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6月6日に待望のバージョンアップが行なわれた。「アトルガンの秘宝」ミッションの最新パート追加をはじめ、「青魔道士」、「コルセア」、「からくり士」のメリットポイント「グループ2」による新アビリティ、ジョブ特性の追加、さらに「プロマシアの呪縛」の難易度緩和など、多岐にわたる内容になっている。 今回は、アップデートで実装された数々の新要素の中から、多人数バトル「エインヘリヤル」をお届けしよう。エインヘリヤルの参加人数は最小で6名から最大では36名までと、アライアンス規模が最大だったサルベージを上回る「アトルガンの秘宝」最大のバトルコンテンツ。「FF XI」全体でも「デュナミス」に次ぐ大規模コンテンツとなっている。
ちなみにエインヘリヤルは連続参加を避けるため、1度参加した後は、地球時間で72時間が経過するまで再入場できないようになっている。本稿執筆においては実装直後に1回、その後に3回の合計4回参加してみた。前半では基本的な概要とそれに対する考察、そして後半では体験模様を書き記した。基本システムやルールについては、公式サイトのこちらも参照いただきたい。
● 「煙の出ているランプ」を購入する
エインヘリヤルのガイド役はナシュモにいるNPCのKilushaという少々性格にクセのある女性。彼女から挑戦権利の購入やエインヘリヤルに関する情報を確認できる。また、「闇血のアンプル」というエインヘリヤル専用ポイントを交換して報酬を得られる。 エインヘリヤルの参加条件は、拡張ディスク「アトルガンの秘宝」を登録していること、そしてレベル60以上であることだけだ。ミッションの進行度合いは関係ない。内部ではデュナミスと同様に、パーティやアライアンスに属していることとは関係なく同じ敵を協力して攻撃できる。 挑戦権利のアイテムである「煙の出ているランプ」は、Kilushaに18万ギルをトレードすることで購入できる。コンテンツに挑戦する人数でランプの費用を負担するのが定石となるだろう。最小人数の6名なら1人あたり3万ギルの費用、最大の36名ならわずか5,000ギルとかなりお手軽な価格になる。このランプを使用して内部に侵入すると、ヴァナ・ディ-ル時間で72日間、地球時間で72時間、再侵入はできなくなる。丸3日ごとに挑戦できる計算だ。
● 舞台となるのは「ハザルム試験場」
ハザルム試験場奥にある広間は、「第Iウィング」、「第IIウィング」、「第IIIウィング」と構成が3段階にわかれている。そして各ウィングにはそれぞれに3つの広間があって攻略することで“だいじなもの”が手に入る。だいじなものをすべて揃えると、次の段階のウィングに挑戦できるようになる仕組みだ。 部屋の中には、大量の雑魚モンスターと“冥府の門番”と呼ばれるボスモンスターが待ち受ける。出現するモンスターは、ランダムになっていて、同じ部屋に挑んでもその都度内容が異なるようだ。ただし、上記の内容は第Iウィングの一部の様子だけで判断した情報で、基本線は変わらないと思うが先のウィングの仕様はまだわからない。 ● 特徴的な占有時間 エインヘリヤルの大きな特色のひとつが占有時間の短さだ。占有時間はわずか30分しかなく、大人数規模のバトルコンテンツとしてはかなり短い。この占有時間に対しては、捉え方や考え方によってかなり印象が異なるだろう。まず、戦闘時間として考えると短く、殲滅速度が問われる厳しい時間制限に思える。だが、コンテンツのプレイタイム、拘束時間として考えると、アサルト作戦と同等の時間であり、参加人数の規模に似合わずあっさりとした仕様となっている。 現時点では、前者の戦闘時間としての短さがネックに感じられる。だが、攻略方法が確立されて事前準備や突入前の説明等がすんなり済むようになれば、拘束時間の短さや手軽さがメリットとして目立つようになっていくように感じる。大規模コンテンツでありながらプレイタイムとしては短時間で手軽という、理想を目指すような難しいバランスにチャレンジしている。また、他のグループが占有する時間としても30分であり、すでに占有状態にあるとしても待てない時間ではない。 バトルコンテンツとして大規模なため、専用リンクシェルなどに参加して挑むスタイルが望ましいが、そうしたリンクシェルに参加していくにあたって、躊躇したりネックに感じてしまうのが、拘束時間の長さや心理的な負担の大きさだ。デュナミスの初期の頃もそうだったように、ある程度セオリーが見えてくるまでは多少の混乱はあるかもしれない。事前準備や説明などは浸透してくれば短縮できることがあり、徐々に親しみやすいものになっていくのではと感じた。 ● 「免罪符」をはじめとする大きな報酬
そして、エインヘリヤル報酬の目玉と言えるのが「免罪符」だ。今回、筆者が挑んだかぎりでは残念ながら確認することはできなかったが、公式発表で「ヴァナ・ディール各地で入手できる既存の『免罪符』の一部に加え、新たな『呪物』の『免罪符』2種類を入手できる可能性があります」としている。本連載でもお伝えしてきた開発運営陣によるトークセッションで触れていた「免罪符の新しい入手手段」だ。 気になるのは出現率、そして既存の「免罪符」の“一部”としている一部がどの程度なのかという点だろう。最短でも3日ごとに挑めるので、大人数で挑むものだけにすぐすぐというわけにはいかないが、継続して挑むことで確実な入手機会となる。
また、雑魚モンスターの撃破時に、「バルラーンの深省録」というアイテムが出現した。これは使用すると300前後の経験値を得られるアイテムだった。大きなものではないものの、「アトルガンの秘宝」ディレクターである小川氏がトークセッション等で話していた、“ちょっとしたおみやげ的なアイテムを入れたい”という考えの一環だろう。
まずは2度目の挑戦模様を紹介していこう。このときの参加人数は29名。ほとんどのメンバーはまだ初挑戦のようで、ナシュモへの集合から始まり、概要の説明なども必要だったため、出発までには多少の時間を取った。 エインヘリヤル自体の占有時間は30分と短いのだが、大人数ゆえにジョブ構成の調整や準備等に時間がかかってしまい、実質占有時間以上の準備時間がかかる。だがこれは初回ゆえのものであり、前半にも書いたように慣れてくると短縮されていくことだろう。 ナシュモの西側より出てハザルム試験場へと移動する。途中にはレベル75でも襲われるインプやチゴーがいるので注意は必要なのだが、道のりを理解していれば襲われつつも走り抜けてしまってもいい。肩慣らしに人数に物を言わして殲滅してしまうのもいい余興だ。 ハザルム試験場は洞穴のような場所で「試験場」という科学的な名称のイメージとは少し印象が異なる。ナシュモにいたNPCのKilushaが言うところの「マウス」の身体能力を見るための広いスペースがメインの場所なのだろうか。あまり人工的な物は見られず殺風景だ。入り口から地下に下った先に広間があり、そしてその正面に「Entry Gate」という門がある。 ここで代表者が購入してある「煙の出ているランプ」を門にトレードして広間の選択と占有を行なう。今回は第Iウィングに挑戦するため、ランプを使えば誰でも侵入できる。だが、今後、第II、第IIIウィングの広間に侵入するには、参加者全員に「だいじなもの」の所持が求められる。この点は事前に全員が所持していることの確認が必要になるだろう。先々には挑戦するウィングとだいじなものの所持を事前に各自が理解しておかないと、侵入したときに侵入できないメンバーなども出てしまいそうだ。 「煙の出ているランプ」をトレードすると「灯されたランプ」に変わり、占有時間30分が始まる。「灯されたランプ」はアイテムとして使用すると増えるので、他の参加者は増えたランプを受け取りそれを門にトレードして内部に侵入する。各パーティのリーダーに渡して個別のメンバーに配布するやり方がいいだろう。占有時間はこのときにも刻々と過ぎているため、スピーディーな配布が求められる。
挑戦した部屋は「ロスヴァイセの間」。ランプの配布も終わっていよいよ広間内部に侵入する。ちなみにプロテスやシェルをはじめとする強化魔法は侵入前にかけても維持される。ランプ配布に前後して強化魔法をかけておくと効率的だろう。内部は広く円形に近い形の広間だ。全員が侵入したことを確認し、まずは少し前進して敵を確認する。どんな敵が待ち受けてるのか毎回変化するため、戦い方を左右する重要なポイントだ。
基本戦術として、多数の敵を相手にするときの定石手段「睡眠」を使用した。黒魔道士のスリプガや吟遊詩人の魔物達のララバイなどだ。魔法を使う順番を決めたところで、一人が敵を誘い込む。 ピョンピョンピョンピョンとはね回る多量のチゴーをつれて仲間が戻ってくる。チゴーたちは敵対心を共有しているのか、分散することなくすべてやってきた。大量のチゴーが攻めてくるのはなんだか思わず笑ってしまうような光景なのだが、大規模戦闘では、立ち上がりに失敗して全滅という構図が非常によくある。実際は笑っている場合ではなく、うまく敵をまとめて寝かすことが重要な、大事な立ち上がりだ。 チゴーというと、アビリティやWSで一撃で倒すことができる特徴があるが、ここのチゴーは特殊なのか、その弱点がない。正攻法で個別に撃破していく必要がある。睡眠が解けた直後に眠らせ役のメンバーが集中攻撃を受けて倒されないよう、細心の注意を払う。 途中、Huginn(フギン)という名の死鳥のモンスターが1匹だけ徘徊しているのが見えた。倒そうと試みるも、こちらに近づいてくるまでの間にほどなくして消えてしまった。なんらかのギミックがありそうな敵だ。 そうしたことがありながらも、チゴーをほどなく殲滅。順調な滑り出しに意気の上がる一行。次は屍犬たちだ。敵を誘い込むメンバーのあとに続いて、吟遊詩人で参加していた筆者も眠らせるためについていく。攻撃を仕掛け、屍犬たちが一斉にこちらへと向かってきた。ここで思いがけなかったのだが、筆者の画面には屍犬が4、5匹しか見えてなかったのだが、表示範囲よりさらに奥から多数の屍犬が近づいてきた。予想外の数がきて軽いパニックになりつつも、なんとか眠らせ役の仲間とうまく連携してほぼ全てを眠らせることができた。
チゴーのときと同様に個別に殲滅を開始していったのだが、その数がすごい。15、6匹はいただろうか。先のチゴーもこれぐらいの数はいたのだが、屍犬のほうが迫力があって緊迫感が強い。挑発など敵対心を上げられるアビリティをひたすらに駆使する前衛ジョブのメンバー。見るからに危険な状況であることを全員が感じつつ、できるかぎりの最善を尽くしていた。この“危機的状況をなんとか協力して乗り越えつつある”という感覚がなんといっても醍醐味だろう。
吟遊詩人で参加した筆者は、ひたすら敵の睡眠状態を維持し、ブレスによる仲間の麻痺をいやし、途中、集中攻撃を受けて倒れたメンバーをレイズで蘇生する場面もあった。それでも少しずつ屍犬を倒していき、ついにすべて殲滅できた。残るはボスだけだ。だが、ログには残りの占有時間は残り10分。急ぎボスにとりかかる。
このときに得た感触としては、屍犬やチゴーといった雑魚モンスターには、特殊な戦法は求められず、多数のモンスターを相手にするときの定石である睡眠からの個別撃破を軸にした戦法で十分に通用した。例外となるケースはあるかもしれないが、この基本的な戦法をフル活用したいところだ。また、敵の数が多いため、一度のミスで崩されてしまいそうな緊張感はあったものの、行動自体はそこまで難易度の高いことを求められたわけではなかった。最終的には30分という占有時間の短さ、殲滅速度が勝負のポイントになるのかもしれない。 だが、実は1回目のチャレンジでは、ダークエレメンタルが10数体出現し、立ち上がりで一気に全滅させられるという事態にも遭遇した。挑戦した広間は2回目と同じ「ロスヴァイセの間」なのだが、まったく違うタイプの敵が出現した。このときはわずか16名で挑んだのだが、立ち上がりの睡眠を狙ったもののうまくまとめて眠らせることができず、さらにエレメンタル族の特徴である物理攻撃の耐性にも苦しみ歯が立たなかった。ある程度出現する敵にあわせた戦法の確立、そして慣れが必要だろう。
また、出現した敵はダークエレメンタル以外には中央にモルボルがいるのみで、他には見かけなかった。2度目の29人での挑戦ではチゴーと屍犬と2種類のモンスターがいたほか、その数も非常に多かったことを考えるとだいぶ差がある。ここは憶測だが、参加人数で敵の数が変わってくるのかもしれない。
だが、それも決して甘いわけではないようだ。選んだ広間、敵のタイプとこちらの構成、そしてそれに対する対応によって、あっさりと失敗に終わってしまうような幅のあるバランスを感じた。ジョブバランスとしては、戦法の軸にスリプガやララバイといった睡眠系の魔法が重宝しそうなところから、吟遊詩人や黒魔道士が依然として重宝がられるのは間違いない。また青魔道士も範囲睡眠効果のある「シープソング」、「サペリフィック」、「ヤーン」を扱える(範囲ダメージの追加睡眠効果だが「松ぼっくり爆弾」もある)。 報酬面としては今回の検証では確認できなかったが、「免罪符」が得られるというのであれば文句のないところではある。「闇血のアンプル」というポイント交換による着実な報酬や、雑魚モンスターから得られた経験値取得アイテムも嬉しいところだ。
全体的には、人数規模こそサルベージ以上なものの、占有時間にして30分、舞台も広大ではなく、入ってすぐにバトルが始まるなど手軽さが感じられる。出現するモンスターはどれほどのバリエーションがあるのかはまだわからないが、出現する可能性がある敵に対して、どういう戦法で挑むのかを経験を積み重ねてしっかり確立させていくことが大事だろう。チームプレーの練度をあげる意味でも、固定メンバーで挑むのが望ましい点はあるが、後々には意外と、手軽に短時間で遊べるコンテンツになってくれる可能性もあるのではないだろうか。ぜひともうまいバランスにたどり着いて欲しいところだ。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年6月22日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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