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【PS2「龍が如く2」】 12月7日 発売予定 価格:7,140円 【映画「龍が如く」】
来春 公開予定
■ “表現革新”を目指して広がる「龍が如く」の世界 冒頭挨拶に立ったのは、同社常務取締役CS統括本部長・岡村秀樹氏。 「『龍が如く』は、アクションアドベンチャーのそれまでの通念といったものを覆す世界観とリアリティで新たなファンを獲得させていただき、大ヒットした。その作品が来春、セガが総力を挙げて取り組む本格的映像プロジェクトとして、劇場用映画へとそのステージを進めることになった。日本映画界が誇る最高のキャスト、スタッフの協力をいただいている」と映画化について触れた。 また、「龍が如く2」では、「ゲームで現代の人間ドラマを描きたいという信念の元、セガの代表作となったコンテンツになった「龍が如く」に新たに挑戦している。昨年以上にプレイされたユーザーの皆様の心に何か残るものを作りたいという志に基づいて制作している。この作品は今日、ややもすれば技術革新ばかりが注目されるゲーム業界において、今こそ改めて人間の内面や哲学といったものをゲームエンターテインメントというメディアを通じて表現していく、“表現革新”を目指して作っている。 そういった意味で強いメッセージ性を持った作品といえるだろう。むろんのこと、ゲームとしての純粋なおもしろさを提供するというのは大前提だが、この作品を通じて、生きるための本当の『たくましさ』や『やさしさ』をぜひ感じとっていただければ。セガを代表するゲームの1つという仕上がりになっているという自信を持っている」と、昨年前作でアピールしたことを重ねるように続けた。 映画とゲームを同時に発表することは、セガとしても初めてのこと。「大変大きなチャレンジだが、私どもにとっては大きなチャンスではないかと思っている」と、緊張感をあらわにしながら挨拶を締めくくった。
続いて登場したのは、R&Dクリエイティブオフィサーで「龍が如く」プロジェクトプロデューサーである名越稔洋氏。名越氏も岡村氏の言葉を受ける形で「我々は前作でたくさんの評価、賞をいただきました。ですが、評価をしていただくことと同時に、我々が切り開いたジャンルを自分たちの手でもっと広く、大きくこの表現の世界を推し進めていかなければならないという責任も感じるようになりました。そして今日、そのひとつの結果、結論を発表する場を設けていただいたことに感謝しています」と挨拶した。
■ 異例のスピードで開発されたPS2「龍が如く2」
東京と大阪の歓楽街を舞台に、関東東城会会長「寺田行雄」の死をきっかけに、関西最大の組織「近江連合」との抗争、大阪を訪れた桐生と“ヤクザ狩りの女”府警四課主任「狭山 薫」の禁断の愛、かつて絶滅したはずの海外マフィア残党の20数年の時を超えた復讐劇など……平穏だった神室町を制するのは関東の龍、桐生なのか、それとも関西の龍「郷田龍司」なのか……?
PS2「龍が如く2」のプレゼンテーションは、まず公式サイトでも公開されているトレーラームービーが上映された。その後、名越氏は「コンセプトは人間ドラマを描きたいという点において前作と同じ。今作は舞台を大阪まで広げてスケールを大きくした。なにより前作ではやりたかったができなかったこともあり、前作でこれだけのものが作れるノウハウができて、我々としては少しでも早く次回作につなげたいなと。それとなにより、期間的にハードな仕事になったわけですが、たくさんの評価をいただいた恩返しを含め、“もっとやれる”というところを証明したいということで、「龍が如く2」を年末に発売すると決めました」と一気に続編への思いを語った。 ここで、前作同様にシナリオを監修する馳 星周氏が登壇。「2」のシナリオも前作同様にかなりどきどきしながら馳氏に提出したという名越氏に、馳氏は「まず、続編を作るだろうとは思っていたが、こんなに早く作るとは思っていなかったのでちょっと驚いた。でき上がって来た最初のシナリオを見て、『俺、大阪のこと知らないよ』とネガティブな部分が大きかったですね。時系列が過去と現在と分かれているところの整合性を整えるのに苦労したかな、というところはありますね」と監修作業の感想を述べた。 大阪に舞台が広がったことについて名越氏は「単純に街が広がっただけでは、マップが大きくなったということにしかならないので、深さという意味でも、大阪のパワーを借りるというか、さらに夜の街のディープなシーンを再現しました」と説明があった。 また、音楽は「クレイジーケンバンド」が2曲を提供することも明らかになった。壇上に上がったクレイジーケンバンドのリーダー横山 剣氏は、「気合が入った作品だったので、命をかけて作らないとダメだろうと。いろいろやりとりする中で、ガツンとくる曲が作れたかなと思っています。このゲームの世界はかっこいいですね」とコメント。名越氏が「今回も、この人に断られたらオファーはやめようと思っていた」と相当ほれ込んでの依頼だったようだ。
・街が広がり、遊びもより深く 「龍が如く2」では、前作の神室町だけでなく、大阪の歓楽街も登場。「鶴橋風月」、「づぼらや」、「JR東海」、「かに道楽」、「通天閣」といった計15もの協賛メーカーの協力により、街の再現度もまた高まっている。実際に入ることができる店舗も倍増。グラフィックスも技術的に向上しており、街の中にある仕掛けも、「単に街で飲み食いして経験値を稼ぐのも面白いが、今回は行くお店によっては“馴染み”になることができたり、“街と自分の距離感”を感じて頂けるようにしている」と名越氏が説明してくれた。 また、歓楽街での遊びもパワーアップ。前作にあったバッティングセンターやゴルフ練習場のほかにも、麻雀、将棋、パチスロ(「獣王」、「アラジン」といった実機シミュレーター)でのミニゲーム(単体で遊べるボリュームがある)や個室ビデオやマッサージなどが用意されている。ミニゲームはシナリオにも影響があるという。個室ビデオでビデオを見ると、そこで何かを思いついたり、何かのシーンでは技を覚えたりすることもあるらしい。 さらに、本作には欠かせないといわれる夜の遊びといえば、「キャバクラ」、「ショーパブ」、「ニューハーフパブ」などなど、その充実ぶりは目を見張るほど。前作でもハマった人が続出の「キャバクラ」は、キャストのグラフィックスの進化だけでなく、同伴やアフターも可能になった。加えて、街側の人間の立場になって、桐生自身がシナリオ展開上でオーナーになって経営することができるようになるという。この経営はちゃんとゲームになっていて、働くキャストや店内に設置するアイテムをプレーヤーが選択することで、売り上げが変化する。桐生自らキャッチとなったりもするらしい。さらに、桐生がホストとなって、ほかのホストたちとお客と盛り上がるシーンが上映されたりした。 バトルシーンでは、全方位への攻撃が可能になり、群がる敵を蹴散らす爽快感がパワーアップ。必殺のケンカ奥義「ヒートアクション」も多彩になり、バトルが演出を、演出がバトルを盛り上げる。仲間から武器(このゲームならではのその場にあるものなら何でも武器になる、というコンセプトはそのままだ)を受け取ってコンビネーション攻撃が行なえるなどのシーンが公開された。驚きなのは、桐生とトラの一騎打ちのシーン。トレーラーで上映されたその迫力ある映像は必見だ。
・声優陣もさらにゴージャスに! キャラクタたちの声を担当する声優陣は、前作に負けず劣らずの豪華な顔ぶれとなった。前作から引き続き桐生役を演じる黒田崇矢氏、遥役の釘宮理恵さん、風間新太郎役はもちろんこの人、渡 哲也氏、さらに藤原組長といった面々が続投となる。 さらに、今作のヒロインである狭山 薫役は大輝ゆうさん、瓦 次郎役には寺島 進氏、伝説のホステス・ナナ役に夏目ナナさん、五代目近江連合直参・近江高島会会長である高島 遼役には舘ひろし氏、“堂島組”組長の息子である堂島大吾役は徳重 聡氏、別所 勉役は赤井英和氏が担当する。
前作に引き続いて登場となった渡氏は、「前作に引き続いての豪華なキャスト、またドラマの感動も高まっています。楽しめる作品になると確信しています」と締めくくってくれた。
■ 劇場版「龍が如く」は「ゲームを楽しんだ人が楽しめる映画に」
監督は、3月24日に発売された映像作品「龍が如く ~序章~」を手がけた三池崇史氏。ステージに登場した三池監督は、「実は自分はゲーム世代よりも先に生まれた世代で、ゲームに対して苦手意識があったのですが、今回お話をいただいてすぐにPS2と『龍が如く』を買って、3日完全に徹夜してクリアしまして……おもしろかったんですよ。これは子供たちからゲームをやっていない我々の世代に取り返すべきじゃないかと思いました。子供から遊びを取り戻すべきじゃないかと感じました」と絶賛。 さらに「エンディングまで2度泣きました。“これに負けない映画を作るにはどうすればいいんだろう”ということの答えを探しつつ撮影していますが、とにかく映画を作るということを自分たちが楽しみながら作るようにしています。あくまでもゲームを愛している人が愛されるものでなければならないので、結構不親切な映画になっていると思います。我々には名越さんが作られたゲームがあるので、それと一緒になって見てもらうと楽しめる。ゲームを遊んでいない人にもわかるようになってはいますが、その本当の意味はゲームの中に隠されているという映画を目指しています」と意気込みを語ってくれた。映画オリジナルの役どころとして、「悟」というキャラクタも登場する。
これは、原作ファン(?)にも映画ファンにもうれしい内容になりそうだ。監督いわく、気になるのは映倫だそうだが……家族で楽しんでもらえるように、レーティングは「PG-12」を目指しているそうだ。
□セガのホームページ (2006年8月31日) [Reported by 佐伯憲司]
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