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価格:未定
「しゃべる! DSお料理ナビ」は、任天堂株式会社が2006年7月20日に発売したニンテンドーDS用実践クッキングナビゲーションソフト。今回、コーエーから発売される「しゃべる! DSお料理ナビ まるごと帝国ホテル」も操作性などは変わりなく、ニンテンドーDSが声で内容を説明したり、プレーヤーが声でページをめくれるなど手がふさがっていても操作することができる。 「まるごと帝国ホテル」は、「帝国ホテル」の料理長がスペシャルレシピを考案し、秘伝のテクニックを挟みながらナビゲートしてくれる。洋食、和食、中華など収録レシピは約200種類となっている。さらに料理長のテクニックなどを収録した「料理長のアドバイス」や、“米の研ぎ方”ひとつとっても料理によって研ぎ方が違い、複数の方法を紹介するといった「料理事典」など、初心者から上級者までが料理を楽しめるコンテンツを収録している。料理レシピの作成に参加したのは、帝国ホテル、なだ万、伊勢長、吉兆、鮨源、北京、讃アプローズの各店。 「まるごと帝国ホテル」の制作に関しては、襟川名誉会長の意向が大きく働いているという。襟川名誉会長は「ニンテンドーDSができたときに“お料理”を題材としたソフトを作ろうと思ったが、ニンテンドーDSの特性をよく知っておいでの任天堂さんが『しゃべる! DSお料理ナビ』を作られた。その時は先を越されたと思った。しかし、そのことを任天堂さんと話したら、『日本最高峰の料理である帝国ホテルの料理を作るなんて、任天堂にはできないから、実現してほしい』と言われた」と、制作過程で任天堂との話し合いの元、「まるごと帝国ホテル」が実現したことを明かした。 ちなみに「まるごと帝国ホテル」というタイトルを考えたのは、任天堂の宮本茂氏だという。「帝国ホテルには、今回のレシピ作成に関わった料理店以外にもお店があると思うが、料理だけでなく、帝国ホテルのおもてなしなども含めた“全て”という意味で『まるごと帝国ホテル』としては?」という提案からだという。 襟川名誉会長は、「日本の食文化は世界を席巻している。シブサワコウがカナダでソフトの制作を見ているが、トロントには500店もの和食のお店がある。また、世界で一番味覚が優れているのはイタリアと日本と言われている。日本では白身魚の刺身を何種類も食べ分けることができたり、器などのもてなしのセンスも優れている」と日本の料理文化を語り、その最先端にあるのが帝国ホテルの料理だとした。 しかし、ソフトの制作にあたっては相当の苦労があったという。ひとつは、最高峰の料理人のテクニックをどう数値化するかだ。優れた料理人がひとたび包丁を握れば1mmと狂わず切ることができる。煮込み時間なども何分煮るのかなど、“数値化”は難しい問題点だったという。襟川名誉会長は「もちろん家庭で料理をするのだから時間もそんなにはかけられない。そういった中で、家庭で優れた味を実現するためにはどうすればいいのか、何度もレシピを作ってもらい、今回のソフト用にレシピを作ってもらった」と説明した。 この件については、帝国ホテルの総料理長を務める田中健一郎氏も挨拶を行ない、ソフトの制作について「一生懸命監修させてもらいました。非常に楽しく、興味深い経験でしたが、ある部分で難しくもありました。プロは使っている食材や調理器具も違います。家庭用にどこまで合わせるのか……知識や技量をどの程度合わせるべきか苦労しました。分量表記ひとつとっても、我々は、料理をするとき塩の量などをはかりません。しかしひとたびひとつかみ握りざっと入れても正確な分量となる。これをどう表記するのかが難しかった」とレベルを合わせる苦労があったことを明らかにしている。この問題については、コーエー側とかなりの話し合いの機会を設けて、調節していったという。最終的には「プロの技を思い切って入れていこう (田中総料理長)」と言うことに落ち着いたのだという。 田中総料理長は「一時は、『シャリアピン ステーキ』のレシピなど門外不出で、教えてはならないと言われていたが、今回は収録している。帝国ホテルの先代の村上信夫総料理長は広く浅く料理を広めることをモットーとしていたが、このソフトは海外展開も考慮しているということで、(村上氏の) 思想に通じるものがある」と、「まるごと帝国ホテル」のソフトが発売されることの意義を語った。 とはいえ、襟川名誉会長が説明したとおり、家庭でできるということが前提であるため、その点には細心の注意が払われている。コーエーの代表取締役執行役員社長 COOの小松清志氏は「プロの料理のノウハウを一般の人に伝授するソフトだが、手にはいる食材をメインに、料理店の厨房にしかない料理器具がないとできないといったことはない。一口コンロひとつで一人暮らしの人でもできるということに気をつけながら制作した」と説明している。 会場では料理長自身がレシピを披露してみせたが、まさに絶品の一言。吉兆の「ぶり大根」は大根にぶりの味が染み渡り、ぶりは口の中でとろけるようにほぐれていく。伊勢長の「鰻と豆腐のはさみ蒸し」は豆腐と鰻の一体感が素晴らしい。また、なだ万のアスパラ牛肉巻もしっかりとした味がアスパラにまで届きながらも、ぱりっとしたアスパラの食感が楽しめる。これらの料理の味が、そのまま家庭でも楽しめるかはある程度ユーザーの努力にも掛かっているかもしれないが、そのための様々なフォローがコンテンツとして用意されているということで、これまでより1ランク上の料理を作ることができそうだ。
なお、同発表会で襟川名誉会長は「まるごと」をタイトルに冠したシリーズの制作を考えていることを明らかにした。このシリーズの具体的な内容については明らかにされなかったが、襟川名誉会長は「コーエーは『エミット』という英語学習ソフトを出していたこともありますが、それとは切り口が違っていて、一般のお客様に優しく接していただき、ためになるソフトといった切り口のシリーズを考えています。もちろん料理については世界編とか色々考えてもございますが、料理以外のジャンルにも『まるごと』というタイトルを使っていきたいと思います。しばらくしたらご案内できると思いますが、新しいジャンルを切り開いていきたいと思います」とコメントした。
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□コーエーのホームページ (2007年1月24日) [Reported by 船津稔]
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