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すっかり高レベル冒険者の拠点となったアトルガン皇国。だが、そこには人口集中による混雑という大きな問題が挙がる。たとえばこんな経験はないだろうか? “エリア移動を促す通知が出された”、“モグハウスとの行き来にやたらに長い時間がかかる”、“宅配物を受け取ろうとすると「通信層が混雑しているようです」と出てアイテムを受け取れない”などなど……。今回はこのような混雑問題にスポットを当て、具体的にどれほどの比率でアトルガン皇国が混雑しているのか調査してみた。
また、現状の問題を挙げてネガティブにぼやくだけというのも格好が悪い。というわけで、三国からアトルガン皇国にテレポしてもらえるサービス「山猫テレポ」を活用して、ホームポイントを三国にしてみる方向を探ってみた。西方エリアへのフットワークを軽くしつつ、アトルガン皇国のコンテンツもしっかり楽しむという方向だ。
まず、アトルガン皇国、ジュノ大公国、そしてサンドリア、バストゥーク、ウィンダスの三国と、主要な市街エリアの人口分布を調査してみた。これは筆者のワールドに限った分布であって、あくまで参考データだ。ワールドによってはさらに過密していたり、もしくはそれほどに集中していないワールドもあるだろう。それを踏まえて、日本時間のコアタイムに各都市にいたユーザー数をサーチで調べ、以下にグラフや表にまとめてみた。
アトルガン皇国の人口過密は完全に「人が人を呼ぶ」状態だろう。シャウト募集が盛んに行なわれ、冒険のきっかけを得やすいという、トレンドの強みとも言える絶対的なメリットがある。さらに、ビシージ、アサルトなど独自のバトルコンテンツの窓口であり、他の都市にはない滞在目的がある。 国別の人口順位では、「アトルガン皇国」、「ジュノ大公国」、「サンドリア王国」、「ウィンダス連邦」、「バストゥーク共和国」となった。繰り返しになるがこれは筆者のいるワールドの例にすぎない。1位アトルガン皇国、2位ジュノ大公国という結果は順当で他のワールドも同じ結果になると思うが、三国の分布順には差異があるだろう。 だが、エリア別に順位を並べてみると、「アトルガン白門」、「アルザビ」、「ジュノ下層」、「南サンドリア」という順になった。ついで5番目のエリアは「ウィンダス森の区」と、やはり下層以外のジュノを上回っている。三国においては、海外ユーザーを中心に新規ユーザーが入ってきていること、合成目的や、チョコボ育成目的、アウトポストテレポの利用など、滞在、経由する理由が多く、時間帯によってはより人口が増えるだろう。季節限定イベントも三国を中心にしていてその期間にはより増える。 一方、ジュノだが、ジュノと言えばレベル20代からの中~高レベル冒険者の拠点であった。だが、「アトルガンの秘宝」以降はレベル50を越えた頃からアトルガン皇国を拠点にするのがトレンドになっていて、以降の高レベル帯の冒険者はごっそりとアトルガン皇国に移っている。そのためレベリングの拠点としては、実質レベル20~50までが対象になってきている。さらに、高レベルジョブがある冒険者は、サポートジョブの最大レベルである37までレベルを上げたいという目的の場合も多く、拠点として常駐する期間がさらに短くなってきている。三国が底上げされているためジュノを拠点にする中レベル帯にも効果は繋がっているはずなのだが、今現在は日本のコアタイムにおいてジュノに危機感を感じるところだ。 ● 新規冒険者が活発な世界で低~中レベルを昇れる環境が望まれる。鍵は「アルタナの神兵」?
第7回 ヴァナ・ディール国勢調査では、例年にも増して様々な興味深いデータが発表されているが、本稿のテーマとしては、ジョブレベルの項に注目したい。例年みられるものだが、特にサポートジョブの最大レベルであるレベル37からの比率の減少は激しい。高レベル冒険者にとって、レベル37到達で一区切りをつけるというのはよくわかる心理だが、新規冒険者にとってはそこからレベリング対象者が激減する現状は辛いところ。そうした背景から、高レベル冒険者がレベル37で区切りをつける風向きがまた一層強くなっていくという、負のスパイラルに陥っている印象だ。 最近はアトルガン皇国を拠点に、独自のコンテンツやイベントのある三国とを行き来する機会のほうが増えてきた。どこかに冒険にいくにもアトルガン内で集合し、現地近くにテレポなどで直接移動してしまうことも多い。競売利用においても取扱品が共通であるアトルガンに完全に食われた状態であり、ミッション目的などにおいてもジュノは一時的に経由する場所になっている。37~50レベルのレベル上げ拠点としても、既にアトルガンに常駐している冒険者はアトルガンで募集をしてしまってもいいという現実がある。この点は新規のユーザーに辛い。 簡潔に言えば、ジュノに滞在する独自のポイントがなくなってしまった。独自のメリットがあるアトルガン皇国に取って代わられてしまった部分が大きく、むしろアトルガン皇国には人口が多いことによるシャウト募集の量、そこから得られるプレイのきっかけ、さらにアサルト、ビシージ参加などがしやすいというメリットが大きい。この点はサポートジョブレベル以上のユーザー数減少にも少なからず影響しているだろう。優れたアトルガン皇国を離れるという心理的なデメリットなどから腰も重くなる。 気になるのは今後だ。最新拡張ディスク「アルタナの神兵」は既報のようにアルタナ四国圏でのクリスタル戦争時代が舞台であり、この人口分布がまた大きく変わるのは容易に想像できる。「アルタナの神兵」の世界に冒険者がどのような方法で関わるかはまだ定かでないため、ここは憶測になるが、「アルタナの神兵」登場によって三国ひいてはジュノが活性化し人口が増すようなことが起これば、それをきっかけに低~中レベル帯の道のりが底上げされるかもしれない。
だがそうすると今度は逆に、マイペースに「アトルガンの秘宝」の各種コンテンツを楽しんでいるユーザーはトレンドが大きく移って人が減ってしまうのではという懸念もあるだろう。こうした懸念は今までにも何度かあった。そして、それはヴァナ・ディールが広がり続けるごとに起こるのだろう。今後はトレンドの流れが一時的にあれども、各都市に独自の良さや魅力、特徴を有して、低、中、高レベルの分布バランスがとられることを望むところだ。
これはバージョンアップにより登場した通称「山猫テレポ」を活用する。山猫テレポとは、三国やジュノに「アトルガンの秘宝」登場前に実装されたクエスト「山猫のいざない」などのNPCに300ギルをトレードすると、アトルガン白門へとテレポしてくれるサービスのこと。条件はふたつ、「サラヒム・センチネル」の傭兵キャラバンを手伝うクエストを完了すること、そして「サラヒム・センチネル」でナジャ社長より傭兵と認められていることだ。三国それぞれのクエスト名とNPCは以下のようになっている。
・「山猫の誘惑(バストゥーク)」NPC:アリブムファリブ ・「山猫のウィンク(ウィンダス)」NPC:イブワム ※関連のクエストには「山猫の招待(ジュノ)」もあるが、テレポサービスは導入されていない
このクエスト、そしてその後に受けられるようになるアトルガンへのテレポサービスを踏まえ、アトルガン白門をホームポイントにしている場合と、三国をホームポイントにしている場合での移動方法の違いを以下にまとめてみた。
西方エリアの各地に行く場合、三国で利用できるアウトポストテレポは便利だ。アトルガン皇国をホームポイントにしている場合は、三国を経由するために費用がかかるが、三国ホームポイントのケースだとデジョン等で戻ればいい。アウトポストテレポの利用手数料が引き下げられ、より気軽に使えるようになったのも嬉しいところだ。 シャウト募集などのメリットを考えると、どのみちアトルガン皇国に常駐する結論にはなってくるわけだが、例えば週末にリンクシェルメンバーと予定を立ててあったとき、事前に行なう各種ジョブや装備等の変更、宅配の受け取りといった身支度などを混雑のない三国で済まられると快適だ。人口の過密が高いワールドであればあるほどメリットに感じられる事と思う。 チョコボ育成をはじめ、三国へ訪れる機会の多い人、または西方のエリアにアウトポストテレポを活用する機会が多い人にとっても、三国にホームポイントを置く方法はオススメだ。問題はアトルガン皇国との行き来にギルを使うか、皇国軍戦績などで得るアトルガン白銀貨を使うかだが、ここは好みの問題だろう。アトルガン貨幣は競売でギルと相互に取引できる点、むしろ逆に皇国軍戦績はギルで買えないところなどは、考え方に影響してくるだろう。 ちなみに筆者のプレイするワールドのアトルガン皇国は、そこまで惨く過密というほどではない。人口は確実に多いが、ギリギリのラインといったところ。だがコアタイムには動作が重くなり、システムのレスポンスは悪くなる。筆者としては一日に一度、アトルガン皇国に移動できればたいがいは事足りるし、一日のプレイの終わりにチョコボ育成を三国でチェックしている。そこで、プレイの最初にオルドゥームリングでアトルガンエリアへ移動し、プレイ終わりに三国へデジョンで戻る、という負担の少ないスタイルを取っている。
気にかかるのはジュノには山猫関連のクエストがあるのにも関わらず、三国同様の山猫テレポサービスはないことだ。高レベルのジョブがありつつ、レベル20以上の、俗に言うジュノレベル以上のレベル上げもたまにしたいと考えている冒険者であれば、ジュノをホームポイントにして、テレポサービスでアトルガン皇国に移動するスタイルも選択肢に入れたい。アルザビにいるデジョンタルタル弟の無料サービスで、アルザビからジュノへは移動できるとはいえ、それを軸にスタイルを考えるとアトルガンにホームポイント設定をすることとなり、混雑緩和や回避の妨げになる。中レベル帯のレベリング人口増加のためにも、ジュノにも山猫テレポの導入を望みたいところだ。
そこに三国からアトルガン皇国へと安価にテレポ移動できる「山猫テレポ」が登場した。筆者も自分で試しに三国にホームポイントを移してプレイしたところ、最終的にアトルガン皇国の魅力に惹かれ常駐はするものの、西方エリアへのフットワークが軽くなったのを感じた。興味を持った方はぜひお試しいただきたい。
懸念として残ったのは、ジュノの過疎を代表にした中レベル帯冒険者の落ち込みだ。三国においては新規ユーザーの参加と、イベント開催などで今後も意義を失わないことと思う。直接的に影響の大きかったのはジュノだろう。都市間の行き来、相互性、利便性、独自性などの観点でアトルガン皇国、ジュノ、三国を比較しても、ジュノを拠点にする魅力は薄れてしまっていると感じた。今後には「アルタナの神兵」も登場するため、それによってまた変わるバランスを既に測っていることとは思うが、ジュノにも山猫テレポを導入して、ジュノをホームポイントに置いてアトルガンを楽しむ方向も拡充されていいのでは、と感じた次第だ。 (C)2002-2007 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年7月20日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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