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【連載第4回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
メジャーリーグのビッグヒーローになれる野球ゲーム登場!
「The Bigs」 |
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【お断り】 |
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当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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■ まずは米国における野球ゲームの現状をおさらい
米国の国技といえば「野球」だが、アメリカンフットボールとバスケットボールに人気を随分奪われている、という話が様々なメディアで取り上げられて久しいが、これは我らがビデオゲーム業界でも言えることで、野球ゲームは米国では不思議と盛り上がらない。
スポーツゲームが一大ジャンルとして存在する米国では、MLB(メジャーリーグベースボール)物の地位はそんなに高くない。ブランド的には3番手・4番手位で、需要が無い訳ではないが、ミリオンをジャンジャン出すようなジャンルではない事は確かだ。
理由はアクション味にかける展開が気に食わないのか、9回まで試合をしなければならない冗長さがアメリカ人ゲーマーの性に合わないのか、よくわからないのだが、NFLやNBAと比べると一つ格が下がっているのはゲーマー側からも見て取れる。ぶっちゃけると出来の悪い野球ゲームがやたら氾濫していた点も実はあるかもしれない。
近年の野球ゲームは、EA Sportsと2K Sports(Take-Two)との激烈な争いが記憶に新しい。これは両社が共にスポーツゲームブランドを盛り上げるために、NFL、NHL、NBA、そしてMLB、あるいはNASCARなど各スポーツのゲームにおける独占権を争っていた時のことだ。
展開としてはEAが一番の大きいパイであるNFLを押さえているため全体的にはEA Sportsの帝国覇権は揺ぎ無いと思われていたが、Take-TwoがEA Sportsに放った一発のカウンターがMLBの独占ゲーム化権の取得だ。
この契約はファーストパーティー(つまりハードウェアプラットフォームをつくるSCEやMicrosoft、任天堂など)を除いてTake-Twoだけが唯一MLB物のゲームをつくれるという内容で
契約が発表された時の衝撃はなかなか大きかった。
EAはちょうど長年リリースしていた野球ゲーム「Triple Play Baseball」シリーズを刷新し「MVP Baseball」シリーズを展開し始め、市場の評価も高く、これからの発展が期待できた時期だったため、受けたダメージは少なくなかったはずだ。
MLBのデータを使えなくなったMVPシリーズは現在NCAA(全米大学体育協会)の選手を扱ったシリーズとして展開している。米国ではプロリーグ以外にもNCAAや独立リーグなどを扱ったゲームも人気があるため、こう言った展開も可能なのだ。
対するTake-Twoは「Major League Baseball 2K」シリーズを展開、現在2K7までリリースされており、SCEがPlayStationプラットフォーム用に展開する「MLB」シリーズを除けば、ほぼ唯一のMLBゲームとして君臨しており、内容もそれなりに高く評価されている。
■ 野球ゲームに新たな潮流!?
そして今年、2K Sports(Take-Twoのスポーツゲームブランド)は、新たな野球ゲームを投入した。それが「The Bigs」だ。スポーツゲームがそれまで追求していたリアル志向とは対極を成す「アーケードベースボール」をデザインの主眼に置いたタイトルだ。
アーケードベースボールとは何か? つまりはグラウンドで活躍する選手達がありえない活躍をする野球ゲームという事だ。MLBの超有名選手が映画マトリックスも真っ青なアクションでボールをキャッチしたり、打った球が燃えながら物凄い勢いでスタンドに突っ込んだりする様子を想像いただければ大体理解していただけるだろうか。
プレーヤー誰もがヒーローになれる、そんなコンセプトを持ってつくられた本作だが、平たく言うと2K Sports永遠のライバルであるEA Sportsが“BIG”というサブブランドで推進したエクストリームスポーツの要素を野球に取り入れてみた、と言うとコアゲーマーにはわかりやすいのかもしれない。
開発は2K Sportsを背負って立つスタジオ、Visual Conceptsと新鋭のBlue Castle Gamesが行なっている。ちなみにVisual Conceptsはもともとセガの子会社としてSEGA Sports各シリーズを開発していた事を知っているゲームファンは結構いるのではないかと思う。
同社は2005年にTake-Twoに買収され、2K Sportsブランド立ち上げのきっかけとなった。つまり2K Sportsの前身はEA Sportsに敗北宣言をしたSEGA Sportsだったと考えると、前述したEAとの戦いはまさに宿命的な物と言って良いだろう。
プラットフォームはPlayStation 3、PlayStation 2、Xbox 360、Wii、PSPとほぼ現行機全てを網羅している。今回はPlayStation 3版を使用して紹介していこう。
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MLBのヒーロー選手が大活躍! |
球場の雰囲気も抜群だ |
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イチローのバッティングもゲームで再現 |
松坂もレッドソックスの一員として登場だ |
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次世代機ならではのビジュアルを楽しもう |
アーケードライクの迫力ある演出続出だ |
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華麗なピッチングで三振を決めろ! |
ゲーム中に収録されている曲をチェック |
■ アーケード志向に沿ったゲームモードを用意
本作のゲームモードは大きく分けて3つある。つまりアーケードライクな「エキジビションモード」とプレーヤーキャラクタを作って有名選手と一緒に球団を勝利に導く「ルーキーチャレンジ」、オンラインで他のプレーヤーと対戦できる「オンライン」だ。
他のスポーツゲームで言うところのフランチャイズモード(チームのマネージメント要素や監督要素など)は「The Bigs」では存在しない。この辺が本作が提唱するところの「アーケード」の1つなのだろう。リアルを志向しないのであれば至極真っ当な仕様だ。
エキジビションは読んで字のごとく、2チームを選択してどちらかのチームで1回のみの試合を行なうモードだ。(AI対AIもあるので正確にはプレーヤーは見ているだけでもいい)最大4人までのプレーヤーが参加することができる。
ルーキーチャレンジは、好きな球団を選んで、メジャー1年目のルーキー選手をプレーヤーが作成し、ルーキーを成長させつつ球団を勝利に導くというチャレンジモードだ。このモードを使えば自分の分身がイチローや松坂と同じチームメイトとして活躍できるという、なかなか粋なゲームモードだ。
オンラインはXbox 360版であればXbox Liveを使用するが、PS3版の場合は独自のオンラインマッチング機能を使っているようだ。ざっと日中・夜中で何度か対戦相手を探してみたが、残念ながらうまくマッチングできる機会がなかった。
ランキングを見てみると対戦者はいるようだが、PS3版の本作ユーザー層はまだまだ少ないように感じた。この点がPS3プラットフォームの普及度がまだまだ途上にあり、プレイするゲームの偏りがある事を物語っている気がする。
「The Bigs」はエキジビション以外に2つのユニークなゲームモードも備わっている。1つ目の「ホームランダービー」は国産の野球ゲームにもよくあるホームラン競争モードだ。対戦する選手よりいかに多くホームランを打つかを競う。
2つ目は「ホームランピンボール」モードで、これは街のド真ん中をピンボールのステージに見立て、選手が打った球がビルやネオン、クルマに当たれば相応の点が入るので、うまく遠くに飛ばしてスコアを競うというもの。3球空振りするとゲームオーバーだ。
これら2つのミニゲームは、オンラインでスコアランキングを取ったり、他のゲームモードと何らかの連動がされているなど、何らかのやり込み要素があればもっと良かった所だが、オマケモード以上の何者でも無いのが、ちょっと残念なところではある。
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最大4人まで同時にプレイすることができる |
ロスターはプレーヤー側で編集できる |
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自分の分身をエディットしてMLBデビューだ |
ルーキーチャレンジの第一歩を踏み出そう |
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プレーヤースキルのアップグレードも可能 |
あこがれのヒーローと一緒にチームを勝利に導こう |
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ホームランピンボールモードで気分転換 |
オンラインプレイで海外のプレーヤーと対決だ |
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ナイトゲームもふんだんに用意されている |
選手のしぐさもなかなか凝っていて面白い |
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様々な角度からプレビューすることができる |
守備も全体的にオーソドックスなつくりだ |
■ Big Play Pointsの活用が勝負の決め手
さて、ゲーム本編の特徴を紹介しよう。しつこいようだがゲームのコンセプトは「アーケード」だ。手軽でゲーム性に富んだ内容でなくてはならないが、野球ゲームにどのような形で「アーケードチック」な要素を盛り込んだか見てみよう。
まず、ゲームシステムそのものは米国系野球ゲームでは非常にオーソドックスなものだ。プレイ時はバッター側からの視点固定なのも、選手が今ひとつ似てないのと体格が実際の選手とは「違うんじゃないの!?」と思われるのも、米国野球ゲームの伝統と言い切ってしまおう。10年経ってもなおらない物はこの先もなおるかどうか微妙なところ。
したがって操作系も同じような物で、ピッチングはすぐ慣れるがバッティングの妙を会得するには何試合か負け試合を経験する必要がある。慣れればゲーム全体のバランスは良好で、さすがMLB物を長年つくっているスタジオだけの事はある、こなれた出来だ。
オーソドックスな野球ゲームに変化を加える要素が「Big Play Points」だ。このポイントは画面上部のゲージで表されている。ピッチングでストライクアウトを出したり、バッティングでヒットを打ったり、盗塁を決めたりと、試合中「活躍」をすることでこのポイントがどんどん貯まっていく。
そして「Big Play Points」がMAXまでくると「Big Heat」を発動できる。つまりどういうモードかというと「一撃必殺止めれるもんなら止めてみろ」モードであり、バッティングシーンで発動すると打った球が炎の弧を描きバックスタンドをぶち破るホームランを放つなど、ここ一番で発動すると逆点も狙えるモードだ。
これより小さい範囲の機能として「Power Blast」というモードがある。「Big Heat」が10,000ポイントごとの容易には使えない大技とすると「Big Blast」はこまめに使ってチャンスをつくる小技モードと言えるだろう。
画面上部の緑色のゲージが「Big Blast」を表し、5回分までチャージをすることができる。どのような状況で使うかと言うと、例えばバッティング時に発動させて球がパワーアップして捕球しようとしても跳ね飛ばすとか、盗塁時に足がやたら速くなる、ピッチングなら、ストライクゾーンのどの辺に球が飛ぶかわからなくなる、フライを捕る時の動作が速くなる等々、要するに試合中のチャンスをより確実に引き出させる事が可能になる。
つまり試合中はこの「Big Blast」をこまめに使って相手を出し抜き、ここ一番(例えば満塁時)などで「Big Heat」を発動させ4点を確実に決める、と言った本物の野球というよりは、まさしく「ゲームらしい」駆け引きとゲーム展開が楽しめるのだ。
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2ベースヒットで15,000ポイントゲット |
ストライクアウトで7,500ポイントだ |
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Big Heatは発動タイミングが重要だ |
投手側がBig Blastを決めてきた |
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仲間を塁に進めてBig Heat発動だ |
Big Heatが発動、燃えるボール!! |
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バックスタンドへ豪快な激突! |
球場全体が盛り上がる瞬間 |
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選手も大喜びだ |
ピッチングは常にPERFECTのタイミングを狙おう |
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バッティングはコツをつかむまでがやや大変 |
クルリと回って球をキャッチする妙技 |
■ 気になる日本人選手は!? 演出面をチェック
「The Bigs」では演出面もなかなか凝っていて、例えばダイビングキャッチをする際にはスローモーションで選手がクローズアップされてうまく捕球できるか迫力あるシーンを見ることができるし、ホームインする時のタッチアウトをボタン連打の具合によってキャッチャーのタッチを跳ね飛ばしたりすることもできる。
この辺の演出は目新しいものではないが、本作が目指すゲーム性とうまく合っており、試合をより楽しく、白熱させる要素を持っている。実況も小気味よく選手名と解説内容の組み合わせも違和感なく聞くことができた。
ただし、全体的なビジュアルはPS3(もしくはXbox 360)レベルとしてはあまり高い方ではない。特に観客の手抜きさ加減はリプレイモードで見ていると一目瞭然なのと、球状の芝生がのっぺりしていて味気ない。
マルチプラットフォームタイトルの宿命かもしれないが、PS2版とPS3版は10ドルもの価格差があるので、10ドル分に見合った「違い」は欲しかったところだ。
日本人ゲーマーとしては気になる日本人プレーヤーだが、イチローは最早MLBを代表するヒーロー選手としてゲーム中での露出度は高い。ゲームを起動してみればイチローは日本のイチローではなく、MLBのイチローなのだと実感できるだろう。
その他、マリナーズの城島、ヤンキースの松井、レッドソックスの松坂、ホワイトソックスの井口、ロッキーズの松井稼頭央、ドジャースの斉藤、カージナルス井口など、今年のリーグ開幕当初にメジャーに登録されていた選手は大体収録されているようだ。
ただ残念ながらパイレーツの桑田は開幕時はマイナーリーグにいたので登録されていない。ヤンキースの井川もマイナー落ちしているせいかロスターには存在していない。一部の選手は権利の問題かデータが間に合わなかったのか、顔のデータも架空の物がある。
全般的にこれは似ている、と思ったのはダントツでイチロー(ただし体格は今ひとつ)で、次に松井と言ったところだろうか。松坂は顔の雰囲気は出ているが、やはり体格がすごいことになっている。この辺の再現性の低さは外国人選手に限らないところが野球ゲームの弱いところだ。
今回久しぶりにMLB物をプレイしたのだが、驚いたのが実に色々なチームに日本人選手がいるということだ。ファンにとっては何を当たり前な……と思われるかもしれないが、日本人選手のMLB進出がここ数年著しいことをゲームで実感してしまった。
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今年注目の選手、レッドソックスの松坂 |
体格も顔もやや似てないかな? |
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ピッチングではジャイロボールが使える |
ヤンキースの松井、特徴は捉えている感じ? |
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やや厳しめな松井のバッティングスキル |
体格がやはりガッチリしすぎている |
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イチローはゲームでも別格扱い。名実共にMLBのヒーローだ |
パワー以外は最高の評価。AIにすると手ごわい相手だ |
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足の速さもきちんとゲーム中で再現されている |
イチローと言えば守備もすごい。まさに超人クラスの設定 |
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見事滑り込んで捕球に成功 |
レーザービームをゲーム中でも再現できるか!? |
■ 不具合(?)が多いものの、将来が楽しみな野球ゲーム
筆者は今回「The Bigs」を購入前から、かなり期待をしていたのだが、全体的なゲーム内容に関してはまずは及第点以上の満足感を得ることができた。何よりもチャレンジとクリア、そしてプレーヤーテクニックが重要なアーケードスポーツチックなゲーム展開はプレイしていて楽しい、久々に野球ゲームで楽しい! と思える一作に出会えた感じだ。
残念なのは選手のAIで、守備側、特に野手の動きが「何もしていない」に近く、プレーヤーが操作している選手以外はボサっと突っ立っているだけ、という場合が多々ある。また攻撃時も塁を進める時にベースを踏む手前で何故か止まったり、元の塁に戻ろうとして後ろからくる選手と鉢合せになったりと、ありえない動きをすることも目立つ。
また、これは筆者のPS3固有の問題かもしれないが、実はバグによって本作の目玉である「ルーキーチャレンジ」をプレイできていない。それはキャラクタ作成後の練習試合後にミニゲームを3種類こなすのだが、そのミニゲームでゲームが進行不能になるのだ。
どういう状況かと言うと、チュートリアルが表示されて「○ボタン」を押すことで、先に進める、というよくあるシチュエーションなのだが、そこで○ボタンを押してもチュートリアルが消えないため、先に進めないというもの。
泣く泣くいくつか名前・所属球団などパラメータをそれぞれ変えてキャラクタを作り直したが全てダメ、コントローラーを変えてもダメ、2K Sportsのフォーラムを見ても該当する書き込みがないため、プレイ時は途方に暮れた。
今は随分稀になったのだが、長年海外ゲームを買い続けていると、このような「やっちまった~!」というシチュエーションに出くわすことがある。クォリティーコントロールがバラバラなPCゲームならまだしも、まさかPS3で遭遇するとは思わなかった。
結局原因がわからないので今回は主にエキジビションをプレイした上で記事を書かせていただいている。もし、これがもともとある欠陥であれば、すぐにパッチなどの対応をしてもらいたいところだ。何にせよこんな大バグ(?)は久しぶりに見た気がする。
話を元に戻すと、いくつか致命的に気に食わない点があったが、野球ゲームとして見ると今後のシリーズ化が楽しみな一作と言えるだろう。単発で終わるにはもったいなさ過ぎる内容なので、とにかく2K Sportsはこの手のジャンル開拓を諦めて欲しくない。
カッコ良さではEA Sportsに勝てないが、ゲームの面白さは2K Sportsの方が総合的には上、という認識があるので、どんどん質の高いスポーツゲームを生み出すために頑張って欲しいな、というのが「The Bigs」をプレイして得た筆者の印象だ。
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夜のセーフコフィールドも美麗に再現 |
バッターの打った球にはじかれる松坂 |
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リアル野球にはない楽しさが本作にはある |
この画面から一歩も進めませんでした…… |
■ 今すぐチャレンジできる!ダウンロードゲーム
第四回:惑星を覆いつくす敵を倒しつくせ! 「Star Strike HD」
今回ご紹介するゲームはフィンランドの独立系スタジオ“Housemarque”が生んだ全方位シューティングゲーム「Star Strike HD(海外名:Super Stardust HD)」だ。
ゲーム内容はいわゆるロボトロンやジオメトリーウォーズなどのコンセプトを引き継いだ物で、ダウンロード用には手軽さがちょうどいいのかPS3、Xbox 360問わず、同ジャンルのゲームがかなり存在している (PlayStation.Storeだけでも数えたら3種類ある)。それだけこの手のジャンルが米国では支持されている証でもある訳だが。
“HD”と付いているからには元となるタイトルが出ているのだろうという察しはつくと思うが、本作は95年にPC用(Amigaも含む)で発売された「Super Stardust」をPS3用に新しく作り直した、由緒ある(!?)ゲームだ。
ちなみにHousemarqueというスタジオは、ほとんど聞きなれないと思うが、かなり昔に「Supreme Snowboarding」というスノボゲームを出していた。EAの「SSX」などが出る前まではかなり秀逸な出来だったが……誰も知らなさそうなのでここまでにしておこう。
本作にはストーリーが一応あるが、要するに惑星に襲い掛かる敵を片っ端から倒していけば良いのだ。敵は隕石と直接攻撃と2つのフェーズがパターン化して襲撃してくる。プレーヤーは隕石を砕いて、様々な効果を持つトークンをゲットして惑星を埋め尽くさんばかりの敵襲をしのぎきることが目的だ。
面白いのは武器が3種類に切り替えることができ、それぞれの武器に敵した隕石が存在する。素早く隕石群を倒すには、隕石の色を見て、最適な武器で攻撃を加えよう。一撃必殺のボム攻撃や囲まれた時に無敵状態で脱出できるブーストも用意されている。
本作は、この手のシューティングゲームの中では、かなり秀逸な部類に入るだろう。お決まりのテクノ調BGMを聞きながら隕石の大群をうまくかわしつつ、攻撃を加え、小さく砕けた大量の隕石をスルリと避けて、更に攻撃を加え……という「攻撃」と「避け」の楽しさを見事に両立させ、プレーヤーをあっという間にトリップさせる面白さがある。
エフェクト類もさすがPS3のパワーと納得の美しさで、隕石が砕け散る時の破片の美しさ、ボムで周囲の敵が一掃される時の散り様などを見ていると更にプレーヤーをゲームに没頭させてくれる強力な魅力をこのゲームは持っている事がわかるだろう。
「Star Strike HD」はPlayStation.Storeで購入することができる。日米共にほとんどラグなしで発売され、日本版はゲームの解説など必要な部分のローカライズがきちんと施されている。この内容で価格はわずか800円、前回の「Calling All Cars」に続いて最近のPS.Storeは豊作続きだ。
PS3と言うと、高いスペックを活かしたパワフルなゲームを! という印象が圧倒的に強いと思われるが、このようなダウンロードソフトの数々にも粒ぞろいの良作が揃っていることをPS3ユーザーは知っていて損はないだろう。
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タイトル画面。どこか欧州産臭いと思った貴方は正解 |
PS3ならではの破片の散りっぷりを堪能しよう |
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ボムを使えば周囲の敵を一掃できる |
隕石の種類に適した武器を使いわけていく |
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自機がやられるとド派手な爆発が |
画面中央の白い物体がトークン |
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宇宙船っぽい敵もあらわれる。ボス戦もあるようだ |
巨大な隕石を真っ二つにする瞬間がたまらない |
「The Bigs」 (C) 2006 Take-Two Interactive Software and its subsidiaries. All rights reserved. 2K Sports, the 2K Sports logo, and Take-Two Interactive Software are all trademarks and/or registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc.Major League Baseball trademarks and copyrights are used with permission of Major League Baseball Properties, Inc. Visit the official Major League Baseball website at MLB.com (C) MLBPA-Official Licensee, Major League Baseball Players Association. Visit www.MLBPLAYERS.com, the Players Choice on the web. 「Star Strike HD」 (C) 2007 Sony Computer Entertainment Europe.Published by Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved. Developed by Housemarque.
□「The Bigs」のページ
http://www.2ksports.com/games/thebigs/
□「Star Strike HD」のページ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/sshd/
(2007年7月10日)
[Reported by Game Dude]
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