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会場:Fairmont Miramar Hotel Santa Monica
Ubisoftは今回のE3において、最も注目されたサードパーティと言っても過言ではない。Microsoftでは「Assassin's Creed」、SCEAでは「HAZE」、任天堂では「My Coach」と、ハードベンダーが自社のカンファレンスにおいて、こぞってUbisoftのタイトルを紹介している。この背景には、高いクオリティのゲームを作り出しているだけでなく、幅広いジャンルに新作を投入しているという点がある。
■ Xbox 360/PS3/WIN「Assassin's Creed」
デモプレイを見てまず目に付いたのが、主人公の身軽な動き。壁に窓枠やわずかな窪みがあれば、簡単に屋根にまでよじ上っていく。高所では家の屋根から屋根へとヒョイヒョイと飛び越えたり、足場とも言えないような棒の上を軽々と駆け抜ける。これらのモーションも非常に滑らかで、それだけで曲芸師を見るような面白さがある。 戦闘では、相手が気づかないうちに背後から忍び寄って一刺し、といった暗殺も可能だが、正面切って戦うこともある。その際にも、敵の攻撃を受け流してから懐に飛び込んで突き殺したり、首を切り裂いたりと、暗殺者らしい華麗な動きで敵を翻弄する。敵を倒す際のアクションがズームアップする演出もあり、やはり目を楽しませてくれる。 スニーキングアクションという点では、暗殺術を逆に利用するシーンもあった。ある建物に潜入する際、監視している人間がいたため、屋上で監視している別の衛兵を刺し、そのまま道路へと蹴り落とした。するとい落下した死体に人が集まり、そちらに監視の目が向いている隙に、建物に侵入した。ただ隠れるスニーキングとは逆を行きつつ、暗殺者の設定を生かした、大胆な仕組みも用意されている。
発売は11月の予定。本作については、別途プレイできる時間を設けていただいたので、後ほどその際のレポートもお届けしたい。
■ PS3「HAZE」
ゲームとしては、多様な武器や戦車、ヘリなどの乗り物も使えるミリタリー風のFPSがベースになっている。特徴的なのは「Nectar」と呼ばれる組織で作られた薬物で、これを投与すると能力が向上する。よりヒロイックな戦闘が可能になるものと思われるが、同時に危険な薬物でもあるそうで、何らかの反動があるのかもしれない。
カンファレンスではデモプレイはなく、映像もSCEAのプレスカンファレンスで上映されたものと同じ内容で、やや物足りないものだった。スクリーンショットには、相手の銃を掴み取って攻撃したり、死んだ振りをするといったシーンも描かれており、ゲームシステムにも面白い要素が組み込まれているようだ。北米地域では11月に発売予定となっている。
■ Xbox 360/PS3/WIN「Brothers In Arms Hell's Highway」
こちらは会場でデモプレイが行なわれた。部隊を率い、指示をしつつ戦うというスタイルは今作も変わらず。一見するとシビアなリアル系FPSにも見えるが、実際は敵の耐久値が見えたり、自分の危険度を画面が徐々に赤くなることで知らせる機能などで、ゲームとして楽しくプレイできるよう調整されている。 指示を出す操作も、位置と目的をワンボタンで示すだけ。味方の銃撃で敵をひきつけさせておいて、自分が横から回りこんで襲撃するといった作戦も可能で、自分なりの攻略が楽しめるのも特徴といえる。 グラフィックスもさらに進化しており、単純な美しさに加えて、攻撃によってダメージを受けたオブジェクトがリアルに壊れていく様子が見られる。また見事な攻撃が決まった際に、敵兵がスローモーションで吹き飛ぶなど、演出面にも手が加えられている。
発売日は未定。
■ “Games for Everyone”をテーマにしたライトなタイトル
ちなみに、こういった流れはUbisoftに限ったことではなく、カンファレンスを実施した各社で見られた傾向ではある。特にDS用のタイトルが多く、日本でのブームを追いかけているようにも感じられる。 “Games for Everyone”の1つ目は、DS/Wii用ペット飼育シミュレーション「Petz」シリーズ。同社では第2弾のシリーズとなり、「Dogz 2」、「Catz 2」、「Hamsterz 2」、「Horsez 2」の4タイトルが発売される。ラインナップに馬が混じっているのが面白いところだが、発表の中では「Dolphin」という言葉も出るなど、今後さらにユニークな作品が登場することになるかもしれない。発売時期は未定。 2つ目は、ガールズ向けの「imagine」シリーズ。ゲームの中で様々な職業を体験するというもので、「Fashion Designer」、「Master Chef」、「Babyz」、「Animal Doctor」、「Figure Skater」の5タイトルをDSでラインナップ。発売は2008年初頭。 3つ目は、学習ソフト「My Coach」シリーズ。第1弾の「Word」はそのものずばり、言葉(英語)を勉強するソフトで、DSとWiiでの発売が予定されている。その後、「Spanish」と「French」の外国語学習、さらに健康的な生活をガイドする「Life」がラインナップされている。発売時期は未定。
そしてもう1つのライト系ソフトが、DS用音楽ソフト「Jam Sessions」。開発はプラト株式会社で、日本で「弾いて歌えるDSギター“M-06”」として発売されているタイトルのアレンジ版と思われる。ギターという素材は米国のほうがウケがいいようで、デモプレイで有名な曲の頭を演奏すると、来場者もノリノリで合いの手を入れたり、曲のリクエストをしたりして大いに盛り上がっていた。
□Ubisoftのホームページ http://www.ubisoft.co.jp/ □E3 Media and Business Summitのホームページ(英語) http://www.e3expo.com/ □関連情報 E3 Media and Business Summit 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070712/e3link.htm (2007年7月15日) [Reported by 石田賀津男]
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