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(28日~29日は業界関係者招待日、30日~1日は一般公開日)
会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール
入場料:無料
ここ数年のトレンドとしては、少子化から来る子供をターゲットとした商売が難しくなりつつあることから、各社は大人をターゲットとしたホビー系の商品に力を入れ始めている。盆栽やろくろ、といった大人といってもかなり高齢者を対象とした商品も注目を集めている。
筆者の個人的な印象では、昨年は比較的新しいアイディアの商品が見受けられたが、今年はその流れに沿った商品が多く目に付き、驚くような商品は少なかったように思う。全体的な流れとしては、より大人向けにシフトしている雰囲気があり、低学年層に訴求するためにはキャラクタを作りコミックやアニメなども巻き込んだメディアミックス展開で大きく仕掛けなければならず、各年齢層に向けてまったく違った展開でそれぞれ市場を構築しなければならず、業界として大変な印象だった。
■ ゲームとの連動商品が多数登場
すでに以前から弊誌でも紹介しているソニー・コンピュータエンタテインメント・ジャパンのプレイステーション 3用ソフト「THE EYE OF THE JUDGMENT」のカードはタカラトミーなどから発売される。今回、タカラトミーのブースでも出展されており、簡単に遊ぶことができる。カードを同梱のカメラにかざすとデータを読み取り、画面上にはモンスターが召還され、戦いを繰り広げる。
非常に美しいグラフィックスと相まって、来場者の評判も良いようだ。プレイステーション 2では実現できなかったゲームであり、プレイステーション 3の優れているところをよく現わしているソフトだ。ネットワークに接続すれば対戦も可能で、そういった意味でも注目だろう。
このほかでは、バンダイブースで出展されていた「デュエルポッド」も注目だ。液晶の付いた玩具とカード (タグ)、PCゲームと連動しているところが新しい。ゲームの流れとしては本体の小型の液晶玩具「デュエルポッド」のカラーセンサーで様々な色をスキャンしモンスターを召還。デッキを構築して他のプレーヤーと (赤外線通信などで) 戦うことができる。
さらに、「デュエルポッド」にはクレードルが付いており、クレードルを通じてPCとデータをやり取りできる。ネットを通じた対戦にも対応しており、子供達にとってはパソコンを使うと言うことで敷居が高い一方で、少し背伸びした遊びとして注目を集めそうだ。同社が意識しているのかはわからないが、「デュエルポッド」本体のデザインも黒を基調にスッキリとした大人を意識したデザインで、非常にカッコイイ。
また、「デュエルポッド」専用のカラータグが発売となり、背面のからタグを読み取らせるとここでしか手に入らないモンスターや魔法が手に入るという。
「獣神伝 アルティメットビーストバトラーズ」はニンテンドーDSのアドバンスのゲームカートリッジスロットに読み取り機をセットし、カードをその読み取り機にかざすことでデータを読み取り、後はニンテンドーDSを使って戦闘を行なうというシステム。このカードの読み取りが非常に良くできており、カードの一部分をかざすだけで瞬時に読み取ってしまう。子供などはカードを汚すこともよくあることかと思うが、そこでデータを読み取れなくなるという心配が減るというわけだ。
また、人気の高い「武装神姫」のコーナーでも、フィギュアの7thシリーズとなる「ハイスピードトライク型MMS アーク」と「ハイマニューバトライク型MMS イーダ」が出展されている。こちらもPCゲームとの連動が計られているが、会場でもPCが設置されており遊ぶことができる。また、今後も様々な仕掛けが導入されていくようだ。
リアルな玩具とゲームはなかなか接点がなかったが、ここに来て周辺機器も登場し新たな展開を見せ始めたようだ。
■ ラジコン系では、超小型ヘリ「ヘリQ」や空中バトル可能なロボット「エアボッツ」に注目
数年前に小型のカーラジコンが流行し、昨年は室内型のヘリコプターや飛行機のラジコン (赤外線コントロールを含む) がヒットを記録した。今年はラジコン専門メーカーの出展が若干少なく感じたが、大手メーカーもラジコン関連商品が軒並み減ったような印象だ。
そんな中圧倒的に目立っていたのがタカラトミーブースに出展されていた「ヘリQ」。商品名を見てもらえれば分かるとおり、チョロQのヘリコプター版だ。とにかく衝撃的に小さく、手のひらにすっぽりと収まってしまう。ちなみに重さは10g。サイズはローター込みで140mm。小さい割にはしっかりした作りで、デザインも丸く可愛く仕上げられている。会場では実演が行なわれていなかったので確認できなかったのが残念だ。充電時間約20分で飛行時間は約5分。色はブルーとレッド、イエローの3種類。赤外線コントロールで10m程度離れてもコントロールできる。
基本的にはパワーと旋回しかできないため前進など残った飛行はできない。しかし、ここがアイディア賞もので、チョロQの後ろに10円玉を挟むことでウィリー走行するように、「ヘリQ」の底部に1円玉を挟むと前傾姿勢となり、通常とは違った飛行を実現できるという。アイディア次第で様々な飛行が楽しめそうだ。
このロボットをぶつけ合って落ちたほうが負けという空中バトルを楽しめる。パワーの強弱だけでなく、この電力供給の紐をうまく操ることが勝敗の分かれ目となりそう。手元のコントローラには単3電池が4本セットし、1日10分程度遊んで1週間程度もつのだという。後々は武器などを持たせてグッズ展開を図り、大会なども開催する可能性があるという。
単純ながらも空中戦というのは燃えるものがある。さらに電源コードを引っ張っているという、絶妙なアナログ感がまた楽しい。ちなみに同商品には透明のゴーグルが付属する予定。これは、機体が発泡スチロールでできているとはいえ、危険面に配慮してのことだという。
■ 大ブレイク! 「エアギター」関連製品が勢揃い!!
流行に敏感なおもちゃ業界のこと。前回行なわれたタカラトミーの商談会で紹介した「AIR GUITAR PRO エレキギター」だけでなく、会場にはあちこちでエアギター商品が出展されていた。
一番本格的なのは前述の「AIR GUITAR PRO エレキギター」。プリセット曲10曲に合わせて演奏するだけでなく、ある程度コードを演奏することができる本格派。さすがエアギタージャパン公認のオフィシャルモデル。ちなみにネックの部分を再現した本体の形となっているが、そこから赤外線が照射されており、この赤外線を遮ると「ジャーン」とギターの音が鳴る仕組みとなっている。アンプとスピーカー内蔵で、外部から音源を接続してスピーカーとして使用することもできる。
このほかでは、メガハウスのブースで「エアーミュージシャン」が出展されていた。こちらは腕にセットしてショックセンサーを利用して腕を振るとギターのフレーズが1フレーズ演奏される。「AIR GUITAR PRO エレキギター」が演奏までを視野に入れている商品だが、こちらはよりパフォーマンスを重視した作りとなっている。だれでもタイミングよく腕を振ることでギタリスト気分を楽しめる。収録曲はディープパープルの「Black Night」、「Smoke on the water」、エアロスミスの「Walk this way」、T-rexの「20th Century Boy」、Lenny Kravitsの「Are you gonna go my way」。
もう一つはハピネットブースに出展されていた「エアギターしようぜ!!」。ピックの形をしており、より手軽に楽しめるタイプ。振動センサーでリズムよく振るとギターのフレーズをかき鳴らす。4種類あるがそれぞれ違う曲を収録している。
■ セガトイズブースにはペットロボットがズラリ
数年前にペットロボットが大流行したが、ここ最近では成りを潜めている感じだ。ところが今年のセガトイズのブースには非常に多くのペットロボットが出展されていた。リアル系からロボットっぽいデザインの物まで様々な種類が用意されている。
最も注目なのは大きな目を持った「MIO」。全体的にコロコロしたデザインで、可愛らしい。頭部と鼻、あご、背中にタッチセンサーが仕掛けられており、コミュニケーションをとることができる。しかし、もっとも中心なのが大きな目だろう。この大きな目には様々なグラフィックスがコロコロ変わって表示され、感情を表現する。
このほかにもあごを触るとネコのように機嫌をよくして、耳やしっぽを振りながら歩き出す。またエサを欲しがると骨型のアイテムを口に持って行くとさらに機嫌が良くなる。4曲の音楽を奏でる仕組みも搭載。
ちなみに、「MIO」はミオ語を話す。飼い主が話しかければこのMIO語で返答してくれるのだという。
このほかでは、夢ペットシリーズの最新作として「夢ねこスマイル」、「夢こねこ」、「夢ひよこ」、「夢おうむ」、「夢ふくろう」が発売となる。これらはリアル指向で、特に「夢おうむ」は非常にリアル。一瞬本物と区別がつかないくらいだ。
逆にデザインされたペットロボットもセガトイズは得意とするところ。「i penguin (アイペンギン)」や「I-DOG US」、「I-CAT US」などが今回出展されていた。
■ つないですぐ遊べるゲームは、まだまだ登場
若干主流とは離れるが、注目したいのが「PC-DARTS」。PCに繋ぐ事のできるダーツで、「TV-DARTS」のバージョンアップ版となる。しかし、PCに繋ぐことでデータを保存することもできるようになり、ぐんと扱いやすさがアップしている。USBで接続することでバスパワードに対応し、電源が不要。PCさえあればキャンプ場などでも遊べることになる。
さらに「TV-DARTS」では点数の表示等しか行なわれず、若干地味な画面構成だったが、「PC-DARTS」では高得点を出すとムービーが流れるなど、演出面でもパワーアップしている。また、CPUと対戦してひとりで楽しむことも可能。
バンダイブースでは従来シリーズを踏襲する「ドラゴンボール」の体感ゲームなどを出展していたが、参考出展で「影発動体感! ブルードラゴン-極めろ! ファイヤークライシス!-」が出展されていた。銀色のパーツを指にセットし、動かすことで照準を動かしていく。さらに両腕を左右に激しく動かすと影のドラゴンを発動させることができ、敵に大ダメージを与える攻撃が可能となる。グラフィックスの再現度も高く、注目したい商品だ。
このほかでは、エポック社が出展しているテトリスノミ形のコントローラがカワイイ「みんなのテトリス」が7月28日に発売となる。簡単なものから難しい物まで11種類のゲームが収録されており、2人対戦も可能となっている。
■ その他
上記以外のいくつか目立った商品をチェックしてみた。
(2007年6月28日)
[Reported by 船津稔]
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