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「Fantasy Odyssey」では、東ヨーロッパのコンスタンティノーブルを出発点とし、中国の長安を目指して旅をする。中国を起点としていた従来の「SiLKROAD ONLINE」とは、逆方向の進路をとることになる。 7月2日に行なわれたプレス発表会では、ゲームオン常務取締役 オンライン事業本部長の椎葉忠志氏が概要を説明。「『Fantasy Odyssey』はアップデートではなく、MMORPGにMMORPGを足したというべきもの。1本のMMORPGと同じくらいのボリュームがあります」と語った。 実際にゲームを起動すると、長安を起点とした「SiLKROAD ONLINE」と、コンスタンティノーブルから始まる「Fantasy Odyssey」の2つから選ぶ形になり、2つのゲームが内包されたような仕組みになっている。ログイン後のゲーム中の世界は共通となり(起点が大きく離れているため、お互いにすぐに行き来できるわけではない)、アカウントも同一のものが使用できる。 公式サイトも、「Fantasy Odyssey」の専用のページが設けられる。これについては、「『SiLKROAD ONLINE』の中国のイメージでスタートしたのに、ゲームはヨーロッパからというと違和感があります。中国からでもヨーロッパからでも始められるのであれば、ユーザーの趣向に合わせたものがあったほうがいい判断しました」と説明した。結果、1本の新作MMORPGという色を強く出した展開となっている。
ゲームのコンセプトについては、「『SiLKROAD ONLINE』では、1人で何でもできるスーパーマンを作るという印象でしたが、『Fantasy Odyssey』はパーティプレイを重視しています」とも語られた。
続いて「Fantasy Odyssey」の詳しいゲーム内容について、プロデューサーの池亀泰宣氏が説明を行なった。 まず「Fantasy Odyssey」でのキャラクタ作成では、10種類の武器が選べる。これによってキャラクタの特徴が大きく変化。その後の成長においても、「SiLKROAD ONLINE」に比べると、特定の能力に特化したキャラクタになっていくという。なお「Fantasy Odyssey」の実装に合わせて、作成できるキャラクタが1人増えて4人となるため、誰でもすぐに新しいキャラクタを作成できるようになる。
特化したキャラクタになるとはいっても、「SiLKROAD ONLINE」のスーパーマン的キャラクタよりも弱いということはなく、異なる特徴を持つようになるという。中国のキャラクタとの混成パーティも可能で、パーティにおいての役割分担が、従来よりも明確になると考えるとよさそうだ。
「SiLKROAD ONLINE」の特徴でもある、商人・盗賊・ハンターの「三項対立システム」や、「闘神モード」は、「Fantasy Odyssey」でも踏襲される。アイテムでは、装備品は中国とヨーロッパのキャラクタで別々に用意されるが、一般のアイテムについては共通。課金アイテムも同じものが利用できるとしている。
コンスタンティノーブルを始めとした新しく追加されるフィールドは、中世ヨーロッパの雰囲気が強く出たデザインになっている。しかし単純に当時のシルクロードを再現するのではなく、「トロイの木馬」や「ユピテル神殿 (ゲーム中ではユフィテル神殿)」など、あえて時代考証を無視した歴史的建造物があちこちに登場する。グラフィックスも強化されており、文化の交流点という印象をうまく引き出している。
「Fantasy Odyssey」の実装により、長安からコンスタンティノーブルまでの長い道のりが完成することになる。この2カ所を歩いて渡るには相当な時間がかかるが、あえて歩くならばレベル80以上は必要ではないかという。
パーティプレイについては、パーティを組んでいる時だけ倒せる専用のモンスターが登場する。通常のモンスターとは外見が異なり、やや強い設定になっているという。パーティでレベリングする際の優遇措置ということになるだろう。 また、一定のクエストを達成しているメンバーで編成したパーティでのみ戦えるユニークモンスターも追加される。パーティ専用のクエストとなっており、戦闘時は他のプレーヤーが進入できない専用マップで行なわれる。「ケルベロス」といったモンスターが登場するそうだが、パーティ向けにかなり強力に作られており、ソロではおそらく倒せないという。またこのモンスターには、強力なスキルを持ったキャラクタを狙うという特性もあるという。
システム面での改良も加えられ、モンスターをターゲットした際に、レベルや種別が見えるようになった。またマップが切り替わった際に、街の簡単な情報などが表示されるようになっている。
動作環境については、現在の「SiLKROAD ONLINE」からほぼ変化なし。データが増える分、必要なHDD容量だけは増えるとしている。 実装までのスケジュールについては、まず7月上旬に「Fantasy Odyssey」のテストを行なうとしている。テストには、6月1日時点で「SiLKROAD ONLINE」の会員になっているユーザーが参加可能。専用のテストサーバーで行なわれ、初期状態からスタートする1次テストの後、既存のキャラクタでプレイできるなどの優遇措置をとった2次テストを行なうという流れになる見込み。その結果を踏まえて、7月26日に本サーバーへの実装となる。
このほか、今回の発表においては余談となるが、開発元の韓国Joymaxでは、イスラム圏の構想があることが椎葉氏から明らかにされた。現時点ではまだ構想のみで制作にも入っていない段階だそうだが、「Fantasy Odyssey」に続く第3の大規模アップデートという位置づけになるようだ。椎葉氏によると、「開発はシルクロード以外に広がっても構わない、SFみたいな世界に繋がっても構わないというくらいのイメージを持っているみたいです」と語っている。内容については賛否両論あることとは思うが、今後のアップデートに積極的な姿勢が見えることは、ユーザーには何より安心なことと言えるだろう。
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□ゲームオンのホームページ (2007年7月2日) [Reported by 石田賀津男]
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