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【連載第97回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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ゲーミングデスク「ROCCAFORTE」を試してみる |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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ゼネラルオートサービス(MSY)が発売中のゲーミングデスク「ROCCAFORTE(ロッカフォルテ)」。ドライビング、フライト、FPSなど、コントローラデバイスを必要とするリアル志向のユーザーの欲求を満たすため、3段構造の天板、そして可動式の「ROCCA Slider」を装備しており、キーボード、マウス、ドライビングおよびフライトコントローラなどの様々なデバイスをフレキシブルに設置できるというものだ。
この「ロッカフォルテ」を実際に組み立て、試用してみたので、そのレポートをお届けしよう。
● 「要塞」の名を持つゲーミングデスク
・「ROCCAFORTE」(ロッカフォルテ)
メーカー:ゼネラルオートサービス(MSY)
価格:64,670円(MSYショッピング直販価格)
大きさ:縦106cm×横143cm×高さ80.5cm
重量:42kg
ゲームプレイに適した机、というコンセプトで開発された「ロッカフォルテ」は、3段構造の天板を持ち、メインテーブルの下部に「Classic Arm」を採用した、プレート角度15度、上下20.32cm、前後57.15cmの調整を可能にした「ROCCA Slider」を装備しているというちょっと変わった構造になっている。
天板はすべて木製で、上面とサイドはピアノ調の光沢仕上げ。背面はマットブラックになっている。光沢面はつるつるとした感触ながら、木製らしい温かみが感じられる。黒なので、汚れは目立たないが、ひっかき傷やほこりは気になる。また、耐熱仕様ではなさそうなので、熱い飲み物などは置かないほうがよさそうだ。
レイアウトは、中央にT字型のメインテーブル、それより一段下がって左右に2つのサイドテーブル、メインテーブルより1段上がって左右に多目的テーブルがセットされるという、正面から見て3段構造となっており、メインテーブル中央下部には、角度15度、上下20.32cm、前後57.15cmの可動式パネル「ROCCA Slider」もセットされている。
公式サイトなどを参照してもらうとわかるが、多目的テーブルとメインテーブル奥にモニタを3枚置き、メインテーブルにはキーボードやマウスなどを、サイドテーブルにはジョイスティックやスロットルなどを配置する使い方が想定されている。「ROCCA Slider」には、ハンドルコントローラをセットアップするのが一般的なようだ。
◆ 組み立ててみた
「ロッカフォルテ」は組み立て式。配送時は、ダンボール内部に発泡スチロールと保護シートにくるまれた部品がコンパクトに組み合わされている状態になっている。梱包された状態では、縦149cm×横83cm×厚さ19cmという大きさで、重さが45kgもある。横にすれば通らないドアはないだろうが、重さはちょっとしたものなので、配送されてきたときはおっかなびっくり部屋へと運ぶことになった。パーツだけでも42kgあるので、大人1人で運べない大きさではないが、慎重を期すなら2人で作業したほうがいいかもしれない。
早速ダンボールを開封。開封するときは、周りに余裕がある場所を選びたい。研究所員の場合、最初は自室で組み立てようと思ったが、ここであきらめて居間で組み立てることにした。テーブルになるパーツは1つ1つ保護用のシートが挟まった状態で梱包されているので、それを外しながら慎重に取り出す。取扱説明書は単色刷りのシンプルなもの。手を怪我しないよう、滑り止めのついた軍手がセットされているのは親切だ。
取り出したメインテーブルは、取扱説明書の記述どおり、梱包材の発泡スチロールを地面に敷いてから裏側を上にして展開すると、傷を心配せずに作業できる。左右1対と奥の計3つある脚パーツはスチール製で結構重たい。
組み立ては、基本的に付属の小型レンチで、各パーツをネジ止めするだけで済む。ネジが入る穴もきれいに加工されており、仕上げは丁寧だ。脚固定用のレール状のパーツを左右に2つ止め、さらに脚となるスチールパーツを2つセット、そして奥側にもう1つの脚をセット。先ほど固定したガイドをさらにこの脚のパーツで共締めする形でネジで固定する格好だ。6本の接地面には、スクリュー式のフットアジャストが固定できる。これもねじ込むだけでOKで、設置場所の高さにあわせて調節できる。
続いて、サイドテーブルを固定する。脚のパーツに天地逆でサイドテーブルをネジで固定するので、テーブル自体の重さを考え、膝を使って金具と密着させながら固定した。ここまでできたら、全体を天地逆にする。
そして、多目的テーブルの固定。これもそれぞれ長めのネジで固定するのだが、固定方法がサイドテーブルと違い、金属のパーツに一度ネジを通し(テーブルの回転軸となる)、そのネジを本体側の脚から伸びるガイドに固定して、その後、金属パーツとサイドテーブルを固定するという過程を必要とする。多目的テーブルが回転式になっているからなのだが、このテーブルはネジ1本で支持されるため、ネジの固定時にきつく締めすぎると多目的テーブルが動かなくなるし、緩めすぎると今度はテーブルがくるくる回って不安定になる。ここだけは、テーブルをセットしてから、もう1度分解して調節する必要が出てくるかもしれない。実際に組み立てたときは、1つのテーブルを組み立ててしまってから分解、調整し、同じような締め具合でもう1つのテーブルをセットするとうまくいった。
「Classic Arm」はあらかじめメインテーブルに固定された状態で、「ROCCA Slider」もセットされた状態になっているため、これで組み立ては終了だ。
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梱包を解き、発泡スチロールを敷いてからメインテーブルのパーツを裏返して地面に置く。最初はレール状のパーツをねじ止めする |
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脚になるスチール製のパーツも、脚の方向に注意しつつねじ止め。脚にはフットアジャストをねじ込んでおく。後で接地面にあわせて高さの調節が可能だ。さらにサイドテーブルをこれまたねじ止め |
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ここまで完成したら、天地を返して、多目的テーブルを固定すれば完成。多目的テーブルは、先に固定用のプレートを大型のネジで脚に固定してから、プレートをネジで固定する。大型ネジを締めすぎると多目的テーブルが回転しなくなってしまうので、調整しながら固定しよう |
◆ 使ってみた
組み立てて椅子に座り、「ロッカフォルテ」に手を置いてみると、6本の脚で支えられていることもあり、意外とガッシリした印象。可動式の「ROCCA Slider」をしまいこんで椅子を一番前にすると、サイドテーブルはほぼ体の中央よりも後ろよりになり、かなりタイトに包み込まれている印象を受ける。
さて、今回は、本来のPCゲーミングデスク的使用プランとは異なり、コンシューマゲームを主体としたゲーマーが「ロッカフォルテ」を使用した場合どうなるか、を試してみることにした。昨年末までに発売された据え置き型次世代機の中で、この机を使ってゲーム環境を構築するとすれば、プレイ空間をある程度必要とするWiiは候補から外れてしまう。そこで、プレイステーション 3、Xbox 360をメインとした据え置きゲーム環境を作り、さらにPCをセッティングしてみた。
メインモニタとして、NANAO(EIZO)の24インチワイド液晶モニタ「FlexScan S2411W」を選択。コンシューマーゲーム機はマルチモニタには対応していないので、1つのモニタで映像出力をまかなうのが自然だろう。HDMI>DVI変換ケーブルを使って、PS3をフルHD表示し、DVI-IとHD VGAケーブルを使ってXbox 360を接続する。音声はPC用のUSBスピーカーにステレオピンプラグで入力する方法をとった(市販のセレクタを使用)。S2411WはDVI2系統入力なので、PCも含めると入力系統が不足する。そこで、手持ちのソニーの16インチ液晶モニタ「SDM-M61」があったので、それを多目的テーブルにセットしてみた。キーボードは「ROCCA Slider」の上、マウスはサイドテーブルにマウスパットを敷いて、そこに置いた。光学式マウスはサイドテーブルの上では反応しなかったからだ。
「S2411W」をメインテーブルに置くと、左右は5cmほどの余裕があるが、多目的テーブルを回転させ、正面から見て横長の位置にもってくるとギリギリ入る、という感じになってしまう。ちなみに、「S2411」の横幅は約56cmだ。ただ、24インチモニタでも、椅子を前に持っていくと相当大きい。一番前まで椅子を持っていくと、視聴距離は50センチを切ってしまう(これは「S2411W」のスタンドがやや大ぶりであることも影響している)ので、かなり圧迫感がある。ここは、椅子をやや引き気味にして遊ぶことで解決した。モニタの大きさも、この距離なら26インチ程度までがほぼ適正といえそうだ。
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左が「SDM-16」、中央が「S2411W」をメインテーブルに設置したところ。16:9のワイド比率だと、アームの高さやモニタのスピーカーの配置にもよるが、26インチ程度が限界かと思われる。「S2411W」の場合、スタンドもそれなりに大きいため、あまり後ろのほうに設置できない(右) |
担当した研究所員の環境では、あとノートPCが2台あるので、PCは計3台設置することになった。メインテーブルの左右に12~13.5型の液晶を持つノートPCを置いてみたが、十分余裕がある。結局、計4枚の液晶に囲まれる形になった。
「ロッカフォルテ」の独特の形状で感じられたメリットは、まずケーブル類の取り回しだ。通常の天板1つの机では、たとえば電源コードや映像ケーブル、コントローラやマウスのケーブルなどは、机の四隅に向かって伸ばすなりして取り回し、それぞれの機器の間を這う、という形になるだろう。この場合、機器を移動させたりする際にちょっと気を使う必要があったが、「ロッカフォルテ」では、テーブルごとに段差が設けられているので、ケーブルはそこから下に回せるため、机の上がケーブルだらけになる、ということがない。
また、高低差を生かしたレイアウトができるので、多目的テーブルやサイドテーブルに何を設置しても、距離を感じさせることがない。今回はPS3とXbox 360を置いてみたが、椅子に座ったままディスクの交換を行なうのが楽だった。椅子を動かさなくても手が届く範囲にいろんなものを設置できるので、ジョイスティックやハンドルなどを設置しても、邪魔になることはなさそうだ。
今回はハンドルの設置は行なわず、「ROCCA Slider」にはキーボードを置くだけしか試す時間がなかったのだが、「ROCCA Slider」には滑り止めのシートが貼り付けられており、キーボードをタイピングしても動くことがない。Classic Armによる角度調節と、高さの変更ができるので、キーボードの脚などによる角度調節よりも幅広い調節が可能になっている点もうれしい。「ROCCA Slider」もガッシリと取り付けられているので、パネルがガタつくことはあまりなく、よほど激しくタイピングする人でなければ、十分な剛性感が得られている。また、使わないときはメインテーブルの下に隠しておけるため、ゲームを遊ぶだけなら、邪魔にならないのもメリットだ。
さらに、各テーブルにはフルサイズキーボードを置いても十分な広さが確保できているので、周辺機器との兼ね合いでキーボードを移動させてもレイアウトしやすい。ゲームを主体とした生活を送っている身としては、この机の使いやすさは意外なほどだ。会社にも置いておきたい(物理的スペースの都合上無理だが)と思ったほど。
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ケーブルはテーブルとテーブルの間を通して下に回しておくことができる |
多目的テーブルの上に設置したPS3とXbox 360だが、ディスクの交換も楽に手が届く |
キーボードやハンドルコントローラを設置する「ROCCA Slider」はしっかりと取り付けられており、ガタつきもあまり感じられない |
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「ROCCA Slider」はテーブルの高さと角度の調節ができる。裏側にある「Classic Arm」の横にあるレバーを開くと動き、閉じれば固定される。このほか、「Classic Arm」の上に取り付けられたノッチを動かせばスライドできるので、テーブルの下に隠すこともできる |
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どのテーブルにもフルサイズキーボードを置いても問題ないスペースが確保されている |
ちょっと注意したいのは、多目的テーブルの固定方法だ。前述の通り、回転軸となるビスの締め付けだけで調節する形になっているので、細かく調整したいときは、一度ビスを固定して、テーブルを金具に仮組みしてから感触を確かめ、また金具を外してビスを締め……という方法になってしまう。このテーブルがゆるいと、上に乗せているものを動かすとすぐにテーブルが動いてしまうので、あまり大きいものや高いものを置くのは不安だ。今回PS3とXbox 360を縦置きしたが、左のテーブルはぐらつきはしなかったかったものの、できれば横置きしたいと考えている。
また、引き出しの類がないので、一般的な机にある収納力は期待できない。別途用意することになるだろう。研究所員の場合は、もともと使っていたスチールラックと、書類入れを横に設置して対応したが、もし、この机の導入を考えている人は、机自体の大きさもあるが、別の収納スペースのことも考え、ある程度広いスペースを確保したほうがよさそうだ。
高解像度表示が可能となった次世代機。その導入にあわせて、ゲーム環境の再構築を考えている人は多いと思う。出力するモニタの選定なども大事だが、設置場所の再検討も含め、環境全体の見直しには、こういった机の再選択もちょっとお勧めしてみたい。価格がそれなりに高いが、検証を担当した研究員は、しばらくこの机を使い続けてみようと思っている。
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□MSYのホームページ
http://www.m-s-y.com/
(2007年1月16日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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