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会場:ロックワークス本社
■ ユーザーと一緒に作り上げていくMMORPG「九龍争覇」
初日の16日は、なにぶん前例のないイベントだけに、せっかく当選しながらも「本当に交通費を負担してくれるのか?」と半信半疑になって急遽参加を取りやめたユーザーも多かったようで、10名のうちわずか3名しか参加していなかったが、いずれも北海道と富山という遠方からの参加だった。交通費を全額負担することで、物理的な距離のハードルを下げるという効果は確かにあったようだ。 「九龍争覇」は、韓国では2005年12月に正式サービスを開始したMMORPGだが、人気不振から2006年8月にビジネスモデルを月額制からアイテム課金制に切り替え、NEXONの元で新たに運営が行なわれている。現在、韓国のほか、北米、台湾等でもサービスが行なわれているが、ビジネスモデルの変更に伴い、現在ゲームの大がかりな再開発も行なわれている。ロックワークスが準備を進めている日本語版もこうした動きに合わせたものだ。 すでに一度正式サービスを開始したMMORPGであるため、オンラインゲームとしてベーシックな部分は完成しているものの、韓国産MMORPGではありがちな、「九龍争覇」と謳っているにも関わらず、9つの門派が揃っていなかったり、インターフェイスが不統一だといった不備が多々ある。そうした部分をキッチリ盛り込みつつ、さらに早い段階でユーザーの意見を吸収し、よりクオリティの高いMMORPGとしてサービスを提供するための試みが「先行プレミアム試遊会」だ。 試遊会は、前田氏によるサービススケジュールの発表を皮切りに、約2時間のフリープレイ、実装エリアを舞台にした徒競走大会、アイテム命名イベント、改善要望ミーティングなど盛りだくさんの内容だった。 「九龍争覇」のサービススケジュールは、今夏にクローズドβテストを実施し、今秋よりオープンβテスト、正式サービスは今冬予定としている。薄利多売の傾向が見られる昨今では珍しくゆったりとしたスケジュールだ。ビジネスモデルは、韓国同様アイテム課金制を予定。なお、クローズドβテストに際しては、公式サイトやWebメディアを通じて行なう募集をファンサイトにまで広げ、ファンサイトにて募集を行なう試みを行なうとしている。募集する権利は「CBT指名権」として、今回のイベントの参加者に一律付与される。募集枠は1人当たり100名で、これを機にファンサイトを立ち上げようという参加者も多そうだ。
また、命名イベントにて命名されたアイテム、NPCもクローズドβテストにて実装する。本日は雲竜刀と青雲の剣という2つの武器の命名が行なわれ、参加者のハンドルから超矢刀、亜龍剣と名付けられた。各回のイベントごとに2つずつ命名が行なわれるため、
ユーザーが名前を付けた武器やNPCたちが都合16個誕生することになる。
■ 「九龍争覇」先行プレイでは、ポテンシャルの高さとチューニング不足の両方を確認
キャラクタメイキングはオーソドックスな内容のもので、名前、性別、顔、髪型、服装、各能力値(筋力、気力、知恵、健康、敏捷)を設定し、最後にスタート地点となる出身地を決めるとゲームスタートとなる。各出身地には、いずれかの門派の根城があり、行きたい門派によって出身地を決めるという形になる。 キャラクタメイキングを終えると、いきなり出身地に向かうこともできるが、チュートリアルステージとなっている村を挟むこともできる。この村では、途中で出会う野水伊織なるガイド役のNPCと村人たちから、ゲームの基本的な操作を学ぶことができる。 この操作方法の学び方がユニークで、テキストで解説するのではなく、丸ごとインゲームムービーになっており、フルボイスで解説してくれる。この音声はすでに日本語に吹き替えられており、オンラインゲーム初心者にも理解しやすい。非常に丁寧なチュートリアルだ。 その一方で、武侠の世界観を重視するあまり、解説のテキストに常用漢字を外れた武侠用語が多用されていて、読んでも意味がわからなかったり、そもそも読めなかったりして、本格武侠MMORPGのハードルの高さを実感した。これについては、用語解説機能やルビを振るなどの対応を検討しているという。 チュートリアルをひととおりクリアすると出身地に飛ばされ、ゲームスタートとなる。「九龍争覇」ではクエストを「江湖風雲録」と呼び、自分だけの秘録を紡ぐ形でゲームが進んでいく。今回の出身地である天津に足を踏み入れると、周囲には頭上に感嘆符を掲げたNPCが点在し、「江湖風雲録」の始まりを知らせている。クエストにはお使いから、イヌや浮浪人退治、アイテム探しなどの簡単なものからスタートし、徐々に難しくなっていく。これらをクリアすることで、アイテムや経験値を得て、キャラクタを強くしていくことになる。 街の機能として重要なのは、武功修練所である。「九龍争覇」ではスキルを「武功」と呼び、武官からお金を払って購入する。武功には、近接、間接、補助といった系統があり、もっとも多用する攻撃スキルを、武官のすぐ側にある武功修練所で磨くことができる。具体的には、ずらりと一定間隔で並ぶ修練マシンで、修練するスキルを選び、タイミングを合わせるミニゲームを繰り返して、修練度を上げていく。 そのほか、マジックポイント(MP)に相当する気功に関してもミニゲームがあったり、防具に防御力が設定されておらず、防具に付与されたポケットに特定のアイテムを入れて強化する防具システムなど、武侠という特異な世界観をうまくゲームに落とし込んでいると感じられた。まだまだ荒っぽさが散見されるが、しっかりチューニングすれば、武侠ファンのみならず、一般のオンラインゲームファンを引き込めるタイトルになるかもしれない。 さて、試遊会後半に実施された徒競走イベントは、門派のひとつ「開幇」の拠点である天津をスタート地点に、定州、済南、合肥、白門という互いに隣接する計5つのエリアを舞台に、途中4つのチェックポイントを経ながら一気に駆け抜けてゴールにたどり着くというイベント。 単にマウスクリックで移動するだけでなく、「酔裡乾坤身法」と呼ばれる移動速度が通常の数倍になるスキルを用い、丸腰のまま危険地帯を疾走していく。賑やかしのためにメディアも参加したが、アクティブな動物や夜盗、追いはぎのようなモンスターがうじゃうじゃ居る中を、高速で突破していくのはなかなかスリルがあっておもしろかった。 レース後半は、騎馬型のモンスターや弓や鉄砲等で遠距離攻撃してくるモンスターにバタバタと倒される展開になってしまったが、1マップの中に複数の街があったり、滝や渓谷等の美しい景色、それから石窟、庭園等のいかにも武侠モノらしいランドマークが至る所にあるなど、さまざまな発見があった。
試遊会最後の改善要望ミーティングでは、インターフェイスのわかりにくさ、コミュニティ機能の詳細、強化システムの内容などについて質問が出された。インターフェイスについては運営側でも認識しており、ユーザーの意見をまとめ、韓国の開発側に要望として提出することを約束。コミュニティ機能については、Webサイトとインゲームで共通の掲示板を用意する構想が明らかにされた。
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□ロックワークスのホームページ (2007年6月18日) [Reported by 中村聖司]
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