスト時は完成度の未熟なクライアントをプレイしてもらった形になってしまっているところは心苦しく感じています。テスト時には仕様が全部入ったとは言えなかった。それでもいざ最終段階では各要素が速いペースで実装されました。こちらもスタッフを向こうに送り出し、開発スタッフと直接顔を合わせて、日本語への対応も進めていきました。

 UOKRはコンセプトとしてはこれから追加できる要素のための土台作り、新しいプログラムによる“再生”と私は捉えています。より色々な拡張ができるようになる、というのが大きなメリットだと考えています。


■ UOKRの今後のアップデート、新機能の方向性

フレンドリスト。チャットなどもより使いやすいようになっていくなど、今後も機能は改良、洗練されていく
プレーヤーの個性が発揮される家。現在は様々なパーツが用意されており、自由なカスタマイズが楽しめる
編: 今回、フレンドリストが実装されましたが、この他にも実装予定のプランはありますか?

久津間: このポイントに関してはUOの開発を行なうアメリカのプロデューサーであるアーロン・D・コーヘンにも質問しています。特にチャットとフレンドリストに関してはヘルプボックスを追加しようとしているとのことです。スラッシュコマンドを入力する代わりに、会話したいチャットのチャンネルをクリックするだけで会話ができるようになります。基本的には、プレーヤーがスクリーン上のツールをもっと好みに合わせて操作できるようにしたいと思っている、とのことです。

 日本チームからのアイデアとして出ているものでは「バルク」関係のアップデートなどがあります。UOではバルクオーダーシステムというものがあり、NPCから依頼された鍛冶や革製品を作ることで報酬としてアイテムが手に入るというものですが、現在これは「宝くじ」の様に運の要素が強くなっています。もっと生産系のプレーヤーへのメリットなども考えています。これは私から出たものではなく、日本のGMから出たものです。彼らはユーザーからのフィードバックを吸い上げて、改善要望という名前で、きちんとした仕様書も出してくれるんです(笑)。

 GMを長く務め、ずっとUOを見守っているスタッフもいます。日本にサーバーが置かれてからずっと務めているGMもいます。アメリカの開発スタッフも、元GMの方もいるとのことです。GMから開発スタッフになるというのは、UOが好きで、その情熱がUOを良くしようという力になっているのだと思います。

編: 日本のスタッフも新しいアイデアの仕様書を積極的に出されているのでしょうか。

久津間: タイミングを見て出しています。ユーザーからのフィードバックにハッとさせられるものもありますし、ネットのファンサイトの意見も参考になります。日本のアイデアが100パーセント実現する、というわけではなくて、やはりUOはワールドワイドの作品なので、世界中の人が楽しめなくてはいけない、ということも考えていかなくてはいけない点です。

 フレンドリストに関しては、実は昔、「セカンドエイジ」以前に実装されていましたが、まだ未整理な部分もあり、廃止されたという経緯があります。現在のフレンドリストも、登録された方に承認機能がないなどまだ充分とは言い難いので、今後改良をしていくことになると思います。

 現在開発側から聞いている予定としては、「現在の機能をより良くしていく」というのが主題となっていて、追加の計画は今のところ聞いていません。現在はUOKRの基礎をしっかりと作る、「大枠」を決めていく段階です。まずここがしっかりしてから何かを出していくというのがあるかと。

編: グラフィックスに関するユーザーの反応はどうだったでしょうか。

久津間: グラフィックスに対する意見も、色々あります。初期2Dクライアントの完成度が高すぎたために、以前も3Dクライアントや、「ブラックソンの復讐」で追加されたグラフィックスに対してファンの間でも議論が持ち上がりました。「ブラックソンの復讐」は実際迷走していたのも事実です。あの絵は、今の価値観から言うと古くなっているという見方もある。ちゃんとした3Dモデルで、魔法のエフェクトなどももっとすごくて、というのが最先端ですよね。

 そういった意見も含めて、グラフィックスに限らないところでもUOKRの現在のユーザーの意見は、正直、厳しいものがあります。それはやはりモーションなども含めて、まだまだソフトとしてきちんと動いているとは言い難い部分があるからです。オープンβテストの時はソフトのクラッシュが多く、グラフィックスも未実装でした。6月28日の追い込みがかかり、完成度もかなり上がりましたが、クローズドβテスト時には社内でも果たして目標とする正式サービス開始までにユーザーの方にきちんと楽しんで頂ける状態まで持って行けるのだろうかと不安になる時期もありました。

 最近のMMORPGはテストとは言ってもマーケティング的な意味合いが多く、エリアの制限などがあるものの完成形に近い状態でユーザーに披露されることがほとんどですから、特に今回のUOKRのようなユーザーデバッグ的な感覚のやり方はある意味異例とも言えますよね。ユーザーと一緒に10年間育ててきたUOだからこそできるやり方かもしれません。包み隠さないというか、正直というか……。

編: この他にも新しい部分というのは、どういったものがあるでしょうか。

久津間: 「新しいビジネスモデルの模索」というのも可能になってきました。アイテム課金的な要素も、ゲーム内のバランスを崩さない程度で、内装やコレクションなどの部分ではありじゃないかなと思います。

編: UOならではの要素ですが、現在、UOユーザーの家への思い入れがかなり大きな比重を占めている印象を受けます。新規ユーザーと、ベテランユーザーのゲームに対する取り組みが違ってきてしまうのではないでしょうか。

久津間: そうでしょうか? アイテムがあり、飾り付けが楽しめ、価格も手ごろだとすれば、集めたいと思うユーザーもいるでしょうし、コレクション性の高いゲームにはなっているな、とは思っています。

 ベテランユーザーと、初心者ユーザーの楽しみ方が違うのは、プレイの積み重ねによる違いという意味で当然出てくるものだと思います。9年間毎日戦っていたり、難易度の高いダンジョンに挑戦している、というユーザーも少ないでしょう。お金が貯まったら家の内装に凝ってみたり、また戦闘をしてみたり、生産に手を出したりと、UOは色々な楽しみ方ができる作品になっていると思います。

編: 現在、新規ユーザーは家を入手することは可能でしょうか。

久津間: 今は空き地もありますし、入手できると思いますよ。もちろんゲーム内で一生懸命お金を稼ぐ必要はあるとは思いますが。

編: 家の土台だけ置いてあるプレーヤーもいますね。彼らの家の売買はどういった形で行なっているのでしょうか。例えばオフィシャルな形でオークションシステムなどを入れる予定はありますか。

久津間: プレーヤーの中には不動産として土地を販売している方もいるようですね。オークションは昔案として検討されたこともありましたが、現在実装の予定はまだありません。本気でやるとしたら、ちゃんとした物を作り上げていかないといけないと思います。お手本はたくさんありますから。でもそれはUOなのか、それとも今後の作品なのかはわからないですが、オークションシステムは必要だと私個人は考えています。今後社内で検討すべき部分だと思います。

 よく言われていることですが、「世界観」という言葉で新しいシステムはすべて否定できてしまいますが、私はむしろ世界観を壊したい、と考える人間なので。世界観は大事ですが、それに囚われすぎてしまって何もできなくなってしまう、躊躇してしまうのはいけないかなと。そういう考えで作ったのが、BNNだったりするわけです。あれは、ゲーム外でもUOを盛り上げるために「面白ければいいや」という考えで企画していましたね。開発元から注意されるようなネタをやったりもしていました。


■ ユーザー自身が作る、UOならでは、日本ならではのサポートシステム

UOならではの良さに強いこだわりを持つ久津間氏。ユーザーの熱意が、開発、運営チームの想いを後押ししているという印象を受ける
七夕にちなんだ公式イベント「光の橋を越えて」。ユーザー主体のイベントも積極的に行なわれている
編: 日本スタッフで話し合っていて、これから開発元に提案していこう、というプランはありますか。

久津間: 向こうのチームとの連携をもっと密接にしていければなと。私が知る限り以前と比べれば格段の進歩がありますし。現在でも現場レベルではよりよい関係を保ってきていると思いますが、より迅速に対応していくには、連携をもっと強化していかないといけないと思います。制作サイドで言えば、バグフィックスなどはもっと早くやっていこうと。プログラマに、マルチバイト言語への対応を教育していく、というようなことも必要です。開発チームには、禁則処理(より見やすい文章にするために表示を調整すること)の鬼、といった人材も今回のUOKRで育ちました(笑)。これは1つ1つこちらが提示し、開発チームと努力していった結果です。

 「武刀の天地」まではSun Sword氏がプロデューサーでしたが、現在のアーロン氏とは僕も2月から話すようになって、どのくらいのスタッフが残っているか把握し切れていない部分があります。スタッフが新しくなった、というのは、こちらのチームも同じです。環境はかなり新しくなり、僕としては「これはUOの常識じゃなかったのか」と感じたこともありましたが、UOKRはクライアントだけでなく、スタッフの部分でも「新生」の意味合いは強いです。今回の新しいビジネスモデルの提示も、そういった新しいスタッフ達のアイデアから生まれてきたものです。

 こちらからの提案としては「チュートリアル」のアイデアを考えています。もし次の拡張があるのであれば、日本のGMにフローを書いてもらって提案していこうかなと。現在のチュートリアルはちょっと大ざっぱな部分があるかなとも感じています。今回のチュートリアルに関しても説明口調とUOの世界観ならではの雰囲気が中途半端なんです。わかりにくくなってしまっている部分もあり、「死体は15分で消えてしまう」など、日本版ではストレートな表現を書き加えているところもあります。

編: チュートリアルでは、死から復活のプロセスが説明されているところにびっくりしました。いきなりキャラクタが殺されますね。

久津間: 今までのチュートリアルでキャラクタが死ぬというのはなかったんです。「見せない」という方向性もあったんです。USの開発側によれば、「死んでもあわてないように教えておきたかった」ということですが、日本のユーザーにとってキャラクタが必然的に倒されてしまうという流れは、疑問を感じたという意見も多かったですね。個人的には「Helloと発言してください」という以前のチュートリアルが良かったですね。ちゃんとタイプの仕方も覚えられたし。

編: UOは親切な先輩に教えてもらって、それがきっかけに自分も色々なことを調べて、教わったり、教えたりしてこの世界を生きていく、というMMORPGですが、最近は先輩プレーヤーと新人の出会いをどのように誘導していくのか、ということがテーマになっているのではないでしょうか。

久津間: まず、「ニューヘイブン」があります。新人プレーヤーはここに降り立つことで、同じような新人達と協力してプレイができるようになります。そして本当に私達が誇れる部分ですが、ボランティアの「コンパニオン」がいます。彼らは日々、日本サーバーで活動しています。コンパニオンは運営側のトレーニングを積んだベテランプレーヤーで、新人プレーヤーがこの世界に訪れたことを察知し、彼らの傍らに立ち、手をさしのべてくれるのです。

 現在でも50人近くのコンパニオンがいて、彼らがログインしていれば、新人プレーヤーは彼らの助けを得ることができます。コンパニオンは名前の後ろにコンパニオンである表示が出ます。(UOKRでは現在この部分の表示がでなくて、修正の要望を出しています)これは本当にUOならでは、日本のUOのプレーヤーならではのサポートシステムです。実はこのサポートシステムが現在も残っているのは日本だけなのです。

 コンパニオンシステムはとても素晴らしいものだと思いますが、他の国ではこのサービスが無くなっています。日本でもいかにサービスを維持するのかが最優先というところです。なんとしても続けていきたいと思っています。私達は10年ものサポートの実績もありますし、日本サーバーの誇れるユーザーの結びつきだと思っています。UOではこの他に、イベントを行なう「シーア」、ユーザーからの質問に答える「カウンセラー」というボランティアがいます。

 UOのユーザーが生むコミュニティの力というのは、他の国や、他のゲームを見ても、他を圧倒するような強いものがあると思います。ボランティアだけでなく、現在でも親切なプレーヤーはもちろん多いです。それは、彼ら自身がやはり先輩から助けてもらった、その感動を忘れていないからじゃないでしょうか。

編: 以前はあった大きな交流サイトが更新を止めていたり、UOのコミュニティはちょっと変化しているのかな、という印象を受けます。

久津間: 大きなものから、より目的に特化した、ブログなどへとユーザーの集まる場所、情報を交換する場所が細分化したのかな、と捉えています。

編: 久津間さんの想いとして、今後UOをどうしていきたいでしょうか。

久津間: UOKRと共に、2Dクライアントはずっと残していきたいな、と個人的には思っています。UOKRはより主流と呼ばれるMMORPGの手法を取り入れた、色々な機能を盛り込んだ方向で進化していくのも良いと思っています。しかし、私達が10年親しんできた2Dクライアントのユーザーインターフェイス、例えばエンターを押さないで直接チャットができるこのシステムはこのまま残していって欲しいと思っています。

 「2Dクライアントは将来的にKRクライアントに完全移行していくだろう」という発表もありましたが、私としてはそれは阻止していきたい。最新の流行に近付くUOKRと共に、以前の操作性をきちんと継続したものを選択肢としてきちんと残していきたいと思っています。これは僕自身のこだわりで、会社や開発の方向性とは違うものかもしれませんが、私自身がもっている10年の積み重ねから生まれた想いです。

編: 最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

久津間: すべてが忙しく、せわしなく、ある意味システマチックに進んでいく世の中と同じでMMORPGの世界にもそんな流れがあると思いますが、UOは人と人の繋がりを大切に思うプレーヤーの皆さんのおかげで成り立っている世界でもあります。『無駄』と思われるようなスキルでさえ、UOの大きな世界の一部であってどんなプレーヤーも迎え入れる懐の深さがあります。

 この世界の良さを無くしてしまう事なく、UOKRによって進化を続けるUOを1人でも多くの方に体験して欲しいと思っています。そして、一度離れてもまたいつでも戻れる場所としてUOが存在し続けるために、作り手や運営側の努力はもちろん、プレーヤーの皆さんから届く声のひとつひとつがUOの世界の一部となってこれからも成長していく事を願ってやみません。

編: ありがとうございました。

(C)2007 Electronic Arts Inc. Electronic Arts, EA, Ultima, Ultima Online and the UO logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All rights reserved.

□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ウルティマ オンライン 甦りし王国」のページ
http://ultimaonline.jp/kingdomreborn/
□「ウルティマ オンライン 甦りし王国」無料ダウンロードのページ
http://ultimaonline.jp/trial/download/
□関連情報
【7月5日】オンラインゲームファーストインプレッション「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070705/uokr.htm
【7月4日】EA、WIN「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
七夕にちなんだイベント「光の橋を越えて」を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070704/uo.htm
【6月27日】EA、WIN「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
正式サービス開始日が6月28日に決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070627/uo.htm
【5月31日】EA、MMORPG「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
オープンβテスト開始。ネットカフェ展開も再開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070531/uo.htm
【5月24日】EA、WIN「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
オープンβテストを5月31日より開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070524/uo.htm
【3月19日】EA、MMORPG「ウルティマオンライン 甦りし王国」
ティザーサイトをオープン。SSなどを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070319/uo.htm
【2月7日】EA、「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
海外での発表会で新情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070207/uo.htm
【2006年8月25日】EA、次の拡張版はグラフィックスを全面刷新
「ウルティマ オンライン 甦りし王国(仮称)」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060825/uokr.htm

(2007年7月25日)

[Reported by 勝田哲也]



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