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会場:Loews Santa Monica Beach Hotel
■ 「全体的にとても理想的な開発ができた」DS『夢幻の砂時計』
今作はタッチペン1本での操作をメインに統一したことによって、今までの「ゼルダ」とは一味違うと思ったのは記者だけではあるまい。青沼氏は「『ゼルダ』はやはり難しい謎解きがわかったときの手ごたえこそ“『ゼルダ』っぽさ”だと思う。タッチペンの操作は『ゼルダ』の遊びを簡単にはしない。タッチペンで謎解きに集中できるようになった」とタッチペンの採用について述べた。 また、「例えば海王の神殿。ここは時間制限があり、今までのシリーズとは遊び方がぜんぜん違う。これを作っている間、今までの『ゼルダ』を知っているスタッフほど“難しくて解けないよ”と言っていたが、ところが、初め遊ぶ人はサクサク解けていく。固定概念があると思うが、マニアも新鮮に感じてもらえると思う。Wi-Fiでのバトルゲームも同じ。テクニックを磨けば勝てるというものではない。相手の動きを読んで戦う心理戦のような遊びになっている」と、“新しい『ゼルダ』”ぶりをアピールした。 それに加え、青沼氏は「ディレクターをはじめ、多くのスタッフのおかげ」と本作の制作陣に感謝の言葉を述べた。「彼らは『ゼルダ』を初めて作る人が多かった。多くの固定概念を覆したのは、DSの機能と若いスタッフの柔軟性によるところが大きかった。ディレクターは初めてディレクションを担当したが、以前からニンテンドーゲームキューブの『ゼルダの伝説 風のタクト』を分析し、その魅力を磨いて魅力を詰め込んでくれた。例えば『風のタクト』にもあった『サルページ』。これもDSの2画面で海の深さを表現できるので新たに作ったものの1つ。全体的にとても理想的な開発ができた」と今作のできばえには相当満足の様子だった。
ここまでは、2007年のGDCでの青沼氏の講演と内容がかぶっていたが、注目の「ゼルダ」の今後についても少し(?)語られた。「ゼルダ」に関しては、今回の「夢幻の砂時計」の路線のほかにも、Wii/GCでの「トワイライトプリンセス」の路線もある分、次はどんなことを? ということで期待が高まったが、「どんなことをやろうか、いくつか暖めており、それを発表しようかと思っていたが、昨日宮本さんに『手ごたえを感じていないのに発表するのか』と怒られた(笑)。自分でアイデアを考え付いたとき、『これはすごい』と思うと言いたくなってしまうのだが、『トワイライトプリンセス』の時のこともあるので、自分で手ごたえを感じてからお話しようと思うので、もう少し時間をください」とした。そして、「『ゼルダ』以外のタイトルも、自分にとっての最大のテーマなのでぜひ挑戦したい」と語っていた青沼氏の姿が印象的だった。
また、「初めてプレイする人にもちゃんと遊んでもらえるように「Galaxy」にはアシストモードを用意している。『マリオ64』と同じく、すべてのスターを集めなくてもゴールできる。6つのギャラクシーで全部で120以上の星があるが、クリアするだけなら半分も取ればOK。ブルースターでの操作感が快適で、アシスト時はWiiリモコンで直接助けてあげることもできるし、逆に邪魔することもできる(笑)」と、幅広い層に向けての作りこみの一端を紹介してくれた。難易度については「今、どんどん難しくしているところなんですよ」と語っていた。これは「スターを集めようと思っている人には手ごたえを」ということのようで、かといって無茶な難易度ではなく、やり直してうまくなればクリアできるちょうどいいところに追い込んでいくということだ。 「今回、ゲームデザインを中心に関わっています。開発は『ドンキーコンガ ジャングルビート』に携わっていたスタッフが中心で、東京がメインなんですが、出張が増えました。『マリオ64』に近いぐらい関わっています。まだ作っている最中で、ボス戦(?)のあたりも、今作っているところですが、新しい仕組みのアイデアもどんどん出てきてます。どれだけそのアイデアを入れ込めるのか、使いきれるかはわかりませんが」と、開発も順調のようだ。「『マリオ』というゲームはユーザーの皆さんが自分だけの技を見つけていったり、仕掛けを発見する楽しみがあると思うんですが、今回はもうデバッグしきれないところもあって、ぜひいろんな技を見つけて欲しい」と言っていたが、逆をいえばこれこそ開発陣の懐の広さというか、余裕を感じる発言だった。
また、「Wii Fit」と一緒に公開された「Wii バランスボード(仮)」に関しては、「サードパーティの方々にも使って欲しい。スノーボードゲームなどにも使えると思う。これは大学病院など医療関係方面からも興味を持たれている」と言っていた。「Wii Fit」は「健康」をキーワードに持ってくるあたりがさすがというところなのだが、「Wii バランスボード」の今後の使われ方も興味深い。
□任天堂のホームページ (2007年7月15日) [Reported by 佐伯憲司]
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