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2006年最後のバージョンアップとして12月19日に大規模バージョンアップが登場した。チョコボ育成の新要素追加、ビシージのリミットポイント取得可能、モグロッカーの拡張、ナイト、コルセア、からくり士の変更、アブゾ系の黒魔法の調整、新青魔法など、多岐に渡る内容となっている。 中でも注目なのは、新大人数バトルコンテンツ“サルベージ”だ。参加可能人数は6人から18人まで、専用エリアを100分占有して挑む。3名から6名で挑む手軽なアサルトを小規模、攻めてくる蛮族軍と最大700人規模で戦うビシージを特大規模とすると、サルベージはこの間に位置する大規模コンテンツであり、腰をすえてじっくりと攻略するものだ。
今回はその“サルベージ”に筆者が挑んできたときのプレイレポートをお届けしよう。年末年始休みや冬休みを生かしてチャレンジしたいと考えているかたに、事前知識やプレイのお約束、そして雰囲気を掴んでもらえれば幸いだ。
● 参加資格となる“謎の証文”はアサルト作戦戦績と交換
サルベージに参加するには、だいじなもの「謎の証文」を参加者全員が取得している必要がある。これはアサルト作戦を受ける公務代理店の扉の横にいるヒュームのNPC“Zasshal”から入手できる。引き換えにするのはアサルトで得た作戦戦績2,000点分だ。これはどの作戦領域の戦績でもよい。 サルベージの舞台となるのはアルザダール海底遺跡群の奥にある4箇所の“遺構”だ。通常、アルザダール海底遺跡群に入るためにはアトルガン白銀貨1枚を拝観料として払う必要があるが、謎の証文を所持しているときはこれが免除される。ただし謎の証文は入手してから日本時間24時を過ぎないと再入手できない。つまり、サルベージは1日1回縛りのコンテンツということになる。 ● 各“遺構”に移動するのに便利な“ナイズル島監視哨”
それを一挙に解決してくれるのが、新たに登場した“ナイズル島監視哨”の存在だ。アルザダール海底遺跡群に移送の幻灯でワープできる新設の監視哨であり、各地のアルザダール海底遺跡群ともワープ装置で繋がっている。すなわち、サルベージに行くときは、まずナイズル島監視哨に行き、そこからどの遺構に入るかを選ぶという道順になる。 ナイズル島監視哨とアルザダール海底遺跡群は、サルベージ目的以外の移動手段としても便利だ。例えばゼオルム火山のナバゴ処刑場や、アラパゴ暗礁域のアシュタリフ号の場所なども、ナイズル島監視哨を経由すると楽にいけるようになる。ミッションやアサルトタイプのクエスト、戦績バトルフィールド、そしてレベル上げなど、サルベージ以外の目的地に行くにも有益であるため、早い段階で開通させておくのがオススメである。 ナイズル島監視哨へは、どのアルザダール海底遺跡群の入り口からでもいけるのだが、アルザビから近いバフラウ段丘北西の入り口が一番わかりやすいだろう。まずアルザダール海底遺跡群に入り、そのエリアの奥に2つあるワープ装置のどちらかに乗る。ワープした先はバフラウ遺構の入り口がある場所だが、ナイズル島監視哨に行きたい場合は西側にある白く光るワープ装置で再度移動する。 着いた場所はかなり広いエリアで、中心部の4つの小部屋には各遺構への入り口へといけるワープ装置がある。東側には大きめの部屋があり、その部屋がナイズル島監視哨だ。移送の幻灯が2つあるがどちらもアトルガン白門に着く。このナイズル島監視哨のアサルト作戦は現時点では実装されていないものの、ここにはアサルトを開始するときの秘封もある。将来的にはナイズル島監視哨でのアサルト作戦も登場するのだろう。 ● 戦略の鍵を握る“アルザダールパトス”と“インビュードアイテム”、必須の事前準備 さて、サルベージにおいてもっとも重要なポイントになるのが、“アルザダールパトス”と呼ばれる能力制限だ。これをいかに、どのような順序で開放していくのかが鍵となる。サルベージ開始時に「……凄まじいプレッシャーを感じる」というログが表示され、数多くの能力に制限がかけられてしまう。制限の種類は以下の5種類。
・オブリビセンス…サポートジョブを制限する ・インペア…ジョブアビリティの使用を制限する ・オメルタ…魔法の使用を制限する ・デビリテート…ステータスを著しく低下させる(HPmaxダウン、MPmaxダウンを含み、9種類)
この制限を解除するのが、“インビュードアイテム”だ。制限項目と同数の20種類があり、「○雲の真輝管」(○に任意の漢字が入る)という名前の消費アイテムになっている。遺構でモンスターを倒すとドロップし、使うと消費して制限が解除される。ドロップアイテムのため、必要な人がロットし不必要な人はパスするという手順になる。この判断をその場で考える時間のゆとりはない。事前にある程度の能力開放の優先順位などを打ち合わせておこう。 インビュードアイテムは普通のアイテム欄に収まるため、トレードで必要な人に渡したり、バザーに出すこともできる。サルベージ終了後に外に持ち出すこともできるが、次回のサルベージ突入時にインビュードアイテムを持っていると入ることができない。惜しまず手に入れたときに活用しよう。 さて、このように能力が制限されてしまうため、準備必須になるのが呪符リレイズなどのリレイズアイテムと回復アイテムだ。魔法を開放するインビュードアイテムが手に入るまで、レイズやケアルは使えない。そのため、魔法の開放前に戦闘不能になってしまうと蘇生方法がないため、その場に置いていくしかなくなってしまう。
同様に魔法が使えない間は、回復手段もアイテムに頼るしかない。アサルトの報酬などで登場するHポーションタンクなどを保管しておいてサルベージで有効に使おう。気をつけたいのは、中に入ってからポーションを引き出そうとしても、背・腰装備の制限を開放しなければ引き出せないこと。事前に引き出しておこう。
戦士、ナイト、忍者、モンク、白魔道士、黒魔道士、吟遊詩人が各2名ずつ、それにシーフ、竜騎士、獣使い、召喚士が1人ずつの計18名、全員75レベルのフルアライアンスとなった。場所はバフラウ遺構。筆者は吟遊詩人で参加してみた。 作戦が開始されて中に入ると、まず異変に気づく。全員が丸裸になり、HPとMPの最大量も減っている。すぐさま装備変更の画面を開いてみると、装備欄には×印が並び、HPは半分以下、MPに至っては0だ。サポートジョブレベルは0、ステータスにも全て-30という大きく低下されている。もちろん魔法もアビリティも使えない。ウェポンスキルはアビリティとセットの扱いになっているようで、これも使えない。 ただし、ジョブ特性のみは生きているため、獣使いの参加者の広域スキャンを頼りに恐る恐る進んでいった。マップは大小の部屋が細い通路で繋がっているような作りで、左右対称の作りをしている。左右に道が伸びており、どちらかを進んで最終的には中心地の広間に着くという作りになっている。どちらのルートを進んでいくか迷いつつも、とにかく先に進んで能力を開放しないことには始まらない。今回は右のルートを進むことにした。
ここでダメージを出しているのは、格闘の第一人者であるモンク、そして格闘スキルを持つ戦士、忍者、思いがけなかったのが竜騎士の飛竜の攻撃だ。サルベージ侵入前に呼び出しておいたものだが、中に入ってもついてきていた。筆者もためしに攻撃してみたが、元が非力で格闘のスキルも持ち合わせていない吟遊詩人では0ダメージ。前衛ジョブの参加者に任せて後ろで観戦することにした。何もできない、役に立たないというのも寂しいので、引き出しておいたハイポーションをバザーに並べて、前衛ジョブの参加者に手持ちのポーションが尽きたらバザーから買ってくださいと伝える。薬品が唯一の回復手段だけに大切だ。 モンスターの攻撃を一身に受けているのはモンク。最大のダメージをたたき出している結果だ。ハイポーションを次々に消費して耐えるほかない。なんとか倒し終わると、「瑞雲の真輝管」というステータスの制限を解除するアイテムがドロップした。インビュードアイテムが出た後に大事なのは、どのジョブの人が何にロットして開放するかだ。このときは現時点での主戦力であるモンクの参加者に開放してもらった。 ドロップアイテムとは別に、バトルフィールドの勝利時に出現するような宝箱も出現。開けてみるとメニューが開き、ストレンジミルク、ダスティポーションといったテンポラリ属性のアイテムを取り出すことができた。この箱は中から中身を全て取り出し終わらない限りなくならないようで、何度でも中に残っているアイテムを取り出せる。ストレンジミルクを使うとHPリジェネ、ダスティポーションはHPを300回復できた。この宝箱から出るアイテムの活用も攻略の成否を左右しそうだ。
次々にモンスターと戦闘を繰り返し、サルベージのおおまかな感触がつかめてきた一行。とどのつまり、持ち込んだアイテムや宝箱から現地調達したアイテムを活用しつつ、モンスターを倒して進み、インビュードアイテムで能力を開放していけばいい。サルベージ自体の基本仕様はシンプルでわかりやすいが、インビュードアイテム活用術の奥深さは計り知れない。
1層目に比べてモンスターの数が増え、ここからは危機的な状況も訪れる。特にSulfur Scorpionがリンクしてしまったときは、範囲攻撃を浴びて倒れるメンバーが続出。開放したばかりの魔物のララバイやスリプルで寝かせなんとか対処したが、激しく消耗した。この時点で占有時間の半分に当たる50分が経過している。フルアライアンスだけに残った戦力でもなんとか進めると判断して突き進む。 マップの中ほどでトロールを倒したとき、はじめてインビュードアイテム以外の装備品が出現した。エニュオレギンスというレベル15の両足防具だ。後述するが、これこそサルベージの目玉とも言える装備品入手に必要なアイテム。この装備品入手に関しては、事前にロットルールなどを決めておくのがよいだろう。
残り時間は10数分。ここで少しでも奥に進みたいと、敵モンスターをできる限り避けて進むという方法を試した。各部屋に複数のモンスターがいるものの、端を進むなど注意して進むと戦闘を避けることができる。インビジやスニークといった魔法も敵の感知能力に合わせて使えば通用するようだ 敵をひたすらに避けて奥へと進んでいくと、見慣れないArcaic Gearという機械の外観をした敵を発見。これは試しにと戦闘してみるが、A.グラビティという範囲攻撃で200~300ほどのダメージを浴びせられ、かなり苦戦を強いられた。その後、なんとか第4層に到達すると、先ほど相手したArcaic Gearや、それが3つ連なった姿のArcaic Gearsという敵がいるフロア。先ほどの苦戦を考えて極力避けて進むことに。特異な姿の敵だけに、なにか特別なことがありそうだが……。中には戦闘しようとすると、テレポでどこかに消えてしまうものもいた。いかにも何か仕掛けがありそうだ。 第5層にたどり着くと、そこには……。ここからはぜひともご自身の挑戦でご確認頂きたい。ちなみに筆者の参加したアライアンスは、ものの数秒で壊滅させられてしまった。第3層、第4層でみかけた機械の敵たち、特殊な動きをしていた敵など、なにかしらのギミックがありそうだが、それも現時点では予感だけで確実なことは言えない。
結果から報告すると、銀海遺構でのセカンドトライは、良い結果がでなかった。インビュードアイテムは武器・防具類が多く得られたものの、構成的に後衛ジョブが多かったためそれを生かし切れず、実質的に戦力になっているメンバーが少数なままに時間が大きく経過してしまったのだ。 バフラウ遺構と難易度を比較すると、敵の強さに大きな違いは感じられなかったが、集まった戦力と、必要とされるインビュードアイテムのドロップがあまり噛み合わなかったのが大きな敗因と思われる。最終的には、第2層の途中で100分が過ぎてしまうという結果になった。 バフラウ遺構と共通で感じたのは、マップが左右対称で左右のどちらかのルートから中央を目指すような作りになっていたこと。そして倒した敵から得られるインビュードアイテムにある程度の偏りを感じたことだ。ルートの選択によって、道中に待ち受ける敵モンスターとそれから得られるインビュードアイテムが変化するのかもしれない。
サルベージで重要になるのは、本来の能力を発揮するために必要なインビュードアイテム数で、言うならば開放コストとでも言えるもの。例えば前衛ジョブなら、アビリティと武器・防具、そしてステータス類、後衛ジョブなら何をおいても魔法の開放がまず欲しいところ。だが、空蝉の術を活用した盾役を忍者にやらせると考えると、前衛ジョブの解放要素に加えて、魔法の解放も必須になる。つまり、忍者は開放コストが高いジョブと言えるわけだ。 このため、最終的に忍者が盾役をするのに必要な開放が揃うまでは、アビリティ開放だけで敵対心を維持できる戦士、魔法とアビリティで回復役をこなしつつ敵対心も上げられるナイトといった、比較的開放コストの安いジョブとのバランスを考える必要がある。 ちなみにペットジョブのサルベージとの相性はというと、まず獣使いは呼び出しペットのために、「レンジウェポン・矢弾」と「アビリティ」の開放が欲しい。だが、レンジウェポン・矢弾の装備開放は吟遊詩人が楽器を装備するのに必要であり、狩人にとっても生命線。一方、召喚士は召喚獣の召喚に魔法、コントロールにアビリティが必要だが、召喚獣は呼び出しなおせばHPを満タンにできるし、契約の履行で回復、攻撃、補助をこなせる。
このように、ジョブとの組み合わせやインビュードアイテムの入手履歴などでケースが変わるため、有用、不要、向き、不向きといった一概の判断はできない。能力の開放という新要素でジョブバランスをうまく取っていることを確かに感じたので、ぜひとも様々な戦略にチャレンジ頂きたいところだ
18人という大人数でのプレイは非常にワイワイと盛り上がり楽しいものの運用が大変という面があり、サルベージはインビュードアイテムの分担など戦術を考える必要もあって、リーダー役をはじめとするメンバーの労力は相当なもの。専用のLSなどに所属して固定メンバーで錬度を上げていくという方法もよいが、1パーティーからの楽しみ方も模索したい。また、参加人数によって、敵の強さや数が変化するかもしれない。いずれにしてもチャレンジしてみる価値はある。 挑んだのはファーストトライで挑戦したバフラウ遺構。今回のメンバーは忍者2名、モンク、赤魔道士、白魔道士、吟遊詩人の6人。忍者は前述のように能力開放のコストが高めなハイブリッドジョブの筆頭だが、インビュードアイテムが効率よく集まれば、従来通りの高いパフォーマンスを発揮できる。これを狙った構成だ。 このときのプレイで重視されたのが、欲しいインビュードアイテムを狙う、というもの。ここまでに書いたようにサルベージのマップはルートが選べるような作りになっており、その選択によって、敵モンスターやそれから得られるインビュードアイテムが変化する可能性を感じた。詳しくはネタばれになるのでふれないが、この“ルートを考える”という考え方は重要なポイントだ。 武器、防具といった装備、アビリティ、サポートジョブ、魔法といったステータス以外のインビュードアイテムを早期に集めることに成功し、6人が次々と従来の戦術を使える状態になっていった。これはパーティー規模でもアライアンスでもかわりないが、必要なインビュードアイテムをいかに狙えるかは焦点になるだろう。 1パーティー規模のため、インビュードアイテムの分担も素早く判断できるし統制も楽。だがその反面、戦力はあくまで6人のため、戦闘時間などが長くなり進行は遅くなる。そして、6人の戦力ではクリアを目指すことは現時点での判断では難しいとも感じた。 敵モンスターの数や強さに関しては参加人数に関わらず変化はないようだ。だが、インビュードアイテムを6人に集中できることがあり、能力開放いかんではあるが、最低人数の6人でも奥へと進んでいける。最終的には第3層のArcaic GearやArcaic Gearsを倒したあたりで100分が過ぎた。このときのプレイでは「アヌティアラ」という白吟召が装備可能なレベル15からの頭装備がドロップした。
本稿中に何度か登場したサルベージで得られる装備品だが、これが何なのかは、アトルガン白門にあるアサルト作戦を受ける公務代理店の南の区画にいるGhanraamというNPCと話すことでわかる。サルベージで得られる防具は、いわば“素材防具”とでも言えるもので、指定された装備品をサルベージから集めてくることで高性能な防具を作ってくれるというのだ。
“サルベージ”というコンテンツの名称は、遺構から素晴らしい性能を秘めた防具の数々に強化できる装備品を引き揚げる、という意味合いなのだろう。彼からは高性能な防具の性能を確認することもできる。また、サルベージで得た素材防具を預かってくれるので、忘れずに活用したい。
参加に必要となるのはアサルト作戦戦績という斬新な提案だった。これまでのアサルトでは、ひとたび欲しい装備品が集まってしまったりするとモチベーション維持が難しく、また、毎回のバージョンアップで階級と作戦種類が急速に増えすぎたこともあってか、順調にアサルトを楽しめている人と置いていかれてしまった人との温度差もあるように感じていた。今回のバージョンアップではアサルトの内容は据え置きで、サルベージに参加するために恒常的に作戦戦績を稼ぐ必要がでてきた。これを機に、アサルトの活況も戻っていくのではないだろうか。 サルベージのポイントである能力が制限されてしまう、というギミックは斬新で面白い。これまで連綿と続いてきたジョブバランスの天秤が一時的にとはいえまっさらになり、制限を開放していくという仕組みに思い悩む。レベル上げなどでトレンドに置かれているジョブは様々な能力が繋がってパフォーマンスを発揮していることがよくわかり、必要なインビュードアイテムのコストによってサルベージならではのバランスが作られている。
今回お届けしたのは、あくまで数回のトライで得た感触を元にしたファーストインプレッションであり、お伝えできたのはほんの一部に過ぎない。まだまだ攻略や楽しみ方の可能性は眠っている。様々な戦略を試し、楽しみたいものだ。ちなみに、本稿執筆時点で筆者が次に試してみたいと考えているのは、12人ほどで挑み、左右に分かれているルートを1パーティーずつに分かれて進みインビュードアイテムを集めるという戦略。もしかしたら、その戦略を試したときに“アライアンス全体のチームワークが試されるような新しい遊び”という真の意味合いが掴めるのかもしれない。 (C)2002-2006 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年12月27日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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