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「TOYフォーラム2007」開催
タカラトミー、新小型サーボ17個搭載した「i-SOBOT」や
“ツンデレ”ワンセグTV端末

1月23日 開催

 株式会社タカラトミー、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、株式会社エポック社は、春からゴールデンウィークを対象とした商談会を都内で開催した。商談会であるためバイヤーを含めた業界関係者のみが対象となっている。

■ タカラトミー

「大人のホビーライフ提案商品」発表会にゲストとして登場したオリエンタルラジオのお2人。超小型赤外線コントロールチョロQ「QSTEER」でレースするという「オリエンタルラジオの Q-STEERオレンちGP」がcasTYで動画配信されている
 タカラトミーは「TOYフォーラム2007」において最も大きなブースを構え、多数の新製品を出展した。さらに「大人のホビーライフ提案商品」を集めた発表会を実施。大人向け市場の一層の拡大を見込み、様々な商品を投入する構えだ。

 発表会において佐藤慶太代表取締役副社長は、「昨年はニンテンドーDSが席巻し、任天堂の凄さを感じた。そんな中、年末商戦の中心は大人向けのホビー商品だった。日本は少子化の問題もあり、今後も大人向けのホビー商品市場はどんどん大きくなる。大人でも楽しんでもらえる企画を出していく」と挨拶。タカラとトミーの両社が合併する前から佐藤氏が社長を務めていたタカラは、大人向けのホビー商品に積極的だった。その流れがいまも続いていると言うことだろう。

 今回の発表会で最も大きく扱われたのが、これまでのロボットホビーを一気に覆す高性能ロボットトイ「Omnibot2007 i-SOBOT」。すでに昨年、開発中であることが明らかにされていたが、ついに発表となった。タカラトミーが独自に開発した小型高性能サーボモーターを17個搭載し、2足歩行はもちろんのこと、様々な動きを実現。うつぶせに倒れても自分自身の力で立ち上がる。さらに腕立て伏せなども行なうことができる。ジャイロセンサーを搭載することでバランス良く片足で立つことも可能。これまで10万円クラスのロボットができたことを31,290円の低価格で実現した。

 また、非常に小型軽量である点も驚きのひとつ。同社のリカちゃんよりも小さく、サイズが165×96×67mm (高さ×幅×奥行き)で、重量は約350g。まさに“手乗りロボット”を実現している。バッテリーは本体側に単4型ニッケル水素式中電池×3本となっている。

 「i-SOBOT」にはコントローラが付いており、操作が可能。さらにコントローラ側には液晶が付いており、行動が記録された20ブロックを組み合わせることで簡単なプログラミングをして一定の行動を連続で行なうことができる(プログラムモード)。このほかにもすでにプログラムされているアクションを自動実行するスペシャルアクションモードや、音声認識の機能を利用し、10種類の言葉を使って「i-SOBOT」に命令することもできる (ボイスコントロールモード)。さらに音楽や外部の音に合わせて踊るダンスモードも搭載。

 「Omnibot2007 i-SOBOT」は7月の発売を予定しているが、さらに頭部にカメラを搭載した「Omnibot2007 i-SOBOT CAMversion」の発売も予定されている。発売は10月を予定。価格は41,790円。頭部を左右60度ずつ動かすことができ、カメラで撮影可能。無線LANも搭載しておりパソコンに転送して画像を楽しめる。

 よりコアな楽しみを求める大人にとって「なぜパソコンでより細かなプログラムができないのか?」といった疑問もあるだろう。今回パソコンでプログラムを組めなくした理由のひとつは「パソコンと接続してプログラムを組めるようにすると、敷居が上がってしまう」というのがひとつの理由だという。より多くの人にと言うことで、ロボットは完成済みで、ワンパッケージで全てまかなえ、買ってすぐ遊べるということが重要だったようだ。

 もう一つの理由はコスト削減にあるという。かなりギリギリで開発を行なっているという点もあり、「パソコンと接続してプログラムを組めるようにする」という機能は削減対象になったようだ。しかし、今後販売が好調であれば、「パソコンでのプログラミング」機能を取り込む可能性があるという。「i-SOBOT」はタカラトミーが独自で小型サーボモーターを開発したこともあり、プログラミング化は社内で調整することができるため、比較的可能な領域だという。すでに無線LANの実装も可能としているので、プログラミング機能はぜひとも実現して欲しい機能だ。

 実際に動く姿を見ると多くの人がそのなめらかな動きに驚くはずだ。3万円というのはホビーとしては高い領域になるかと思うが、“大人の”ホビーとしては許容範囲だろう。ロボットに憧れを持つ人は多いと思う。ぜひとも注目して欲しい商品だ。

これまでのロボットトイと比べると小さいうえに、とにかく良く動く。コントローラ側にはボタンがいっぱい。液晶画面でプログラムを組んで動かすこともできる 「i-SOBOT」の後ろ側。もちろん製作中であるため、コードなどがむき出しになっている。製品版では改善される タカラのリカちゃんと手を繋ぐ「i-SOBOT」。この写真を見てもいかに「i-SOBOT」が小さいかがわかるだろう
17個もの小型モーターが搭載されており、多彩な動きを見せる「i-SOBOT」。写真は決めポーズばかりだが、本当に良く動いてくれる。また、うつぶせに転んでも立ち上がることができるほか、なんと、腕立て伏せをすることもできる
ジャイロセンサーを搭載指しており、この写真のようにバランスを取る行為もOK。自動バランス補正を実現している 発表会で公開されたスライド。「i-SOBOT」の“i”の命名の由来として、“愛”と“I (私)”から来ているとしている 「i-SOBOT」の基本仕様。タカラトミーは「我々が調べた限り世界最小の2足歩行型ロボット」としている。重量も約350gで、“手乗りロボット”を実現
「i-SOBOT」のポイント。手軽に多彩なことができる点が大きい。喋ることができるほか、音声認識技術を搭載。音声で命令するとそれに従ってくれる プレーヤーがコントローラから操縦することができる「リモートコントロールモード」のほか、音楽や外部の音に反応しておどる「ダンスモード」まで5つのアクションモードを搭載 次期「i-SOBOT」には頭部にカメラを搭載。左右60度ずつ回転させることができる。撮影した画像は無線LANでパソコンに送信することができる



着陸している状態から垂直上昇することが可能なラジコンホビー「Jump Jet」
 「大人のホビーライフ提案商品」発表会においては、ロボット以外にも現在商品開発中の“空を飛ぶおもちゃ”が3点発表された。一昨年は、それまで高価だった飛行機型ラジコンが一気に1万円を切る値段となりヒットを記録。昨年はヘリコプターのラジコンが市場を席巻した。

 そんな中、昨年のヒット商品のひとつがタカラトミーの「エアロソアラ」だ。室内用の小型飛行機型ラジコンとして登場。極限まで小型化されたモーターと超軽量のボディで、低価格を実現。小型化できたことから室内で楽しむことができるようになった。

 ヒット商品となったことから、タカラトミーはシリーズ作品としていくつかの商品を発売する。2月22日には「エアロソアラ」からコントロール要素を削った「オートフライト」が発売となる。「エアロソアラ」は操作が難しい点があり、それが“大人のホビー”を楽しむひとつのポイントだと思うのだが、やはりユーザーから「操作が難しい」という声が寄せられたのだという。そこで「オートフライト」では充電が終了して飛ばすと勝手に室内で旋回しながら電池が切れるまで跳び続ける。価格は1,575円。さらに5月には「オートフライトプロ」が発売される。価格は1,890円。「プロ」は「オートフライト」より飛行距離が伸びるものや、スピードが速くなるものなどいくつか種類が用意されている。こういった特徴を付けることで、より競技性を増していくつもりだという。

 そして夏には「マイクロソアラ(仮)」の発売が予定されている。こちらはコントロールが可能で、机の上から離陸し、着陸まで操作可能というより上級者バージョンとなっている。「エアロソアラ」に車輪が付いており、離発着が可能となった。充電時間30分で5分遊ぶことができ、電波送信距離は約5メートルから6メートル。これまでの製品に比べ上昇力もアップしたという。

 このほかでは、一人乗りのヘリとして、ヘリにフィギュアが付いたような形の「HELIBOT (ヘリボット)」(仮)が7月に発売される予定。価格は7,329円。「HELIBOT」の最も大きな特徴は2.4GHzの帯域を使ったラジコンであること。2.4GHzの帯域ではBluetoothなどが使用している帯域で、現在使用申請を出しており、もし許可が下りれば同帯域を使用した初めてのラジコン製品となるという。同帯域を使うことで安定性が増し、最大40台まで同時操作が可能となる。こういった特製を利用し、より競技性を増した形で盛り上げていきたいという。

 ヘリコプターと言えば、上昇と下降しかできない製品も多いが、「HELIBOT」では左右の旋回コントロールも簡単な練習で誰でも楽しめるようになると言う。充電時間は15分で飛行時間は5分間。電波送信距離は約30メートルとなっている。

 さらに高価な製品も用意されている。「JUMP JET (仮)」は全長40センチもある大型ヘリで、価格は26,040円。垂直離陸が可能な赤外線コントロールヘリで、上昇・下降はもちろん、左右旋回も可能。ジャイロセンサーを搭載しており安定した飛行が可能で、室内でも楽しめるという。

現在開発中の「マイクロソアラ (仮)」。「エアロソアラ」シリーズの最新作。車輪がついて机の上から離発着が可能になった コントロールできないが自動で旋回してくれる「オートフライト」は2月に発売。さらに「オートフライト」の上位バージョン「オートフライトプロ」が5月下旬に発売される
2.4GHz帯を仕様申請中のラジコンホビー「HELIBOT (ヘリボット)」(仮)。最大40台まで同時操作可能で、競技性を高めていきたい方針だという



 展示会場では、大人向けの製品としてワンセグ端末「ONE-SEG TV SEGNITY (セグニティ)」が展示されていた。9月の発売を予定しており価格は20,790円。サイズは定期入れサイズで61×99×20mm(高さ×幅×奥行き)。単4電池4本で動作可能。基本的に低価格で手軽にテレビを楽しめるようにということで制作されたということで、データ放送などには対応せずテレビ番組を楽しむという点に絞り込まれている。フラットタッチパネルに対応しており、軽く触れるだけで操作可能。

 注目される機能の一つは、「ツンデレ ナビゲーションモード」というものを搭載している点。「ツンデレ ナビゲーションモード」を起動すると、直後は女性のナビゲーションの声がツンツンした態度を取る。しかし、ながらく使用していると徐々にフレンドリーな態度に変わっていき、「デレmode」に切り替わるという。さらにまた使わなくなると「ツンmode」に戻ってしまうという。この機能はもちろんOFFにすることもできる。

 担当者によると「こういった機能がおもちゃメーカーらしいところ」と語っており、こういった遊び心が大切なのかもしれない。

ワンセグ端末「ONE-SEG TV SEGNITY」。名刺サイズの小ささで、価格は20,790円。とにかく低価格でワンセグ端末をということで、データ放送などには対応していないという。そしてなんと言っても注目なのは、「ツンデレ ナビゲーションモード」。操作を行なうとナビゲーションとして音声で知らせてくれるが、操作を始めたときはツンツンした態度だが、長い間使用していると軟らかい表現になってくる (デレmode)。「こういったアイディアがおもちゃメーカーらしいところ (メーカー担当者)」



「さがしてゲットDP モンスターボールタイプ/スーパーボールタイプ」。前作は振動センサーを使用していたが、今回は色々なものをスキャンする楽しさを体験できる
 2005年に「モンスターボール」の形をした液晶トイが発売された。振動センサーを搭載しており、投げる格好をすることでポケットモンスターを捕まえるという仕組みだった。今回発売される「さがしてゲットDP モンスターボールタイプ/スーパーボールタイプ」には振動センサーは搭載されておらず、変わりにスキャニングセンサーが搭載されている。これで様々なところをスキャニングして、モンスターをゲットしていくというシステム。

 「モンスターボールタイプ」と「スーパーボールタイプ」の2種類があり、ひとつの製品で100種類のポケモンをゲットすることができる。もちろん本家「ポケットモンスター」のように片方の種類にしか登場しないポケモンもいるという。

□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/


■ エポック社

 エポック社のブースではテレビに接続することですぐに楽しめるゲーム機として「みんなのテトリス (仮)」が参考出展されていた。発売は春から夏にかけてを目指して開発が進められている。

 テトリスミノの形をしたコントローラーが目を引く。コントローラは2つついており、購入後すぐに対戦が可能。特徴のひとつとしては「キッズ&シニアモード」を搭載している点。ノーマルでは10列だが、キッズ&シニアモードでは8列になり難易度が下がる。家族が誰でも楽しめると言うことを目指して開発されているという。

 難易度が12種類用意されているほか、「ボンブリス」のようなゲームなど12種類のモードが楽しめるという。

参考出展されていた「みんなのテトリス (仮)」。テトリスミノ型のコントローラーが目立つ。キッズ&シニアモードを搭載。ノーマルモードが10列だが、キッズ&シニアモードでは8列でテトリスミノも大きくなる。12段階の難易度設定など各種機能を搭載


(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon

□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/

(2007年1月23日)

[Reported by 船津稔]



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