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会場:コーエー本社
「破天の章」は新職業「傾奇者(かぶきもの)」が追加される。派手な衣装に隈取りを施した顔、キャラクタのアクションも奇抜で、これまでにない趣を本作にもたらすだろう。彼らはパーティーの支援能力が高く、今までとは違ったパーティープレイが可能になる。この他にも、上級者向けの新ダンジョンや、初心者向けゾーンの追加、さらにプレーヤーの「屋敷」に店を置くことができる「楽市楽座」など多数のシステムが追加される。 また、今回の発表会では、携帯電話との連動サービスも予定されていることが明らかになった。携帯電話で友人とゲーム内のメールを交換することができたり、雇ったNPCに治水や開墾を指示する「知行」を行なうことができる。更に生産や採取などもゲームを起動せずに行なうことができるという。こちらは2007年春にサービス予定だ。
■ 「信長の野望Online」3年間の歩み、「破天の章」で更なる高みを目指す
「振り返ってみますと『信長の野望Online』は日本のオンラインゲーム市場の黎明期から市場と共に発展を遂げてきた、という感じがします」と松原氏は語る。「信長の野望Online」は積極的にイベントや機能のアップデートを行なってきた。プレーヤーに「花火」アイテムを与えることでプレーヤー自身が花火大会を主催したり、七夕や花見など本作らしい季節のイベントを開催、さらに多くのプレーヤーが東西に別れて戦う「東西大合戦」も行なわれた。 その後、2004年4月には新しい国が追加され、現在の21カ国の体制が確立される。その間も、多くのプレーヤーの意見を参考にゲーム内の職業バランスは常に調整されていった。一方、初の拡張パックである「飛龍の章」では、一部の機能の実装が遅れたりと、いくつかの不具合が発生してしまうことに。このことに関して松原氏は「大きな反省点として、今でも重く受けとめています」とコメント。この失敗を踏まえて開発プロセスが見直され、より一層テストを行なうようにしただけでなく、公式ページに「開発本陣」というコーナーを作り、開発の方向性をユーザーに公開することになった。 また、「信長の野望Online」の海外での展開も紹介された。台湾では2005年8月より正式サービスを開始しており、1周年を記念したイベントとアップデートが行なわれ、大変好評を博したという。中国でのサービスは難航しているところもあるが、2006年の秋には正式サービスに移行する予定だ。 「破天の章」は「そろそろ新しい拡張パックを!」というユーザーの声が非常に高まっており、それに応える形で制作さることとなった。「飛龍の章」では龍が空に舞い上がるように、よりゲームが発展してほしい、という願いを込めてタイトルがつけられたという。「破天の章」はさらに天を打ち破る勢いで、日本を代表するオンラインゲームとして羽ばたいて欲しいという願いが込められている。「破天の章」は、ユーザーの要望が大きかったグラフィックス面の強化に特に重点が置かれている。
松原氏は最後に「『信長の野望Online』は3年間、本当に多くのユーザーに支えていただきこれまでサービスを続けることができました。『破天の章』のスタートによって、既存のプレーヤーの皆さん、そしてこれからゲームを初めてくださるユーザーどちらにもより一層楽しんでいただけると確信しています。これからも開発陣は精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします」とコメントした。
■ 支援職の傾奇者や強力なダンジョンなど、より深いゲーム性をもたらす新要素
ゲームに登場する傾奇者は髪型や髪の色を変更でき、男は髭を生やすことも可能だ。女性キャラクタは派手な耳飾りをつけることができる。顔には化粧を施すことができ、歌舞伎役者のような派手な隈取りや、京劇の役者のような派手なアイラインを顔に描くこともできる。戦闘時のアクションも独特で、まず外見で強烈な個性を主張できる職業だ。 戦闘時の傾奇者は強力な支援スキルでパーティーをバックアップする。「殺陣」は傾奇者独自の連携技で、2連携、3連携の技を発動できる。「四象(ししょう)」は、戦闘ステージに、土、風、火、水の属性をもたらすことができるスキル。火の属性をフィールドに付与することで陰陽師の炎の攻撃力が上がるなど、パーティーの力を強め、モンスターの力を弱めることが可能だ。 さらに「地勢(ちせい)」のスキルでは、“物理攻撃がききにくい”、“回復効果が大きくなる”などの特性を戦闘フィールドに組み込むことが可能になる。「四象」同様、敵味方双方が影響を受けるので、傾奇者のプレーヤーはモンスター、パーティーの能力を充分に把握しておく必要がある。バリバリ戦う前衛ではなく、支援能力に特化した職業である。 傾奇者以外にも、キャラクタビジュアルの強化は行なわれている。既存のプレーヤーには特にうれしいポイントだろう。まず、これまで以上に強力で派手な装備が登場し、上級者はきらびやかな武具防具をまとうことができるようになった。また、「職人着」といった生産スキルを向上させる服も登場する。この他にも“茶人”や“鍛冶屋”といった当時の風俗を反映した服も登場し、より一層個性を主張できるようになった。加えて、背中に「旗」を背負うことができるようになる。傾奇者はもちろん、侍も戦場では身につけたいアイテムだろう。 武器に炎や雷のエフェクトをつけることも可能になった。光り輝く武器は合戦では特に目立つだろう。武器に「宝玉」というアイテムをつけることも可能となり、今まで以上にキャラクタの装備を細かくカスタマイズできるようになった。技能目録や生産レシピ、潜在能力なども多数追加される。これらの要素により上級プレーヤーは、外見だけではなく、より深いキャラクタ性能の追求にもこだわれるようになった。モンスターとの戦闘、プレーヤー同士の合戦に、新しい楽しさがもたらされるのだ。 さらに上級者には新しいダンジョンが待ち受けている。このダンジョンは「陸」、「海」、「空」のテーマにわかれていて、陸をクリアすると海に、それをクリアすると空のダンジョンに挑戦できるようになっている。それぞれのダンジョンには強力なボスモンスターが待ち受けており、かなり歯ごたえのある戦いが楽しめる。ダンジョンはインスタンス方式になっていて、徒党(パーティー)で挑戦が可能だ。信頼できる仲間を集めて、挑戦したいところだ。 一方、初心者には「新参者ゾーン」が追加される。ここは新規に作成されたキャラクタがまず訪れることになるゾーンで、どの国にも属さない無所属扱いの、「隠れ里」といえる場所だ。多数のクエストが用意されていて、ある程度まではキャラクタを育てることができる。もちろんすぐに外の世界に出ることも可能だ。初心者はまずここでゲームの基礎を学ぶのが良いだろう。既存プレーヤーの多くも傾奇者でスタートする、仲間には事欠かないだろう。 この他にも、自分の屋敷に店を出すことができる「楽市楽座」システムでは、購入設定も可能になっていたり、他プレーヤーの店や商品を簡単に検索できる。また、「両替商」の蔵が増設されたり、武家屋敷の家具にメッセージが記入できるなどのギミックが追加され、来客を楽しませることが可能になるなど多数の機能が追加される。異国情緒あふれる「南蛮街」も新たに設置されるという。
傾奇者を含め、今回はゲームをより深化させる上級者向け要素が強いように感じた。新要素により、ダンジョン攻略や合戦などに新しい戦略、新しいプレイスタイルがもたらされることになるだろう。複雑化したシステムにプレーヤーがどう対応し、どんな進化をみせるかが楽しみである。
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□コーエーのホームページ (2006年9月12日) [Reported by 勝田哲也]
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