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マイクロソフト株式会社はXbox Liveを使用し、Xbox 360のシステムアップデートを行なうと発表した。
これまでもXbox 360は2度システムアップデートを行なっており、今回の「2006年 秋のシステムアップデート」で3度目となる。Xbox Liveに接続すれば、自動的に最新のアップデートを行ないますかと聞いてくるので、ここでアップデートを行なうことになる。システムアップデートは10月31日の夜から行なわれる予定。もちろん無償で行なわれる。同社は「今後も毎年2度、システムアップデートを行なっていく」としており、今後もアップデートを定期的に行なうことで機能拡張を行なっていくつもりだ。 ■ 「2006年 秋のシステムアップデート」について 今回のアップデートは各種インターフェイス周りの改良、メディア再生機能の追加、Xbox Live アーケード機能の改良、今後発売される周辺機器への対応などが対象となっている。コンセプトとしては「Xbox 360を“もっと”楽しく便利に!」を挙げており、「もっと楽しくゲームを遊ぶ」、「もっと手軽にコンテンツを楽しむ」、「もっと楽しくみんなが繋がる」、「もっと安全に楽しめる」の4項目に集約される。 グラフィックス関連で大きいところでは、これまでD4 (720p) 対応だったが、ゲーム画面のD5(1,080p)での表示に対応した。しかし、どういったタイトルがD5に対応しているのかについては「把握していない (マイクロソフト担当者)」としており、現在発売されているタイトルの中で対応しているソフトは無いようで、さらに今後発売されるタイトルについてもこの解像度での出力に対応しているかについては明らかにされなかった。 面白いところでは「Xbox Live マーケットプレイス」のアップデートが挙げられる。これまでマーケットプレイスでは1度コンテンツを購入すると再度購入することはできなかったが、今回のアップデートで複数回の購入が可能となっている。たとえばこの機能を使い、ポーションや銃弾などの消費系のアイテムの販売が可能になったといえる。これによりネットワークゲームなどで必要なアイテムだけを買うといったことが可能になる。さらに、MMORPGなどのプレイチケットや麻雀ソフトなどでのトーナメントに参加するためのチケットの販売などにも対応しており、ゲームの幅を広げている。 もちろんマーケットプレイスから購入しなければならないわけではなく、今回の機能アップデートでゲーム内からゲームアイテムを購入することができるようになっている。また、衣装アイテムなどの場合、一度キャラクタに着せて確認してみたいものだが、プレビュー機能も搭載している。 同社の力を入れているもののひとつにカジュアル系ゲームなどが多数含まれている「Xbox Live アーケード」がある。今回はここでも新機能の投入が行なわれている。Xbox Live アーケードでは体験版をダウンロードし、気に入ったらマイクロソフトポイントを支払うことでフルバージョンにアップデートすることができる。今回のアップデートで、Xbox Live アーケードに新着のゲームがアップされると自動的に勝手にダウンロードしてくれる機能が追加された。ダウンロードされたものをプレイしてみて気に入らなければ削除することができるわけで、ヘヴィーにXbox Live アーケードのゲームを楽しむユーザーにとってはありがたい機能だろう。ちなみに、「アクションだけダウンロードして欲しい」といったジャンルの指定はできない。デフォルトではこの機能はオフになっているが、設定で自動ダウンロード機能をオンにすることができるようになる。 こうやってたくさんダウンロードしていくとズラリと一覧で表示され、何が何だかわからなくなるが、今回のアップデートでダウンロードされたゲームが自動的にジャンルごとに分類されるようになった。さらにXbox Liveでフレンドリリストに登録している友人に簡単にゲームを薦めることができる。プレイしたXbox Live アーケードのゲームが楽しい場合、ボタン一つで定型文が友人に送られる。ここには録音した声や映像を添付して送ることもできる。この手軽さはゲームをプレイする友人の輪を広げることに一役買ってくれそうだ。 たくさんコンテンツをダウンロードすれば当然ハードディスクの容量が無くなってくる。今回のアップデートではダウンロードするときに“Y”ボタンを押すと「空きをつくる」ことができる。これまでは一度メニューに抜け、システムから削除データを選択することになっていたが、今回の機能拡張で、一発でハードディスクの内容をチェックして必要ないと思えばメモリに収められたコンテンツデータを削除し、容量を確保することができる。 このほかにも、クランなどでプレイする時に、よりプレイしやすくするといった機能拡張も行なわれている。こういった機能はゲームに直結するもので、今後リリースされるタイトルによって様々な機能が利用できるようになっていくだろう。 ゲーム関係のアップデートでは、XNAに関する機能拡張が挙げられる。これまでから様々な機会でXNAをアピールしてきたマイクロソフトだが、2006年中にWindows XP SP2およびXbox 360用のゲーム開発が可能となるXNAのツール「XNA Game Studio Express」がリリースされる。ツールは無償でダウンロードし使用することが可能。ただし、Xbox 360でゲームの開発、実行を行なうためには「XNA Creator's Club」のメンバーシップにならなければならない。これには年間10,290円 (もしくは4カ月5,040円)が必要。現状は自分でゲームを製作してXbox 360上で実行することに留まるが、ゆくゆくはインディーズのゲームとして配布や販売も行なうことができるようになることも考えられる。マイクロソフトとしてもそこまで踏まえた構想があるようだ。 メディアの再生機能としては、CD-RやDVD-R、USBメモリーなどのストレージに記録されたWMVファイルの再生に対応した。他のビデオフォーマットについては現状では対応していない。
Xboxの公式ホームページ「xbox.com」上でできることも増えている。Xbox 360の保護者の設定機能やXbox Liveのメンバーシップ更新、マイクロソフトポイントの購入も実現されている。 ■ 周辺機器について 海外ではすでに発売されているが、日本では11月に数多くの周辺機器が発売される。11月2日には「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」、「Xbox Live ビジョン」、「Xbox 360 ユニバーサルメディアリモコン」、「20GBのハードディスク」が発売になるほか、11月22日には「HD DVDプレーヤー」が発売となる。 最も注目されるのは「HD DVDプレーヤー」だが、いくつか新しい内容が明らかにされた。HD DVDプレーヤーについては、「HD DVD」のロゴが表示されたメディアの再生に対応する。CDやDVD-Videoについては従来通り、Xbox 360本体のドライブで鑑賞することになる。HD DVDプレーヤーのパッケージにはXbox 360本体のアップデート用ディスクが同梱されており、アップデートして楽しむこととなる。HD DVDプレーヤーは現状はXbox 360専用となっている。これは、Windows側のドライバがないという理由から。物理的にWindowsで使用できないということではないようだ。 HD DVDプレーヤーとXbox 360本体は、Xbox 360の背面にあるUSB端子と接続することで使用し、映像、音声の出力についてはXbox 360本体のものを使用する。HD DVDプレーヤーを接続するとXbox 360のUSB端子が埋まってしまうため、HD DVDプレーヤー側に2つのUSB端子がハブ用として用意されている。これまでワイヤレス LAN アダプターを利用していた人はこちらを使用することになる。 マイクロソフトによれば1層15GB、2層30GBで、HD DVD規格に完全に準拠しており、「操作感も含め東芝のプレーヤーでできることと全て同じ (マイクロソフト担当者)」としている。Xbox 360ならではの面白いところとしては、ガイドからXbox Liveで繋がっている友人などとボイスチャットを楽しむことができるという点だろう。 HD DVDに関して言えば、前述の通りUSBで本体と接続することになるが、HDMI端子については現状、公式にはプランがないと言うことだという。またHD DVDを利用したゲームは現状考えていないことが改めて明らかにされた。HD DVDプレーヤーは現在ゲームフォーマットに対応していないのだという。同社担当者は「ゲームについてはDVDフォーマットで十分だと考えている」と繰り返した。 ちなみにXbox 360はアナログケーブルに関しては1,080iでの出力となるため、HD DVDプレーヤーでの出力もこの数値に準拠することとなる。しかし、VGAケーブルであれば1,080p相当の解像度で出力することが可能だという。 9月に行なわれた発表会においてもHD DVDプレーヤーのデモが行なわれたが、様々なギミックが用意されており、立体的に映画を楽しむことができる。たとえば本編の映像を再生中にストーリーボードを表示したり、ピクチャー in ピクチャーで製作秘話のインタビュービデオを表示することも可能。もちろんこれらの機能はソフト側の機能ということで、これらの機能を使用したHD DVDソフトでなければ楽しむことはできない。年末までには70タイトルがリリースされるという。 このほかの周辺機器では、「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」についていくつか明らかになっている。「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」は、Xbox 360本体に対して認識させることになるが、4つまで認識させることが可能。コントローラではなく、本体に対して認識させることになるため、コントローラの認識番号が1で、「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」の認識番号が2などずれることもあり得る。これは「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」側のボタンを押すことで番号をコントローラと合わせることができる。 「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」には充電器が同梱されており、内蔵型バッテリーに充電して使用することができる。フル充電で8時間楽しめ、電池残量を画面で確認することができるほか、少なくなると「ピピピ」と音が鳴り教えてくれる。本体から10mほど離れても使用することができるという。基本的にXbox Liveで使用することが前提であるため、Xbox Liveに接続することで自動的にアップデートされる。
「Xbox 360 ワイヤレスレーシングホイール」については残念ながら発売は未定だが、同社によれば、年明けににはリリースしたい意向だという。「Xbox 360 ワイヤレスレーシングホイール」の電源については、通常の使用であれば、ワイヤレスコントローラで使用されるバッテリーパックをそのまま使用して利用できる。しかし、フォースフィードバック機能を使用する場合、AC電源が必要となる。モーターを動作させるわけだから、これは致し方ないところだろう。 □Xboxのホームページ http://www.xbox.com/ja-jp/ □関連情報 【9月20日】マイクロソフト「Xbox 360メディアブリーフィング」開催 日本向けタイトルを拡充、年内に110タイトルをリリース http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060920/ms.htm (2006年10月30日) [Reported by 船津稔]
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