|
会場:ウェスティンホテル東京
なお、発表会で使用されたスライドやリアルタイムデモの映像は使用禁止だったため、掲載していないことをあらかじめご了解いただきたい。
■ Xbox LIVEを丸ごと飲み込む「Games for Windows - LIVE」の全容がついに公開
しかし、厳密には、「Games for Windows - LIVE」はもう少し大きな枠組みのサービスとなる。2006年のE3でビル・ゲイツ氏が「LIVE ANYWHERE」構想の中核として発表したオンラインサービスであり、Xbox LIVEやWindows LIVEといったマイクロソフトが提供するあらゆるオンラインサービスの最上位に位置する戦略商品となる。 現時点で見えているのは、マイクロソフトが展開する2大ゲームプラットフォームであるXbox 360とWindows PCの相互接続を実現し、シームレスなオンライン対戦やコミュニティサービスをサポートするというレベルの内容だが、実際には相互接続だけではなく、Xbox LIVEとWindows LIVEサービスを結合し、フレンドリスト(メンバー)も統合するという、コミュニティポータルとしての超特大のユーザー囲い込み戦略の完成を意味する。 さらに言えば、Xbox LIVEのようなプラットフォーマーとしてのビジネスのスタートをも意味する。サードパーティーの動向は数社を除いていまだ不明瞭ながら、PCゲーム史上初めて1つの傘のもとにゲームが提供される可能性がでてきたわけである。そういう意味では、「Games for Windows - LIVE」のサービス開始は、非常にエポックメイキングな出来事なのである。 さて、今回の発表会では、そうした戦略的な話は抜きにして、「Games for Windows - LIVE」のサービスの概要のみが明らかにされた。最初に登壇したマイクロソフト執行役ホーム&エンターテイメント担当兼Xbox事業本部長の泉水敬氏は、「今日はXboxの泉水ではございません、本日はGames for Windowsの泉水として参りました」と切り出し、まずはじめに4月2日からGames for Windowsの担当部署が、パーソナルシステム事業部からXbox事業部に変更になったことを報告した。 続いて泉水氏はGames for Windowsの最高責任者として、'83年の「Microsoft Flight Simulator」以降、OSビジネスの成長と足並みを揃えるように歩んできたゲームビジネスの歴史を振り返りながら、マイクロソフトのエンターテインメントビジネスの柱として常にゲームが存在し、四半世紀の間、PCゲームの普及に尽力してきたことをアピールした。 そして泉水氏は「新たな局面」として2002年2月22日に発売したXboxに話を転じ、Xboxと同時に開始したオンラインサービスXbox LIVEは、数度のバージョンアップや2005年10月10日に発売されたXbox 360で大幅な機能強化を経ながら、今年で5年目の節目を迎えたことを取り上げた。そうした背景をふまえた上で泉水氏は「ゲームにおけるオンラインサービスをついにWindowsの世界でも展開して参ります」と宣言して「Games for Windows - LIVE」を紹介した。
泉水氏は、Xbox LIVEのコミュニティメンバー数が37カ国で600万人に達していることや、マーケットプレイスでのダウンロード数が2,000万回に達していること、そして欧米で「ビデオマーケットプレイス」といった新サービスの提供を開始したことなど、欧米でのXbox LIVEの好調ぶりに触れながら、Xbox LIVEユーザーとWindows LIVEユーザーが直結することにより、「Games for Windows - LIVE」の導入がPCゲーム市場の繋がることに期待を寄せた。 ■ 「Games for Windows」初サードパーティータイトルはカプコン「ロスト プラネット」
その理由として坂口氏は、動作環境のばらつきやレーティングシステムの不備などを取り上げ、その状況を「マイクロソフトを含むどのメーカーも率先して打開しようとしてこなかった」と反省の弁を述べた。その上で坂口氏は「これからは違います」と声を強め、マイクロソフトからの回答としてPCゲームプラットフォームブランド「Games for Windows」を紹介した。 次に坂口氏から、「Games for Windows」が、他のゲームプラットフォームと似たアプローチで、真の意味でプラットフォーム化する準備を進めていることが明らかにされた。まず、大前提として、「Games for Windows」は、自社専用のブランドではなく、サードパーティーにも積極的に開放する方針で、マイクロソフトの協力のもと、開発元は一定のガイドラインに従う形でクオリティの高い製品をユーザーに提供していくというスタンスを取る。 「Games for Windows」のガイドラインは以下の4つとなる。
・クオリティ クオリティは、一定のガイドラインを設定したことと、技術的なサポート支援体制の確立。互換性は、Xbox 360向けのハードウェアを「Games for Windows」に対応させ、さらに画面表示についても通常の4:3表示に加え、16:9のワイドスクリーン表示にも対応。安全性は、ペアレンタルコントロール機能のサポートとなる。 最後の簡単な操作性は、Windows Vistaのゲームエクスプローラの機能を使った容易なインストール/アンインストール操作と、イージーインストール機能の搭載。イージーインストール機能は、ゲームクライアントディスクをPCに挿入してから短時間でゲームが起動する仕組みで、同発タイトルである「Halo 2」(90秒以内にゲームが起動)が初導入タイトルとなる。ちなみに、動作環境のばらつきをどう解決するのかというと、Windows Vistaとエアロが動く環境なら、「Games for Windows」タイトルの動作環境を気にせず遊ぶことができるという逆転の発想を採っている。 そして「Games for Windows」に参入する最大のメリットは、「Games for Windows - LIVE」のサービスが利用できるところだ。初回の登録のみですべてのオンラインサービスが受けられる利便性は、特にXbox 360でそのメリットを知るサードパーティーにとっては大きなメリットとして映るはずだ。 ユーザーにとっても、Xbox 360で遊んでいるユーザーとボイスチャットをしながら、それぞれ別のゲームをプレイするといったことが1台のPCで可能になったり、ハードウェアを意識せずにマルチプレイに誘ったりといった環境が用意されるのは非常に魅力的だろう。 「Games for Windows」のラインナップについては、現在、「Age of Empires III」と「Flight Simulator X」の2タイトルが存在するが、今後のラインナップについては、すでに発表済みの「Halo 2」(5月25日発売)、「Shadowrun」(Xbox 360版6月21日発売、Windows Vista版発売日未定)に加えて、初のサードパーティータイトルとなる「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(7月12日発売)が公開された。「Games for Windows - LIVE」には残念ながら未対応とのことだが、PCゲームファンにとっては嬉しいニュースだ。 「Games for Windows」が成功するか否かは、Windows Vistaや「Games for Windows - LIVE」の普及以前の問題として、コンテンツを提供するサードパーティーの参入がもっとも重要となりそうだが、「Games for Windows」のBtoBのビジネスモデル、たとえばサードパーティーが支払うロイヤリティや、Xbox 360との兼ね合いなどが一切未公表のため、ふたを開けてみないとわからないところがある。しかし、仮にElectronic ArtsやActivision、Ubisoft、バンダイナムコゲームスといった大手が続々参入し、Xbox 360との相互接続タイトルをリリースする状況になれば、日本市場の勢力図がガラリと変わる可能性もあるだけに、今後の発表が非常に楽しみだ。
■ 「Games for Windows - LIVE」はゲームに包含、Webでもチェック可能
鶴淵氏は、Xbox 360ワイヤレスゲームアダプタ(Xbox 360用周辺機器を使うためのWindows XP/Vista専用の周辺機器)を介してワイヤレスコントローラやヘッドセットなどXbox 360と同等の環境を整えたPCを使って、「Games for Windows - LIVE」にログインし、Xbox 360ユーザーとフレンド登録した後、「Shadowrun」の対戦を行なうまでのプロセスを披露した。 「Games for Windows - LIVE」は、Windows Live Messengerのような単独のアプリケーションではなく、Xbox LIVEと同様に通常はバックグラウンドで待機し、ユーザーがワンボタンで任意に呼び出すというスタイルを採っている。LIVE機能は、Xbox 360ではOS側が握っているが、「Games for Windows - LIVE」の場合は、現時点ではゲーム側が握っているようで、デモでも「Halo 2」起動後に、「Games for Windows - LIVE」メニューを呼び出してログインするというプロセスになっていた。 ログインには、Windows Live IDもしくはXbox LIVE IDを使用する。両方のIDを持っており、それぞれ別のフレンドリスト(Windows Liveメンバー)が存在するような場合は、統合化を行なうことで、IDを一元化することができる。この統合サービスは、5月のXbox Liveのアップデートから可能になるということだ。逆にXbox LIVE IDはプライベート用、Windows Live IDはビジネス用という切り分けをしている場合は、そのまま使い分け続けても構わない。 「Games for Windows - LIVE」のメニュー画面は、複数のタブに分かれ、それぞれ階層化されているXbox LIVEに比べると非常にシンプルで、ゲーマータグが上部に表示され、その下にはメッセージ、フレンド、プレイヤー、プライベートチャット、個人設定といったメニューが並んでいる。操作はマウスでもゲームパッドでも可能だ。 フレンドメニューでは、現在のフレンドの接続状況がわかる。フレンドがオフラインの場合は、最終接続から経過した時間がわかり、オンラインの場合はプレイ中のゲームがわかる。この辺は、Xbox LIVEとまったく同じだ。ただ、ゲーマータグの右側に、接続しているコンソールのアイコンが表示されているところが唯一の違いとなる。 メッセージを交換し合ってフレンド登録を済ませると、それ以降、画面下部に、ログイン状況やメッセージの到着を知らせるダイアログがポップアップ表示される。その後、デモはボイスチャットを介して、「Shadowrun」の対戦へという流れに。メニュー表示等が異なるため「Games for Windows - LIVE」だとわかるものの、やっていることはXbox LIVEとまったく変わらない。相互接続対応タイトルでは、Xbox 360環境と変わらない機能が利用できることを見事に実証してみせてくれた。 なお、現時点での「Xbox LIVE」と「Games for Windows - LIVE」のサービスの違いは、Xbox LIVEマーケットプレース、Xbox LIVEアーケード、テーマの3つのサービスが受けられないこと。コミュニティ機能に関しては完全に同一のサービスが受けられる。 最後に「Games for Windows - LIVE」のビジネスモデルについてまとめておくと、無料のシルバーメンバーシップと年額5,229円のゴールドメンバーシップの2種類が用意されている。これはXbox LIVEと完全に共通サービスで、Xbox LIVEのゴールドメンバーシップのユーザーは両プラットフォームとWebブラウザでサービスを利用できる。 両サービスの具体的な違いについては、非常に細かいので「Games for Windows - LIVE」の公式サイトを参照していただきたいが、基本的にLIVEを介したマッチング、ボイスチャット、今後実装予定のゴールドメンバーシップ専用ゲームのプレイなどを利用する際はゴールドの加入が必要になる。シルバーメンバーシップで対戦を行なう場合は、LIVEを介さない専用サーバーでのマルチプレイに限定される。コミュニティ機能だけなら無料で利用できるので、まずは一度試してみてはいかがだろうか。
(c) 2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.
□マイクロソフトのホームページ (2007年4月24日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|