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「アトルガンの秘宝」の舞台であるアトルガン皇国は、西方諸国と文化的に異なる新しい文化圏であることを本連載でもたびたびお伝えしてきた。皇都に暮らす人々の生活があり、蛮族軍との情勢がある近東の地だが、今回は“経済”をフォーカスしていく。近東の経済に欠かせないものと言えば、独自の通貨である“アトルガン貨幣”だ。
連載第6回では、このアトルガン貨幣の集め方、使い方を具体的に取り上げていく。アトルガン貨幣の利用用途、それによって得られる恩恵などを画像を交えながら紹介していこう。また、後半ではアトルガン貨幣取得の基本行動となる“皇国軍戦績”を稼ぐためのエリアも紹介していく。
一見、ギルとの関連性はないように思えるが、アトルガン貨幣は競売所やバザーでの取引が可能になっており、貨幣を売ってギルに換えることができる。貨幣とギルの交換は、日常的に行なわれており、冒険者の需要によって常時値段が変動している二次通貨となっている。 そのアトルガン貨幣には4種類が存在する。最も価値の低いものから順に“アトルガン青銅貨”、“アトルガン白銀貨”、“アトルガン霊銀貨”、“アトルガン黄金貨”だ。これら貨幣は、アトルガン白門内のバルラーン大通り南側の二階部分にある「サラヒム・センチネル バルラーン大通り出張所」にて、皇国軍戦績と引き換えに取得できる。 まずは4種類ある貨幣の価値を見ていこう。バルラーン大通り出張所にて、交換に必要となる戦績は以下のとおり。なお、各貨幣は99枚までのスタックが可能だが、連続的な交換にはNPCとの会話が最初から必要となるため、その都度手間がかかる。
・各アトルガン貨幣の交換に必要となる皇国軍戦績 ナシュモにはアトルガン貨幣を両替してくれるNPCが存在する。このNPCとの会話では、アトルガン貨幣の枚数を増やしてあげる、といったうまい儲け話のような話を持ちかけられるのだが、実際のところは等価交換だ。両替される枚数は以下のようになる。
・ナシュモのNPCによって両替されるアトルガン貨幣の枚数
貨幣価値は「黄金貨1枚=霊銀貨5枚=白銀貨10枚=青銅貨50枚」ということになる。前述の皇国軍戦績との交換で示した交換に必要な戦績数と比較しても等価交換になっている。
気をつけたいのは、両替に結構な手間が掛かるということだ。たとえば青銅貨を求められている施設で白銀貨を渡しても、おつりをくれるどころか受け取ってすらもらえない。各貨幣の利用方法は後ほど詳しく紹介するが、黄金貨を1枚交換してもらうだけなら、バルラーン大通り出張所にてNPCとのやり取りを一度行なえばいいが、青銅貨99枚にするには一度の会話で5枚づつの交換となり、20回のやり取りが必要になる。 こうしたことから、競売所での黄金貨2枚と青銅貨99枚は等しい価格でない状況も生まれている。施設利用への需要的にも、黄金貨2枚の落札価格よりも青銅貨99枚の落札価格のほうが高い状況も起こっている。極端な書き方をすると、黄金貨2枚を競売で購入して、両替NPCとのやり取りによって青銅貨100枚へと換金して再出品すると、結果的に利益が出るような事態も起こりうる。
市場価値の変動には一種「株式的」な醍醐味がある。皇国内の施設利用という需要が確実にあるため、簡単に廃れてしまうようなものではなく、皇国軍戦績によって得られるものなので誰しもが確実に入手できるものでもある。狩りによって得られる皇国軍戦績でギルと関係性を持っているアトルガン貨幣が入手できるというのは、狩りで確実にギルが入手できるという見方もできる。ギルの確実な入手方法という点を含めた遊びやすさへの配慮や、面白さの妙がバランスよく込められた二次通貨と言えるだろう。
さて、ここからは、アトルガン貨幣の具体的な利用方法へと入っていく。近東の地ではギルも利用できるものの、ギルと並んで利用されているのがアトルガン貨幣である。 なお、本稿で紹介する施設以外にも、近東のコンテンツには近い将来、「チョコボサーキット」や「闘獣場」といったコンテンツの実装もアナウンスされている。これらの実装予定コンテンツにもアトルガン貨幣の利用シーンがある可能性は高い。とりあえず、今回は現状で利用できる施設、機能を紹介していきたい。 ● 「アルザビへの募金」でワラーラターバンを獲得
アトルガン青銅貨の寄付数が一定量に達すると感謝の気持ちを込めたアイテムがもらえるのである。まず募金数100枚ごとにもらえるのが「ワラーラウォーター」というドリンク。ワラーラ寺院から配布される「知識の水」で、使用するとHPとMPが5%回復するというものだ。 これはこれで使えるアイテムだが、冒険者の関心を集めているものは「ワラーラウォーター」ではない。募金枚数が1,000枚に達するともらえる「ワラーラターバン」である。ワラーラターバンは、レベル75で全ジョブが装備可能な頭装備で、HP+30、MP+30、ヘイスト+5%という極めて高性能な装備品だ。Rare/EX属性を持っているため、募金しか入手手段はない。 アトルガン青銅貨を1,000枚用意するのはかなり骨が折れる。この募金は青銅貨のみで受け付けられているため、手軽に戦績と交換できる上位の貨幣では受け取ってもらえないのが苦しいところだ。もっとも、このアイテムは、一気に1,000枚渡して手に入れるという性質のものではなく、コツコツ募金した果てに手に入れられるご褒美だ。じっくり取り組むといいだろう。 ちなみに、皇国軍戦績をベースに計算すると、アトルガン青銅貨1,000枚分は、2万ポイントの皇国軍戦績が必要となる。青銅貨以外の貨幣で計算すると、黄金貨なら20枚、霊銀貨なら100枚、白銀貨では200枚だ。
前述したように戦績で貨幣を入手する方法以外に、競売所やバザーを通じて貨幣を購入することもできる。試しに筆者のワールドのある日の競売価格で計算してみよう。黄金貨は1枚55,000ギル、青銅貨99枚のセットは150,000ギルであった。この場合、黄金貨20枚には110万ギル、青銅貨99枚のセットのみで考えると10セットで150万ギル、加えて10枚の青銅貨が必要になる。黄金貨はナシュモの両替NPCでトレードを繰り返すことで青銅貨に交換できるので、少しでも安く1,000枚を目指すのであればこちらがオススメである。 ● 「モグロッカー」の維持費と拡張費用
モグロッカーを利用するには、維持費としてアトルガン青銅貨が必要になる。アトルガン白門のレンタルモグハウスの入り口側にいるNPC「Fubruhn」に、アトルガン青銅貨を1枚トレードすることで地球時間で7日間の利用が可能だ。このモグロッカーの維持費だが、7日ごとに維持費を払うというものではなく、まとめて維持費を先払いしておくことが可能だ。1枚あたり7日の期間延長になるため、仮に50枚を渡しておくと350日利用可能となる。ただし、受け渡しは1枚ずつとなる。 また、初期のモグロッカー収納数は30個だが、アトルガン貨幣をNPCに渡すことにより収納数の拡張もできる。30個から40個にするにはアトルガン霊銀貨4枚が、40個から50個にするにはアトルガン黄金貨2枚のトレードが必要となる。 ちなみにアトルガンで発生するクエストの中には報酬がアトルガン貨幣の物がある。これをピックアップしてみると以下のとおり。
・ことばのパズル:アトルガン青銅貨 1枚 上記に挙げたクエストの報酬をアトルガン青銅貨に換算すると115枚にもなる。前述したワラーラターバン入手のための募金の足しにするのも良いし、モグロッカーの維持費に当てるのもよさそうだ。実際にはバラカフ回想録が青銅貨90枚分の報酬を占めているのだが、それを差し引いても青銅貨25枚分の報酬がある。25枚ということは全てをモグロッカーの維持費に渡しておけば175日の利用が可能になるということだ。 ● 「アトルガン白門のデジョンNPCタルタル」 アトルガン白門のレンタルモグハウス入り口がある区画の2階中央にいるのが、ジュノ大公国へと人を運ぶ魔法で転送してくれるタルタルだ。彼はアルザビにいる魔法修行中のタルタルの兄にあたる人物で、弟とは異なり失敗することなく確実にジュノへと転送してくれる。ただし、弟が魔法の実験として無料で転送してくれるのに対し、兄はアトルガン白銀貨1枚を要求する。
失敗時にジュノ周辺のエリアへと転送されるものの、ほとんどの場合は弟の転送魔法を利用するだろう。だが、弟がいるのはビシージの舞台になるアルザビであり、弟は蛮族軍の捕虜になってしまうケースがある。冒険者の利便性としても重要な転送魔法タルタル弟が、長く捕虜になり続けるシチュエーションはあまりないかもしれないが、万が一の時にはアトルガン白門のタルタル兄にジュノへの転送をお願いすることもあるだろう。タルタル兄の転送魔法では、ジュノのルルデの庭の中央に転送される。
● 「合成イメージの上級サポート」
アトルガンエリアでは、レベル50から75、メリットポイントの獲得に対応した敵が棲息している。特筆すべきは、いずれのレベル帯の狩場でも移動時間をほとんどかけずに狩りができることだろう。ワジャーム樹林やバフラウ段丘、カダーバの浮沼といったアトルガン皇国、ナシュモに隣接しているエリアでは、レベル50~65のパーティーの対象になる敵が分布している。市街エリアから特別な移動手段を用いることなく1エリアでパーティープレイを開始できるのはかなり手軽だ。 また、70以上のパーティーでは、アサルトでもお馴染みの移送の幻灯を使い、“監視哨”に移動するのが手軽だ。アサルト以外での転送には、皇国軍戦績200の消費が必要になるのだが、監視哨を出た先のエリアには経験値取得に適した敵が分布している。以下に70~の人気ロケーションをピックアップしよう。 ● アズーフ島監視哨経由「カダーバの浮沼」 人気があるエリアは、アズーフ島監視哨を出て1分ほどで狩場に到達するカダーバの浮沼だろう。ここに10数匹出現する「インプ」は、HPが少なく非常に倒しやすい。インプの特殊技で注意が必要なのは、アビリティやWSが発動できなくなる「アブレーシブタンタラ」と、沈黙状態になる「ディフェニングタンタラ」。どちらも範囲技のため、後衛のメンバーごと巻き込まれてしまうと非常に厄介だ。特にディフェニングタンタラには要注意。後衛のメンバーは距離をしっかり置いて、前衛のメンバーの沈黙状態の回復に注意を払えば非常にスピーディに倒していけるだろう。
周囲にはフライ系の敵やドゥーム系の敵も出現するのでこれらを対象に混ぜていくのもよい。アズーフ島監視哨の最大の敵は、モンスターよりむしろ、ライバルパーティーが多すぎることだろうか。コアな時間帯には非常に混雑するため、いかに敵の数が多いと言っても取り合いの状況が発生している。監視哨に移動する前にサーチして混雑具合を確認するのを忘れずに行ないたいところだ。
● マムージャ監視哨経由「バフラウ段丘」 次いで人気があるのは、マムージャ監視哨から程近いバフラウ段丘だろう。ここでは、ドラゴンとヴァーミンのキメラである「プーク」や、「マムージャ」、そして「ワイバーン」が対象となる。いずれも生息数が多いため、5、6パーティーを許容できるほどのキャパシティがある。 広場のマムージャ監視哨側ではプークが多く、そこから西へ行くとワイバーンとマムージャが増えていく。70台前半のパーティーならプークをメインにし、75近辺やメリットポイント稼ぎのパーティならばマムージャをメインにするのが良いだろう。スリプルと黒魔法をメインに展開する黒魔道士を中心にしたパーティーであれば、ワイバーンがオススメだ。
特に気を付けたい特殊技は多くないのだが、プークが放つ“ウィンドシアー”は目を引く。範囲対象の特殊技なのだが、巻き込まれた冒険者は派手に後ろに吹っ飛ばされる。連携時などに放たれると、少々やっかいだ。また、マムージャの中では青魔道士タイプに気を付けたい。これは純粋に青魔法の威力が脅威であるためだ。中でもR.ブレスという前方範囲の特殊技は強烈なダメージが出る。サイレスを率先して唱えて、安全に倒していこう。
● 「ハルブーン監視哨からのゼオルム火山」 上記の2箇所に比べて多少人気は劣るが、代わりに混雑が少ないことが魅力のゼオルム火山。移送の幻灯が開通していない場合でも、バフラウ段丘からハルブーンに入り、エスケプを使うことで目的の狩場の近くへとショートカットが可能だ。対象となるエリアは、「Gates of Halvung」というプレート状の鋳物のだいじなもので開閉する門の奥。プレート状の鋳物は、ゼオルム火山に点在する???を、「Gates of Halvung」を調べた後にエリアチェンジせずに調べることで入手できる。一度入手すれば再度入手する必要はなく門を開けることができる。
対象となる敵はトロール。トロールの特殊技の中で厄介なのは、なんといっても“金剛身”だろう。ストンスキンに近い効果の技だが、ディスペルや魔法のフィナーレでは解除できず、周囲のトロールにも効果が及ぶ。まれに土のエレメンタルが出現するため天候にも気を配りたい。
ここで紹介している以外にも、ドゥブッカ島監視哨からのカダーバの浮沼にいるクトゥルプやラミアでもパーティープレイは可能だが、やはりバフラウ段丘とカダーバの浮沼が圧倒的に人気が高い。人気の高いエリアはいずれも再出現の間隔が5分と速く、獲物に困らないのが素晴らしい。監視哨を利用するということで、移動に皇国軍戦績を200消費することにはなるが、ほどなく取り戻せるはずだ。また、サンクション取得時には魔笛がアルザビにある場合に、食事効果延長、潜在能力リジェネ、リフレシュといった効果が付属するサンクションを戦績150と引き換えに得ることもできる。こちらもぜひ活用したいところだ。
アトルガン皇国の経済の中心である「アトルガン貨幣」とそれらを利用する施設をピックアップしていった本稿。やはり面白いのは、基本通貨であるギルと二次通貨であるアトルガン貨幣が競売所やバザーを通じて繋がっており、その価値はプレーヤーが形成するユーザー市場で決定されていることだろう。一種、株的であり、浮き沈みや需要の増加を想像することで先行投資の対象にもなりえる。それらギルと間接的に繋がっている二次通貨が、戦績によって獲得できることもギルの獲得方法として確実であり嬉しい配慮だ。
本稿で紹介している中では、やはりワラーラターバンが注目のポイントだろうか。高性能な装備品が戦績交換や競売所、バザーでの購入といった様々な取得方法のあるアトルガン貨幣で入手できることが大きい。皇国軍戦績は、モンスターとの戦績以外にもビシージに参加することで得ることができる。戦績やアトルガン貨幣の獲得には多彩な方法が用意されており、バランスよくリンクしている。今後に登場するであろうアトルガン貨幣の利用シーンの拡大と、需要による価値の変動も楽しみだ。 (C)2002-2006 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年6月18日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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