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【SQUARE ENIX PARTY 2007 特別号その2】
まったりマイペースで「ファイナルファンタジー XI」の魅力をレポート

ファイナルファンタジー XI連載
~ヴァナ・ディール“近東”見聞録~

「ファイナルファンタジー XI」ブース 5th Anniversary レポートその2
新情報、知られざる豆知識、秘話が満載だったトークセッション総集編

 SQUARE ENIX PARTY 2007特別号その2では、「ファイナルファンタジーXI」ブースで行なわれた開発・運営スタッフによる「5th Anniversary トークセッション」を総まとめしてお伝えしよう。5月12日、13日に2回行なわれた内容をまとめ、写真と共にたっぷりでお届けする。

 トークセッションには、「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー田中 弘道氏、総合ディレクター河本 伸昭氏、「アトルガンの秘宝」、「アルタナの神兵」ディレクター小川 公一氏、バトルディレクター松井 聡彦氏、運営チームからグローバルオンラインプロデューサーSage Sundi氏が参加。12日ではここにアートディレクター相場 良祐氏、13日にはプランナー藤戸 洋司氏が加わった。

12日(初日)
・「アルタナの神兵」発表
・5年間を振り返って
・モンスターができるまで「プロジェクトXI」
・「冒険者からのお便り」
・今だから話せるエピソード「ヴァナ・ディール多事総論」

13日(2日目)
・「闘獣場」
・大人数バトル「エインヘリヤル」
・ジョブ調整
・ワールド移転サービス
・「冒険者のお便り」その2
・知られざる豆知識、小ネタを披露「ヴァナビアの泉」
・ヴァナ・ディールの経済を語る「経済最前線」


新拡張ディスク「アルタナの神兵」について

 なんと言ってもこの話題からだろう。両日ともに「アルタナの神兵」の話題からトークセッションは始まったのだが、インパクトの大きかった初日の模様を会場の様子も含めて書き起こしてみた。

--MC: さっそくですが、田中さん。メインスクリーンの裏に気になるロゴがありましたが

田中氏:なにかありましたか。ボクも今日初めて見たんですけど(笑)なんですかね、あれ。多分、河本か小川なら何か知っていると思いますが(笑)。

河本氏:多分、小川が知っています(笑)。

小川氏:自分も会場に入るのが遅かったので見ていないです(笑)。

田中氏:とりあえずそんなことよりも(笑)。今日は5周年ということですからね。これだけたくさんの皆さんに「FF XI」をプレイして頂いてきたので、恩返しの意味でもメモリアルムービーを作ってきましたから。それをまずご覧頂きたいなと思います。

メモリアルムービー上映中の様子  

    ……一番気になっている話題をはぐらかしたまま、メモリアルムービーの上映が開始される。ビデオは、厳かなBGMの中、「FF XI」本編やこれまでの拡張ディスクの内容から名場面が次々に映っていく。そして……。BGMが一転し、突如まだ誰も見た事のない世界が映し出された。瞬間、ざわめきが起こり。そしてすぐさま水を打ったような静けさに変わる。来場者の視線がスクリーンに注がれる。

     最後に「ファイナルファンタジー XI アルタナの神兵」のロゴが登場したところで、来場者から「オォー」という声が自然に漏れ、続いて大きな拍手が起こった。ムービーはそのまま「Winter 2007」の文字で締めくくられ、ここでもう一段大きい歓声が挙がった。

     すでにご覧になられた方も多いかと思うが、このメモリアルムービーの正体は最新拡張パック「アルタナの神兵」のプロモーションムービーだ。現在は公式サイトの「アルタナの神兵」特設サイトで観られる。

河本氏:ただいまのムービーが、次期拡張ディスク「アルタナの神兵」の世界初公開の映像でした。

小川氏:「アトルガンの秘宝」では近東に世界が広がったヴァナ・ディールですが、次の冒険の舞台は東の国でも西の国でもありません。映像の中やテロップにヒントが隠されていたと思います。

--MC:もう少しなにか教えてもらえませんか

田中氏:残念ながら今日お伝えできるのここまでなんですよ。開発はまさに佳境に入っていますので、順次皆さんに情報をお伝えしたいと思います。

【筆者解説】
 当日のサプライズだった新拡張ディスク「アルタナの神兵」の発表。ムービー前半では、これまでの名場面を見てそれぞれが自分の記憶を思い出す。そして目の前に広がるのは、これから訪れる新たな世界。スクリーンをみつめていた来場者の方々から期待が最大限に高まり、自然な歓声が挙がったその瞬間は、日常ではなかなか味わえない素晴らしい瞬間だった。


「とくダネ ヴァナ・ディール」……新コンテンツ、新サービスなど最新情報を伝えるコーナー

「闘獣場」

松井氏:闘獣場は、専用のモンスターを使って、プレーヤー対プレーヤー、あるいはNPCと勝ち抜き戦をしたりして、ポイントを稼いだりランキングを競ったりして遊ぶコンテンツになります。現在開発途中なので未定ではありますが、モンスターには具体的な命令は出せないですけど、「ガンガンいこうぜ」とか「命をだいじに」的な指示を出せるようになると思います。

--MC:ボールかなにかを投げてモンスターを捕まえるんですか?(笑)

松井氏:あまり「キミに決めた」りはしないでしょうけど(笑)。ある方法で対象となるモンスターの遺伝子みたいなものを取ってきて、ベースとなるモンスターに掛け合わせていくような。そういう形式でプレーヤーキャラクタでいうところの、ジョブ特性をつけたりなど考えているようです。

--MC:導入時期が気になります

松井氏:残念ながら次回6月のバージョンアップには間に合わないのですが、その次の夏ごろを目処にがんばっているところです。今は構想を膨らますところは止めて、実装に向かっています。

「エインヘリヤル」

小川氏:「エインヘリヤル」は、未使用のエリア「ハザルム試験場」を舞台にした、毎回予測不可能な多人数バトルをコンセプトにしたコンテンツです。毎回出現する敵が異なって、臨機応変な対応が要求されます。

--MC:ナイズル島のアサルトに似ているように感じるのですが

小川氏:まず、定員が6人から36人になります。入場時にはデュナミスでいう砂時計のようなアイテムをトレードしてエリアを占有します。構成としてはボスがどーんと待っていて、その周りに雑魚モンスターがたくさんいてという感じです。そういう部屋がいくつかあるので、どれに進むかを選びます。その部屋の敵を30分以内に全滅させるとクリアといった感じで考えています。

--MC:エインヘリヤルではなにか報酬をもらえるでしょうか

小川氏:もちろん報酬はいろいろ考えてます。このエインヘリヤルでしか手に入らない装備品ですとか、毎回通うことでポイントのようなものが貯まっていって、それと交換できる報酬などもあります。

「ジョブ調整」

松井氏:アトルガンジョブのメリットポイントカテゴリー2を実装します。3ジョブともアビリティが2個、ジョブ特性が2個という形になりました。1ポイントずつ振れば4つ取得できますし、特定のものに最大3ポイント振ることもできます。

 まず青魔道士。アビリティのひとつは、範囲属性の魔法系青魔法を、単体効果にする代わりに威力をアップするというものです。これは範囲属性を単体にするだけでもメリットがあると思います。もうひとつは、自分自身にだけかけられる補助系効果の青魔法を、複数対象にするというものです。例えばコクーンとかですね。花粉などの純粋な回復魔法は対象外になります。

 ジョブ特性では、ブルーチェーン時のダメージボーナスを得られるものがひとつ。もうひとつは青魔法をセットするポイントの上限をレベル75に限ってアップするものになります。

 続いてコルセアです。ちょっとイカサマ的なもので、次に回すロールの数字を必ず1にするというアビリティです。もうひとつは、掛かっているロールの効果を消すというものです。主にバスト状態を消すのに使うと思います。

 ジョブ特性では、ひとつめがファントムロールの効果時間を延ばすもの。もうひとつは、ランダムディールであまり意味のないアビリティのリキャストを回復させてしまうことがあったのですが、リキャストが発生しているものだけを対象にするような特性になります。

 最後はからくり士ですね。マスターとオートマトンのHPを入れ替えるアビリティ「黒子チェンジ」が登場します。使いどころによってはかなりいい効果があるのでは、と思います。もうひとつは、マスターとオートマトンの敵対心を入れ替える「腹話術」です。

 ジョブ特性では、オートマトンを軽量化するイメージで命中(飛命)・回避・魔法防御がアップするものと、もうひとつは逆にオートマトンを最適化して出力をアップするというイメージで、攻撃(飛攻)・防御・魔法攻撃力がアップするというものになります。

--MC:その3ジョブ以外にはなにかないでしょうか

松井氏:あまり大きな変化はないのですが、基本的に強くしていく方向性でちょこちょこと修正を考えています。メリットポイント関連では、武器スキルや魔法スキルのカテゴリに対して上限アップを考えています。今調整中ですが、多分問題ないと思います。

「ワールド移転サービス」

Sage Sundi氏:ワールド移転サービスを今回発表するにあたり、本当ははっきりとした日付を言いたかったのですが、最後の調整が残ってますので、もう少ししたら告知できそうかな。大体6月から7月にかけてぐらいでサービスを開始できるんじゃないかと思います。料金は1アカウントあたり1回移転するのに3,000円かかります。1アカウントですので、最大16キャラクタを一度に移動できます。もちろんアイテムその他を全てそのままの状態で好きなワールドへ移転できます。

--MC:なにか制限などはないのでしょうか

Sage Sundi氏:一度移転をすると、90日間は再移転ができません。それがサービス面の唯一の制限ですね。ただし、リンクシェルのオーナーが移転するとリンクシェルが壊れてしまったりといったところはあります。

--MC:手数料が3,000円かかるということですが

田中氏:海外のMMORPGとかでも似たようなサービスがありますが、それらの相場よりは安くしようということで、いろいろと探りながら考えました。

【筆者解説】
 新情報、新サービスが語られた。遊び要素として新しい試みの「闘獣場」、コアユーザーを魅了しそうな「エインヘリヤル」。アトルガンジョブの新アビリティ・ジョブ特性、そしてワールド移転サービスと、全ユーザーに向けてバランスよく並んだ印象だ。ちなみにエインヘリヤルの舞台になるという「ハザルム試験場」がどのような場所かは、すでにあるシーンで語られている。さらにハザルム試験場のバックグラウンドは「闘獣場」の情報ともリンクする部分がある。


「ヴァナビアの泉」……ヴァナ・ディールの豆知識、ちょっとしたネタを紹介していくコーナー

「対象に向かって扇範囲」の青魔法は……
後ろ向きの状態で敵に撃つと単体攻撃になる。
バトルチーム権代 光俊

    松井氏:これは、魔法の仕組みがモンスターと共通であるためです。モンスターは後ろに向かって撃つなんてしませんから。ここをいじるとモンスターにも影響が出てしまうところです。不正な動きではありませんので(笑)。

ユーザー側の意見を主張する人ほど……
後々、能力や報酬のつけ方に厳しくなっていく。
イベントチーム 藤戸 洋司

    藤戸氏:林とか権代は本当に渋いんですよ。林は以前にデスサイズを作ったのを失敗したっていつも言っています。

タルタルの名前の由来は……
タルタルソースのタルタルなんです。
イベントチーム 岩尾 賢一

    --MC:タルタルソースとかタルタルステーキという料理がありますが、これはタルタル人という騎馬民族が生み出した調理法だったりして、当初の設定ではチョコボに乗っている騎馬民族ということだったので、仮の名前として「じゃあタルタルで。」と言っていたら、いつの間にかそれが正式名称になっていた、というお話でした。

チョコボ育成で、夜鳴きのときに毛織物を与えるとヒナが鳴きやむというネタは……
実体験に基づいている。
イベントチーム 京屋 陽子

    藤戸氏:彼女は犬を育てているそうなんです。あるとき子犬をもらってきたらずっと泣き止まなかったらしくて、そこで母犬の匂いをつけた毛織物を渡したら安心して寝てくれたと。……チョコボを育てていたわけではないですよ?(笑)。

ナジャの台詞にある「相棒」という単語が……
間違って「愛棒」になっていたことがある。
イベントチーム 鈴木 将敏

    --MC:日本語ならではですけど、これ間違いですよね……?

    小川氏:いや、間違えて、ではないようで。ちょっとびっくりしたんですけど。絵としても「私の愛棒が……。」と言いながらモーニングスターにスリスリしている場面で。さすがにこれはないんじゃないかと思ってダメ出ししました(苦笑)。

    --MC:しかしこれ、小川さんがダメだって言わなかったらそのまま世に出ていたんですよね?

    小川氏:自分がチェックする前に倫理規定のチェックがあったはずなんですけど……。そこは華麗にスルーしてたみたいで(苦笑)。

ムバルポロスのゴブリンとのダイス勝負には……
裏技がある。
イベントチーム 小川 公一

    小川氏:これは担当の者がこっそり仕込んでいたそうで。ダイス勝負をするときにギルを渡すのですが、ギルの数値をあの近辺のエリアにまつわる数値にして、それをある曜日に行なうと勝てる確率がアップするようになっています。その金額をトレードするとセリフも変化します。

GMチームの部屋にある会議室の名前は……
ガルカとマンドラである。
GMチーム Bylects

    Sage Sundi氏:ガルカの部屋のほうが大きいんですよ。15人ぐらい入れる部屋で。マンドラは8人ぐらいですかね。大小でそう付けたんでしょうけど。なんでタルタルじゃないんでしょうね。

    --MC:Sundiさんなにかヴァナビアをお持ちじゃないですか

    Sage Sundi氏:β時代のGMは赤くなかったんですよね。真っ黒の格好だったんです。あるとき専用に装備を作ってくれるということで何色がいいか聞かれて、「フェラーリの赤」って答えたら今のようになりました。

ヴァナ・ディールのカレーは……
みんなで食べるとよりおいしい。
バトルチーム 林 洋介

    松井氏:僕らの世代ではよくキャンプでカレーを食べたので、そういうことだと思うのですが。4人以上のパーティを組んでいるときにカレーを食べてみてください。効果がかなり違っています。

天候が変わると出現するエレメンタルと、召喚されるエレメンタルでは……
グラフィックがちょっと違う。
グラフィックチーム 波多江 由布子

    --MC:これはなにか理由があったのでしょうか

    松井氏:フィールドにいる敵は数が限られるので重いエフェクトなんですが、プレーヤーが召喚できるエレメンタルだと、最大でどれぐらいの数が出現するかわからないですよね。そのために少し違っています。

    --MC:ちなみに手元にある余談では、呪符デジョンと黒魔法のデジョンの効果音も違うそうです。なんでなんでしょう……

    河本氏:作った担当にしかわからないことがたくさんあるんですよ……(苦笑)

北米と日本のGMは……
ジェスチャーでコミュニケーションを取っている
GMチーム Duckbil

    Sage Sundi氏:普段の業務でそういう風にしているわけではなくて(笑)。ロサンゼルスと日本のGMルームって、Webカメラで24時間繋がっているんですよ。それで姿を見たらちょっかいを出す感じで。たまにジェスチャーで会話をしているんです。

GMも……
べドーで呪われることがある。
GMチーム Ebessany

    --MC:これは実際に試して見ました。(スクリーンの動画を見て)あ、呪われてますね(笑)

    Sage Sundi氏:ビシージにGMが入ると、レベル1になって装備が脱げちゃうんですよ。こういった開発からのトラップがけっこうあるんですよ。こういうのとも日々戦っています(笑)

【筆者解説】
 ムバルポロスのゴブリンとのダイス勝負や、「対象に向かって扇範囲」の青魔法、カレーなど、そんな要素が隠れていたのかと来場者を驚かせた。その一方で、GMがベドーで呪われるシーンなど笑いを誘っていた。


「冒険者からのお便り」……メールで寄せられた質問に答えるコーナー

Q:獣使いがさみしそうにこちらを見ています。仲間にしてもらえませんか?

Q:赤魔に追加魔法はありませんか?

    松井氏:獣使いに関しては私がやりますと言っておいてまだやれていなくて。早いうちにやります。お約束します。魔法の追加ですが、発表された拡張ディスク「アルタナの神兵」のタイミングで赤魔道士に限らず他の既存ジョブに追加していきたいと思っています。スタッフと共に作戦を立てているところですので、楽しみにお待ちください。

Q:からくり士がさみしそうにこちらを見ています。仲間にしてもらえませんか?

    松井氏:アトルガンジョブに関してはまだ要素が追加されまるのですが、からくり士に関してだと、魔法戦フレームの頭がありますよね。今は赤いものだけですが、白いものと黒いものを作ってもらえないかとプランニング中です。奈落の傀儡子で手にはいるアタッチメントももう少し出やすくしてもいいのでは、と思っています。これは……、急げば早くできそうですね。

Q:新ジョブのAF2はいつごろ実装されますか?

    小川氏:アトルガン新ジョブのAF2の実装時期はまだ未定になっています。ただ入手方法は検討が進んでいて、デュナミスではなくまた違う入手方法にしてみようかと考えています。

Q:プロマシアミッションがまだ難しいです。緩和してもらえませんか?

    河本氏:非常にお待たせしていますがやります。いつかではなく、6月の次のバージョンアップでやることを決めています。バトルフィールドの難易度調整、弱体アイテムの入手方法も、あるアイテムはEX/RAREを外したりします。クリア済みの人などお手伝いの方が集まるように、クリアしたときに経験値ももらえるように変更します。あと、プロミヴォンももう少し楽にできるようにします。

Q:現在、サルベージやナイズル島の難易度が高すぎて難しすぎます。今後なにか調整する予定はありますか?

    小川氏:サルベージの調整は次回6月のバージョンアップを予定しています。モンスターがインビュードアイテムを落とす確率を調整をしたり、サルベージ入場時にも宝箱からインビュードアイテムをいくつか入手できるようにする予定です。

     ナイズル島に関してですが、トークンの使い道がないというご意見がありました。難易度緩和も考慮してトークンでテンポラリアイテムを交換できるようにしたりなどを考えています。現在は5階単位で記録ができるのですが、これも調整しようと思います。あと、100階に到達した段階で記録が消去されるのを、100階にいるボスを倒した時に記録が消去されるように変更します。

Q:神威の耳は取り直しできるようになりませんか?

    河本氏:これも6月のアップデートで変更を予定しています。他にも(取り直ししたいアイテムは)ありますよね(苦笑)。それらも検討しています。今は作業中ですので、期待してお待ちください。

Q:女性にはウェディングドレスがあるのに、男性には何もないのはなんででしょうか? タキシードがほしい!!

    相場氏:あの~欲しいですよね(笑)。どうでしょう小川さん、欲しいということですが。

    小川氏:自分もぜひ欲しいので、皆さんの要望が届けば実現するのでは、と思います。要望が少ないと正直厳しいかもしれません。

Q:両手武器があまり活躍できない状況です。今後、笑顔で振り回せる世の中になりますか?

    松井氏:この場であまり具体的なことは言えないのですが、何かしなければという話をしています。どういう形にすれば一番いいのか色々と考えています。両手武器って片手の装備欄があいてますから、あそこに何か着けられるものを作れないかなど、アイデアを出しているところですね。

Q:コンテンツの追加も重要ですが、インターフェイスの改善の予定はないのでしょうか?

    河本氏:おっしゃるとおりで、大きい追加をやらなきゃと考えがちでこういう細かなところを後回しにしてしまいがちです。今考えているのは、「だいじなもの」のカテゴリーをわけて見やすくしよう、とか。あと、例えば護衛クエストを受けたときに受けたかどうかわからないのを、オファーリストに載るようにしようとしています。

    田中氏:インターフェイス周りは、ここ一年ぐらいずっとドイツ語版やフランス語版などを作っていたので、手が回らなかったのですが。そちらがようやくひと段落しましたので。やっていきたいなと思います。

Q:時々ユーザーイベントを行なっています。ユーザーイベントのレポートとして、具体的にどのようなサポートがあるのか教えていただけませんか?

    Sage Sundi氏:基本的には特殊エリアへの移動や、混雑緩和対策、音楽の変更などは問題なくできますね。もっとできることもあると思いますが、なにができるかは逆にご提案いただいたほうがいいと思います。

    松井氏:レベル制限にしろなんにしろ色々できます。提案していただいたほうがやりやすいですね。次期拡張ディスクではアサルトエリアのように何層もプライベートエリアが立ち上がりますが、遊び用の空間も用意できたらいいねとミーティングで話してます。

Q:五蛇将のクエストは追加されますか? 五蛇将コンバットの実装を希望します。

    小川氏:前回、天蛇将ルガジーン編のクエストを導入してからけっこう月日が経ってしまいましたが。いよいよ、次のクエストを導入できそうな感じになってきました。次が誰のクエストになるかは楽しみにお待ちください。

    --MC:五蛇将って人気がありますし、戦うことができたら人気が出ると思うのですが

    松井氏:五蛇将と戦うこと自体はそんなに難しくないかもしれないですが、舞台とか設定を凝りだすと大変になるかもしれないですね。でも、作れるとは思います。

    --MC:じゃあ、そうしたところを詰めると、松井さん作ってくれますか?

    松井氏:え、あ、僕が作るんですか。あぁ、じゃあ作りましょう(笑)。

    --MC:じゃあ、次のこういうイベントのときに遊べたらいいなという感じで(笑)

Q:免罪符の取得方法が追加されるのはいつ頃ですか? また、その方法は?

    小川氏:追加すると話してからだいぶお待たせしてしまいました。次回のバージョンアップで新たな入手方法を導入します。その方法に関してはまた焦らしちゃいますけど、楽しみにお待ちください。

【筆者解説】
 両日の来場者から寄せられた質問に答えるという、ユーザーと直接的なやり取りが見られたコーナー。今後のジョブ調整やプロマシアミッション、サルベージ、ナイズル島など新情報が多く語られた。両手武器の調整についても期待がかかるところだ。


「踊る! ヴァナ御殿」……開発・運営スタッフによるアンケートの解答を紹介

テーマ「もっとも楽しかった業務」

・「『アトルガンの秘宝』のミッション」
個性的な登場人物と奥深いシナリオで構成されており、作っていて本当に楽しいです。
イベントチーム 齋藤 富胤

    --MC:斉藤さんはアトルガンミッションのイベント演出を担当しています。アトルガンと言えば小川さんということで、小川さんにお聞きしましょう。

    小川氏:あまり色々言ってしまうとみなさんの楽しみを奪ってしまいかねないので。(スクリーンにイラストが映し出される)このイラストに書かれている「謎の騎士」ですが、今後のアトルガンミッションに深く関わってきます。アトルガンミッションをまだプレイされていない方もこれを機に体験して頂ければと思います。

    --MC:このイラストは相場さんが描かれたものということですが

    相場氏:「FF XI」では通常こういうイメージイラストを用意することはあまりないのですが。すごく大事なキャラクタなので、「ぜひ、描け」と言われて(笑)。

    --MC:丁寧にお願いされているのか、命令されているのかわからないですね(笑)。

・「印章バトルフィールドとデュナミス」
バトルフィールドは、それぞれの部屋を作る度に可能な範囲で凝って作れたのが楽しかった。デュナミスは、モンスター配置などが難しいけれど攻略できるというバランスを作るのが楽しかった。
バトルチーム 岡田 厚志

    --MC:今、会場にいるバトル関係の方と言えば松井さんですね

    松井氏:ミーティング以外の作業は基本的に楽しいのですが(苦笑)。デュナミスもミーティングを繰り返して作成しました。

・「『ヴァナ・ディール・トリビューンII』の執筆」
FFXIの世界観を縦に広げることができたので。
イベントチーム 岩尾 賢一

    --MC:岩尾さんは世界設定を担当している方で、現在では大規模なイベント、クリスマスや最近では練武祭ですね。イベントの告知に読み物として登場する物語を書いていたり、ゲーム内のクエストとして岩尾さんの書かれた読み物が導入されるなど、トリビューンの頃から色々と形を変えて登場しています。シナリオということで河本さんにお聞きしましょう。

    河本氏:岩尾の担当では、最近では五蛇将のクエストがそれに当たります。岩尾の頭の中にしかない設定というのが山ほどありまして(笑)、それを表に出すとき、岩尾が書いた読み物とするか、そこにイベント演出の手間を加えてクエストの形にまでするかどうか、いつも悩みどころです。そういうとき田中からは「クエストにしろー」って言われます(笑)。

・「i-Gamesなどのイベント」
緊迫した現地での立ち回りは楽しかった
OCR 大谷 恭仁

    Sage Sundi氏:i-Gamesというのは、北米にネットカフェチェーン店のようなところがあって、そこで500人規模ぐらいで行なっていたファンイベントです。年に3、4回開催していました。最近は年に一度大きなファンフェスティバルとして開催していますが、昔はこじんまりと8人ぐらいで荷物を抱えていって、一日イベントをやって一日で帰ってきてみたいにやってましたね。

    --MC:ボクも連れていってもらったことがあります。どこの国でも、みなさんから寄せられるご意見の内容とか、歓声の挙がるタイミングというのは同じで。同じゲームを一緒に遊んでいるんだなと感じますね。

テーマ「FFXIの業務の中で、もっとも苦労した業務」

・「『アトルガンの秘宝』のディスク製作」
新ジョブと新モンスターの作成が重なり、大変なことに……
おかげで休みなく働くことになりました。
バトルチーム 権代 光俊

    河本氏:深夜まで残って作業するのは意外に苦にはならないんです。ただ、家に帰って落ち着いてから、「バグです!」という電話がきて深夜に呼び出されるのが一番大変ですね。実を言うとボクは会社まで家が近いのですぐに自転車で行けるんです。なのでそれはまだいいのですが、その後にボクでは直せないと分かった時、遠い多摩川の向こうに住んでいる松井に「すいません、来てください」と電話をしたのが辛かったですね(笑)。

    松井氏:普段は検証作業をしっかり行なってますから、そこまでの急な事態はあまりないのですが。たまたまバージョンアップ中にサーバーを止めている時に、「重要な不具合が……」という電話がありました。電話があったのは午前の2、3時頃で、もう少しで始発だよという時間でしたが、河本のただならぬ気配を感じて、タクシーを呼んで会社に行きました(苦笑)。

・「サーバーの負荷軽減」
安定動作に支障を出さないようにするのが大変でした。
プログラムチーム 田中 啓介

    --MC:「FF XI」のサーバープログラムを担当している方です。実はメールアドレスに@(アットマーク)を入れるようにしようと、決定したメンバーの一人でもあります。同じ苗字ということで田中さんに伺いましょう(笑)。

    田中氏:どんな話の振り方やねん(笑)。ボク自身の苦労としては、今のサーバーにもまつわる話ですが。MMORPGって設備投資があまりにも大規模なゲームで、開発費が最初に大きくかかるんですね。これを経営の方に理解して頂くのが大変で。オンラインゲームっていうのはこれから絶対に伸びるんだ、と説得して。なんとか漕ぎ着けました(笑)。

    --MC:下手すると「FF XI」はなかったかもしれない、ということですか?

    田中氏:あの当時は……。映画のほうにお金がかかっていたので(場内爆笑)。そのどさくさにまぎれたこともあったかもしれませんね(苦笑)。

・「新しいGMポリシー策定」
二転三転、十転くらいしたのでまとめるのが大変でした。
バックエンドサポート 渡辺 賢作

各国の文化やユーザーの考えを意識しながら、懸念点の解消や調整を行なうのがとても大変でした。
バックエンドサポート 小浦 由希夫

    Sage Sundi氏:GMポリシーって、ユーザーにとってもGMにとっても対応するときの基準になるわけですが、GMは全部で全世界に百何十人といるわけで。文化も違うし、年齢、性別も違うのでいろんな意見や考え方があるわけです。それをまとめるのが大変でしたね。

    --MC:SundiさんはGMトレーニングで海外に行かれたこともあると思いますが。

    Sage Sundi氏:サンディエゴに6週間泊り込みしたりしてましたね。元々私もGMですから、今でもたまにGMコールを取ったりしますよ。よろしければ、ぜひ開発のみなさんもGMコールを取ってみてください(笑)。

・「『アトルガンの秘宝』のエルヴァーンの全装備モデル制作」
着せ替えを考慮してモデリングしなければいけないため、形状がかなり制限されたので。
グラフィックチーム 馬場 敬一

    --MC:馬場はこれ以外にもアトルガンの秘宝に登場するモンスターのモデル作成などを担当しています。今日はアートディレクターの相場がいるので、モンスターがどうやって作られているかを開発中の画面などを見ながら、次のコーナーで説明してもらいましょう。

【筆者解説】
 「楽しかった業務」、「苦労した業務」というテーマで、数多くいる開発・運営スタッフからエピソードが語られたコーナー。膨大かつ重厚なヴァナ・ディールの世界設定を担当する岩尾氏にまつわるエピソードは興味深い。また、苦労話では河本氏と松井氏の緊急事態のエピソードから、オンラインゲームならではの苦労が伺える。


「プロジェクトXI 開発者たち」……モンスターが作られる工程を開発画面をまじえて紹介

 次回バージョンアップで登場するという新モンスター「ヴァンピール(Vampyr)」の製作工程をみながら、どのようにモンスターが作られていくのかを相場氏が解説。

相場氏:デザイン画を元にモデルを作ってもらうわけですが、デザイン画だけだと、例えば背中がどのようになっているかわからなかったり。そういうところもあって2週間から3週間ほどかかりますね。

 次に動作をつけていきます。ここは何日かかるかは詳しく言えないですね、物や量によって変わってきます。テクスチャはモーション作成と平行して行なうのですが、簡単に言うと塗り絵ですね。素のモデルの上にペタペタと塗り絵をしていきます。最後にプログラミングですが、ここまでに作ってきたものを合体して完成していきます。

--MC:プログラミングはどれぐらい時間がかかるのでしょう

松井氏:要求される内容によってまちまちで、具体的にどれぐらいかは定かじゃないですね。実はこのモンスターに関しては、一部作業が残っていたりします。

【筆者解説】
 普段は見る事のできないモンスターの開発過程がスクリーンショットと共に語られた。1体のモンスターを作るにしても、想像以上の期間が掛かっている。それだけでも興味深いところだが、さりげなく新モンスターが題材になっているサービスが嬉しい。


「ヴァナ・ディール多事総論」……今だから話せるマル秘エピソードを語るコーナー

テーマ「もし5年前に戻れるなら……」

・「破軍の能力を直したい」
「破軍強すぎ」ってアイテム担当の人に今でも責められるので……。
バトルチーム 河西 雄一郎

・「アイテムの性能をつけ直したい」
エラント装備、デスサイズ、ワラーラターバンは強すぎた……。
バトルチーム 林 洋介

    --MC:林に聞いてみたところ、「ワラーラターバンはもう少し、レアなアイテムだったはずなんだけどなぁ……」と言っていました。「まぁまぁ、みなさんが幸せならいいんじゃないですか」と話すと「まぁ、それもそうなんだけどねー」と(笑)。田中さんはやり直したいことってありますか?

    田中氏:う~ん、いっぱいあるんでしょうけどね。5年前に戻ってやり直すとまた5年間全部作ってこなければいけないので。逆に5年後どうなっているかを知りたいですね。

    --MC:松井さん、バトルに関してどうでしょう?

    松井氏:そうですね……、空蝉の術II。……理由は察してください。でも5年前に戻ったら、それ以外も全部作り直したいって思いますよね。なので、そういう意味では戻らなくてもいいです(苦笑)。

・「初期エリアの雲や天候を作りなおしたい」
初期エリアとアトルガンエリアの雲を比べてみてください。
同じソフト・同じプログラムなのにかなりクオリティが違うとおもいます。
グラフィックチーム 須藤 博之

    --MC:今回は、ラテーヌ高原とワジャーム樹林のスクリーンショットを用意しました。5年でこれだけ変わるものなんだなぁとビックリしますが。これ以外にも5年の間に変化したところを田中さん、お願いします。

    田中氏:変化といえば、前回のバージョンアップで大々的にNMからのアイテム取得場所を変更しました。5年前ってそんなにRMT(リアルマネートレード)は盛んじゃなかったですが、今は業者が集団で介入したりしてきますからね。不思議な人たちがいたり(笑)。そこへの対策が必要になってきましたね。

    --MC:かなりのアイテムの入手場所がバトルフィールドに移動したと思うのですが、教えてもらえないでしょうか?

    松井氏:(スクリーンにアイテム入手場所の一覧を出して)とても不思議な人たちが張り付いていると言われていたアイテムを、元の敵と同じような強さで、できれば元のモンスターと同じ種族の敵がいるところに移しました。どれぐらいの確率で手に入るのか気になると思うですが、10回ぐらい挑戦すると、4割ぐらいの確率で1個は手に入るんじゃないかなぁ、と。

テーマ「5年間を振り返って嬉しかったこと」

・「とにかく反応があることです」
「つまらない」という意見だとしても、作り手にとっては本当にありがたいです。
イベントチーム 木越 祐介

・「『チョコボの宝探し』を楽しんでいる様子を目にしたこと」
バトルチーム下田 賢佑

・「GMコールでお礼をいただいたこと」
「以前対応をしていただきました。お忘れかもしれませんが、もう一度話せて嬉しかったです」
と、言っていただいたことがありました。
今後、どの仕事に変わったとしても私も忘れないと思います。
GM Pammira

・「『ありがとう』のGMコールがあったと聞いたこと」
プログラムチーム 山本 泰弘

    Sage Sundi氏:GMコールって1日にまぁ、本数は言いませんけどものすごい数がくるんですよ。その中で1年間GMをやっていても、「ありがとう」って言われることは多分、1回無いかなっていうぐらい。もちろんそんなことをアテにしているわけではないですけど。まぁ、覚えてますよね。一生のGM経験の中で言われた一言は本当に嬉しいです。

    --MC:GMコールで「ありがとう」っていうのはダメじゃないんですか?

    Sage Sundi氏:ダメじゃないですよ、ありがたいです。

    --MC:じゃあ、GMコールは困ったとき以外でも、何か気持ちを伝えたいときにはしてもいいと。じゃあさっそくみなさん今晩にでも一斉に(笑)。

    Sage Sundi氏:それは勘弁して(笑)。

【筆者解説】
 「もし5年前に戻れるなら……」、「5年間を振り返って嬉しかったこと」というテーマで今だから話せる、という話が語られた。GMコールは困ったことが起きたときばかりのものではないこと、暖かなエピソードが「FF XI」らしい。そんな中、バトルフィールドに移動されたアイテム入手場所をズバッと公開するなど、見逃せない情報もある。


「経済最前線」……ヴァナ・ディール経済担当の藤戸氏を中心に、経済について話を伺うコーナー

藤戸氏:今日はグラフを作ってきましたので、これを見ながら現在どのような状況かを見ていこうと思います。赤いラインが全てのワールドの全ギルを合計した値です。グラフは縦軸がギルの量、横軸が時間です。

 赤いラインを見てもらうと分かりますが、山を描いてますね。一度ちょっと下がって、また上がって。あとは下がっていってます。赤いラインが下がってきているのは、スペシャルタスクチームなどによる不正者対処が大きいです。対処されたアカウントのキャラクタが持っているギルは凍結されます。凍結が繰り返され、不純なギルが減っていったというグラフです。

--MC:いつもこのようなグラフを作ったりして動向を見るのでしょうか。

藤戸氏:このグラフの元になっている数字は毎日取得しています。今回はそれを使ってグラフ化しました。グラフでは赤いラインがどんどん緩やかになってますよね。

--MC:6月と10月あたりまではかなり急ですが、その後はなだらかになってますね?

藤戸氏:平行なグレーの線がグラフに薄く引いてあるのですが、それにどんどんと近づいています。競売の手数料やバザーの手数料などシステムに吸収されるギルがあるわけですが、それには変わりがありません。今までは不正にギルが作られているようなことがあったのですが、それがなくなってきました。平行なラインを描くということは、システムの吸収されるギルとゲーム内に増えるギルの量が釣り合い始めているということですね。

--MC:釣り合い始めているというのはわかるのですが、短期間に落差がつくと心理的に辛いのでは?

河本氏:インフレ、デフレという話ではどちらが良い悪いという話になりがちですが、急激なインフレもデフレもどちらも良くないことです。とはいえ、今現状はデフレの状態にあるので固定的な出費がきついという方がいると思います。これに対して見直しを考えています。

 ひとつは、次回バージョンアップにおいて、アウトポストテレポの利用料を見直します。もうひとつは、リンバスのコストの見直しを行ないます。デュナミスに関してもコストを下げて欲しいという声があると思うのですが、それをしてしまうと一部のデュナミスが混雑してしまい入れなくなるということになるのを恐れています。もう少し検討させてください。

 他には、他のクエストなどで得られる報酬の見直しや、RMT業者に取られないギルの稼ぎ方を考案できないかなど、開発では検討しています。

--MC:RMT業者などの単語が出てきたところで、スペシャルタスクチームについてお願いします

Sage Sundi氏:10月にチームを発足しました。発足後に対処アカウント数が増えて、3月には少し上がっていますがここは少し特別なことをしたためです。基本的には対処をしなければいけないアカウント数が減ってきています。

 その結果として見えてきているのがグラフの右側です。こちらはRMTサイトと呼ばれるもの、つまりWebサイトで「ギルを売りますよ」としているところの数です。こちらで調査する限り、今では半分ほどになっています。今も残っているところでも、在庫のギルが非常に少なくなっているはずです。

 3月に対処アカウント数が増えたのは、私たちが「ハンター」と呼んでいるギル生成者、ゲーム内で目立っている集中的に狩場にいるキャラクタを一気に対処したためですね。今後はこのあたりの対処を強化することでより効果を増していくのではと思います。

【筆者解説】
 不正行為者対策をメインに全ヴァナ・ディールの経済状況が語られた。スペシャルタスクチーム発足などの効果もあって、健全な状態にかなり近づいていることが示されるなか、プレイの中で自然に発生する固定的な出費を見直すという嬉しい言葉も聞けた。


トークセッション両日の最後のごあいさつより

運営チーム グローバルオンラインプロデューサー SageSundi氏

 「FF XI」の運営は、日本、北米、欧州と、多地域に渡っているもので本当にチャレンジなものなんですよね。大変ではあるのですが、それをチームワークを持ってできているのはありがたいですし、それもみなさんのおかげだと思います。本当にありがとうございます。(12日)

 私は、会社で出張オタクと呼ばれていまして。この5年を振り返ると恐らく70~80万マイルくらいは飛行機で飛んでいると思うんですよ。世界中駆け巡ってこの「FF XI」を広めていくことが、仕事でもあり、生きがいでもありますので。是非、海外から入ってくるユーザーと一緒に、日本の皆さんも楽しんでいただければ幸いです。(13日)

プランナー、チョコボ育成・チョコレース担当、経済担当 藤戸 洋司氏

 夏以降になるとは思いますが、チョコボ育成を遊びやすくするですとか、チョコボレースでも対人戦やギャンブルとか。そういうところをドンドンと実装していきます。それを実装することで一連のチョコボ関連コンテンツがようやくひとまとまりになりますので。まずはそれを一生懸命作ってみなさんに提供したいと考えております。みなさん応援よろしくお願いします。(13日)

アートディレクター相場 良祐氏

 いつもありがとうございます。普段は引きこもってずっとゲームを作っているので、こうしてみなさんにお会いできたり、あとヴァナ・ディールの中でユーザー同士が友達になったとか、結婚したとか交流をなさっていると聞くと、本当にやって良かったなといつも思います。ありがとうございます。(12日)

バトルディレクター松井 聡彦氏

 僕がプライベートで遊んでいる周りの人とかとても親切で。僕の装備が貧弱すぎるからかもしれないですけど。本当にみんな優しいです。グールを倒すならグスゲン高山に行くといいよ、とか教えてくれたりして。色々と教えてくれて感動しました。(12日)

 5周年ということで、僕にとって長かったのか短かったのか判別できないというか。それでもまだやらなければいけない事が山のようにありまして。これをひとつずつ、みなさんのためにも、僕のためにもやっていこうと思います。10周年の時にみなさんとまた会えるといいなと思います。(13日)

「アトルガンの秘宝」、「アルタナの神兵」ディレクター 小川 公一氏

 こういうイベントなどで、たくさんのみなさんの姿を実感できるのはとても嬉しくて。こんなにもたくさんの人に応援してもらっているんだなぁ、と思います。次の拡張ディスクも含めてがんばらないと、と思います。これからもよろしくお願いいたします。(12日)

 昨日に引き続いてこんなにたくさんのみなさんに集まっていただけて。本当にありがとうございます。今後、「アトルガンの秘宝」のバージョンアップもまだまだ続きますし、発表した新拡張ディスク「アルタナの神兵」もがんばって開発しますので。今後ともよろしくお願いいたします。(13日)

「ファイナルファンタジー XI」総合ディレクター 河本 伸昭氏

 オフラインゲームを作っていたときと比べると、何十倍というお叱りの言葉を、特にボクはもらうのですが。ただ、それ以上に何百倍もいろんな体験談が見えるんですよね。ブログなどもたくさんありますから。それはもう何よりも僕らの糧になっています。お叱りの言葉含めて、僕らに声を届けてください。もっともっといいヴァナ・ディールになるよう、がんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。(12日)

 これだけたくさんの方に会場に来ていただきまして。今日も質問メールをいろいろいただけて。本当に多くの人にヴァナ・ディールは、「FF XI」は支えられているなぁと感じています。ヴァナ・ディールを作っているのは我々だけじゃなくて、みなさんだと本当に心の底から思います。これからもいいヴァナ・ディールを作りあげていきましょう。今後もよろしくお願いいたします。

「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー 田中 弘道氏

 今日はこんなにたくさんのプレーヤーのみなさんに集まって頂けて本当にありがとうございます。普段ゲームの中ではキャラクタの姿でしか会えませんが、こうして顔を見れることはなにより幸せです。5年間という長い間プレイしてくれて本当にありがとうございます。これからも「FF XI」をよろしくお願いいたします。(12日)

 5周年ということですけど、開発がスタートしてからではもう7年半「FF XI」を作ってきました。これだけたくさんのみなさんにプレイしていただいている「FF XI」ですから。ずっと続けていきたいと思います。並行して新しい次世代MMORPGも作っていますので、そちらもお楽しみにしてください。本当に今日はありがとうございました。(13日)

【筆者解説】
 全イベント終了後、田中氏、河本氏、小川氏、Sage Sundi氏と雑談する機会を頂けた。4人それぞれに晴れやかな笑顔で、「あっという間に終わってしまった」と語っていたのが印象深い。小川氏と河本氏はブースの片隅で共に並んで、役目を終えたステージを静かに眺めていた。Sage Sundi氏は、TGS 2006のイベントも振り返りつつ、ファンとの距離がより縮まったことを喜んでいた。

 田中氏には、「FF XI」だけでも2本の拡張ディスクが進行しつつ、次世代MMORPGも進めている多忙ぶりを心配に感じていると筆者が話すと、「確かに大変ではあるのですが、きっとみなさんに楽しんでいただけるものを出せると思います」と、まっすぐに力強く答えてくれた。5年の中で様々なものを見せてくれた「FF XI」。そして次世代MMORPG。これからはどんな世界や想いが生まれるのだろうか。


おまけ:「FF XI」ブース2日目の模様より

2日目に行なわれた「オリジナルムービーコンテスト」より。一般公募作品とは思えないほど素晴らしい作品だった。ユニークなもの、感動的なものなど様々。特別枠として、コスプレコンテストで場内を魅了したLand Worm対プリッシュという爆笑ムービーも登場

初日のミスラ種族装備に続いて、オパーライン装備を着るステージアテンダント。写真中央は閉幕の模様


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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2007年5月14日)

[Reported by 山村智美 / Pomm]



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