★オンラインゲームファーストインプレッション★
爽快なコンボとド派手な演出 3つの世界を巡る展開が楽しいMMORPG
「CABAL Online」 |
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- ジャンル:MMORPG
- 開発元:ESTsoft
- 運営元:ゲームポット
- 利用料金:アイテム課金
- 対応OS:Windows 2000/XP
- サービス開始日:9月8日~10日、9月15日~17日にクローズドβテストを実施
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「CABAL Online」は韓国ESTsoftが開発を手がけ、日本ではゲームポットが運営するMMORPGである。ゲームの世界ははるか未来、プレーヤーはいくつもの場所を巡り世界全体で密かに進行している恐ろしい陰謀を解き明かす。
本作は9月1日~3日まで16:00~22:00というスケジュールでクローズドβテストが行なわれた。クローズドβテストは今後9月8日~10日、9月15日~17日、の3回に渡って行なわれ、その後オープンβテスト、アイテム課金による正式サービスに移行する予定だ。今回はファーストインプレッションとして、ゲームの基本要素、そして序盤の感触をお伝えしたい。
■ スタイリッシュな戦いが楽しめる6つの職業
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キャラクタ作成画面。髪型と顔を数パターンから選ぶことができる。いざ決定すると初期レベルのいきなり地味な格好になってしまうのがちょっと面白い
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キャラクタには「成長目標」が掲げられ、装備に必要なステータスが厳密に決められている。ステータスの自由度はかなり狭い印象を受ける |
「CABAL Online」ではプレーヤーは巨大な剣を振るう重戦士「ウォーリア」、二刀流で戦う身軽な戦士「ブレーダー」。強力な魔法攻撃を行なう「ウィザード」、弓攻撃を得意とする「フォースアーチャー」、防御力に優れた「フォースシールダー」、魔法と剣を使いこなす「フォースブレーダー」の6つのジョブから1つを選択してキャラクタを作成する。
今回、筆者が体験したのはウォーリアとウィザードだ。本作では通常攻撃ではほとんど敵にダメージが与えられない。特にウィザードは最低ダメージである1しか与えられない。このため常にスキルを使い攻撃をするというのが本作の戦闘スタイルだ。
そうなると、「スキルを使いすぎるとMPがすぐになくなってしまうのではないか?」という疑問が浮かんでくるだろう。本作は「MPポーションの自動使用」という機能でこれに対応している。常にスキルを使い、青ポーションをがぶ飲みしてMPを回復して戦っていく。序盤は特に敵のダメージも大きく、回復ポーションも多用する。韓国産MMORPGは回復ポーションを使いつつ進めるというスタイルが多いが、本作は方向性が顕著である。
また、本作はダブルクリックで敵を攻撃せず、ショートカットを使って敵を攻撃する。敵に囲まれたときなどは、つい焦ってダブルクリックしてしまうので少し注意が必要だろう。攻撃に加えて、回復ポーション、落ちたアイテムの回収など、他のゲーム以上にショートカットキーを多用する。アイテムを多用することを前提としたゲームデザインを採用しているため、「CABAL Online」はヒーリングタイムが必要なく、ほぼノンストップでの狩りが可能だ。レベルが上がればさらに多彩なスキルを使用できる。そして後述する「コンボ」は更に戦いに華を添えてくれる。爽快感のある戦いを楽しむことができるだろう。
ステータスに関しては、装備する武器の必要能力値、そして目標となるステータスが厳密に決まっており、自由度は低い。また、防具にはセットアイテムの効果があり、「トレーニング用の武具セット」で固めるとボーナスが付く。筆者はこのため次のヘルメットやブーツが装備可能になったとしても、全身の装備が交換できるまで我慢していた。その反面、装備を変えたときの戦闘力の変化は劇的で、今まできつかった敵が楽に倒せるようになっていた。劇的なパワーアップは、かなりの爽快感を味わうことができた。
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力強い戦い方をするウォーリアー。巨大な剣を使う |
二刀流で素早い戦をするブレーダー。ちょっと和風なテイストも取り入れられている |
魔法攻撃をするウィザード。成長させれば遠距離からのコンボも狙えそうだ |
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フォースアーチャーは遠距離攻撃に特化したキャラクタだ |
防御に秀でたフォースシールダー。パーティープレイでは頼もしい存在になりそうだ |
剣と魔法を使うフォースブレーダー。その独自のスタイルは人気を集めそうだ |
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ウォーリアは多数の敵を相手にするスキルを持っている。頼もしい前衛として活躍できる |
ウィザードの接近攻撃スキル、バーニングハンド |
一定時間自動的にHPを回復するリジェネイション |
■ 3つの世界を巡りながら進めるストーリー。序盤はソロプレイが中心
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レベルごとにいくつものクエストが用意されている。目的地や対象NPCもいつでも確認できるので、取りこぼしはないだろう
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クエストでは特別のダンジョンに挑戦することも。制限時間が気持ちを焦らせる |
本作の世界観は、「コロニー」と呼ばれるまったく性格の異なる複数の空間が、「ゲート」を通じて繋がっているというユニークな設定になっている。ゲームの序盤はクエストの連続で、プレーヤーは3つのコロニーを目まぐるしく行き来することとなる。レベルを上げるために狩りをするというよりも、クエストをこなすために戦う、という展開になる。
登場するコロニーの内1つめの世界は雪に閉ざされ、アンデッドが徘徊する「ブラッディアイス」。2つめはジャイアントビートルや気性の荒い猛獣レッドガリなどが棲息する砂漠「デザートスクリーム」。そして3つめがスコールが降り続き、巨大なイノシシや蛙が待ち受けるジャングル「グリーンディスパイアー」。公式ページではさらにもう1つの世界「ポートルクス」が紹介されているが、序盤はこの3つの世界を巡ることになる。
クエストは「武器屋に挨拶に行こう」、「装備のアップグレードの仕方を学ぼう」など最初はチュートリアル要素が強いが、徐々に、「村人が行方不明になる原因を探れ」、「伝染病を調査しろ」といったように、この世界に起きつつある異変を調査するものになっていく。このストーリーの展開は「CABAL Online」の大きなセールスポイントで、世界全体を揺るがすような大きな展開になっていくという。非常に楽しみな要素である。
クエストの具体的な内容は、対象のモンスターを倒すというものがほとんどだ。ここで注意したいのは、マップ上でのモンスターの配置にひと工夫あり、手頃のモンスターの中に強いモンスターが必ず混じっていて、手当たり次第に殴りかかっていくような安直なゲームプレイだと、どんどん死にまくってしまう。
また、モンスターがPOPした瞬間、プレーヤーキャラクタに対して攻撃を始めるシステムであるため、すぐに敵に取り囲まれてしまう。ウィザードのような多数を攻撃できるスキルがないジョブはかなりきつい戦いを強いられるだろう。POPしてもしばらくは攻撃しないようにすればプレーヤーは距離を取れるし、強いモンスターがやたらと混ざらなければそれに気をつけて戦うことも可能になる。特に序盤のゲームバランスは、もう少し改善して貰いたいところだ。
もっとも、レベルごとに与えられるクエストを後回しにして、適性レベルの敵と戦うことで展開がかなり楽になることも言っておきたい。クエストで3つの世界を目まぐるしく行き来するのは楽しいが、もう少し各世界をじっくり探索しながらプレイできたらと思った。序盤から全く違う世界を巡るのは確かに楽しいが、それぞれの世界の繋がりがどうなっているか、各世界の住人の立場の違いなどを明確にして、ストーリーの上でそれぞれが形成している社会の関わりに、もっと厚みを持たせてほしいと感じた。
ゲームにアクセントを与えてくれるのが「ダンジョン」だ。筆者が体験したダンジョンはすべてクエストを受けると現われる「タイムアタックダンジョン」で、SFチックな人工建造物という印象の強いエリアとなっており、他のRPGに見られるような迷宮探検風のダンジョンではない。タイムアタックダンジョンは「幽霊が出る山荘を調査せよ」、「山賊が現われる洞窟へ急げ」といった目的に合わせて入口が現れたり、「ワープカード」を用いて入ることができる。現時点で実装されているのは、参加したプレーヤーしか挑戦できないインスタンスダンジョンのみだが、今後パーティーで挑戦できるようなダンジョンも用意されているという。
ダンジョンでは制限時間が常に画面に表示されて焦らされる。登場するモンスターは基本的にはフィールドにいるものと同じだが、クエストのテーマに合わせてある。こういった少しのアレンジでストーリー性がぐっと増すことにちょっと驚いた。ダンジョンのルームでは「ボス」が設定されているものもあり、見つけ出して倒すと、他の雑魚モンスターも一斉に倒れてしまうようなユニークな仕掛けもある。ウォーリアーとウィザードでは挑戦できるダンジョンが微妙に違い、それぞれのシチュエーションも面白かった。
筆者が韓国産MMORPGで感じる不満点は、クエストの演出の少なさ、特にNPCの個性の少なさだ。NPCが困っているからプレーヤーに依頼するのはわかるが、なぜ彼らはいつもその場所に突っ立っているだけなのか。インスタンスダンジョンなら、ゴールや入口に現れて助言を与えるなど、「一緒に冒険している」という演出も可能だろう。「CABAL Online」はダンジョンのシステムに意欲的な試み盛り込んでおり、感心させられる多かったが、NPCは依然としてプレーヤーを待っているだけで、この点はまだまだだと感じた。是非、日本のRPGを参考にして、演出や、システムなどでの新しいチャレンジをして欲しい。
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アンデッドが徘徊するブラッディアイス。ゾンビは倒すと炎に包まれながら消滅する |
謎の機械が動いていたり、一番文明が進んでいるように見える砂漠の世界デザートスクリーム |
ジャングルに覆われたグリーンディスパイアー。集団で攻撃してくるトログロというモンスターがやっかいだ |
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各世界のゲートを通ると中継点となる部屋に。ここからダンジョンにいくこともできる |
GPS機能を使うと、適性レベルのモンスターの位置を確認できる |
レベル10になり、ステータス条件を満たしていると、コンボが使える昇任試験が始まる |
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時には扉を壊して進むことも。指示が全く出ないうえ、時間ばかりが減っていくので、焦らないように注意したい |
ダンジョンはクエストのシチュエーションに合わせ様々な敵が登場する |
ボスを倒すことで他のモンスターは全滅する。いち早く見つけて集中攻撃をすることが勝利の鍵だ |
■ プレイ意欲を強烈に刺激するコンボシステム。運営の“暖かさ”もゲームの魅力
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クエストをクリアすることで得られるコンボスタートスキル。ショートカットに登録し、SPを溜めて実践だ
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ゲージに合わせてスキルを押す。クールタイムを短くできればさらに技をつなげることも |
「CABAL Online」ではキャラクタがレベル10になると「コンボ」を使用できるようになる。コンボは本作の最大のウリで、公式ページでは目にもとまらぬスピードと、ド派手な強力攻撃でモンスターを“制圧”していくプレーヤーの姿を見ることができる。強いあこがれを感じる映像だ。
コンボを使うには、レベル10以上になり「コンボスタート」を取得する必要がある。このスキルを使用すると、画面にコンボゲージが現われ、これに合わせてタイミング良くスキルを使用していく。スキルはただ連打するだけではダメで、ゲージの1つめの目盛りを越えてから、ラストまでの間に発動させなくてはならない。更にスキルにはクールダウンタイムが設定されているため、コンボをつなげるためにはスキルレベルを上げてクールダウンタイムを下げなくてはならない。また、コンボ中に敵が倒れてしまった場合は、他の対象をクリックすることでコンボの継続が可能だ。高レベルのキャラクタならば、訓練次第で50以上のコンボが可能となるという。
コンボのハードルは高い。コンボを発動させるためには「SP」というポイントが必要で、このポイントは敵を倒すことで溜めることができる。最初はコンボがうまくいかなくてSPを浪費してしまうことも多く、さらに現在の育て方ではコンボが何処までつながるか、ということもわからないという状態のため、いざコンボが使えるようになっても、筆者も含めてうまく楽しめていないプレーヤーが多かったようだ。
コンボを練習できる「トレーニングダミー」が用意されているのだが、ここでも当然SPが必要なため、連続した練習ができない。コンボを取得したばかりのプレーヤーはとにかく試したくてうずうずしている。せめてトレーニングでは何度もスキルを試すことができ、自分の現在のポテンシャルでは最大いくつのコンボができるか、研究させて欲しいと感じた。
筆者の場合、序盤ではウォーリアーよりウィザードの方がコンボが楽に出せた。これは単純にそのレベルで使用できるスキルが多かっただけだが、スキルの成長を工夫し、クールダウンタイムをきちんと把握すれば低レベルでも少しはコンボが使えそうだ。また中級者になればバリバリと雑魚モンスターを倒していけそうでこれも楽しみである。パーティーを組んで敵の大群につっこみ、目もくらむような派手なエフェクトのコンボで敵を一掃できたらどんなに気持ちが良いだろう。その期待感は、このゲームをプレイする大きな原動力になる。
今回のクローズドβテストでは、GMが狩りの手伝いで通りがかりにプレーヤーの力を増してくれたり、終了時にはダンスイベントが行なわれるなど、積極的にGMがゲーム内に登場した。また、「ゴーレム人形」という特別なアイテムを収集し、数を競うというイベントも行なわれた。
今回行なわれた「ファーストクローズドβテスト」は、9月1日~9月3日まで16:00~22:00という日時限定で、正直少し短すぎる印象を受けた。しかし、9月3日のテスト終了の間際、「緊急で15分だけサービスを延長します。社長には内緒ですよ」という運営側からのメッセージが届くと、テスター達の間から歓声が上がった。このサービス精神は、ゲームポットならではといえるだろう。
「スカッとゴルフ パンヤ」は、ゲームデザインとキャラクタの魅力も大きいが、運営、そしてアイテム課金のうまさがヒットの要因となった。フレンドリーな運営というのは、利用者の増えるオープンβテスト以降は難しいかもしれないが、「特別にちょっとだけオマケします!」といってくれるような運営側の姿勢は、ゲームの魅力を大きく増してくれる。さらに日本独自のアイテムや課金プランで好評を得たゲームポットのノウハウが、本作でどう活かされるかは注目したいところだ。
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トレーニング用の人形に技をたたき込む。可能ならばSPの制限を解除してもらいたいところだ |
インストラクターで学べるスキル。成長させることでスキルをカスタマイズしていくことが可能に |
スキルレベルを上げることでクールタイムが短縮できる。どのようなバランスにすればつながるか、プレーヤーの解析に期待したい |
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GMから能力アップの魔法をかけられ、戦闘力が倍加する |
イベントアイテムのゴーレム人形。数多く集めたテスターには特典が |
テストを締めくくったダンス。今週金曜からの2次クローズドβテストも楽しみだ |
(C)2006 by ESTsoft Corp. All rights reserved.
(C)Gamepot Inc, All Rights Reserved.
※画面は開発中のものです。
【CABAL Online】
- CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium 4 1.4GHz以上推奨)
- HDD:1GB以上
- メモリ:256MB以上(512MBB以上推奨)
- ビデオカード:ビデオカード使用(Radeon 9250以上推奨)
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□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□「CABAL ONLINE」のページ
http://www.cabal.jp/
□関連情報
【8月21日】ゲームポット、「CABAL ONLINE」プレスカンファレンスを開催
9月1日よりクローズドβテスト開始、ビジネスモデルはアイテム課金に
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060821/cabal.htm
【1月10日】ゲームポット、「CABAL ONLINE」記者発表会を開催
壮大なストーリーが堪能できる韓国産MMORPG
http://watch.impress.co.jp/game%2Fdocs/20060110/cabal.htm
(2006年9月5日)
[Reported by 勝田哲也]
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