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Gravity Festival 2007現地レポート

RAGNAROK World Championship 2007リポート
「ツイン・ストームガスト」で韓国との激戦を制したタイが優勝!

7月21~22日 開催

会場:韓国・ロッテワールド

 Gravityは「Gravity Festival 2007」にて「ラグナロクオンライン(以下RO)」の世界一のギルドを決する「RAGNAROK World Championship 2007 (RWC2007)」を開催した。

 2004年に開かれた「RAGNAROK World Championship 2004」から3年を経て2回目の開催となるRWC2007には、日本、韓国、タイ、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ドイツ、アメリカ、ブラジル、ロシアの全11カ国が参加し、1チーム7人で構成された各国の強豪ギルド達が2日間のトーナメントで争った。

 初日の試合はロッテワールド1階のガーデンステージでベスト16からベスト8までの試合が行なわれた。2日目はこれを勝ち抜いたフィリピン、韓国、ドイツ、タイの4カ国により地下3階アイスリンクのメインステージで準決勝から決勝戦までが行なわれた。

 決勝戦では、「クローンスキル」で「ストームガスト」を覚えたチェイサーとハイウィザードによる「ツイン・ストームガスト」で圧倒したタイが、韓国を3-1で打ち破り世界一に輝いた。以下、3位はフィリピン、4位はRWC2004の優勝国台湾を破ったドイツが続いた。本稿では初日の予選から決勝までをお伝えしていく。


■ 「ストームガスト」と「阿修羅覇凰拳」が乱舞するRWC2007。初日では運営側のミスが露呈

 ロッテワールド1階のガーデンステージで行なわれた初日の試合はベスト16からベスト8までの試合が行なわれた。

 RJC2007でのレギュレーションと異なり、物理ダメージを25%にまで大幅カットするゴーストリンクカードと、凍結を防ぐマルクカードがキャラクタへの装備が使用不可能なことから、ハイウィザードの「ストームガスト」で凍らせた敵をチャンピオンの「阿修羅鳳凰拳」で沈めていく展開が大勢を占めた。

 初日の予選では、組み合わせ表で一番注目された試合は、日本対韓国のベスト16戦だ。日本と韓国は全世界で最も「RO」のユーザーが多い地域で、強豪同志の戦いは参加したRWCチームからも注目を集めた。

 しかし、大きかった期待とは裏腹に、全2試合が序盤から韓国のアグレッシブな攻め方に日本が応じられず、日本は狭い通路に追い込まれてあっという間にゲームが終わってしまった。

 日本チームによれば敗因は会場のネットワーク不具合による「ラグ」が多かったという。フィリピン対ブラジル戦にいたっては、ブラジルチームから第1試合終了直後にクレームがついたにもかかわらず、徹底した調査が無く「両チームとも環境は等しい」と運営側で試合を続行したのだ。

 会場の右側のPCを使用したチームからのたび重なる抗議に、翌日使用されるアイスリンクでの機材を使用するなど対策を講じられればよかったのだが、初日の試合終了後に敗者チームからGravity側へのクレームが続出する大変残念な事態となってしまった。

 「RWC」は定期開催されているわけではないため、ユーザーにとっても他国のユーザーと交流を深めるまたとない機会であったが、試合中のトラブルを放置するという行為で、ユーザーのモチベーションにも水を差す結果になってしまった。次回のRWCではゲーム大会大国としての韓国のクオリティを見せてほしいところだ。

 初日はこの他、台湾対アメリカ戦で、台湾チームがギルドエンブレムつけていないために位置の判別が難しいという理由で、第1試合が無効試合となり再試合が行なわれる場面があったが、再試合も含めて余裕ある試合運びで、あっさりと台湾が勝ち残った。

 初日の総評としては、「RJC 2007」で見せられたアサシンクロスを攻撃の柱にする戦法とは違い、よりクラシックな「ストームガスト」と「阿修羅覇凰拳」が勝負の決め手となる戦いがほとんどだった。

 理由は先述したとおりだが、大ダメージ系のスキルのダメージがそのまま通ってしまうため、「ストームガスト」や「寒いジョーク」で相手を凍結させ「阿修羅覇凰拳」で倒すという全体的な流れの中で、いかにタイミングよく大技を決めていくのかがカギになった。

 そのため、「RWC 2007」に参加した全チームがこの攻撃スタイルをベースに布陣した。ハイウィザード、チャンピオン、パラディン、ハイプリースト、クラウン(もしくはジプシー)、プロフェッサーの6クラスが基本的な組み合わせで、あと1人の職業がチームごとに違い、そこで細かい戦法が変わっていた。

 ただ、これではドラスティックな戦法を開発する余地が残されていないため、1職業1人という制限や選択可能な装備品のレギュレーションに、もう少し緩みを持たせたほうがいいのではないだろうか。

初日の会場「ガーデンステージ」。ロッテワールドの場内とあってか、観客の殆どが選手だった
「ガーデンステージ」と比べて、2日目の準決勝の会場となったアイスリンクのメインステージは観客も多く、ものすごい盛り上がりを見せた
組み合わせ表。1位はタイ、2位は韓国、3位はフィリピン、4位はドイツという結果に


■ 決勝戦は「ツイン・ストームガスト」のタイ「Destruction」チームVSアサシンクロスを投入しアグレッシヴなプレイスタイルの韓国「Polaris」ギルド

 2日目からは試合会場を、「Gravity Festival 2007」のメイン会場であるアイスリンクに移し、準決勝にはタイ、ドイツ、韓国、フィリピンがコマを進めた。決勝ではタイと韓国が対戦し、それぞれ特徴的なスタイルで接戦を繰り広げた。

 タイはチェイサーの「クローンスキル」を利用し、「ストームガスト」をコピーすることで、ハイウィザードとチェイサーによる2つの「ストームガスト」で相手の凍結を優先するスタイルを採用した。一方、韓国はアサシンクロスを加えることで、攻撃スキル「ソウルブレイカー」で、試合の序盤から後衛職に突撃して激しく揺さぶりをかけていくプレイスタイルだ。

 第1試合は、韓国がセオリー通りに、開始直後から間合いをつめていき、激しい戦いが始まった。タイの布陣のど真ん中にウィザードを立たせることに成功した韓国チームは、タイのチェイサーの「クローンスキル」を発動する暇も与えず、タイのウィザードを「ストームガスト」に巻き込むことに成功。この隙を逃さなかった韓国のチャンピオンの「阿修羅覇凰拳」がタイのクラウンに炸裂し、一気にクラウンを仕留めた。

 しかし、後衛職のクラウンを仕留めただけで油断してしまったのか、韓国陣営の動きに乱れが生じバラバラになってしまった。体勢を持ち直したタイのチェイサーとハイウィザードによる「ツイン・ストームガスト」で身動きが取れない状況が繰り返された。

 そんな中、前衛攻撃職の要である韓国のチャンピオンが、タイのチャンピオンに「阿修羅覇凰拳」で倒されてしまったのだ。これがこの試合で一番の決め手となった。チャンピオンと共に攻撃力を大きくロストした韓国は、決め手のある攻撃ができず、タイの「阿修羅覇凰拳」に次々に飲み込まれ、タイの1勝となった。

 続く第2試合は、「ツイン・ストームガスト」を早い段階で張り続けることに成功したタイの優勢で始まった。チェイサーとハイウィザードが交互に「ストームガスト」を詠唱しつつ、韓国チームの退路を圧迫し始めた。韓国陣営のPC画面は「ストームガスト」のエフェクトで画面が真っ白という状態だったが、あっという間のタイミングで「阿修羅覇凰拳」の文字が画面に飛び出したのだ。なんとタイのハイウィザードに「阿修羅覇凰拳」が炸裂したのである。

 タイは「ツイン・ストームガスト」の一翼をこの1撃で失ってしまう。チェイサーの「クローンスキル」による「ストームガスト」しかない状況で、戦況は俄然ハイウィザードを持つ韓国有利に大きく傾いた。ハイウィザードが倒された後、再び「阿修羅覇凰拳」が炸裂し、今度はタイのプロフェッサーが倒された。「ランドプロテクター」で大魔法に対しノーガードになってしまったタイは「阿修羅覇凰拳」をもらいっぱなしになり、第2試合は韓国の勝利。1-1の同点になった。

 第3、4試合でもタイが早期からの「ツイン・ストームガスト」の展開に成功し、慎重に距離を保ちながらリードを保ち、ラウンド勝利を手にした。その結果、優勝はタイ。決勝戦に相応しい熱い試合となった。

 決勝戦以外は2本先手マッチのルールだったが、1試合の時間の短さを考えると、相手の戦法に対する対策を立てる上でも時間的な余裕がなさすぎた印象だった。作戦時間をはさんだ3本先手マッチにした方が、さらに面白い戦いぶりになるのではないかと思った。

ゲームの終了後、お互い握手を交わす光景はいつ見ても気持ちのいい光景である 「ストームガスト」と「阿修羅覇凰拳」が今回RWC2007の主力スキル
試合の序盤から攻めていく韓国だが、「ツイン・ストームガスト」を展開するタイが常に有利な立場で試合をリードしていた
優勝を勝ち取ったタイには賞金1,000万ウォンが贈呈された


■ 優勝チームのタイ「Destruction」ギルドにインタビュー

編:優勝おめでとうございます。まず、優勝した感想を聞かせてください。

Destruction: 最高です! 「RWC2007」の期間中はストレスや緊張の連続でしたけど、優勝してからはスッキリした感じで心地良いです。

編:決勝戦での相手、韓国チームとの試合はどうでしたか?

Destruction: 韓国チームは攻めるペースが早く驚きました。1-1で同点に追い詰められた時は正直焦りましたけど、集中力を失わずに慎重に試合を展開し、勝つことができました。

編:「RWC2007」のためにはどういう風に練習をしましたか?

Destruction: 「RTC2007 (RAGNAROK Thailand Championship)」に参加したギルドとオンラインで1週間ぐらい集中して練習しました。オフラインでの練習はなかったです。

編:では、RWC2007のためにどんな作戦を用意しましたか?

Destruction: 「ツイン・ストームガスト」です! チェイサーの「クローンスキル」で、2つの「ストームガスト」を繰り広げながら、プロフェッサーの「ランドプロテクター」を重ねて相手を追い詰めました。2つの「ストームガスト」を張ることで、当然凍結しやすくなりますからね。凍結した後はチャンピオンの「阿修羅覇凰拳」で1人ずつ止めを刺しました。

編:他のチームからは「ラグ」についてクレームが多かったようです。

Destruction: 全く感じることなく快適でした。

編:最後に全世界の「RO」ユーザーに一言お願いします。

Destruction: 世界中にいる大勢の人々が「RO」を大切にすれば、「RO」は永遠に続くと思います! ぜひ、「RO」を楽しんでください。

編:ありがとうございました。

2位の韓国には賞金500万ウォンが支給された
インタービュー中のタイ選手たち。優勝の感激からかとてもテンションが高い


□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□「Gravity Festival 2007」のページ
http://www.gravityfestival.com/
□関連情報
【7月23日】「ラグナロクオンライン II」記者懇談会レポート
シナリオクエスト、新種族など気になる開発最新状況をチェック
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070723/grafes03.htm
【7月22日】韓国Gravity、「ラグナロクオンライン」記者懇談会を開催
新エピソード、三次職、新攻城戦など「RO」の次期拡張計画を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070722/grafes02.htm
【7月21日】韓国Gravity、「Gravity Festival 2007」をロッテワールドにて開催
日本は初戦敗退。「W Baseball」など新作カジュアルゲームを多数出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060812/grav_01.htm

(2007年7月23日)

[Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]



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