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【連載第106回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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「XLink Kai」でPSPのオンライン対戦を広げる
プラネックス「ゲームリンクXII」を使ってみる |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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PSP、ニンテンドーDSといえば、携帯ゲーム機でありながら、無線LAN(Wi-Fi)を使った協力・対戦プレイができることが大きな特徴だ。特にPSPではインフラストラクチャーモード、DSで言えばWi-Fiコネクションといったように、インターネット接続を使ってのオンライン対戦に対応していると、対戦相手にことかかなく魅力的。
しかし、PSP向けとしては、国内ではPSP同士を接続するアドホックモード、平たく言えば近距離無線通信のみに対応するタイトルが多いのが現状で、インフラストラクチャーモードに対応して欲しいと思うものが多い。今回紹介するのは、そんなアドホックモードのみに対応するタイトルを、擬似的にインターネット接続状態で遊べるようにしてしまおうというツール「Xlink kai」に対応したグッズだ。
それが、ブロードバンドルータなどで著名なプラネックスコミュニケーションズ(以下、PCI)が発売している「ゲームリンクXII」である。プラネックスコミュニケーションズは、XLink kaiの開発元であるTeam XLinkと、ゲーム市場へ向けたサービスと新製品開発の提携を行なっている。
● 「ゲームリンクXII」
・「ゲームリンクXII」
メーカー:プラネックスコミュニケーションズ
価格:オープンプライス(購入価格:4,280円)
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パッケージに含まれるUSB型の無線LANアダプタ「GW-US54Mini2G」。単体でも発売されている |
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パッケージ全容。右上に写っているのは、PSPとDS向けの設定マニュアル「ネットワーク対戦をはじめよう!」の小冊子 |
「ゲームリンクXII」は簡単に書くと、USB型の無線LANアダプタ「GW-US54Mini2G」を中心にしたゲーム向け特別パッケージ版だ。パッケージには無線LANアダプタ「GW-US54Mini2G」、USB延長ケーブル、ストラップ、設定ガイドのほかに、PSPとDS向けの設定マニュアル「ネットワーク対戦をはじめよう!」とハイファイブエンターテイメントのWindows用MMORPG「天道オンライン」のクライアントが特典として収録されているドライバCD-ROMが同梱されている。
パッケージ内容からもおわかりいただけると思うが、本製品を使うにはインターネット接続環境、さらにWindows PCが必要になる。無線LANアダプタ「GW-US54Mini2G」は直径7cm、横幅2cm、厚みが8mmと非常に小型。これは、インターネットに接続しているWindows XP/2000/Vista RC1のPCに接続して使用する。ただしVistaではAPモード、「XLink Kai」モードには未対応となっている。当研究所ではVista環境に関して試せていないが、大前提であるPSP、DS等との通信利用はVista環境では現時点で向かないようだ。
無線通信モードには「XLink Kai」モード(ソフトウェアAPモード、ユーティリティ上ではStationモードと記載)とAPモードの2つがある。「XLink Kai」モードは、付属のユーティリティとWindows用アプリケーションツールの「XLink Kai」と連携して、PSPなどのアドホックモードをインターネット通信に接続させるモード。いわばゲームモードと言える。AP Modeは従来の無線LAN機器の使用法に近く、PSP、DS、さらにPCやWii、PS3(60Gモデル)などなど、無線LANを搭載している機器を接続する、無線インターネットのアクセスポイントにできる。
無線規格はIEEE802.11g/11bに対応、最大54Mbpsのデータ通信に対応する。セキュリティ認証は64/128bitのWEP、WPA、WPA2をサポートする。
「GW-US54Mini2G」は、端に接続状況を示す大きめのランプがついている。無線LANの通信に同期してオレンジ色のランプが点滅し、通信中は青色の常時点灯が加わる。横にはストラップホルダーがあり、付属のネックストラップを取り付けられる。パッケージには10cmほどのUSB延長ケーブルも付属しているが、これは延長するというよりも接続する角度を変えられるものになっている。
◆ 実際に使ってみる
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「GW-US54Mini2G」をPCに接続したところ。オレンジとブルーにランプが光る |
使用にはまず、「GW-US54Mini2G」のドライバをPCにインストールする。付属のCD-ROMは音声付きのガイドがあるので、そのガイドに従うだけで使用準備は完了。非常に簡単にインストールを行なえた。
続いて、PSPとDS向けの設定マニュアル「ネットワーク対戦をはじめよう!」を参照しながら設定を行なう。この設定マニュアルは豪華ではないが、PSPで「XLink Kai」を通してオンライン対戦をする手順、APモードでオンライン接続する手順、DSでオンライン接続する手順がしっかりと説明されている。なにがしかのトラブルが起こらない限り、この手順に従えば準備は完了できるはずだ。
設定の特徴として、「GW-US54Mini2G」のプロパティ内に「PSP XLink Mode」という項目があるのが気になった。これをONにすることで、「XLink Kai」を使った通信が安定するという。この項目があることが、「GW-US54Mini2G」、および「ゲームリンクXII」の特徴と言えそうだ。「XLink Kai」が登場した時期には、対応する無線LANアクセスポイントもほとんどなく、設定にも苦労していたことを考えると、このセットのありがたさが身にしみるというものだろう。
このパッケージ自体には、「XLink Kai」は付属しない。そのため、「XLink Kai」のサイトにアクセスし、ユーザー登録および「XLink Kai」のダウンロードを行なう。「XLink Kai」のサイトは基本的に英語で書かれているので、少し戸惑うかもしれない。日本語訳のページもあることはあるが、機械翻訳的なもののようであまり活用はできない。
「XLink Kai」のアプリケーションも英語で構成されているのだが、設定マニュアル「ネットワーク対戦をはじめよう!」に「XLink Kai」の設定が解説されているため、基本的にはこれに従えばよい。ただし、ブロードバンドルータなどを使用していて、ポート設定が必要になる場合は、各々でルータの設定が必要だ。これはマニュアルには解説されていないのでお気をつけ頂きたい。
「GW-US54Mini2G」と「XLink Kai」の導入・設定が済めば準備は完了だ。今回はカプコンの「モンスターハンターポータブル 2nd(以下、MHP2)」でオンラインプレイを試してみた。まずは、ゲーム内のオンライン集会所に入る。ここでPSP側はアドホック通信が開始されるので、次にPCの「GW-US54Mini2G」ユーティリティの「AP一覧」のタグにてPSPのSSIDを指定し接続する。これでPSPのアドホックモードは「GW-US54Mini2G」と通信するようになる。
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写真左は、「GW-US54Mini2G」のプロパティ画面。PSP XLink Modeという項目がある。写真中央は「XLink Kai」のコンフィグをマニュアルの例に従い設定したところ。設定したポート番号に従い、ルータなどを設定する必要がある。右はTeam XLinkのサイト。英語のサイトだが、マニュアルに従いユーザー登録とダウンロードを行なうので、英語に疎くてもなんとかなるだろう |
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「XLink Kai」を通してMHP2をプレイ中。他のプレーヤーが次々に集会所に入ってくる。個別の部屋ではクエストのプレイも無事に行なえた |
続いて、「XLink Kai」を起動して、ユーザー登録したID・パスワードでログイン。すると、同じように「XLink Kai」にログインしているユーザーとプレイが可能になる。PSPの画面に目を戻してみると、さっそく他のプレーヤーが集会所に入ったというログが出始めた。「XLink Kai」を通して同じ集会所に多量のプレーヤーが入ってくるようで、かなり頻繁に出入りが行なわれる。
「XLink Kai」には、ユーザーの部屋を作る機能があるので、それぞれが部屋へと流れていく。クエストのプレイなどは部屋に移ってからが基本となるようだ。ちなみにテストしたのは週末の夜だったのだが、「MHP2」だけでも約2,500人ほどのユーザーがログインしているようだった。
研究所員もある部屋へとログインし、クエストのプレイを試してみる。おじぎなどのアクションをゲーム中で行ない挨拶をしてみたところ、こちらの行動は相手側にもしっかりと反映されているようだ。ただし、回線の相性などもあるようで、相手によっては不安定な状態になることもあった。とりあえず、クエストをいくつか完了。回線の相性などはあるものの、大体の場合はしっかりとプレイできるようだ。特に今回テストしている「MHP2」は協力プレイが魅力的なので、嬉しいところ。
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「XLink Kai」の表示。タイトルごとに階層が分かれていて、中には個別の部屋がある。入っている階層にあわせて、PSP側の通信状態が切り替えられる |
「XLink Kai」を見てみると、他にも対応しているソフトが多数あるようだ。どれも英語表記のタイトル名で書かれてはいるものの、ゲームのアイコンが表示されているためわかりやすい。著名なタイトルを挙げてみると、バンダイナムコゲームスの「鉄拳 DARK RESURRECTION」、「リッジレーサーズ」、「ガンダムバトルタクティクス」、カプコンの「モンスターハンター」シリーズなど。時節柄だろうか、ダントツでユーザー数が多いのは「MHP2」だった。
少し気になったのは、無線のトラフィック量がかなり多いということだろう。特に接続した直後のたくさんユーザーが行き来している状態では負荷が高いので、「GW-US54Mini2G」を接続するPCにはある程度のパフォーマンスが必要だろう。また、インターネットの回線品質も高いほうがいいに越したことはない。自分が接続を受けるホストとなる場合はなおさらだ。多数のパケットを裁いているせいか、「GW-US54Mini2G」も使用中はかなり本体が熱くなっていた。
全体として、PCのツールを利用することになるので、設定などには多少の知識が必要になる。特にファイヤーウォールやウィルスセキュリティソフト類、さらにポート設定などは障害になるかもしれない。また、「XLink Kai」自体が公式に採用されているものではなく、あくまで擬似的にオンラインプレイを可能にする非公式なアプリケーション。予期できない不具合の発生や、動作の不安定などはサポートされないので、使用にあたっては自己責任でお願いしたい。
最後にAPモードでのアクセスポイントとしての使い勝手を試してみたが、こちらは他の無線LAN製品と比べて遜色は感じられない。セキュリティ設定などを行ない、しっかりと通信を行なえた。DSにおいて本製品は「Nintendo Wi-Fi Connection」ロゴを取得していることもあり、安心感も高い。PS3やWii、他のPCにおいても、アクセスポイントとして活用できる。ただし、「XLink Kai」も同様だが、USBで繋げているPCが起動していることが前提となる。
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□プラネックスコミュニケーションズのホームページ
http://www.planex.co.jp/
(2007年3月20日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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