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E3では毎年恒例となっている、マイクロソフトのプレス向けインタビューセッション。クリエイターが自ら開発中のゲームをプレイしながら解説するというもので、短時間ながら生の声を聞ける貴重な機会となっている。
今回はその中から、早くもXbox 360でシリーズ2作目となるレースゲーム「Project Gotham Racing 4」と、Xboxの看板タイトルを題材にしたRTS「Halo Wars」のセッションをレポートする。
■ 「Project Gotham Racing 4」
まずHoward氏は本作のテーマとして、「感情移入」という言葉を挙げた。「『PGR』シリーズはこれまで、スタイリッシュでスピード感あふれるレースを売りにしていた。今回はそれだけではなく、このゲームのプレーヤー自身がスターであるという認識を持ってもらえるようなゲームを目指している」という。このアプローチとして、プレーヤーキャラクタの国籍やスタイル、服装などを自分で作成でき、オンラインでも使用できるという。 「PGR4」における最大の特徴となる、天候システムのデモも行なわれた。これは通常の晴天のほかに、雨天、霧、氷結路面、雪といった自然条件が設定されるもの。たとえば雨天であれば、路面が濡れて水溜りができることで、滑りやすい場所ができたりする。もちろんグラフィックス的にも、ただ雨が降っているように見えるだけでなく、車体に流れる雨水などもリアルに再現される。 デモでは雨天のほかに霧のシチュエーションも実演された。霧の中に入ると視界が短くなるのだが、この霧の濃さがじわじわと変化する。最初は薄かった霧が、少し走ると、いつのまにやら数メートル先も見えなくなっていた。このリニアに変化する霧の表現が実にリアルで、実際に濃霧の中で車を走らせた経験がある人ならば、目前に突然現れたカーブに背筋が凍る感覚を味わうことになるだろう。
なお天候はダイナミックに変化するという。レース開始前は曇っているだけでも、走っている最中に雨が降り出し、路面状況が変化する、といったことも起こりうるそうだ。
走行できるロケーションは、前作の2倍となる10種類。前作にもあった「Kudosポイント」は、今回は「スターポイント」にアレンジされているという。「Kudosポイントの細かい計算は存在するが、上海のあのカーブは236ポイントだ、というよりは、星4つだ、というほうがコミュニケーションが取りやすいだろう」という判断から、わかりやすい表示方法として取り入れたという。 Xbox Liveでの対戦プレイでは、プレーヤーキャラクタと同じ国籍内のプレーヤーと争い、トップになったらさらに他国のトッププレーヤーと対決する、といったトーナメントも可能になるという。またパーティロビーシステムを採用し、友人とチームを組み、チームとして対戦する機能も用意される。そのほか走行のデータを保存して公開でき、他のプレーヤーのデータをダウンロードして閲覧・研究もできるそうだ。
なお、最新スクリーンショットはこちらに掲載しているので、あわせてご覧いただきたい。
■ 「Halo Wars」
本作のインタビュースロットには、Ensemble StudiosのGraeme Devine氏が参加。「Halo Wars」のデモプレイを行ない、シングルモードの1ステージの展開を追いながら説明をしていった。 ゲームの舞台となるのは、「Halo」の20年前にあたる2531年。コヴナントと本格的な戦争に突入する前の時代で、UNSCのスペースシップ「スピリット・オブ・ファイア」に搭載されたAI「セリーナ」の冒険を描くという内容になっている。
ゲームは施設でユニットを生産し、コヴナント軍と戦うという、一般的な形式。登場ユニットは兵士だけでなく、ビークルなども用意されている。本作のために作られた新しいユニットも数多くあるが、「Halo」の雰囲気をうまく保ちながらユニットの差別化を図っている。
もちろんビークルが最強ユニットなどということはなく、戦車や対空ミサイルのような兵器も登場する。さらにはコヴナントの巨大兵器が現われ、それを「スピリット・オブ・ファイア」の強烈な支援砲撃で片付けるという、豪快なシーンも見られた。他にも、この時代にはまだ多数生き残っているスパルタンや、「スピリット・オブ・ファイア」のクルーといったユニークユニットも登場するという。 生産や基地の拡張の様子はほとんど見られなかったので、そこまでにどういったプロセスが必要になるかは不明。ただ戦いを続けながら、より強力なユニットを開発して戦うという、RTSらしい進化的要素は垣間見えた。強力なユニットの開発条件がどうなるのか、またリソースの補充などがどのようになされるのかなど、細かいシステム面は今後少しずつ明らかにされることになるだろう。 PCでのRTSファンには、Xbox 360のコントローラでRTSをプレイすることに不安を覚えるかもしれないが、そこはEnsemble Studiosもきちんと考えている。ユニットの選択はAボタンのみで、さらにボタンを押し続ければ範囲選択が可能。またジャンプボタンを押し続けると、どの場所からでもベースポイントとなる基地へとカーソルを戻せるようになっている。 Xbox Liveにおけるマルチプレイについては、最大人数はまだ調整中としたものの、対戦モードだけでなく、協力プレイも重要して開発を進めているという。人間とコヴナントとの戦いを描いた作品であれば、これはあるべきものといえるだろう。逆にRTSとして考えれば、プレーヤーがユニット特性の異なるコヴナントを操るという考え方も当然生まれるわけだが、これについては「今見せているのは人間側のものですね」と言葉を濁していた。
ちなみにDevine氏は、過去にFPSタイトルの「Quake III」のデザイナーを経験している。RTSの制作については、「今までにない経験で、とても新鮮に感じています。PCであったものを取り壊していくのではなく、コントローラを中心に構えた設計を行なうというのは大変なチャレンジでした。非常にいい経験になったと思います」と語っていた。
(2007年7月15日) [Reported by 石田賀津男]
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