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今冬 発売予定 価格:7,140円
■ 「大人のためのエンターテインメント」を実現 「龍が如く」はクリエイティブオフィサー兼プロデューサー・名越稔洋氏を中心に制作に3年を要した、セガ渾身の新規タイトル。 冒頭挨拶に立った常務取締役コンシューマ事業本部長・岡村秀樹氏は「この年末商戦に投入すべく、入魂の作品として位置づけているタイトル。制作陣にも会社側から一切の妥協を許さないという姿勢で臨んでいる。セガを代表する作品として世に送り出していきたい。セガの代表作ともくろむ以上、ただビジュアルのクオリティが高い、ボリュームがある、プレイ時間が長いといっただけのゲームでは値しないであろうということで、新たな理念に基づいて制作してきた」と力の入りようをアピール。 さらに、「テーマとしては人間性というドラマティックな部分にフォーカスを当て、大人が楽しめるエンターテインメント作品を生み出せたと思っている。昨今、技術革新ばかりが注目されているが、今こそ改めて“表現の革新”を目指し、非常に強いメッセージ性を込めている。この“表現の革新”は、単なる表現技術の進歩ということではなく、クリエイターがクリエイティビティを発揮していく際の構成要素に込められる、ある種の理念……人間に対する洞察や、人生に対する価値観、思想であったり哲学といったものを制作、作品の中に織り込んでいく。そういったものがバックグラウンドになった意味での表現という風に捉えていただきたい。それをいかに技術的に、ユーザーに対してピュアに訴えていくことができるか、というところが“表現の革新”ということになる」と解説。 「ゲームとしての純粋な面白さの提供は大前提だが、この作品を通じて生きるための本当の優しさ、たくましさというテーマをユーザーの方々に感じ取っていただけるのではないかと思っている。世の中にあふれているゲームに飽きてしまった大人たちへ向けた新しいエンターテインメントの提案であると同時に、映画やドラマでは表現できない、インタラクティブなゲームであればこそ実現可能なセガとしての大きなチャレンジ、意欲作と自負している。ゲームの可能性を大きく広げてくれる作品に仕上がった」と力強く語った。 続いて登壇したプロデューサーの名越氏は「リアルタイムの現代が舞台になります。私自身はなんとか“強いたくましいドラマ”を作りたくていろいろ考えた中で、このストーリーを思いつきました。ボクはこれを愛のドラマと呼んで欲しいと言っているんですけど」と映像を見せながら語ってくれた。 名越氏は、「昨今になって、ゲーム離れだったり、表現の画一化などが叫ばれるなど、いろんな意味でゲームに明るい未来が感じられない中で、ボクは本のような文字よりもコミック、コミックよりも映画だったり、段階を踏むことでエンターテインメントはたくさんのものを伝えられると思うんですよ。最後に、参加できるというファクターが加わったゲームというものは、人類が今まで生み出してきた表現媒体として最も高度な表現ができると今でも信じているんですよ。でも、その反面、産業的に大きくなってきたといわれる今、目の前にある商品を見てみると、今ひとつ広がりがないというか。ゲームのジャンルはいろいろありますが、ゲームができることって、広く伝える手段としてはその入口しかないのか、といわれたら、ゲームはあまり世の中に魅力的に映っていないんだろうな、とある日考えるようになって」と開発のきっかけに触れた。 さらに「その中で自分ができること。その中でゲームのメディアの中で世代開放をしたいなと。ゲームは玩具という言い方をする人も多いんですが、実際はたくさんの世代の人が楽しめるものを作る力を持っているんじゃないか、ということを自分なりに証明して、ゲームっていろんな感情を与えてくれるんだな、だからゲームはいろんなことができるんだな、というきっかけになるような作品にするべく取り組んできました。1人でも多くの人がわれわれの熱い気持ちを汲み取っていただいてこの作品を楽しんで、次のゲームに明るい希望を持ってもらえれば幸いです」と続けた。 続いて、シナリオの監修を手がけた作家・馳星周氏が紹介された。馳氏によれば、このゲームに関わる直接のきっかけは知り合いの作家から連絡をもらって名越氏とコンタクトをとったところから始まったという。少しづつ打ち合わせを重ね、「やってみよう」ということになったそうだ。 「最初われわれの作ったストーリーを添削してもらったんですけど、添削というよりは“これで終わりかな”みたいなところまで言われて。われわれスタッフも馳さんの厳しい言葉で奮起したおかげで、まとまりのあるいい話になったと思います。感謝しています」と名越氏が語っていたが、ストーリーの構築も相当手間ひまがかかっているようだ。 キャラクタの身体に掘り込まれた刺青も、実際の彫り師にキャラクタの身体を想定したものを実際にデザインを起こしてもらい、主人公はおろか、すべての刺青のデザインを起こしてもらうほどの気合の入りよう。 そして、本作に参加する声優陣が次々に紹介された。 まず、桐生一馬役の黒田崇矢氏と遥役の釘宮理恵さんが登場。「今回の声優選びは時間をかけましたが、ピンと来た人は結局最後に選んじゃうんですよね。黒田さんも早い段階で決まって。釘宮さんも複雑な役どころなんですが、抜群の演技だったので決めました」と名越氏が話を振ると、「生い立ちが複雑ですし、こういう世界を演じるのは初めてだったので、難しいなと思いつつも普段演じることのない世界で楽しかったです」と釘宮さんが収録の感想を述べた。 続いて、麗奈役の三原じゅん子さん、裏の情報屋であるサイの花屋役の藤原喜明氏が登場。「三原さんはボクの中で“色っぽい役”の代表格としてインプットされているんで、お願いしました」と起用の理由を名越氏が語ると、「イメージの世界ですので、そういう意味でとっても難しかったというのはありました」と三原さんは感想を語っていた。声優は初めてという藤原組長は、「ものすごく緊張してました」とコメント。 最後に、本作の重要な役どころである風間役として渡哲也氏が登場。渡氏によれば、セガ・サミーホールディングの里見治会長は氏の大学時の同級生という。「(里見氏とは)学部は違ったんですが共通の授業があったんですよ。今でこそ学生起業が当たり前ですが、当時、彼はジュークボックスのレンタル事業を始めていた。それが現在に至って経済界で確固たる地位を確立している基礎になったんでしょうか」と当時のエピソードを披露。 名越氏も「風間役はストーリー上非常に重要な役。この人しかいないだろう、ということで、突然のお願いにも関わらず重要な役割を演じていただいて……里美会長に感謝しなければならないと思います」と経緯を説明した。声優という役割については「声優は初めて。情のあるシーンで演技をしようとすると先に絵が終わってしまう。かといって絵に合わせて早口では棒読みになってしまう。非常に苦労しましたが、最終的にプロデューサーのOKが出たから大丈夫でしょう」とちょっとテレながら話す渡氏だったが、「とんでもないです。収録前に台本もばっちり読んできていただいて、スムーズに収録が進みました」と名越氏は満足そうだった。
また、タレントのハッピーハッピーさんがホームレス役で出演していたり、グラビアアイドルのみひろさんがホステス役として参加しているなど、豪華な声優ラインナップとなっている。
■ 細かなところにこだわり抜いた作品
また、ビデオショップでは「合言葉」を用いると裏には秘密の部屋があったり、町をうろつく不良に絡まれて戦いに巻き込まれたり、街の人々とのコミュニケーションでサブストーリーへの分岐も用意されているという。 「バトルというよりケンカですね(名越氏)」という戦いのシーンでは、簡単な操作で殴る、蹴るといった打撃のほか、周囲にあるものを掴んで武器として使用することも可能。戦うことで経験値がたまり、レベルアップすれば、新たな攻撃を覚えていくというRPG的要素もある。経験値は、サブストーリーのクリアなどでもたまっていくようだ。 「簡単な操作で爽快感を得られるアクション(名越氏)」は、モーションキャプチャによって実現されている。上映された映像では、ビールケースを相手の頭に叩きつけ、さらに殴り飛ばすなどのアクションが見られた。
発表会で上映されていた映像などから記者が感じ取ったのは、雰囲気的には読者の方々もお気づきかと思われるが、同社がドリームキャストで展開していた「シェンムー」を連想せずにはいられない。ただ、あれから数年経ち、今、セガがどんな新たな挑戦をしているのか、それを垣間見た気がしてならない。おそらく本作は東京ゲームショウ2005においても出展されると思われるので、気になる方はぜひ、足を運んでみるといいだろう。 (C) SEGA,2005
□セガのホームページ (2005年8月23日) [Reported by 佐伯憲司]
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