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【連載第235回】 あの、おもちゃを徹底レポート




コントロール自由自在のハイスペックチョロQ!
タカラトミー「Qステア」

「Qステア」
発売 タカラトミー
価格 1,280円 (スターターセット)
電源 ボタン電池LR44×4(内蔵)
発売日 発売中



 これは驚きの商品だ。あの「チョロQ」がそのままの形でラジコン (「Qステア」は赤外線コントロール) となり、自由自在にコントロールができるというのだから。過去に「デジQ」のタイトルで同趣向の商品が発売されたことはあったが、「デジQ」は実際の「チョロQ」と比べると、ひと回り大きかった。今回の「Qステア」は正真正銘、従来の「チョロQ」と同サイズだ。しかも「デジQ」と比べると、走行性能も格段にアップしているという。これは走らせるのが楽しみだ。


電池が内蔵されているので、充電なしですぐに遊べる

 トイショップの店頭では品切れが続いており、何軒もの店を回った末にようやく手に入れたのだが、一見して驚きのあまり笑ってしまった。小さい。予想していたとはいえ、あまりに小さいのだ。昔ながらの「チョロQ」そのものの本体はもちろん、マッチ箱のような小さなコントローラには特に驚かされた。今後、これ以上に小さなラジコンは登場しないのでは? と思わされるサイズだ。

 商品はすでにバリエーション豊かに展開されており、「Qステア」とコントローラが同梱された「スターターセット」と、「Qステア」単体のものが発売されている。筆者は「スターターセット」を2個買った。理由は簡単だ。「Qステア」には、A~Dの4種類のバンドが用意されており、同時に4台走らせることができる。2台同時に走らせたいがために、「A・Bバンド」に対応した「スカイラインGT-R」と、「C・Dバンド」に対応した「スバル360」の2種類を購入したのだ。

「スターターセット」のパッケージ。クールなイメージのデザインで“本格派”をアピール
 パッケージを開けると、まず最初に懐かしさがこみ上げてきた。「Qステア」と名前は変わり、「40mm S-techシャーシ」を装備するなど、内部機構は最新型のテクノロジーを搭載しているのだが、見た目は「チョロQ」そのものだ。オリジナルの自動車を大胆にデフォルメし、可愛さをかもし出しながら、なおかつ頼もしさを感じさせる、あのデザインだ。

「スカイラインGT-R(R34)」の力強いボディデザインを「チョロQ」らしいデフォルメで表現
日本最初の大衆車として知られる「スバル360」。てんとう虫の愛称で知られるキュートな名車だ


10円玉との比較。いかに小さな車体だということがよくわかるはずだ
 それ以上に驚いたのはコントローラだ。これまでさまざまなラジコンとコントローラに触れてきたが、まず間違いなくこれが最小級のコントローラだ。見方を変えれば、デジタルオーディオプレーヤーに見えなくもない。

 こうした超小型ラジコンなどは、本体とコントローラを接続し、コントローラから電源を供給するのが常だが、この「Qステア」は少し変わっている。「Qステア」本体、そしてコントローラにすでにボタン電池が内蔵されているので、充電なしで遊べるのだ。これは新しいし、うれしい配慮だ。

 遊ぶ前の準備は、2つある。1つ目は「Qステア」本体の電源をオンにすること。2つ目は「Qステア」本体とコントローラ両方のスイッチを動かし、バンド数を同じにすること。「Qステア」本体のバンド数をAにしたとしたら、コントローラのバンド数もAにする。

 これらの一連の操作は、「Qステア」本体の裏面にある小さなスイッチを動かすため、指では多少だが困難を伴う。そのため、コントローラの下部にある「アジャスタースティック」というドライバーのような部品を引き出し、これを利用してスイッチを動かす仕組みになっている。

 コントローラに用意されたボタンはぜんぶで4種類。いちばん左にあるボタンは、前進と後退を司るもの。右にあるボタンは左右への旋回を司るもの。中央下部にあるAからDまで書かれたボタンは、「Qステア」本体とコントローラを同調させるスイッチだ。本体の上部右側にはダッシュボタンがある。走行中に押すと、「Qステア」がダッシュをし、走行スピードが上がる。

コントローラと10円玉の比較。「Qステア」本体ともさほど変わらぬ小ささに驚かされる コントローラに付属した「アジャスタースティック」を使い、本体の電源をオンにする



あの10円玉を使ったウイリー走行も操作可能!

 「そんな前置きはいいから、早く遊び心地を教えてくれよ!」という読者からの声が聞こえてきそうだが、結論からいえば良好なフィーリング。個人的に気に入ったのは、走行スピードのチューニング。テーブルの上でも遊べるように、早すぎもせず、遅すぎもせず、絶妙なスピードなのだ。速さのあまり「Qステア」がテーブルの上から落下するという心配とは無縁で、安心して遊ぶことができる。

 おかげで夢中になって遊んでしまった。心地よく進む前進は言うに及ばず、左旋回から右旋回へのステアリングの切り替え、バック走行、ダッシュ走行などがコントローラの操作と同時にくり出され、マシンを自由自在に走らせられる喜びを堪能した。

コントローラを使ったプレイイメージ。小さな車体を自在に走らせられる 付属の紙製パイロンを使って、テクニックの要るS字走行に挑戦してみるのもいい

 「チョロQ」の伝統といえるウイリー走行も、もちろんある。本体後部のコインホルダーに10円玉を差し込んで、一度バックさせてすぐに前進させると、ウイリー走行をくり出すことができる。

ウイリー走行のイメージ。「これぞチョロQ!」といえる走りだ
 また、赤外線機能付の携帯電話にも対応している。独自のiアプリをダウンロードすると、携帯電話を「Qステア」のコントローラとして利用することができるのだ。もちろん、ダッシュボタンなどの機能もそのまま使える。ユニークなのが、ダンスモード。これを利用すると、「Qステア」がまるで意思を持ったように、前進後退や左右旋回を自由気ままに展開するのだ。「Qステア」の優れた走行性能を鑑賞できるモードだといえよう。

「Qステア」のiアプリ画面。「今日のハッピー」を選ぶと、リモコン画面の下に、その日の運勢が表示される 携帯電話で操作しているイメージ。慣れればコントローラと同等の操作を行なえる
通常走行シーン
[MPEG形式:300KB 3秒]
ウイリー走行
[MPEG形式:108KB 2秒]


 価格はわずか1,280円。これだけ遊べて、1,280円だというのだから、コストパフォーマンスの良さにも驚かされる。興味があれば文句なしに「買い」の傑作トイだ。

(C)2006 タカラトミー


□タカラトミーのページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「Qステア」のページ
http://www.takaratomy.co.jp/products/qsteer/


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(2006年10月19日)

[Reported by 元宮秀介]


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